劇場版『映画 ゆるキャン△』ネタバレ感想と評価 この5人には大人になっても一緒にいてほしい

スルメ
どーも、スルメです

いよいよ公開となった『映画 ゆるキャン△』

僕は高校時代に山岳部に所属していて、結構というか、かなり親近感のあるアニメなんですよね。

ただ、僕の山岳部はなでしこが入らなかった“体育会系”に相当する部活で、正直キャンプというよりもサバイバル。

標高2000mを優に超えるキャンプ場で、フリーズドライのカップ麺を食べ、風呂も入らず山中を練り歩き、たまに熊注意の看板に怯え、夜は男同士でくっつくしかないほど寒かった記憶しかありません。

それを経験していると、「“ゆる”なんてぬるくて……」とか思ったりしたんだけど、アニメ本編はめちゃくちゃ好き。

ラジオはもちろんのこと、先日開催されたTVアニメの上映イベントにも参加したし、映画も当然のごとく楽しみにしていました!

キャンプに対する熱もワキワキと上がってきて、あと一押しあれば、金も友達もないのに、キャンプを始めちゃいそうな勢い。

映画が“あと一押し”になることを祈りつつ、初日の初回で鑑賞して参りました!

映画 ゆるキャン△

あらすじ

大人に成長したリンは、偶然名古屋にやってきた千明と再会します。現在の千秋は山梨県が持て余している土地を、キャンプ場にしようと計画していて、リンにも声をかけました。

そして始まったキャンプ場作り。野クルのメンバーや、斉藤さんも参加し、数年ぶりに5人での共同作業が始まるのですが……。

作品解説

TVアニメ『ゆるキャン△』の劇場版作品。TVアニメでは高校生のなでしこたちが描かれましたが、本作では大人に成長し、それぞれ一人立ちしている野クルや、リンたちの物語となっています。

そんな本作の監督を務めたのは、TVアニメから引き続き、京極義昭(以下、敬称略)。ストーリーは完全オリジナルのものになっていて、原作漫画にもないエピソードです。

キャスト陣はなでしこ役の花守ゆみり、リン役の東山奈央など主要キャストは続投。

大人に成長しても、『ゆるキャン△』の雰囲気のまま、映画が楽しめそうです。

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『映画 ゆるキャン△』評価

ストーリー★★★★☆ 4/5
キャスト★★★★★ 5/5
演出★★★☆☆ 3/5
映像★★★★☆ 4/5

総合評価 ★ 7/10

 

「大人になっても変わらないものがある」


学生時代が終わって、皆それぞれの会社に就職すると、昔の友達に全然会えなくなるじゃないですか?

自分も含めて、みんな忙しいし、予定が会わなくなるのも当然なんだけど、ふとした瞬間に一緒に過ごした学生時代を思い出したりする。そんで、久しぶりに会うと、昔と同じように語り合えたりするんだよね。

そんな誰もが経験する出来事が、『ゆるキャン△』の中に落とし込まれていて、高校生とはひと味違う社会人アニメとして非常に完成された映画でした!

 

もちろん、徹底したクオリティーのキャンプ描写も健在。

僕は「ガチキャン▽」しか経験した経験したことがないので、「キャンプでのんびりするって概念もあるのか~」と、このシリーズを観て初めて知りました。

飯テロも続くし、豪華なキャンプ飯が何度も登場するけど、どうしてもカレー麺が食べたくなりますね。シーフードじゃないんだよなぁ。

 

※以下、『映画 ゆるキャン△』のネタバレが含まれます。まだご覧になっていない方はご注意を

 

『映画 ゆるキャン△』感想

大人になったみんな

アニメや原作では高校生だった野クル+αのメンバーたちも、今ではすっかり大人に。リンは名古屋へ、なでしこは東京、斉藤さんは横浜、あおいと千明は地元と、それぞれバラバラに生活しています。

年齢に関しては明言されないのですが、あおいが小学校の教師になっている点から、高校卒業から4年は経過しています。また、あかりが「東京の美大に進学している」とのセリフもあったので、TVアニメの2期から最低でも8年後。実際はキリよく10年後って設定なのかな。

ということは、現在のなでしこたちは25、26歳くらい。偶然にも僕と同世代です。

全員がそれぞれの仕事先の近くに住んでいるし、数年会えていなかったみたいですが、メッセージ上では繋がっていた様子。高校時代の友達で、同じ部活だったのに全然連絡とらない奴とか当たり前にいるし、とりあえず5人が今でも仲がよくてホッとしました。そしてキャンプ場作りに全員が興味を示すことも。

誰か一人でも「仕事あるから~」とか言いはじめたら映画にならないし、当然といえば当然なのですが。現実的に考えるとこれが奇跡に近いから、この時点で感動する。

そして、それぞれの成長(年齢的な)も描かれています。なでしこは車の免許を取得し、千明はグビ姉2代目になり、すでに転職経験あり。リンも残業疲れで変な夢を見たり、斉藤さんは……まぁ色々ありそうな雰囲気。

「みんな大人になったんだな……」

とはいえ、精神的な部分では高校生の時から変わらず。全員ノリと行動力を兼ね備えていて、いつもの『ゆるキャン△』の雰囲気が楽しめました。

 

また、キャンプとは別に「大人になること」が意外にもちゃんと描かれていた点が、かなりポイント高いです。

高校生の時はランプひとつ買うのに苦労していたなでしこも、今やもう大人。野クルの面々もギアを必要以上にケチることなく、学生時代は買えなかったものも簡単に手に入れることができます。

でも、「昔より楽しくなるのか?」と言ったら、そんなことはないわけで。

当時のなでしこの周囲には、当然のように野クルメンバーがいて、お金はなくても次のキャンプの予定を立てたり、落ち葉で焚火してコーヒー飲んだりしてました。「はやく大人になりたいな~」とか思いながら。けれども、いざ大人になってみると、劇中で描かれたとおり、意外とみんなと遊べなかったりする。そして、学生の時には当たり前だった日常が、実はすごく特別な時間だったことに気がつくわけです。

ほとんどの社会人が経験するであろう、学生時代を懐かしむ感情が映画の中でリアルに息づいていて、ドラマ部分も本当に心を動かされました。

TVアニメは癒される作品だったけれど、映画に関しては大人向けでしょう。ゆるさの中にも苦味をきかせていて、それでも前に進んでいくなでしこたちがまぶしい。アニメや原作とは違った視点から、彼女たちの物語を楽しめたと思います。「大人の苦みとか求めてねーよ!」とか言われちゃ、それまでなんだけど。

ぜひですね。この路線でほかのアニメも映画を作ってほしいなと。大学卒業後の唯とか、大人になったごらく部の面々とか、賛否は分かれそうだけど僕は見たい。

あと、僕にクリティカルヒットしたのが、あおいの「嘘やで~」の流れ。

TVアニメでは無意識で“嘘つきの目”に変わって、嘘が見破られるって展開もありましたが、本作では「まさかそんな使い方する!?」ってくらい、感動的なシーンで使われてまして。

あおいの嘘もそうだし、敢えてツッコむ千明のリアクションも最高。僕は第1期の5話で、なでしことリンが観ていた夜景が繋がっていく演出がめっちゃ好きなのですが、そこにも匹敵するくらいの「嘘やで~」でした!

一応、エンディングでは“嘘つきの目”で、生徒たちに「そばう どん」を教えているあおいの姿も。

お仕事アニメとして

本作は「キャンプ場を作ろう!」ってことで、野クルの面々が再び集結していくストーリーです。キャンプ場を作りはじめて、自分たちがキャンプから貰ったものを今度は人に与えていこうとします。

で、キャンプ場作りの場面はお仕事アニメとしても楽しめる部分なのですが、かなりツッコ見どころは多い(笑)

まず、上映時間の関係上、企画はすんなり通ります。一番大変そうな周辺住民たちとの付き合いも、千明が先に済ませていて、3分しか時間がない料理番組みたいなダイジェスト感がある。キャンプ場になるといったら、一人くらいは反対する人いそうですが。

そして、仕事の合間を縫ってキャンプ場作りを進めていくのも違和感が。映画を観る前は長期休みで一気にやるのか?と思っていたのですが、まさかの通い。

斉藤さんは横浜に住んでいるらしいんで、予定地まで道が空いていても2時間くらいはかかりますね。リンの住んでいる名古屋から山梨も、大体200キロくらいはありそうなんで、バイクで飛ばしても3時間くらいかな。これは道が空いていた場合で、土日祝で混んでたらもっとかかります。

この距離を“仕事の合間を縫って”はきつくないですか? たまにお墓参り行くとかとは、わけが違いますからね。

「全員集合してなかったりしたけど……」

そんなリアルなところをツッコんでも仕方ないんで、次はストーリー的な問題。

映画中盤で予定地から土器の化石が発掘され、作業は一時中断に。遺跡が発掘されたなら、キャンプ場よりも史料館にした方がよくない?みたいな流れになります。そこから、どんな手段で元のルートに戻すのかと思いきや、かなりの強行突破!

「え、そんなんいける?」とファンである僕も不安になる企画が、まさかの一発OK。ちょっと無理に思えるし、やるならしっかり企画を考える段階から、5人を映し出して欲しかった。

終盤の道案内のシークエンスも、存在している意味がわからないし、リンのバイクは直前のシーンで出した方が熱かったよね。

さらに文句があるとすれば、鳥かごとプラネタリウムのくだり。“再生”のテーマを回収するため、どうしても鳥かごは残さなきゃダメだったんだろうけど、プラネタリウムと繋げるのはダメですわ。普通に空見あげれば、プラネタリウム以上に綺麗な星空が浮かんでいるわけだし。僕はあかりが美大に入った情報を聞いて、「あかりが鳥かごをどうにかするのか!」と勝手に納得していたんですが、美大生はそんなに万能じゃないですね。

飯テロ祭りやでっ!

『ゆるキャン△』といえば飯テロ。食べ物がおいしそうなアニメランキングを作ったら、たぶん1位。ジブリの謎ブタとは違って、意外と簡単に作れる料理なのも人気の理由でしょう!

映画版での飯テロシーンを紹介してくと、(★5段階評価)

超序盤でチキン的なものを、トルティーヤに包むキャンプ飯。劇場でもらった漫画には、「トルティーヤは皿を使わないからキャンプに最適!」と書いてありまして、外で食べたらかなりうまそう(★4)

千明とリンの飲みシーンで、手羽先と刺身が登場。リンが箸を一切使ってなかったのが気になるけど、これはまぁ美味しそう。(★3)

千明が梱包されるシーンでリンが飲んでたホットコーヒー。缶コーヒー(あったか~い)は、外が寒ければ寒いほどうまくなる不思議(★3)

続いてカニ鍋。「カニを食べると無口になる」の名言どおり、ひたすらもしゃもしゃ食べるシーンが続きます。僕はカニ嫌いなんですが、アニメで見るとそこそこ美味しそう。(★2)

初キャンプの時に作っていたサーモン鍋。僕は火の通ったサーモンが嫌いなのですが、そこそこ美味しそう。石狩鍋も同様(★2)

リンとなでしこが食べていたカップ麺。僕は『ゆるキャン△』を見るまで、カップ麺(カレー味)がそんなに好きじゃなくて。大体シーフードを選んでいたのですが、アニメを観て以降、カレー麺の地位が大幅に向上しました。ってことで(★5)

※記憶にあるものから抜粋

ということで、一番の飯テロシーンはやっぱりカレー麺でした!原点回帰ってやつだね。

何がおいしそうって、演じている花守さんと東山さんの“すすり音”が上手すぎる。確かラジオでもお話されていたと思うんだけど、リアルなのに、ちょっとデフォルメされていて食欲がそそられる“すすり”なんですよ。今晩のメニューは決まりましたね。

ただ、ちょっと肉系が少ないな。僕は海鮮系がちょっと苦手で、キャンプと言えば肉でいきたい。「肉………食うかい?」の名言も欲しかったところ。

最後に

気になる部分もあるにはあったのですが、大・大・大満足!!!

「またキャンプやろーねー」と大声で叫びたくなる映画でございましたよ。

どうせもう1回観に行くだろうけど、その前にソロキャン行っておきたいな~

山岳部だったから、山装備はたくさんあるんですが、ギアから揃えるとなるとお金が……

 

以上。


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