Netflix映画『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』感想 向かいの窓には何かが映る

どーも、スルメです。

今回の記事は、どうやら公開延期がされまくったらしい『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』の感想を書いていきます!

当初の公開日は2019年だったらしいですからね。コロナとか、いろいろあったとしても、これは延期されすぎでしょ。

最近は日本でも映画の延期が多くて、『ゴジラVSコング』なんて、いつ観られることやら…。『ノー・タイム・トゥー・ダイ』も今年中に観られる気がしなくなってきたよね。マーベル作品に関しても、公開日決まった作品が多いけど、本当に遅れなく公開できるのかどうか…。

 

この記事は『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』のネタバレを含みます

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ

作品概要

今作は隣人の家をのぞいている女性が、殺人事件を目撃。警察に相談するも、被害者と思わしき人物は存在すらしておらず……。

という、ヒッチコックの『裏窓』と『バルカン超特急』を合わせたような作品ですね。主人公の女性が広場恐怖症で外に出られないっていうのも、行動に制限をかけているんで、舞台はほとんどが家の中。

で、隣人ももちろん怪しいのですが、この主人公にも複雑な過去がありまして、果たしてあの殺人は幻覚だったのか?といったストーリーが展開します。「隣人の殺人を目撃」にしても、「幻覚」にしても、どっかで観たことがあるような設定ですね。

監督は『ウィンストン・チャーチル』の大成功が記憶に新しい、ジョー・ライト。

僕は『つぐない』が好きなんですが、たまに「え?これジョー・ライトが撮ったの?」って作品もあるんで、なんとも言えないところ。

いつだったか『ピーター・パン』の前日譚みたいな映画を観ましたが、あれもなかなか……。

『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』の評価

僭越ながら、『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』の満足度を★10段階であらわすと…

 

★4

 

意外性がほとんどないサスペンス

やっぱヒッチコック意識が強いんですかね。2019年に製作された映画とは思えないほど、クラシカルな作品に感じました。あきらかな『裏窓』オマージュに関しても、苦笑いでサラっと流しちゃったよね。

ただ、決して悪い面ばかりではなく、主演のエイミー・アダムスの演技、キャストの豪華さなど、「観ていて楽しい系」の映画ではあったかな。スト-リーは「そりゃそうだよね」と、決められたレールの上を進むもので少し残念。

それにしても、なんでこんな豪華なわき役が揃ったんだろ。ゲイリー・オールドマンがいて、ジュリアン・ムーアがいて、ワンシーンだけのアンソニー・マッキー、地下の住人のワイアット・ラッセルなどなど、「こんな人も出てんの?これだけのために?」と疑問を抱くほど。

共演はなかったけど、『ファルコン&ウィンターソルジャー』のふたりが揃っていたのは、ドラマ観たばかりの僕にとってはちょっとうれしい。

 

この記事は『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』のネタバレを含みます。

 

『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』の感想

窓の外の景色

主人公のアナ(エイミー・アダムス)は、広場恐怖症のため、家の外に出ることができません。広いところに行くと、卒倒してしまうんですね。

この設定はアナを家に縛るためにあるんですが、隣人を助けるため、外に出たりもするんで意外と行動的。「そんな隣人想いの人なの?」と思わずにはいられませんが、家から出なきゃ話が進まないので……。

そんなアナは向かいの家に住む少年と仲よくなり、さらにはその母、ジェーン(ジュリアン・ムーア)とも酒を飲み、カードをたしなみます。しかし、向かいの家からは悲鳴が聴こえたり、父親(ゲイリー・オールドマン)がかなり攻撃的だったりと不穏な様子。

そして、ついにはジェーンが殺される場面を目撃するのでした。すぐに警察に通報したアナですが、向かいの家には自分の知っているジェーンなんて住んでおらず、ジェーンだと紹介されたのは、まったくの別人。

警察にもアナの勘違いだと済まされそうになり、アナ本人も自分が目撃した事実を疑いはじめます。果たして酒を飲んだはずのジェーンは、自分の妄想だったのか、それとも……。

 

序盤の展開はこんな感じ。まさに『裏窓』と『バルカン超特急』だね。

実はアナは過去のトラウマが原因で、精神的にも危うい状況。だからこそ、警察も「それはあなたの妄想ですよ、奥さん」となってしまうわけ。ここで面白いのは、アナ自身もジェーンの存在や目撃した殺人現場を疑いはじめること。記憶障害とかよりも説得力あるし、観客も騙されそうになるのですが……

この展開が映画中盤に用意されているのが非常に残念。

映画のラストで明かされるならまだしも、中盤で「やっぱりあれは勘違いでした。殺人もないし、ジェーンもいませんでした(キッパリ)」で終わるわけがない。そこからもう一転して、真犯人のご登場からの、「やっぱ私は間違ってなかった!」展開しかないですよ。

もちろん、制作者もわかっているだろうから、「真犯人」の部分でサプライズをしようとしたのでしょう。しかし、犯人になりそうな人は主人公含め、4人くらいしかいない。うーん、これはもうレールが見えてしまうんじゃない?

 

わき役がすごいぜ!

スト-リーに関しては、これ以上語ることがないので、キャストの話を。

まず、主演のエイミー・アダムス。彼女は人を拒絶しているかのように見えて、意外と社交的。たぶん僕よりも社交的なんじゃねーかなと。なぜただの「向かいの家の人」と仲よくなれるのか理解はできませんが、エイミー・アダムスの演技はよかった。

特に中盤にある、過去のトラウマが明らかになる場面。部屋の中に車が突っ込んでいた演出も好きですが、驚きながらもすべてを悟った表情は、アナという人間の不安定さを象徴していたんじゃないかと。

さらに、隣人の父親役に名優ゲイリー・オールドマン。かなりDV気のある父親で、久しぶりに「悪役」のゲイリー・オールドマンでしたね。昔は悪役のイメージが強かったそうですが、僕が初めてオールドマンを観たのが『アズカバンの囚人』だったんで、悪役の方がめずらしく感じるかな。

たまーに、「この映画にゲイリー・オールドマン出てんの??」ってなる作品があったりするんですが、今作がそれに該当するかはノーコメントで。とにかく、わき役なのに存在感はしっかりあって、それでいて主役を食うことはせず、さすがだなと。

 

そして忘れちゃいけないのが、MCUでファルコンを演じているアンソニー・マッキーと、『ファルコン&ウィンターソルジャー』で新キャプテン・アメリカとなったワイアット・ラッセル。

アンソニー・マッキーに関しては、正面のショットないんじゃないかってくらい、本当にワンシーンだけの出演でした。一瞬自分の見間違えじゃないかと思うほど、突然の登場で、突然の退場。なぜこの役にキャスティングしたんだ……。

ワイアット・ラッセルも独特の危うさがあって、好きでしたね。『ファルコン&ウィンターソルジャー』で一番好きなキャラが、ジョン・ウォーカーだったんで、同じくらい「怪しい」役でよかったよ。

 

そんな感じかな。

 

以上!!!


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