Netflix『アンカット・ダイヤモンド』ネタバレ感想 サンドラーのクズさが光る!

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

今回はアダム・サンドラー主演の『アンカット・ダイヤモンド』のレビューになります。

アメリカで公開した時から評判が良かったのは知っていたのですが、アカデミー賞に引っかからないとは……。

サンドラーの演技も高く評価されていましたし、主演男優賞ノミネートもあるのかと思っていたんですけど。

もちろんアカデミー賞だけがすべてではありません!ノミネートされてないけど良い映画なんて世の中にはたくさんありますし!

というワケで『アンカット・ダイヤモンド』のレビューに参りましょう!

 

※この記事はネタバレを含みます!

アンカット・ダイヤモンド

あらすじ

膨れ上がる借金と激しさを増す取り立てに、命さえも危ぶまれる状況の中、口先だけで生きてきたニューヨークの宝石商は、すべてを賭けて一獲千金を狙う。

Netflix

評価

僭越ながら『アンカット・ダイヤモンド』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

★7

スルメの評価一覧

 

愉快さよりもクズさが目立つサンドラー

アダム・サンドラーといえば『50回目のファーストキス』『ピクセル』に代表されるようなコメディアンとしての役が多い。

彼の愉快さを前面に出したりとか、ちょっと間抜けな愛されキャラを演じているイメージがありますよね。

『アンカット・ダイヤモンド』においてもそのキャラは健在なのですが、いつも以上にクズさがにじみ出たキャラクターでしたw

あ、これ言葉悪いですね。でも「クズ」という言葉の凡庸性が高くてさ。別の言葉でいうと「悪気はないけど、救いようのないヤツ」といった感じかな。

「闇金ウシジマくん」でいうと借金まみれになって、どっかの島に送り込まれるような性格なのよ。

 

けれども、そのアダム・サンドラーらしからぬキャラクターが癖になりまして。どんどん引き込まれていくんですね。

「どのキャラ演じてもサンドラーになる」と思っていたのですが、今作に限っては持ち味を残しながらも完全に化けていたなぁと。

って感じでアダムサンドラーをべた褒めしたくなる映画でした!!

 

ここから先は『アンカット・ダイヤモンド』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

どんどん落ちていくハワード

主人公のハワードは口だけは達者だけど結果が全然ついてこないタイプ。何か月もかけて宝石を手に入れるも、予想した金額よりも全然低い金額を提示されて後がない……。

ずっと借金漬け生活のその日暮らしなんで、担保として受け取った時計もすぐに質に入れ、その金でバスケットのギャンブル三昧。もちろん借金取りに追われていますし、ギャンブルなんてやっている場合じゃないのに勝てると信じて疑わない。

この前向きさは見習いたいところですが、現実に知り合いになったら絶対縁切るタイプだよなぁと。

ギャンブル好きは嫌いじゃないけど、人にその場限りの嘘をつく人間は好きではありません。もちろん「現実世界にいたら」の話で、映画のキャラクターとしては嫌いになれるハズもないんだけど。

 

私自身も大学時代にパチンコ・スロットにドハマりしていまして、教科書代をつぎ込んだりバイト代前借してまでパチンコしていた時期もありましたw

これに関しては大学生の通過儀礼のようなものでして、酒・たばこに溺れなかっただけマシだと思っていますが、何故あんな無駄な金を……。と本気で後悔したり。

その他にもシンガポールのカジノで初日にして有り金を全部磨ったり、欲しくもないUFOキャッチャーにハマったりとギャンブル関係の失敗談は尽きませんw

だからこそハワードがギャンブルにのめり込んで、めまいがするほど熱中するのかが分かる気がする。

 

ただハワードに関してはギャンブルだけじゃない!妻子がいるにも関わらず若い受付嬢と浮気しているし、借金取りに裸にされトランクに閉じ込められたりと人としてダメダメ。

それでも憎めないのはアダム・サンドラーが演じているからでしょうか?あくまで画面の先にある映画の世界の人だからか。

彼の演じるハワードはどことなく『キング・オブ・コメディ』のルパート・パプキンと重なったりして。妄想していたり、犯罪にどっぷり浸かっているわけでもないけどさ。ラストシーンなんかはスコセッシ映画ともリンクするものがあると思う。

「悪気のない愉快なヤツ」はやっぱ嫌いになれないよなぁ。アダム・サンドラーだから成立しているようにも思えますが、彼のキャリアの中では一番存在感と演技力を発揮した作品なのではないでしょうか。

ラストシーン

借金取りに追われ、幾度となく脅迫を受けるもハワードは負けません!家族の命を人質にとられようとも、借金の返済に充てるはずだった金をギャンブルに突っ込みますw

借金取りを閉じ込め、一人テレビの前でバスケの試合を観るハワード。彼はバスケットボール選手のKG(ケヴィン・ガーネット。まさかの本人役!)と関係を持っているので、彼の勝利と活躍を確信していました。

「さすがに負けるだろw」と予想していたのも束の間、まさかのKGが勝利。ハワードは1億ドル以上の金をかくとくするのでした。

これまで散々な目に遭ってきたハワード。99%は自分のまいた種なんだけども、少し可哀想になっていたところですからね。ようやく勝利を納めてハッピーエンド!

 

……とはいかず、激昂した借金取りの一人に突如頭を撃ち抜かれてしまうのでした。勝利の喜びからの転落。ハワードは予想もしていなかったため、喜びの表情を浮かべたまま絶命。なんとも衝撃的なラストシーンに……。

物語が終わる時のあっけなさよ。そしてハワードの人生も紆余曲折あっても終わる時はあっさり。お金を受け取りに行っていた浮気相手だけが喜ぶという。

うーん、どことなくスコセッシぽさが残るラストですよね。『タクシードライバー』『レイジングブル』もこんな終わり方じゃないけど。

スコセッシというかアメリカンニューシネマの終わり方なのだろうか。『イージーライダー』とか『明日に向かって撃て!』の方が似ているのかも。

 

ベストシーン

電話が鳴り響き、自動ドアも壊れ、何をやっても上手くいかなくなったハワードのシーン

 

でございました!

一言で表すのは難しいけど、せっかくオパールを帰しに来てくれたKGなのに自動ドアが故障して店に入れない。

そして焦るハワードに次々と災難が舞い込む事態に。まさに「泣きっ面にハチ」状態。いや、ハチの上にさらにサソリまで来ちゃったよくらいの災難続きでしたねw

ハワードは大変だろうけど、観ている私からするとこんなに面白いシーンはない!

 

以上!!!

 


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