Hello! My Name Is 404│今日も映画ですか? https://www.eiga-8.com Mon, 06 Mar 2023 05:44:42 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.1.5 https://www.eiga-8.com/wp-content/uploads/2019/06/cropped-a-32x32.png Hello! My Name Is 404│今日も映画ですか? https://www.eiga-8.com 32 32 映画オタクが選ぶ!スティーヴンスピルバーグが監督した映画ランキングBEST30! https://www.eiga-8.com/eiga8/spielberg/ Mon, 06 Mar 2023 05:44:42 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10363 映画界を代表するクリエイターといえば、誰もがスティーヴン・スピルバーグの名前を挙げるでしょう。

彼は世界でもっとも有名な映画監督であり、大衆映画から賞向きの作品まで、さまざまな映画を制作しています。

代表作を少し挙げても、『ジョーズ』、、『ジュラシック・パーク』、『E.T.』、『シンドラーのリスト』などなど、時代を代表する名作ばかりです。

今回はそんなスピルバーグ監督の全作品を観た筆者が、独断と偏見でランキングを作っていく記事になっています!

監督作は最新作『フェイブルマンズ』も含め、39作あるのですが、長くなりすぎたので30作に絞りました。

では、どうぞ!

 

スピルバーグ映画ランキング

30位 1941

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Nbcユニバーサル エンターテイメント

1941年、アメリカが真珠湾攻撃を受けた日から6日後の12月13日の南カリフォルニアを舞台に、日本軍が攻めてくるという恐怖の中での住民たちの一日の行動をコメディ・タッチで描く。

映画.comより抜粋

『ジョーズ』と『未知との遭遇』の後に制作された映画。監督作が大ヒットを飛ばし、スタジオ側にも「スピルバーグくん、好きな映画作っていいよ」って言われたのか、かなりやりたい放題している作品です。

ダン・エイクロイド、ジョン・ベルーシら『ブルース・ブラザース』コンビをはじめ、日本から三船敏郎が参戦していたり、大スターのクリストファー・リーが出演していたりと、出演者はかなり豪華!

異色のスピルバーグ映画を観たいならぜひ!

29位 ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

ジュラシック・パークでの悲劇から4年。イアン・マルコム博士はインジェン社の会長ハモンドに呼び出され、ジュラシック・パークに恐竜を供給するための遺伝子工場「サイトB」がイスラ・ソルナ島にあることを知らされる。閉鎖されたまま放置された島では、恐竜たちが繁殖・野生化しているという。ハモンドから島の調査を依頼されたイアンは危険であることを理由に断ろうとするが、恋人である古生物学者サラが既に現地入りしていることを知り、彼女を助けに行くことに。しかしハモンドの甥ルドローはパークの再建を企てており、島に恐竜ハンターたちを送り込んでいた。

映画.comより抜粋

世界中でヒットした『ジュラシック・パーク』の続編。基本的に続編を監督しないスピルバーグですが、本作はみずから監督を務めています。評価は微妙ですが……。

主人公がマルコム博士に交代となり、予算が増えたのか、前作以上に恐竜マシマシの映画に。「加減が大事よ、加減が……」とツッコミたくなりますが、サービス精神と考えれば、これ以上に楽しめる恐竜映画はなかなかありません。

28位 タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密

17世紀に洋上でこつ然と消えた帆船「ユニコーン号」の模型を偶然手にしたタンタンが、模型のマストに隠された暗号を解きユニコーン号の財宝を手に入れようとする者たちに追われながら冒険に出る姿を描く。

映画.comより抜粋

スピルバーグが唯一監督した、3Dアニメ映画。モーションキャプチャーが使われた作品で、公開から10年以上経った今でもヌルヌル動くアニメに驚くこと間違いなしです。

内容も『インディ・ジョーンズ』シリーズを彷彿とさせる、冒険映画なので、老若男女問わず楽しめる、スピルバーグらしい映画といえるでしょう。

27位 戦火の馬

第1次大戦下、農家の少年アルバートは毎日を共にしていた農耕馬のジョーイを軍馬として騎馬隊に売られてしまう。フランスの戦地に行くことになったジョーイを探すため、アルバートは徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、激戦下のフランスへと向かう。

映画.comより抜粋

第1次世界大戦を背景に、馬と飼い主の絆を描いていく作品。

スピルバーグは戦争映画を多く手掛けているイメージがありますが、実はほとんどが第2次世界大戦のもの(『プライベート・ライアン』『シンドラーのリスト』『1941』など)で、第1次世界大戦の映画は今作が初です。

戦争の過酷さというよりは、感動大作になっているので、評価が分かれる作品ではあると思います。

26位 宇宙戦争

湾岸地帯で働く平凡な労働者レイが、別れた妻との間にもうけた子供たちと面会するその日、突如現れた“何者か”が容赦なく町を破壊していく。レイは子供たちとともに生きるために町を逃げ出すが……。

映画.comより抜粋

超ハイテクな宇宙人が地球を攻めてくる、古典的なSF小説を映画化した作品。古典SFだからと侮るなかれ。ストーリー自体はありきたりに思えるかもしれませんが、9.11テロを彷彿とさせる映像の数々が撮影され、スピルバーグの容赦のなさがあらわれています。

東日本大震災に対する『シン・ゴジラ』のような位置づけの映画でもあるし、優しい宇宙人ばかりを描いてきたスピルバーグがめずらしく攻撃的なエイリアンを取り上げた作品でもあります。

25位 ブリッジ・オブ・スパイ

保険の分野で着実にキャリアを積み重ねてきた弁護士ジェームズ・ドノバンは、ソ連のスパイとしてFBIに逮捕されたルドルフ・アベルの弁護を依頼される。敵国の人間を弁護することに周囲から非難を浴びせられても、弁護士としての職務を果たそうとするドノバンと、祖国への忠義を貫くアベル。2人の間には、次第に互いに対する理解や尊敬の念が芽生えていく。

映画.comより抜粋

敵国のスパイの弁護を担当することになった男と、スパイの関係を描いた作品。1960年代に起きた「U-2撃墜事件」を基にしていて、劇中のストーリーはすべて実話です。

脚本は『ノー・カントリー』のコーエン兄弟が担当。興行的にも批評的にも成功し、アカデミー賞へのノミネートも受けています。

24位 インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

89年のシリーズ第3作「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」以来19年ぶりの続編となる今回は、米ソ冷戦下の1957年を舞台に、南米アマゾンの山奥に眠る秘宝クリスタル・スカルを巡って、考古学者インディ(ハリソン・フォード)とソ連の精鋭部隊が争奪戦を繰り広げる。

映画.comより抜粋

『インディ・ジョーンズ』シリーズの第4作目。批評的には失敗し、問題ありな映画と見なされていますが、僕は結構好き。公開当時、中学生だった僕は、超常的な力を持つクリスタルスカルにワクワクしたのを覚えています。

特に注目したいのは、一度見たら忘れられない“アリ”のシーン。これはトラウマになりますね。

23位 インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説

前作より1年前の1935年。上海のナイトクラブでマフィアとトラブルになったインディは、クラブの歌姫ウィリーと現地の少年ショーティを連れて逃亡するが、飛行機が墜落しインドの山奥に不時着してしまう。寂れた村に辿り着いた彼らは、この村の子どもたちが邪教集団にさらわれ、村の秘宝「サンカラストーン」も奪われたことを知る。奪還を依頼されたインディたちは、邪教集団の根城であるパンコット宮殿へと向かう。

映画.comより抜粋

『インディ・ジョーンズ』シリーズ第2弾。時系列的には1作目よりも前の話。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で俳優業に復帰した、キー・ホイ・クアンがショート・ラウンド役で出演しています。

1作目よりも大衆向けになった印象で、笑える部分も多めです。しかし、サルの脳みそを食べさせたり、そこそこグロテスクな描写があるのが玉に瑕。ちなみにスピルバーグが初めて“続編”に挑戦した映画でもあります。

22位 オールウェイズ

仕事中に死んだ森林火災消火隊員が、なおも恋人を見守り続ける姿を描くファンタジー・ドラマ。

映画.comより抜粋

スピルバーグ監督作品というよりは、オードリー・ヘプバーン最後の出演作として有名な映画です。出演時間は長くありませんが。多くの人がオードリー・ヘプバーンに目が行ったためか、スピルバーグ映画の要素は薄めです。

21位 ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

巨匠スティーブン・スピルバーグ監督のもとで、メリル・ストリープとトム・ハンクスという2大オスカー俳優が初共演を果たした社会派ドラマ。ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、政府がひた隠す真実を明らかにすべく奔走した人物たちの姿を描いた。

映画.comより抜粋

ベトナム戦争時のアメリカを舞台に、政府が隠していた文書・ペンタゴンペーパーズをスクープした記者たちを描いた伝記映画。政府の裏側を描いているのはもちろんのこと、「そもそも記事にしていいのか?」といった記者たちの葛藤も描かれています。

こんなメッセージ性の強い映画を、超絶娯楽作の『レディ・プレイヤー1』と同時進行で作っていたのだから、スピルバーグってすごすぎる……!

20位 ウエスト・サイド・ストーリー

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誰もが知る名作ミュージカル『ウエストサイド物語』をスピルバーグが映画化した作品。音楽とかストーリーはそのままなのですが、「移民と白人の恋」というテーマが今の時代にマッチしているように思えます。

スピルバーグ唯一のミュージカル映画で、なにをやらせてもスピルバーグはやっぱり凄かったという話に落ち着く。

19位 BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント

ロンドンの児童養護施設に暮らす好奇心旺盛な少女ソフィーは、真夜中に窓から入ってきた巨大な手に持ち上げられ、「巨人の国」に連れて行かれてしまう。ソフィーを連れ去ったのは、夜ごと子どもたちに夢を届ける、優しい巨人BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)だった。ひとりぼっちのソフィーは、自分と同じく孤独なBFGと心を通わせていく。

映画.comより抜粋

原作は『チョコレート工場の秘密』などで知られる、ロアルド・ダールの児童文学。一見、恐ろしい巨人が少女と仲よくなっていくというもので、いつの時代も、どんな人でも楽しめる魅力があります。

子ども向けというわけではなく、しっかり恐ろしい要素を入れてくるのがロアルド・ダール。そして、その恐ろしい部分をちゃんと映画の中でも再現してくれるのがスピルバーグ。

18位 リンカーン

貧しい家に生まれ育ち、ほとんど学校にも通えない少年時代を送ったリンカーンだが、努力と独学で身を立て大統領の座にまでのぼりつめる。しかし権力の座に安住することなく奴隷解放運動を推し進めたリンカーンは、一方でその運動が引き起こした南北戦争で国が2つに割れるという未曾有の危機にも直面していく。

映画.comより抜粋

名優ダニエル・デイ・ルイスがリンカーンを演じ、オスカーを獲得した作品。日本だとリンカーンのことを知る機会があまりないと思うので、新鮮な気持ちで楽しめる伝記映画になっています。

リンカーンと言えば奴隷制度の撤廃で有名ですが、その裏には南北戦争だったり、保守派からの反対だったりと、さまざまなことが起きていました。日本だったら江戸時代の末期。すごい時代だ。

17位 A.I.

『2001年宇宙の旅』などで知られる、スタンリー・キューブリックが企画していた映画で、彼が亡くなった後にスピルバーグが引き継いでいます。そのため、ほかのスピルバーグ映画と比べると、ちょっと違和感のある仕上がりに。

もちろん、名作であることは変わりなく、人工知能の存在理由などは的確に未来を描いているといっても過言ではありません。ジュード・ロウ演じるロボットが切ないんだこれが。

16位 フック

大人にならないはずのピーターパンが、40歳のおじさんになった世界を描いたファンタジーアクション。大人になったピーターは完全に記憶をなくしていて、寂しい人生を送っているという設定なので、せめてディズニーアニメ版の『ピーターパン』は観ておきたいところ。

ロビン・ウィリアムズがピーターパンを演じ、宿敵・フック船長をダスティン・ホフマン、スミーをボブ・ホスキンスという、かなり豪華な面々が揃っているのもポイントです。

15位 未知との遭遇

メキシコの砂漠で、第2次世界大戦中に消息を絶った戦闘機が当時と変わらぬ姿のまま発見された。一方、アメリカのインディアナ州では大規模な停電が発生。復旧作業に向かっていた電気技師ロイは、発光する謎の飛行物体と遭遇する。それ以来、何かに取り憑かれたようにその正体について調べ始めたロイは、やがてワイオミング州のデビルズタワーという山にたどり着く。

映画.comより抜粋

スピルバーグの代表作と言っても過言ではない、超名作SF!要は宇宙人とのファーストコンタクトものなんだけど、宇宙人と出会うまでにさまざまなドラマがあって、家族愛なんかの要素も入ってくる。

このランキングで紹介する中で、もっとも“スピルバーグらしい”映画だと思う。脚本も自ら執筆しているし、父親が主人公だしね。実は宇宙人のスタンダードになったグレイタイプが広まった映画でもあります。

14位 インディ・ジョーンズ 最後の聖戦

1938年。考古学者インディは富豪ドノヴァンから、キリストの血を受けた聖杯の捜索を依頼される。最初は渋っていたインディだったが、行方不明になったという前任者が自分の父ヘンリーだと知り引き受けることに。ベネチアで父の同僚シュナイダー博士と合流したインディは、父から託された聖杯日誌を頼りに、聖杯の在り処を示す手掛かりをつかむが……。

映画.comより抜粋

『インディ・ジョーンズ』シリーズ第3作目。インディの父・ヘンリーが登場する唯一の作品で、ジェームズ・ボンド役で有名なショーン・コネリーが演じています。

ほかの作品よりも謎解きが多かったり、「ロマン」を感じるシーンが多いです。そして、やっぱり父と息子の関係性が描かれる、スピルバーグらしい映画なんですよね。

13位 E.T.

アメリカのとある森に、地球の植物を調査するため宇宙船が飛来する。人間たちの追跡が迫り、宇宙船は逃げるように飛び去りが、その際に1人の異星人が取り残されてしまう。森のそばに暮らす少年エリオットは、その異星人と出会い家にかくまう。兄と妹を巻き込み、E.T.と名づけた異星人と交流を深めていくエリオットたちだったが……。

映画.comより抜粋

もはや知らない人はいないといってもいい、超名作SF。この映画を観たことがなくても、宇宙人声で人差し指を重ねたことは誰しもあるはず。USJで昔アトラクションがあって、名前を呼んでもらった記憶が。

特に注目したいのが、ジョン・ウィリアムスが手掛けたテーマソング。地球が舞台の映画なのに、どこか宇宙、そして未知の世界を感じさせる壮大なテーマは、『E.T.』の名作度をさらに高めています。

12位 マイノリティ・リポート

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西暦2054年。ワシントンDCでは予知能力者を利用して凶悪犯罪を予知する画期的なシステムが開発され、犯罪予防局が犯人を事前に逮捕することで、犯罪件数は激減していた。そんなある日、犯罪予防局の凄腕捜査官ジョン・アンダートンは、自分が36時間後に殺人事件を起こすと予知されたことを知る。しかもその被害者となるのは、ジョンとは全く面識のない見ず知らずの男だった。

映画.comより抜粋

まだ起こっていない犯罪を事前に予知し、事前に逮捕できる制度が整った近未来が舞台のSFアクション。犯人を追うはずの捜査官が、なぜか未来に犯罪を犯すと予知されてしまうという、先の展開が気になる映画です。

主人公はなぜ犯罪を犯すことになってしまうのか? そもそも予知のシステムに間違いはないのか?

さまざまな問題が浮上するなか、物語は予測もできない方向に舵を切っていきます。

11位 太陽の帝国

スティーブン・スピルバーグ監督がイギリスの作家J・G・バラードの半自伝的小説を実写映画化し、日本占領下の中国を舞台に、捕虜収容所で生きるイギリス人少年の成長を描いた戦争ドラマ。

映画.comより抜粋

ポスターが『E.T.』と若干似ていることで有名な戦争映画。スピルバーグが題材にすることの多い第二次世界大戦もので、子役時代のクリスチャン・ベールが出演しております。

日本に占領された場所が舞台にになるので、日本人の役者さんたちも出演。伊武雅刀、ガッツ石松などなど、「ハリウッド映画出てたの?」って驚く人達が出演してます。

10位 フェイブルマンズ

スピルバーグが自身の青年時代を映画にした、自伝的な作品。スピルバーグがどのような映画に影響を受け、そしてどの出来事が作風に繋がってくるのかがよくわかります。特に父との関係とかは、いかにもスピルバーグらしい。

ドラマとしても面白いのですが、スピルバーグのファン向けな映画であることも事実。少なくとも何作か監督作を観てから、映画に臨むのがおすすめです。

9位 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

実在の詐欺師フランク・アバグネイルをモデルに、パイロットや医師になりすまして巨額の詐欺を働いた若き天才詐欺師と、彼を追うFBI捜査官が繰り広げる追跡劇を軽妙なタッチで描く。1960年代。高校生のフランクは両親の離婚をきっかけに家を飛び出し、生活のため小切手詐欺に手を染めるがなかなか上手くいかない。ある時、パイロットになりすませば簡単に人を騙せることに気づいた彼は、各地を飛び回りながら小切手の偽造を繰り返すように。やがて、FBIのベテラン捜査官ハンラティが捜査に乗り出す。

映画.comより抜粋

実在した詐欺師をモデルにしたクライム・サスペンス。普通の若者がさまざまな役職になりすまし、人を騙し、巨額の富を得ていく、若干サクセスストーリーの要素もある作品です。持たざる者が才能を使って、持っている者から奪う。この子気味よさが、映画の人気に繋がっているのかと。

詐欺師をディカプリオが演じていて、どうしても憎むことができない男を好演。たしかに、これだけカリスマ性があれば、騙されてしまうのも納得かも?

8位 ターミナル

飛行機に乗っている間に祖国がなくなり、パスポートが無効になってしまった男を描いたドラマ。主人公はどこの国にも属さない人間になってしまうので、空港に取り残されてしまうんです。で、国に戻ることもできないから、何か月も空港で暮らすことになって……というお話。

ハートフルな映画で、今も多くの人から親しまれています。舞台になったのはNYのJFK国際空港で、アメリカに行けば聖地巡礼ができます。たぶん。

7位 ミュンヘン

1972年9月5日、ミュンヘン五輪の選手村にパレスチナの武装組織が侵入し、イスラエル選手11人を殺害する事件が発生。イスラエルの諜報機関モサドはその報復として、首謀者11名の暗殺計画に乗り出す。暗殺チームのリーダーに任命されたアブナーは妊娠中の妻を置いてヨーロッパへ渡り、標的を1人ずつ抹殺していく。

映画.comより抜粋

実際に起きたミュンヘンオリンピック事件を描いた伝記映画。スピルバーグ映画の中では、特に大人向けな作品で、目を背けたくなる演出も使われています。

ドラマチックな映画というよりは、事件を淡々と描いていくドキュメンタリータッチの作品なので、好みは別れるかも。

6位 シンドラーのリスト

ナチスドイツによるユダヤ人虐殺を描いた、言わずと知れた名作。個人的には観返したくない映画第1位。世界中の誰もが知っておくべき、事件が描かれますが、辛すぎて観るのに体力と覚悟が必要です。

まだ観たことがない方は、ぜひこの作品からスピルバーグ映画を始めてみてほしい。

5位 レディ・プレイヤー1

『シンドラーのリスト』や『ミュンヘン』とは打って変わって、超大作娯楽作。ゲームの世界に入り込み、さまざまなサブカルチャーへのオマージュやコネが盛りこまれています。中には日本のソニックやサンリオキャラ、ゲームだと『オーバーウォッチ』とか、アニメだと『AKIRA』とか、もう何でもあり。

特に80年代のカルチャーが好きな人には強くおすすめしたい!もちろん、スピルバーグ映画が好きな人にもおすすめ!

4位 レイダース/失われたアーク《聖櫃》

第2次世界大戦前夜の1936年を舞台に、旧約聖書に記されている十戒が刻まれた石板が収められ、神秘の力を宿しているという契約の箱(=聖櫃)を巡って、ナチスドイツとアメリカの考古学者インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)が争奪戦を展開する。

映画.comより抜粋

シリーズ第1弾!この映画は子どもの頃に観たのですが、大人になってもずっと心に残っているし、むしろ成長してからの方が刺さる。古き良き冒険活劇でありながら、卓越したカメラワークと演出により、芸術の域にまで達している傑作です。

岩に追われるシーンとか、どれだけほかの映画やフィクション作品で引用されてるんだっていう。絶大な影響力のある映画であることも特徴ですね。

続編が何本も作られているけど、やっぱり1作目は超えられません!

3位

 

ジュラシック・パーク

 

恐竜を現代によみがえらせ、テーマパークを作ってしまった世界を描いた作品。知らない人はいないと思うし、「ワールド」になってまでシリーズは続いています。

これ1993年に公開された映画なんですが、ティラノサウルスは今と変わらないくらい恐ろしいし、ブラキオサウルスに遭遇したときの迫力と言ったらもはやオーパーツ。現代の技術でも再現できなそうな、圧倒的な恐竜の存在感たるや!

今も色あせない傑作です。

2位

 

プライベート・ライアン

 

娯楽映画を作り続けてきたスピルバーグに、本気で戦争映画を撮らせたらどうなるのか。その結果は『プライベート・ライアン』を観ればわかります。

『ジョーズ』や『ジュラシック・パーク』、『激突!』で使われてきた恐怖感を煽る演出が、戦場に入ってくると、リアリティーが尋常じゃない。画面の中の世界を観ているのに、こちらにまで銃弾が飛んできそうな臨場感は、ほかの戦争映画ではなかなか観ることができません。

特に序盤のノルマンディー上陸作戦のシーンは、何度観てもハラハラしてしまうもの。血みどろになっていく部分も一切隠さず、戦場の恐ろしさをカメラで捉えてしまう、その姿勢。どこから目線だって話ですが、感服です。

1位

 

ジョーズ

 

どのスピルバーグ映画を観ても、結局はここに帰ってくるんですよね。CGもない時代、サメのロボットを作って撮影しようなんて。しかも、それを水に浮かべて、船を襲わせようなんて。よくそんなこと思いつくなと。

そして、この映画を撮影した当時のスピルバーグは弱冠28歳。そんな若造に大金をかけた映画制作を任せるって、相当才能がなければできないことだと今でも思う。スピルバーグはもちろん、制作を決めたユニバーサルの方々にも感謝しかないですね。

ただ、問題があるとすれば、続編がどれも駄作なこと。スピルバーグが続編作りたがらないのも理解できます。そして、サメってそんなに人を襲わないし、好んで食べることもないそうで。あくまでもフィクションとして楽しみましょう。

 

最後に

この記事を書いていて、改めて思うのですが、スピルバーグって本当に名作ばっかり世に送り出してきたんだなと。

微妙な映画も挙げようと思ったのですが、少なからず思い入れがあったりするので、パッと浮かばない……。

『ロストワールド』とか『クリスタルスカルの王国』とかは、酷評されてたりしますけどね。でも、子どもの頃に観ているので、どちらも思い入れがあったりする。

これがスピルバーグの強いところで、ほとんどの作品が子どもでも楽しめるんですよ。『E.T.』とか『未知との遭遇』、最近なら『タンタンの冒険』や『レディ・プレイヤー1』とか、思春期真っ盛りの子どもに刺さる映画をたくさん撮ってる。

もちろん、子どもも観られるからと舐めた映画は撮らず、真摯に向き合っているからこそ、こんなに名作が多いんだなと。

 

そ~んなことを思った次第です。

以上、個人的なスピルバーグ映画ランキングでしたっ!

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『ぼっち・ざ・ろっく』にハマりすぎて、主演の青山吉能に脳内が侵食されている話 https://www.eiga-8.com/anime-zatudan/bochi-the-rock2/ Sat, 04 Mar 2023 07:31:07 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10392 どーも、スルメです。

前回から引き続き、『ぼっち・ざ・ろっく』の話です。

今日はアニメじゃなくて、ラジオの話をしていくよ。

青山吉能って声優いるじゃないですか。ぼっちちゃん役の。ラジオではメインパーソナリティやってる、あの青山吉能です。

この記事読んでてラジオ聴いてない人はいないと思うけど、ぼっち・ざ・ろっくのラジオが、まぁーオモシロイ。
アニラジをとおり越して、人生で聴いたラジオの中で一番オモシロイ。

特にぼっちたいむ。
青山さんのひとり喋りがずっと続くんだけど、例えるなら無人島に漂着したトム・ハンクスくらい面白い。

実は青山さんのことぼざろまで知らなかったんだけど、自分を恥じてるなうです。こんなにアメージングな声優を知らなかったなんて、恥ずかしいなうです。

はぁ。

 

なんとなく分かっていただけると思うんだけど、青山吉能がね、僕の脳内に侵食してきているんですよ。

というのも、ぼっち・ざ・らじお以降、僕は片っ端から青山さんの出演作品を漁ってるのね。
今もWUGと恋愛暴君観てるし、ツルマルツヨシのために絶対やらないソシャゲはじめたのね。

で、役だけじゃなくて、Youtubeチャンネルの生配信とか、ポッドキャストとかで、青山さんのお声を聴いていると、だんだんと乗っ取られるんですよ。頭の中に青山吉能が住んでるみたいになる。

限界オタクの戯言だと思うじゃん?
誰が聞いてもドン引きじゃん?

でも、事実なの。もう頭からこぼれる言葉が、だいたい青山吉能フィルターを通ってるの。

 

問題は僕がライターだという点ですよ。

光栄なことに、結構いろんなメディアで文章を書かせていただいているのですが、書いてると頻繁に「あれ?」ってなる。
「この言葉、いまどっから出てきた?」って。

で、読み返してみると、青山吉能がね、入ってるのよ。文章の節々に。

自然と書いているつもりなのに、テンションがおかしかったり、○○くんとか呼称してたり、自虐ネタが増えたりしてる。
さすがに「勘のいいガキ」とか「バーミヤン」とかはないのだが。

文章以外の普通に話す場面でも、「そ~んな」とか言っちゃうし。あ、これなかなかヤバいな。

原因がみずいろPlaceにあるのか、ぼっち・ざ・らじおにあるのか、しじみにあるのか判らないけど、今はとにかく。

まぁ、光栄ですけどね。嬉しいですけどね。だってオタクだから。

 

とはいっても、これって実はライターあるあるなのかな?と思ったりする。

過去にも綿矢りさ作品を読めば、「さびしさは鳴る」とか使いたくなるし、ラップを聴くと意味もないのに韻を踏みたくなる。

「プチョヘンザ」とか口に出したくなるじゃない?
たぶんそれと一緒。

要するにあれよ。いろいろ掛け合わせて、おもしれー文章書きたいって話に落ち着くのよ。

自分が楽しくて、読者くんのタメにもなって。そんな文章をね、目指していきたいという決意表明です。

 

ってわけで、青山吉能さん及び、ぼっち・ざ・ろっくの大ファンになった僕ですが、

ぼっち・ざ・らじおの公録には行けないという事態に。

抽選にマジ度は反映されないのね。こんなに好きなのに、公録いけないのね。

はぁ。本当に落ち込みます。これだけを楽しみに最近生きてたのに。

まぁ、僕よりぼっち・ざ・ろっくや青山さんが好きな人は、いっぱいいるでしょうから?

その人たちが当選しててくれれば、僕はなんも文句は言わないですよ?

はぁ……。

 

そ~んなわけで、青山吉能さんの大ファンになったという話でしたっ!

 

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『ぼっち・ざ・ろっく』ロスに苦悩する男の独白 「2期はまだか!まだなのか?」 https://www.eiga-8.com/anime-zatudan/bochi-the-rock-1/ Sat, 04 Mar 2023 06:19:46 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10388 どーも、スルメです。

『ぼっち・ざ・ろっく』にドハマリしてます。過去にないくらいハマっています。

今はロスが酷くて、精神的に不安定になるくらい。もうぼざろがない人生は考えられません。

毎日のようにアニメを観て、もう何周したかわかりません。

1話でぼっちがブランコぶらぶらしながら、

「もう学校行きたくないな……」

と呟くシーンで毎回ウルウルします。わかります。僕も学校行きたくなかったから。

そこに現れるゴッドマザー虹夏。そして、磨きぬかれた山田。全方位に愛情を振りまく喜多ちゃん。

「ぼっちちゃんは幸せだなぁ」とか思いながらね。幸せスパイラルをキメちゃうんです。

あ、幸せスパイラルというのは、ぼざろを観て現実忘れるやつね。僕ってば酒は飲めないのね。

 

ぼざろの何がいいって、ぼっちに対する解像度の高さ。
音楽のことはよくわからない。でも、ぼっちのことならよくわかる。

僕自身も例によってぼっちで。
たぶん後藤よりは山田寄りのぼっちだけど、ずっと己のネガティブさを磨いてきたわけ。

文章書くときも「これ炎上しちゃうかな……」とか不安になったりね。逆に誰も読まないでお通夜状態になると、それはそれで悲しかったりね。

どちらかといえば後者の方が多いんだけど、僕も誰かと星座になりたい人生だったわけですよ。絶対忘れてやらない思い出とか、ほしかったわけですよ。

それなのに、今あるのは「忘れたくても忘れられない思い出」か「普通に忘れた思い出」がほとんどで。

高校時代の記憶とかね、もう泡になって消えてる。行方なんて本当にわからないんですよ。
あの頃はなんだかんだキラキラしてたんだなとか、そんなことすら思わないわけでして。

まぁ、なかなかな人生を送っている自覚あるけど、その分ぼざろが刺さったから。報われたから。

 

特に心に来るのは、5話でも8話でもなく、9話の「江の島エスカー」だね。

夏休みが何も起きず過ぎていくあの焦燥感。
まじでブラックホールで時空が歪んでるんじゃないかと思うほど、速く速く過ぎていくの。だからといって、何もできないの。

人生で初めて無力感というか、今後の人生について考えちゃったよね。まだ15歳だったのに。

で、数少ない友達と遊んだ日には、それはもう恥ずかしいくらいにテンション上がって。
普段は写真なんて嫌いなのに、向けられたカメラに笑顔を振りまくわけですよ。

そんな楽しい一日が終わった後の絶望感と言ったらもう……。

だから帰りの電車のシーンなんて、当時の思い出フラッシュバックするのね。「まだまだ楽しいが続くのね!」って喜多ちゃんの笑顔が、なんかね寂しくなっちゃうのね。

 

そして、最終話。文化祭ライブが最高なのは言うまでもないんだけど、日常回でサラッと終わるの、本当に泣く。
後藤の不安が、「明日もバイトかぁ」って日常に溶け込んでいく、あの感じ。

成長とか、前進とか、そうじゃないんだよね。そこにドラマを見出すことができないくらい、ヌルっと日常に溶け込んでしまう巧さ。12話かけて描いてきたことのすべてが、あのセリフに集約されてる。

ただ、ロスを加速させるセリフでもあってね。だって、彼女たちの日常はまだまだ続いていくから。

ヤバいライターに絡まれたり、後藤とは別枠のぼっちが登場したり。下北沢散策回とか、きららといえばの別荘合宿とか。

まだまだ楽しいが続くのに、僕たちには観ることができないの。2期が来るまで、結束バンドのみんなと別れなきゃいけないの。

 

で、改めて2期について考えてみたんだけど、数年待つ必要あるのよね。

今回みたいに音楽と同時進行だろうし、ラジオでクリエイターの方が「2年間付き合った作品」と言っていたし。
もうだめじゃん。2期まで生きてるか、わからないじゃん。

もし2期があったとしても、未確認ライオット編まで行けるかわからないし。

え、もしかして映画化?
2期でライブ審査手前までやって、映画で審査とフェス行く感じ?

 

できれば、2期はやってほしい。

映画化を望むなんて、大それた願望は言わないから。

……だけど、ちょっとそれも期待しちゃうよな。

 

つづきは青山吉能さんとラジオの話です。読んでください。

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映画『フェイブルマンズ』評価と感想(ネタバレ) スピルバーグの濃厚すぎる青年時代 https://www.eiga-8.com/review/the-fablemans/ Fri, 03 Mar 2023 16:20:23 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10384 どーも、スルメです。

恥ずかしながら、もう27歳になりました。27年、本当にあっという間です。

特に二十歳を過ぎてから。特筆すべきことが何も起きず、おそらく5分アニメにしても尺余ります。悲しいです。

『フェイブルマンズ』はスティーヴン・スピルバーグ監督の青年時代の経験を基にした映画で、2時間半を超える超大作です。

僕の青年期は5分アニメにもならないのに、スピルバーグは2時間半。人生の厚みの差を痛感します。

世界一の映画監督と、凡人なのですから当然か。

 

※この記事は『フェイブルマンズ』のネタバレが含まれます

 

フェイブルマンズ

初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になった少年サミー・フェイブルマンは、母親から8ミリカメラをプレゼントされる。家族や仲間たちと過ごす日々のなか、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求めていくサミー。母親はそんな彼の夢を支えてくれるが、父親はその夢を単なる趣味としか見なさない。サミーはそんな両親の間で葛藤しながら、さまざまな人々との出会いを通じて成長していく。

映画.comより抜粋

世界一有名(もう断言する)な映画監督スティーブン・スピルバーグの自伝映画。

『E.T.』『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』『ジョーズ』『インディ・ジョーンズ』『未知との遭遇』『プライベート・ライアン』『レディ・プレイヤー1』

これ全部ひとりの映画監督が撮ってるんですよ。多作なのもありますが、ほぼすべてをヒットさせているし、どの映画も文化の一部になってる。

スピルバーグは映画業界どころか、エンターテイメント業界を変え、世界を変えた監督と言っても過言ではない。

そんなスピルバーグの原点ともなる体験・ストーリーが語られるのが『フェイブルマンズ』です。

評価

僭越ながら『フェイブルマンズ』の満足度を★10段階であらわすと……

 

★7

 

「スピルバーグの一番ではないが……」


別に悪口ではないけど、思ったより普通のドラマ映画でした。

もちろん「スピルバーグの自伝」だからこそ、感動できるものがある。特に父親とのストーリーとか。

細部を観ていけば、彼の監督作に繋がるエピソードがあるわけですが、この映画では意図的に淡々と描いています。

スピルバーグは誰もが認める天才です。そこに異論を唱える人はいないでしょう。

でも、この映画にサブタイトルをつけるとしたら、「そして伝説へ…」とか「新たなる希望」には絶対にならない。

本作は映画監督を目指すひとりの青年がそこにいて、観客の頭の中でスピルバーグと結びつけることで、初めて完成する映画なのです。

ネタバレ感想

伝説にはしない

前述したようにスピルバーグは生ける伝説、映画の生き字引といえる監督です。

彼はドラマ性の強い映画から、完全な娯楽作まで、さまざまな作品を手掛けヒットさせてきました。

映画好きか否かとか関係なく、誰もが知る映画監督だと思うし、誰もが通る映画をたくさん制作してきた人です。

そんな彼の半生なのだから、もはやおとぎ話になってもおかしくない。幼少期から才能の片鱗を見せて、映画を愛し愛され、人々から評価される。

これだけでも十分だし、スピルバーグのファンは彼の伝説を求めているのでしょう。

しかし、この映画ではスピルバーグを神格化せず、映画好きの若者として描き、その人生を淡々と映し出していく。

そこには人喰いザメも宇宙人もVR世界も当然なく、ただ若者なりの問題に立ち向かっていくだけ。

サミーの人生と現実のスピルバーグを結び付けていくのは観客の役目で、その絶妙な余白が本作の肝になっているのです。

 

最近は監督自身の半生をモデルにした、自伝映画が一種のトレンドになっています。

有名どころでは昨年の『ベルファスト』やキュアロンの『ROMA』。
今年は『エンドロールのつづき』も公開されましたし、世界中の監督が自身の映画愛を自伝に込めている中で、『フェイブルマンズ』はその集大成ともいえる作品です。

そもそも世界一の映画監督(これも断言する)であるスピルバーグが自伝映画を作った時点で、これ以上は難しいですよ。

過去を遡れば、キューブリックとかクロサワとか、それこそジョン・フォードとか。

面白いエピソードがありそうな監督は山ほどいますが、存命の監督となるとスピルバーグ以上に興味をそそられる監督がいるだろうか。

強いて言うならルーカスでしょうね。
『スター・ウォーズ』の制作過程とか、スピルバーグと権利を交換する過程とか、映画化してほしいけども、それは『ベルファスト』や『フェイブルマンズ』の流れとは違った興味の引き方だからなぁ。

 

あとはジョン・フォードに出会った後のラスト!

「地平線が真ん中にある映画はつまらん!」と語るジョン・フォードの言いつけを守ってか、地平線の位置をしっかり修正して幕を閉じるという。

この遊び心がね。そして、最後の最後に“監督”本人の存在を感じさせる、映画史上屈指の演出だと思います。

スピルバーグ作品との関連性

ここから超個人的な解釈で語らせてもらいます。

まず、全体的に『未知との遭遇』との接点が多いです。

『未知との遭遇』について説明しておくと、人々が同時に同じビジョンを持ち始め、それが宇宙人との遭遇に繋がるというストーリー。

主人公のロイはビジョンに惹かれるあまり、家族をほったらかしてしまうキャラクターで、『フェイブルマンズ』でポール・ダノが演じた父親と繋がってきます。

で、このロイは、最後の最後で宇宙人と一緒に宇宙に行っちゃうんですよね。

子どものころはロイがなぜ連れて行かれたのか、よくわからなかったんです。けど、『フェイブルマンズ』を観るとロイを旅立たせた理由が腑に落ちたり。

かねてから言われていたことですが、スピルバーグ映画における父親像って「家族を顧みない人」なんですよ。

初監督作の『激突!』からはじまり、『ジョーズ』も『インディ・ジョーンズ』も、父親は家族よりも仕事に没頭する人でした。

誰もが知っていることでも、あらためて自伝として父親を描かれると、すべてに納得がいくというか……うん。

だからこそ、ポール・ダノがオスカーに絡まなかったのが納得いかないですけどね。たぶん彼が演じたのはスピルバーグ映画史上、もっとも大切な“父親”でしたから。

 

あとは故郷(アリゾナ)に帰りたい郷愁が『E.T.』に繋がったりとか、現実以上のものを映してしまうカメラの恐ろしさが『激突!』の演出(悪役の顔がいっさい見えない)に使われるとか、なんとなく後の監督作のきっかけになっていそうなエピソードがありました。

けど、この映画で一番大切なことってサミーが「映画の持つ魔法」に気がついたことだと思うんですよ。

不良の生徒を本人とは別人のように映してしまったあの経験が、彼のクリエイティビティを支える原体験なのかなと。

今もなお、スピルバーグの映画には特別な力が宿っていると思うし、だからこそヒットするんでしょう。

はい、そんな感じで感想終わります。

 

以上。

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【ネタバレ】映画『エブエブ』評価と感想 これがアカデミー賞最有力とか正気か!? https://www.eiga-8.com/review/everything-everywhere-all-at-once/ Fri, 03 Mar 2023 14:54:58 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10378 どーも、スルメです。

いつも知り尽くした天井を眺め、今とは異なる可能性に思いをはせています。スルメです。

先ほど『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』観てきました。

アカデミー賞最有力候補ということで、兼ねてから注目してた作品です。映画好きの皆様も、並々ならぬ期待感を抱いていたのではないでしょうか。

映画の中身を語る前に、まずはこれだけ言いたい。

日本だけ公開遅くね?

本国アメリカだと2022年の3月25日の公開ですよ。劇場公開をとおり越して、もうBlu-rayとか出ちゃったりしてるんですよ。海外にツタヤがあったら、たぶん新作コーナーにも並んでないわけですよ。

さすがに遅すぎないかと。海外で評価されなかったら、平気で配信スルーとかにしそうな勢いでゾッとします。

でもね、映画が最高に面白かったからOKです。

 

※この記事は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のネタバレが含まれます

 

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

経営するコインランドリーの税金問題、父親の介護に反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、
盛りだくさんのトラブルを抱えたエヴリン。そんな中、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”から、
「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と世界の命運を託される。
まさかと驚くエヴリンだが、悪の手先に襲われマルチバースにジャンプ!
カンフーの達人の“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、闘いに挑むのだが、
なんと、巨悪の正体は娘のジョイだった…!

公式サイトより抜粋

2023年におこなわれるアカデミー賞で、最多ノミネートを受けている作品です。

一応、作品賞の最有力候補で、たぶん獲ります。ほかにも演技部門をはじめ監督、脚本、編集、その他もろもろ。要するに、今年(海外なら去年だけど)もっとも期待されている映画です。

評価

僭越ながら『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の満足度を★10段階であらわすと……

 

 

★7

 

「この映画がオスカーってヤバくね?」


はい、想像の10倍くらいカオスな映画でした。

こんな映画がオスカー受賞したら、本当にヤバいです。もちろん、いい意味で。

でも、「知る人ぞ知る」映画だったらもっと好きになってました。「オスカー最有力!」とか言われてますけどね。誰もが評価する映画じゃない。嫌いな人はとことん嫌いで、好きな人は泣くほど好き。そんな映画なんですよ。

だから、ここまだ大々的に宣伝され、評価され、ヒットしているのは違和感があります。

トリップ感のあるドラッキーな映画なのは間違いない。

ネタバレ感想

マルチバースがマッドネス!

この映画はコロコロコミックです。大人が本気で下品なギャグをやって、荒唐無稽なストーリーが展開して、小学生男子が大喜びするアレです。

けど、そのコロコロコミックを大人たちが全力でやって、大人が全力で喜んでます。この映画もぶっ飛んでるけど、この世界観を面白がる世界もぶっ飛んでると思うんですよ。疲れてんのかな、世界。

特にマルチバースをジャンプするときに、「バカバカしいこと」をしなくてはならないという謎の縛り。ディルド感の強いトロフィーを肛門に突き刺したり、突如リップクリームを食べ始めたり。これを本気でやろうとしたダニエルズが一番ぶっ飛んでます。

頭の中で思いついても、実現しようなんて思わないですよ。ベーグルにすべてが全宇宙の命運が託されるって、サウスパークでもやらないですよ。

肛門に異物が入ったままカンフーしたら、そりゃ面白いけども。レミーのパロディしたら、そりゃ面白いよ。

けど、もしあなたが肛門カンフーを思いついたとして、やりますか……?本気で……!

せいぜい面白動画としてYoutubeにアップするのが関の山……!じゃないですか。

「実現しちゃうのがスゴイよね」

コロナだったり、戦争だったり、まったく笑えない現実の中で、こんなおバカな映画で笑わせてくれる。それだけで、満足だったりする。

自分の理解が追い付かない、ぶっ飛んだクレイジーな映画が、今の世の中には必要なのね。

もちろん、ここまでの話は、この映画の表面的な部分でしかないのだけど。

実は親子愛の映画だったりする

そんなクレイジーな映画なんだけど、核の部分は意外と素朴な映画だったりする。主人公のエヴリンは確定申告に追われ、娘や親、夫との関係に悩み、もう手がいっぱい。

正直、どこかのマルチバースより、目の前のあなたの方が震えるほど大事件!な状況なんですよ。世界の運命なんて、託されても困るわけですよ。

で、なによりもエヴリンを悩ませているのが、娘との関係性。娘のジョイはゲイで悩めるお年頃なのに、彼女に寄り添ってあげる余裕がエヴリンにはないんです。問題が山積みで、ジョイの気持ちを理解しつつも、心ない言葉をポイって投げちゃうんです。

これだけの問題を抱えたエヴリンという存在が、マルチバースでの戦いをとおして、娘への愛、夫から受けていた愛、その他もろもろを再認識するって流れで、中身は超素朴。

おしりにトロフィー刺してた映画とは思えないんだけど。ちょっと戸惑うんだけど。

 

そして、主人公のエヴリンは、マルチバースに無数に存在している“エヴリン”の中で、一番ダメなエヴリンなんです。

ほかのエヴリンはカンフーマスターだったり、歌手だったり、シェフだったり、色々な才能を持っているのですが、主人公のエヴリンだけは何も持っていない。彼女が持っているのは、家族の問題と山積みになった領収書だけです。

この設定が非常に巧く作用していて、スゴイ使い古されてそうだけど「君には無限の可能性がある」って話にも着地するわけで。

一見、平凡なエヴリンにも、ハリウッドスターになる世界があるわけです。その気になれば、シェフにだって、カンフーマスターにだってなれるんだと。

僕にもいるだろうか?超絶イケメンで全人類からモテているアメージングな別世界の僕が。いたとしたらぜひともジャンプしたいね。ケツにトロフィーツッコむのは嫌だけどさ。

キャスト

最後にキャストの話。ミシェル・ヨーは出ずっぱりで、ひとりなん役もこなしているのに、よく混乱しないなと。観ている方は混乱して当然ですが、ダニエルズの説明を直接聞いたキャストも多分理解できないでしょ。この内容は。

「次のシーンでは、両手がソーセージになります。で、そのあとは肛門にトロフィー突っこんだ相撲レスラーの能力を持った警備員と戦って、その次はベーグルに吸い込まれそうになる娘を助けます。あ、その前に特殊能力を持ったカーティスさんに愛の告白をしてください。えー……」

うん、文面だけだとわけわからん。僕ならエイプリールフールなんじゃないかと、撮影寸前まで疑います。少なくとも、オスカー級の名作になるなんて、予想できないね。

そんな映画なのに、俳優部門で4人もノミネートを受けるという。

キー・ホイ・クアンなんて、俳優復帰1本目ですからね。誰もが目を見張る演技でしたし、人柄の良さもにじみ出ていましたが、ショート・ラウンドがオスカー候補になる未来なんて誰が想像できたでしょう。なんかいろいろな奇跡が凝縮された映画のような気がしてきた。

 

忘れちゃいけないのが、ジェイミー・リー・カーティス。あの生々しさは、もはや笑えない。

日本だと市役所の人は優しいけど、警察とか税務課の人とか、独特な冷たさありますからね。悪気があるのか知らんけど、若干見下されるあの感じ。これ、万国共通なんですね。

僕としては一番冷たいのは免許センターの職員ね。「お前人の心落としてきたんか?」って毎度疑問に思うくらい冷たいのは、何故なんでしょう。どこの免許センター行っても、いつ行っても、入り口の人から冷たいからなー。

まとめると、ジェイミー・リー・カーティスの演技がスゴイって話です。最後にはちゃんといい人になるし、免許センターの人々も本当は温かい人なんでしょう。

最後に

もうマルチバースはお腹いっぱい。

いつも言ってるけど、もういいよ。マルチバース。

マルチバースサーガとか言うけどさ。『エブエブ』が出てきた時点で、もうこれ以上は無理よ。キャストの豪華さで誤魔化すしかないよ。

 

以上

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映画『カラダ探し』ネタバレ感想と評価 リスクのないデスゲームとキレすぎチェンソー https://www.eiga-8.com/review/karada-sagasi/ Mon, 20 Feb 2023 06:19:31 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10349 『カラダ探し』をホラー映画と捉えたらアカンですよ。

この映画は孤独な少女の怨念が、若者たちのキラキラ青春の餌食になる映画です。

要はホラーを媒介にした『ブレックファスト・クラブ』でございます。キラキラな青春時代を送れなかった俺は、苦痛で顔を歪ませるしかありません。

そんなわけで、今回は『カラダ探し』のネタバレレビュー。映画を観た方のみお読みください。

 

『カラダ探し』

7月5日、女子高生の森崎明日香は、校内でいるはずのない幼い少女と出会い、「私のカラダ、探して」という不気味な言葉をかけられる。不思議な出来事に違和感を覚えつつも、いつも通りの一日を終えようとしていた明日香。しかし、午前0時を迎えた瞬間、気が付くと彼女は深夜の学校にいた。そこには明日香の幼なじみで最近は疎遠になっていた高広と、普段は接点のないクラスメイト4人も一緒にいた。困惑する6人の前に、全身が血で染まった少女「赤い人」が現れ、6人を次々と惨殺していく。すると明日香は自室のベッドで目を覚まし、7月5日の朝に戻っていた。その日から6人は同じ日を繰り返すことになり、そのループを抜け出す唯一の方法は、とある少女のバラバラにされたカラダをすべて見つけ出すことだった。

映画.com

『カラダ探し』の評価

僭越ながら『カラダ探し』の満足度を★10段階であらわすと……

 

 

★3

 

「緊張感がなさすぎるね」


ホラー映画なのかも怪しい。描写的にはホラーに感じる部分もありますが、普通に青春映画でよろしいのでは。

怖くないどころか、追われているのにハラハラせず、いまいち苦労も伝わってこない。

ただ、終盤からはしっかりリスクを負うことになるので、映画も動き出すのだが……。前半はなにを見させられていたのでしょう。

 

※以下、『カラダ探し』のネタバレが含まれます

 

『カラダ探し』感想

デスゲームなのにリスクほぼなし!

主人公たちが巻きこまれるデスゲーム「カラダ探し」は、深夜の学校に転送され、出会ったら即死な“赤い人”から逃げつつ、女の子の身体のパーツを探すというもの。要するに『バイオハザード』です。タイラントやドミトレスク夫人から逃げつつ、探索するみたいな。

ただ、カラダが見つけられず、赤い人に殺された場合、同じ1日が何度もループします。「カラダ探しをした」記憶だけが残り、無傷でその日の朝に戻されると。

これってさぁ、リスクほぼないよね

死に戻りだったら、『リゼロ』とか『サマータイムレンダ』みたいに、戻る場所が徐々に変わっていくとか、ある程度のリスクがないと困ります。

時間制限があるわけでも、目が見えなくなるわけでもない。ただ、朝に戻されて、仲のいい友達と遊ぶ日々が続くだけ。高校生からしたら大歓迎じゃないですか?

一応、殺される痛みや追われる恐怖はあるでしょうが、何度もくり返せば慣れそうですし。

実際、主人公たちは前日殺されたトラウマが残るわけでもなく、楽しく海で遊び、図書館で駄弁り、青春を謳歌する始末。

君たち今デスゲーム中なんだよ? 同じ1日ループしてるんだよ? 明日は来ないんだよ?ってことを、忘れそうになるほどの緊張感のなさ。

こんな話なら、別にデスゲームじゃなくたって、それこそ居残りでも、委員会活動でも、なんでもよくない?って思っちゃうわけですよね。

「完全にブレックファスト・クラブだな」

80年代の映画に『ブレックファスト・クラブ』って青春ものがありまして。

その映画は居残りさせられた、グループの違う高校生同士が仲よくなるって話で、ホラー以外のプロットはまんま『カラダ探し』です。

で、『ブレックファスト・クラブ』では仲よくなった生徒たちが、こんな疑問を抱きます。

「居残りが終わっても僕たちは仲よくしていられるの?」

彼らは別のグループに属し、不良だったりオタクだったりお嬢様だったりします。週末の居残りだから仲よくなったけど、普通の学校生活だったら? 僕たちは友達のままでいられるの? そんな切ない疑問を抱きはじめるんですね。

この部分も『カラダ探し』と共通しています。主人公たちは「カラダ探し」が終われば、記憶も消えて、以前のようなバラバラの状態に戻るからです。

果たして本当に「カラダ探し」を終わらせていいのか、明日香は疑問を抱きます。

この葛藤が『ブレックファスト・クラブ』と同じような、切ないドラマを生む……のかと思いきや、意外にアッサリいくじゃない(笑)

ホラーを台無しにしてまでドラマを描いてきたのに、今度は後半のホラー展開のためにドラマを犠牲に。もはや、なにが作りたかったのかわからず、混乱します。

ホラーとしてもダメ、ドラマとしても微妙。せめてどちらかは突き詰めて欲しかったです。

チェンソーキレすぎ問題

映画のラスト、高校のどこにあったのか、チェンソーが登場します。

ホラー&スプラッター好きとしては、「ようやくエンジンかかったじゃない!」と喜んでは見たのですが……

このチェンソー、めっちゃ切れ味いい!!

いや、チェンソーってさ、もっとゴリゴリゴリっギギギギってなって、斬られる側も「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」って感じじゃないの?

それがスパッと頭をタテ割りしてて、もはや日本刀の表現なのよね。断末魔の叫びすらないんで、おそらく赤い人は斬られたことに気がついてないですわ。

『海猿』とか『暗殺教室』とか、大作映画を手掛けてきた監督なのに、これはひどすぎる。

まぁ、この映画を観に来る層は、スプラッターに明るくないだろうし、これが正解なのか……?

最後に

この映画の見どころは、橋本環奈ちゃんが口に腕を突っ込まれる変顔シーンですかね。

キャストがいいだけに、内容が本当にもったいない映画でした。

 

以上。

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【ネタバレ】『アントマン&ワスプ クアントマニア』評価と感想 フェーズ5はさらに複雑化する https://www.eiga-8.com/other/antman-and-wasp-2/ Fri, 17 Feb 2023 06:38:23 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10342 MCUのフェーズ4はよくわからないまま始まり、猛烈な速度で過ぎていきました。

要は『アベンジャーズ カーンダイナスティ』に向けた準備期間だったわけで、フェーズ6を終えないと評価が固まらない模様。

マーベルらしい贅沢さと自信に満ち溢れたフェーズだったことは間違いないようですが。

 

さて、『アントマン&ワスプ クアントマニア』より、フェーズ5がはじまり、準備期間も終了!

これから一気に加速していく模様ですが、その第1作目となる大役をアントマンが務めるとは、なかなか攻めております。

思い返してみれば、アントマンは誰よりも宇宙の平和に貢献した男ですから、当然と言えば当然か。

ってことで、以下感想です。

 

※この記事はMCU全作品のネタバレが含まれます。

『アントマン&ワスプ クアントマニア』の作品情報

あらすじ

「アベンジャーズ エンドゲーム」では量子世界を使ったタイムスリップの可能性に気づき、アベンジャーズとサノスの最終決戦に向けて重要な役割を果たしたアントマンことスコット・ラング。ある時、実験中の事故によりホープや娘のキャシーらとともに量子世界に引きずり込まれてしまったスコットは、誰も到達したことがなかった想像を超えたその世界で、あのサノスをも超越する、すべてを征服するという謎の男カーンと出会う。

映画.com

キャスト

主演を務めるのは前作から引き続き、ポール・ラッド。MCU以外では、『40歳の童貞男』とか『奇人たちの晩餐会』など、コメディ映画に多く出演してきた人ですね。その経歴もあって、『アントマン』シリーズはMCUきってのコメディ作品だったのですが、本作からはシリアス寄りになるようで。突然の方針転換ですが、ポール・ラッドなら大丈夫という謎の安心感があります。

一方、悪役のカーンを演じるのは、ジョナサン・メジャース。若手といえるくらいの俳優ですが、MCUの「マルチバース・サーガ」のラスボスに大抜擢。実は『ロキ』にも出演していて、カーンの変異体である“在り続ける者”を演じていました。

そのほかにも、『ゴースト・バスターズ』シリーズでおなじみのビル・マーレイや、レギュラーキャストのマイケル・ダグラス、ミシェル・ファイファー、エヴァンジェリン・リリーが出演。

キャシー役は『アベンジャーズ エンドゲーム』からリキャストされ、『名探偵ピカチュウ』のキャスリン・ニュートンが演じています。

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『アントマン&ワスプ クアントマニア』の評価

僭越ながら『アントマン&ワスプ クアントマニア』の満足度を10段階であらわすと……

 

★6

 

「従来の作風の方が好きだった」


『アントマン』シリーズは地に足がついたというか、絶対に単独で宇宙なんか行かないし、強すぎる敵とも戦わない、親愛なるヒーロー像が魅力だったと思うのです。元犯罪者でもあるしね。

前作まではある種のクライム映画で、キティちゃんのペッツとかトーマスが巨大化するなんて、面白演出もありました。

結果的にタイムマシン開発に繋がるとはいえ、前作もかなり小さな話だったし、アントマンの能力と相まってそこが魅力でもあった。

けれども、本作はアベンジャーズを何度も壊滅させてきた“征服者”がヴィランで、世界観も大幅にスケールアップ。スコットとキャシーの関係性を主軸に、量子世界を描きつつ、最強の敵と戦う、かなり忙しい映画でした。

面白いことは間違いないんだけど、『アントマン』にこの作風を求めているかと言われると……。うーん……。

 

※以下、ネタバレが含まれます

『アントマン&ワスプ クアントマニア』感想

アントマン、量子世界へ旅立つ

アベンジャーズの一員として世界を救い、過去の罪も許され、サンフランシスコの住人たちから愛されるようになったアントマンこと、スコット・ラング。しかし、ヒーロー活動はしておらず、人類のために研究するホープやピム博士とはちょっと距離を置きがち。ヒーロー活動を綴った自伝を発表(この自伝は『ミズ・マーベル』にも登場)したりして、今後の活動に悩んでいたりする。

そんなときに娘のキャシーが量子世界を探索する装置を発明。しかし、向こうにいる何者かがスコットたちの居場所を探知して、5人を量子世界に引きずりこんでしまいます。

前作でも舞台のひとつになった量子世界ですが、本作ではしっかり知的生命体がいて、独自の文化を発展させていることが判明。しかも、追放された征服者カーンが帝国を築き上げ、住民たちを恐怖で支配していました。そんなカーンに捕まったスコットは、囚われたキャシーを救うため、カーンの野望を手助けしてしまう。

 

前作まではサンフランシスコが舞台で、MCUではめずらしい、真っ直ぐなカーチェイスを披露したりする映画だったんですけどね。今回は舞台がすべてCGで、もはや『スター・ウォーズ』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』状態。これまでの『アントマン』どこに行ったんだ?ってくらい、ガラッと作風が変わっています。

量子世界の描写もめちゃくちゃ力が入っているのですが、昨年公開された『ストレンジワールド』と被るんですよね。ゲームだったら『ノーマンズスカイ』とも似てるし、どこか既視感がある。ただでさえ『スター・ウォーズ』感が否めないのに、ちょっと新鮮さに欠けるかなと。

「なぜ前作には登場しなかったんだ?」

一応スコットも5年間(地上世界の時間で)囚われていたし、一瞬ですが前作でピム博士も量子世界に行ったのに、カーンの存在に気がつかなかったのが不思議。少なくとも、トニーとかブルースは『エンドゲーム』で研究しているし、気がついてもおかしくないのですが。

 

そんな感じで、世界観に関しては疑問を持たざるを得ませんが、スコットとキャシーの親子関係は非常にエモーショナルなものになってました。

『インフィニティ・ウォー』でサノスに囚われたガモーラに向けて、スターロードが引き金をひく、あの感じ。解釈一致とはまさにこのことで、「スコットなら絶対こう動くだろうな」といった期待をけっして裏切らない。たとえその選択が宇宙を破滅させたとしても、世界と天秤にかけてもキャシーを選択するスコットに、目頭が熱くなりました。

 

その一方で、なかなか量子世界での出来事を語らないジャネットには、心底腹が立ちましたが(笑)

「今は黙って私に従って」とか言わなくても、移動しながらサクッと話せばいいじゃない。観客としても量子世界のことがわからないまま物語が進むし、ストレスがたまる。「マルチバースのエンジン直して、カーンを逃がしちゃった~」ならまだしも、正しい選択をしたし、別に話せばよくない? 秘密にする必要はどこにあったの?

「キャシーは後で助けに行きましょう」とか、よく言えたなそんな無責任なこと。天才のはずなのに、若干空気読めない人に映るのは、もったいない。

征服者カーン

本作のメインヴィランになったカーンは、時間を移動することができる、MCU史上屈指の強敵です。しかも、マルチバースに散らばるカーンの中でも、特に悪い奴が登場します。量子世界にいる理由も、ひど過ぎて他のカーンに追放されたからですしね。たったひとりで量子世界に帝国を築き上げてますし、アントマンからすれば、あまりにも強すぎる敵です。

カーンはドラマ『ロキ』にも登場していて、すでにMCUに参戦済み。とはいえ、『ロキ』のカーンと、『クアントマニア』のカーンは別人ですし、性格もかなり異なります。ラストに登場したようにカーンは変異体が大勢いて、おそらく彼らの侵攻が『アベンジャーズ カーンダイナスティ』に繋がってくるのかと。

ただ、本作で最強のはずのカーンがアリに倒されるところを見てるからなぁ……。あの勢いを観てしまうと「アベンジャーズ必要なくね? アント、アッセンブルすればよくね?」と思わずにはいられない。ピム博士ひとりでだいたいの敵に勝てるよね?

「今回はひとりだけの登場だったけどね」

とはいえ、ジョナサン・メジャースの演技は、サノスを演じたジョシュ・ブローリンにも劣らない。むしろ実写で登場するぶん、カーンの方が怖いかもしれない。最初は紳士的な態度だけど、実はかなり短気とか、ヴォルデモートぽいですね。

ほかにもさまざまなカーンを同時に演じるみたいですし、『カーンダイナスティ』は本当に凄いことになりそう。

ジョナサン・メジャースは『クリード』新作でも悪役を演じるようで、早い段階で凄い人をキャスティングしましたわ。さすがマーベル?

 

あとモードックほどの良キャラを、1作で退場させるとは……。しかも、正体が1作目の悪役という、『アントマン』シリーズでしか通用しないキャラになるなんて。当たり前のように今後も登場すると思っていたからさ。

彼も最期にアベンジャーズ入りできて、嬉しかったでしょう。良いところはあまりないけど。

ポストクレジットシーンについて

カーン評議会の映像は文字どおり『カーンダイナスティ』への布石でしょうが、問題はロキとメビウスが登場した部分。

過去に戻ったロキとメビウスが、カーンの変異体と遭遇するシーンで、完全に今年配信される『ロキ』シーズン2に続くシーンでした。メビウスは記憶をなくしているはずなので、カーンの恐ろしさを分かっていない。今現在でカーンを知っているのは、アントマン一行とロキだけです。

このふたつのシーンから考察するに、やっぱりフェーズ5と6では、カーン(とその変異体)が立て続けに登場するようで。ファラオのラマ・タトは『ムーンナイト』の黒幕的な存在だったり、たぶんTVAを乗っ取ったカーンも『ロキ』で登場するはず。

カーンの変異体がフェーズ5、6の作品に登場して、『カーンダイナスティ』でアッセンブルするのが理想ですかね。フェーズ4はウォンばかり登場するから、「フェーズ・ウォン」なんて言われてましたけれども、今後はフェーズ・カーンになりそう。

最後に

フェーズ5の出だしから躓くようなことはなかったですが、方向性を完璧に示したかとはいえないかと。

もうMCUに入るのは容易ではない(フェーズ4だけでも50時間以上!)し、ここ最近は余計に敷居が高くなったような気がする。

そんな難易度高めのMCUですが、次の作品は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』!

予告編から「マルチバース?うちには関係ないね」といった孤高の存在であることが伺えるし、久しぶりにシリーズを考えることなく、本気で楽しめそうな映画です。

 

以上。

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映画『バビロン(2023)』評価と感想(ネタバレ) これはハリウッドに対しての挑戦状か!? https://www.eiga-8.com/review/babylon/ Tue, 14 Feb 2023 08:39:25 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10332 黄金期のハリウッドに幻想を抱いていた人にとって、『バビロン』は良くも悪くも衝撃的だったでしょう。

きらびやかに見えたあの時代も、結局は不完全な人間が作り出したものであって、決して“夢のような世界”ではない。

ハリウッドはその事実に対して、どう反応すればいいのか困っているのか、賛否は大きく分かれ、作品賞にもノミネートされなかったようで。

ただ、僕にとっては「映画好きでよかった!」と改めて実感させてくれる、まごうことなき傑作だったと最初に明記しておきます。

50年代以前のハリウッドが大好物なのよ。このカオスな感じがたまらないし、タイムマシンがあったら絶対この時代に行く!そして、グレタ・ガルボの演技をこの目で観るんだ……!

という感じで、興奮冷めやらぬままのレビューになります。

 

※この記事には『バビロン』のネタバレが含まれます

バビロン

あらすじ

夢を抱いてハリウッドへやって来た青年マニーと、彼と意気投合した新進女優ネリー。サイレント映画で業界を牽引してきた大物ジャックとの出会いにより、彼らの運命は大きく動き出す。恐れ知らずで美しいネリーは多くの人々を魅了し、スターの階段を駆け上がっていく。やがて、トーキー映画の革命の波が業界に押し寄せ……。

映画.com

評価

僭越ながら『バビロン』の満足度を★10段階であらわすと……

 

★7

 

 

「噛めば噛むほど味が出る映画かもね」


チャゼルの映画って、妙な中毒性がありますよね。『セッション』や『ラ・ラ・ランド』なんか特に。

『ラ・ラ・ランド』がハリウッドや映画に対してのラブレターだとするならば、『バビロン』は挑戦状です。

これまでソフトに描かれてきたものを、酒もドラッグも色恋沙汰もパワハラも、すべてを隠さずに映像化してしまった映画だといえます。

どこまでが史実で、どこまでがチャゼルの創作か、曖昧な部分も含めて非常に挑戦的な映画だったことは事実でしょう。

これはハリウッドに嫌われる。「暗黒の歴史が暴かれた!」とかいいませんが、観た人のハリウッドに対するイメージを一新してしまうから。

僕はむしろ、あのカオスなハリウッドだからこそ、名作を生み出せたと受け取りますけどね。

 

※以下、ネタバレあり

感想

裸族しかいない最悪で最高のオープニング

本作のオープニングは『ラ・ラ・ランド』とは打って変わって、ドラッグとセックスと裸体にまみれた、最高に汚くて、最高に美しいパーティーからはじまります。『ラ・ラ・ランド』も『バビロン』も、ハリウッドが見ている夢のようなオープニングなわけですが、本作は完全に悪夢だな。

誰も音楽を真剣に聴こうとなんてしてなくて、別室では若手女優と遊ぶ重役の姿があったり、みずからを売り込もうとする女性の姿があったり、まさかのゾウが乱入したりとやりたい放題。

スキャンダルがそこら中に転がってるのに、ライターはなにをやってるんだ!って感じですけどね。もはやアレくらいの狂乱はスキャンダルにすらならないのかもしれませんが。

「これはすごい映画だと確信したよね」

そこに飛び込んでくるのが、女優志望のネリー・ラロイ。マーゴット・ロビーが演じているのですが、彼女がまた曲者で。映画なんて出たことないのに自分がスターだと思いこんでいるんですよ。

「どうやったら女優になれますか?」なんて疑問に思った時点で、その人には才能がないと言いますが、やっぱりスターになる人間は格が違う。そして、マーゴット・ロビーが登場した時点で、映画の方向性がなんとなく理解できてしまう。つまり、この女優、ネリー・ラロイの栄光と破滅を描くのだと。

オープニングのパーティーには、すでにスターになっているジャック(ブラッド・ピット)と、映画業界で働きたいマニー(ディエゴ・カルバ)の姿もあって、この一夜が彼らの運命を変えていきます。

カオスすぎる映画撮影

今の撮影現場は違うと信じたいですが、この時代のスタジオはパワハラと暴力のオンパレード。撮影中に死体が発見されたり、スターめがけて本物の槍が飛んできたりと、何でもありな状況。これが史実かどうかは定かではありませんが、この混沌とした時代から名作が生まれてきたと思うと感慨深いものがあったりもします。

で、この映画の舞台となるのが、トーキーとサイレントのちょうど境目の時代。それこそ『雨に唄えば』や『アーティスト』などで描かれてきた、ハリウッド最大の転換期ですね。

この時代のなにが凄いかっていうと、トーキーになったことで、映画スターの地位が大きく揺らいでしまったこと。これまでは映画スターと舞台役者の壁が厚かったためにキレイに差別化されていましたが、トーキーになると映画俳優もセリフを言わなくてはなりません。

もちろん彼らは舞台俳優ほど発声を訓練していませんし、観客からも「え、こんな声だったの?」とギャップに引かれてしまうこともしばしば。そのせいでサイレント映画のスターたちは、徐々に仕事がなくなっていったんですね。

『バビロン』ではジャックにその役割が与えられていて、彼は観客に笑われ、駄作の仕事しか来ない事態に。まさに栄光と衰退を体現するキャラクターになるわけです。

彼のような俳優はトーキーが当たり前になった今の時代では、目が向けられることがほとんどないので、今の時代の人の目にどう映るのでしょうか。声が変とか演技が下手(笑われてはいたけど)とか、これといった欠点を持たないのもポイントで、“時代遅れ”の一点だけでフェードアウトしていく理不尽さが本当にやり切れない。

「映画の持つ哀しい一面でもあるよね」

救われないラストも含め、彼のような俳優が実在したということを、本作をとおして多くの人が知ることになるのではないでしょうか。そして、彼らは映画の中で永遠に生き続け、今でも観ようと思えば、その輝かしい姿を観ることができます。これが映画の素晴らしさのひとつであると、僕も思うのです。

さらに、ジャックの言うとおり、映画は一般市民が日常を忘れられて、夢を観ることができる娯楽です。映画館という日常から切り離された場所で、遠い国や誰かの頭の中で起きた世界を垣間見ることができる。こんなに素晴らしい娯楽を僕をはじめたとした庶民が楽しめるなんて、映画って本当にいいものですよね。

すべては続いている

映画のラスト、LAに戻ってきたマニーは、劇場でかかっていた『雨に唄えば』を観て、涙を流します。

一応補足しておくと、『雨に唄えば』は本作と同じようにサイレントとトーキーの転換期を舞台にした映画です。でも、主人公のドンはトーキーを受け入れて、ハッピーエンドで終わるんですよね。

実際は『雨に唄えば』ほど生易しいものじゃなかった。ジャックのように自殺した人もいれば、ネリー・ラロイのように失踪した人もいたかもしれない。スタジオで暑さに苦しみ、撮影中に槍で刺され、マフィアに追われた人もいたかもしれない。正直、そこだけ切り取れば、ハッピーエンドでも何でもないんですよね。

しかし、しかしですよ。彼らのような、僕らが名前も知らない誰かがいたことが、今の時代の映画に繋がっているんです。それって結果的には超ハッピーエンドじゃないかと。

ラストに『雨に唄えば』から『アバター』まで、時代を代表する映画たちの映像が流れます。つまり、過去の映画人がいたからこそ、今の映画があり、そしてその映画を観ている僕たちがいるってことを3時間数分使って、チャゼルは伝えたかったんだと僕は受け取りました。サイレントとトーキーの狭間に取り残された人たちは、巡り巡って今の映画人たちに影響を与え、彼らの意思は今も映画の中に息づいていると。

出演した映画だけじゃなくて、映画という文化の中で永遠に生き続ける。何度でも言いますが、映画って本当にいいものですね

最後に

キメゼリフのように「映画って……」を使いましたが、僕は90年代後半生まれなので水野さんの解説を見たことはありません。

それにしても、マーゴット・ロビーがオスカーノミネートされないってマジかよ。

『バビロン』向こうでは人気ないんですかね~

 

以上。

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【ホグワーツレガシー】ハリポタガチ勢がネタバレありで語る! 驚異的な作りこみがもたらすものとは https://www.eiga-8.com/game-review/hogwarts-legacy/ Tue, 14 Feb 2023 01:59:25 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10325 『ホグワーツレガシー』が面白すぎて、マグルの生活に順応できなくなりそうです。

週末の時間をぜんつっぱしてプレイしたのですが、映画だけでなく、原作の要素もゴリゴリ入ってて、ハリポタにガチハマりしていた小学生時代の自分にプレイさせたら、人生狂っちゃうレベル。

で、ひと段落したから他の人のレビュー読んでたんですが、「いや、君ハリポタ知らんだろw」って動画とか記事が多すぎ。

ゲームとして面白いのは当然なんだけど、やっぱり一番の功績は魔法ワールドをゲームの中に再現させたことですから。ある程度の知識を持って挑まないと、100%楽しむことは到底不可能なんですよね。

というわけで、ハリポタガチ勢を自称する僕がそれっぽくレビューする記事になります。

 

※『ホグワーツレガシー』及び、『ハリーポッター』全作品のネタバレが含まれます

ホグワーツレガシー

「ハリポタガチ勢」を自称したからには、一応僕のハリポタ経歴を語っておきます。

映画は全部観てて、若干問題ありげなファンタビも追い、原作も当然全部読み、「クィディッチ今昔」や「幻の動物とその生息地」などの教科書類、舞台作品も履修済み。ダイアゴン横丁に行きたすぎて、ひとりでフロリダのユニバーサルスタジオまで遠征するほどには好きです。

とはいえ、ゲーム作品は不満が多すぎて、あまりプレイできてないのが現状。個人的にはハリーの同級生になって、騎士団にも死喰い人陣営にもなれるゲームを妄想してましたが、『ホグワーツレガシー』は現状ファンがもっとも理想とするゲームなのは事実でしょう。

ただ、不満点も結構あるんですよね。ゲームとしての面白さに文句はないのですが、“魔法ワールドの再現”という面においてはハリポタ好きだからこそ、気に入らない部分もあります。

そんな感じで、『ホグワーツレガシー』のレビューに進んでいきます。

ホグワーツの作りこみ

ハリポタ知らない人でも伝わってくるであろう、ホグワーツの圧倒的な作りこみ。実はホグワーツ全部をまるっと紹介した作品は、本作が唯一なんじゃないでしょうか。映画でも印象的なロケーションが切り取られるだけで、どことどこが繋がっているとか、理解しにくかったし。その点、実際にホグワーツを歩いて探索できるのは、原作ファンにとっても貴重な体験になるかと。

で、どれほどこのゲームが凄いかと言いますと、映画だけじゃなくて、原作の要素もしっかり取り入れている点です。

たとえば、ポルターガイストのピープズは映画には登場しません。めちゃくちゃ重要キャラなのに、ホグワーツにいないのって違和感しかないんですよね。一方、本作は探索してたらピープズが顔を出すし、メインストーリーにも関わってくるしで、妙にしっくりくる。「僕が頭の中で描いてたホグワーツってこんな感じだったわ~」と、しみじみしちゃう。

ほかにも梨をくすぐったら厨房への扉が現れたり、隻眼の魔女の像からハニーデュークスまで行けたり、原作で頻繁に使われたロケーションが映像として表現されているのは感動を覚えます。

映画版から引用されている部分も多くて、たとえば闇の魔術に対する防衛術の教室は映画そのままだし、大広間に入ったときの感動といったら……。

これほど忠実に再現されていると、ロケ地めぐりができるわけですよね。「ここでダンブルドアが殺されて、ハリーがここから見てた」とか、「この通路を通って秘密の部屋に行く」とか、聖地巡礼に近いことがゲームの中で行えるわけです。

もうこれだけでお金を払うには十分なのに、ホグワーツの外にもさらに広い世界が広がっていると。「これはもうゲームオブザイヤーでいいのでは?」と、ティアキンやスターフィールドを無視してしまいたくなる作りこみです。

不満点

ここからはいくつか不満点を挙げたいと思います。

呪文の数が少ない

これは色んなところで言われていると思いますが、もっと呪文使いたい。ダンブルドアに怒られそうだけど、できればド派手な呪文を使いたい。あと姿あらわし使いたい。

ただ、戦闘があまりにも忙しくなるし、使わない呪文も増えてくるから、仕方がないのか……?

アロホモラくそめんどくさい

鍵開け呪文のアロホモラ。『スカイリム』とかにおけるピッキングにあたるシステムですが、これが本当にメンドクサイ。失敗という概念もないし、鍵もやたらと多いし、いちいちやらせる必要があるのだろうか。

しかも、スマートに鍵を開ける呪文のはずが、ピッキングて。魔法の意味ないやん。

生徒たちなかよしすぎ

「これ、組み分けする必要なくね?」と思うくらいに、寮同士の仲が良すぎる。せっかくスリザリン入ったのに、ハッフルパフに入った気分になるほど仲がいい。

「この時代はそこまで差別意識がなかった」と言ってる人もいますが、寮による思想の違いって作品にとってかなり重要だし、そこをカットしてホグワーツと名乗るのはどうかと思う。あまり面白くないストーリーよりも、生徒同士の繋がりや対立を描いてほしかった。

さらには、純血やマグル生まれに関する話題もあまり出てこないのも気になります。そもそもハリポタはイギリスの階級社会を如実にあらわしている作品ですから、適度な居心地の悪さとか、生徒たちの意識深くに根付いている価値観とか、そういったものが描写されないのはダメでしょ。

奥深さとか異文化を味わえるのが魅力だったのに、そこを無視して善悪の戦いだけをやらされるのは、やっぱり違和感がありますね。

ストーリーがいまいち

ハリポタって世界観だけじゃなくて、ストーリーもしっかり面白かったはずなんですよ。原作に比べたらかなり短縮されてる映画版ですら、面白いですから。それなのに、こんなに時間があって、語るストーリーが全然入ってこない。時間的には映画8作品全部ひっくるめても、お釣りがくるくらいあるはずなんですが。

かなり制約あるとはいえ、ストーリーがつまらなくてメインクエスト追う気がしないもんなぁ。

最後に

不満なところはあるものの、ハリポタファンが満足できる唯一のゲームだと思います。

この先、ホグワーツの完全再現とか数十年なさそうだから、本当に唯一のゲームなんだな。

まだコンプしてないので、プレイは続けますが、さすがに心折れそう。

 

以上。

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【考察】『ホグワーツ レガシー』にダンブルドアが登場する可能性は? 原作のキャラや死の秘宝はどこに? https://www.eiga-8.com/game2/hogwarts-legacy-kousatu/ Mon, 06 Feb 2023 06:02:32 +0000 https://www.eiga-8.com/?p=10315 ついに発売が間近に迫ってきた『ホグワーツ レガシー』

ハリーポッターの世界を冒険できるということで、シリーズファンである僕も大いに盛り上がっているのですが……

原作のキャラはどうなってんの??

というのがもっぱらの疑問です。

このゲームの舞台は1890年代でして、ハリーポッターはもちろん、ファンタビよりも前の世界なんですよね。

当然、ニュートもハリーもいない時代なのですが、生きている人もいるので、この記事ではそのあたりを考察していこうと思います。

 

※この記事は『ハリーポッター』及び、魔法ワールドの全作品のネタバレが含まれます

 

【ホグワーツレガシー本編のレビューはこちら】

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ホグワーツレガシーの時代とダンブルドア

このゲームは1890年代の魔法界(正確には1891年?)が舞台であり、主人公は5年生でホグワーツに編入してくるようです。

で、1890年代に魔法界でなにが起きるかといいますと、アルバス・ダンブルドアの入学と卒業なんですよね。つまり、ダンブルドアが主人公の後輩としてホグワーツに入ってくることは、半ば確定しているようなもの。

ほかにも気になることがちょこちょこあるので、考察していきたいと思います。

アルバス・ダンブルドア

ダンブルドアがホグワーツに入学するのは1992年。本作が1991年をスタートにしているなら、その1年後、主人公が6年生のときにダンブルドアがやってくる計算になります(そもそも主人公の卒業まで描くのか謎ですが……)。

で、ホグワーツに入学する前年に、父親がアズカバン送りになるというトラブルがダンブルドアを襲っています。

ダンブルドア自身は在学中も超がつくほどの秀才なのですが、若き日の彼は性格面に問題があったようで。実際に卒業後には後に闇の魔法使いになるグリンデルバルドと親友になりますし、力を追い求めていたのは事実でしょう。

そんな少し影のあるダンブルドアが描かれれば、シリーズファンとしてもこれ以上ない喜びなのですが……。

お察しのとおり、JKローリングの問題発言もあり、本編のキャラクターが出せるかは未知の領域。「本編とは関係ないよ」を前面に押し出すために1800年代に設定したはずだし、ダンブルドアを出してくるでしょうか。

とはいえ、「1年生から秀才だった」設定がダンブルドアにはあるから、グリフィンドールに入寮したら無視はできないはず……。

その他生きているキャラクター

カスバート・ビンズ

魔法史の教授で、ホグワーツトップクラスでつまらない授業をすると評判?の人物です。

実はハリーたちも彼の教えを受けているんですが、映画本編では登場しなかったかな?

彼はゴーストなので、基本死にません。1890年代はすでにゴーストになっているのか、それとも生きているのか不明ですが、授業はつまらないはず。

エルファイアス・ドージ

ダンブルドアと同じ年にホグワーツに入学した魔法使いです。ダンブルドアの親友でもあり、後に不死鳥の騎士団にも参加しています。映画では「死の秘宝 PART1」に登場しました。

僕の勝手なイメージですけど、ハリーとロンのような親友というよりは、完全に上下関係がある印象。陽キャの周囲にいる奴といいますか、対等な関係だったグリンデルバルドとは大きく違うはず。

とはいえ、ダンブルドアが出るなら、近くにいなきゃおかしいくらいのキャラなので登場希望。

ニコラス・フラメル

賢者の石を作り出した錬金術師。1890年代当時は550歳くらいかな? すでに賢者の石を作り出しているので、不老不死状態です。

学生だったダンブルドアと親しくなっているはずですが、本体が登場する可能性は限りなく低いでしょう。名前だけが登場するパターンは全然あると思いますが。

バチルダ・バグショット

歴史学者で、ゴドリックの谷に住んでいる魔女です。彼女もまた、ダンブルドアと親しく、グリンデルバルドとの関係を知っていました。

ホグワーツで使用される教科書の著者でもあるので、ニコラス・フラメルよりは登場する可能性がありそう。

本編の人物と関係のあるキャラクター

フィニアス・ナイジェラス・ブラック

名前のとおり、シリウスと同じブラック家の出身。シリウス以外のブラックと同じく、スリザリン出身です。

1890年代にはホグワーツの校長を務めていましたが、ダンブルドアのように生徒を思いやる(空回りすることもあるが)人物ではなく、完全な純血主義。

マグル生まれを差別することは当然で、生徒からの人望はなかったようです。

マチルダ・ウィーズリー

ホグワーツの副校長で、ウィーズリー家の先祖にあたる魔女です。

変身術の教授であり、グリフィンドールに所属していたことからも、マクゴナガル先生と被りますね。

ただ、最低な校長と名高いフィニアスとは普通に敵対しそう。

死の秘宝はどこに?

所在はわからなくとも、確実に存在している死の秘宝。

もちろん登場する可能性もあるので、その所在地を1つずつ見ていきましょう。

蘇りの石

石の最初の持ち主であるカドマスが死亡した後、石はゴーント家に受け継がれていました。

そのため、1890年代には指輪に加工され、トム・リドル(ヴォルデモート)の祖父であるマールヴォロ・ゴーント、もしくはその父が保有していたものと思われます。

最終的にはトム・リドルの手に渡るのですが、それはかなり先の話なので、出てくるとしたマールヴォロ・ゴーントと一緒にかな。

透明マント

最初の持ち主であるイグノタスはポッター家の先祖であるため、この時代もポッター家の誰かが持っていると思われます。ただ1度だけポッター家を離れたことがあって、唯一ポッター家の者以外の所持者がダンブルドアでした。

最終的にはハリーに返却し、そのままジェームズへと受け継がれていくので、本作に透明マントが登場するのは難しいでしょう。

透明になるだけならマントを使わなくてもいいし、どうやら魔法で透明になれるようなので、余計に登場しないかな。

ニワトコの杖

ほかのふたつとは異なり、ニワトコの杖は時代によって所有者が変化しています。ただ、歴史的に空白の期間があるのも事実です。

ゲームの時代ではおそらく杖職人のグレゴロビッチが保管していたはずですが、これもグリンデルバルドに盗まれるまでは定かではないので、ギリギリ登場してもおかしくはない……かなぁ?

行方不明の時期に主人公が持っていて、グレゴロビッチに渡って、グリンデルバルドに盗まれる……という流れなら、かなり無理やりですが不可能ではないかも。要はニワトコの杖使いたい!って話なのですが。

 

【ホグワーツレガシー本編のレビューはこちら】

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最後に

ホグワーツレガシーが楽しみすぎる。

発売されたらレビューをアップすると思うので、またどうぞ。

 

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