どーも、スルメです。
今回は実写映画となった『東京リベンジャーズ』の感想になります!
もちろん原作は読んでおりますし、僕も大好きな漫画のひとつなのですが、実写映画にするにはどうだろう??
原作は20巻以上出てますし、序盤部分だけだとしても2時間の映画にまとめるのはかなり難しい。
そして僕も含めてファンの多い漫画でもあるんで、プレッシャーというか、いろんな意味で実写化の難易度は高かったんじゃないでしょうか。
えー、おそらくキャストにあわせて、原作の年齢設定が変更されている、いわゆる『約ネバ』タイプの映画になりましたねw
たしかに「こんな中学生いねーよ!!」ってツッコみたくなる漫画でもあったんで、高校生に変更したい気持ちはわからんでもないですが……。
まぁ役者の年齢も原作そのままにしちゃうと、マイキーが鈴木福くんで、タケミチが寺田心くんみたいになっちゃうからね。仕方がないのかなと。
そんな感じで、不安はありつつも、そこそこ楽しみに劇場に足を運びました!
東京リベンジャーズ
あらすじ
ダメフリーターの花垣武道は、ヤンキーだった学生時代に付き合っていた人生唯一の彼女・橘ヒナタと彼女の弟・ナオトが、関東最凶の組織・東京卍曾に殺されたことをニュースで知る。その翌日、駅のホームで何者かに背中を押され線路に転落したタケミチは、不良学生だった10年前にタイムスリップする。過去の世界でタケミチがナオトに「10年後ヒナタは殺される」と伝えたことにより未来は変化。現代に戻ったタケミチは、死の運命から逃れ刑事になっていたナオトと出会う。刑事になったナオトから「10年前に戻り、東京卍曾を潰せばヒナタを助けられる。力を貸して欲しい」と言われ……。
キャスト
主人公のタケミチ役は『君の膵臓を食べたい』の北村匠海。
キーパーソンとなるマイキー役は大河ドラマで主演を務めている、吉沢亮が演じております。
どちらも「原作のイメージ通り!」ってわけではないんですが、映画を観ると意外としっくりくるふたりでございました。特にマイキーは公開前から色々言われていそうですけども、とりあえず劇場に足を運ぼうぜと。
えー、そのほかはドラケン役が山田裕貴、ヒナ役に今田美桜、ナオト役に杉野遥亮が起用されています。
東京リベンジャーズの評価
★5
ダイジェスト感は否めないが……
好きな漫画の実写化ってこんなもんですよねw
どうしても漫画の面白さを超えることはできないし、そもそも2時間しかない時間の中で、まとめることは絶対難しい。
特に今作の場合、人間ドラマを深く描かないと魅力が半減するし、タイムリープの部分を深く描きすぎてもダメ。
タケミチが過去に戻って行動する理由、そして過去の東卍をはじめとする不良たちの男気あふれる人間ドラマ。さらには、タイムリープによる伏線などなど、詰めこまなければいけない要素が多すぎる。
これらの要素がすべて合わさって初めて、唯一無二の『東京卍リベンジャーズ』になるわけで。
そういった面では、正直2時間しかないこの映画に『東京卍リベンジャーズ』を詰めこむのはほぼ不可能。やるなら最初から3部作作ってしまう、『20世紀少年』スタイルになるわけですが、それも難しいでしょう。
正直、原作ファンを満足させられるとは思っていないんですが、2時間で要点だけは押さえているんで、作品の雰囲気くらいはわかってもらえるのかなと。
原作タイトルは『東京卍リベンジャーズ』で、今作は『東京リベンジャーズ』。
あれ?卍はどこにいった?
ナチスドイツを連想させるから、別のマークに……ってことでもなさそうだし、作中でも特に触れられていないので、永遠の謎。
ここから先は映画の一部ネタバレを含みます。
まだ鑑賞していない方はご注意ください。
東京リベンジャーズの感想
タケミチの男気
タケミチは喧嘩はそこまで強くないけど、なんとか未来を、ヒナを守りたい一心でがむしゃらに行動していくキャラクターです。タイムリープ系キャラでいくと、岡部より頭はよくないし、キョンほど運に恵まれてない。
「じゃあタケミチの魅力はどこにあるのか?」といいますと、やっぱ男気なんですよね。まさに半分ヤンキー漫画な今作にぴったりなキャラで、負けると分かっている相手にも立ち向かう度胸と、良い意味でも「バカ」な部分が彼の魅力だと思うわけです。
血みどろになっても、痣だらけになっても、何度でも死ぬまで立ち上がるのがタケミチ。うん、不良は嫌いだけど、カッコいいし、ヒナが惹かれてしまうのもわかる。
もちろん実写映画でも、この設定を踏襲していて、北村匠海くん演じるタケミチは男気があるんですが。素でイケメンだけど、しっかりとボコられてるし、情けない部分もきっちり演じてくれるのが良いよね。
まぁ、どちらかというとタケミチは内面がイケメンなキャラなんで、ビジュアルに圧されている気がしないでもないけど。
ただ、実写化によってなぜか追加されたヒナとの出会いのシーン。
コンビニバイトしているヒナを、チンピラから救うってシーンなのですが、僕の知っているタケミチなら、作戦を考えることもなく、向かっていったと思うけどなぁ。
というか、これを出会いのシーンにして、ヒナがトキめいた瞬間だったならば、続編は作る気ないのかな?稀咲との確執も特に描かれなかったんで、無駄に情報入れない方を選択したんですかね。
まったく関係のない話なんですが、花垣武道って『スラムダンク』の桜木花道と赤木剛憲からきてるのかな。ただ僕が『スラムダンク』大好きなだけで、ただの偶然? キャラ的には桜木はむしろマイキー側の人間ですけどね。
8・3抗争やらんの?
原作における「8・3抗争」は、マイキー派とドラケン派に東卍が分裂。稀咲のヤバさを象徴するエピソードでもあるわけですが、実写版ではこのシーンがカット。
マイキーとドラケンの喧嘩をタケミチが止め、それでもなお分裂が続くっていう、「組織」の恐ろしさが描かれた名エピソードだったと思うし、実写化にも最適なところだと思ったんだけど。
また、パーちんが逮捕されるってエピソードもなし。あれだけ大規模な喧嘩をしているにもかかわらず、たぶん逮捕者は出ていないという、もはやファンタジーな状況。
そのため、後半の展開はかなりシンプルになっています。『東京卍リベンジャーズ』で重要であるはずの、人間ドラマの部分が簡素化され、ヤンキー映画になるっていうね。
もっとこう、裏切りとか、誰の下につく、誰の上に立つ……とか、不良なりのドラマが観たかったんで、この展開はかなり物足りない。そう思うと、映画全体を通して深く語られたのはタケミチくらいで、ほかのキャラクターはそこまで掘り下げられなかったかな。
マイキーとドラケンが被害者の両親に頭を下げるシーン、あっくんがタケミチに真実を告白するシーンなどなど、原作で印象に残るエピソードが実写化されたわけですが、あれは前後のストーリーあってのことなんで。そこだけポッと実写化されましても、心には響きません。
マイキーをもうちょっと強くしてくれても
一番気になった点は、マイキーを演じた吉沢亮のことでも、ストーリーのことでもなく、
マイキーがそこまで「無敵」じゃない
という点。
劇中で負けることはないんですが、結構苦戦してね?ってこと。このままじゃマイキーはイザナどころか、大寿にも勝てるような気がしないんだけど……。
マイキーって今作の五条悟ポジションで、最強で「こいつが来たら勝負が決まる」ってキャラなんですよ。未来ではたいてい悪に堕ちているし、「マイキーのせいで完結しないんじゃね?」って思うくらい不安定なヤツだけど、それでも過去では頼れる男で喧嘩がめちゃ強い。
実写版でその片鱗を見せたのが、長内とのタイマンの場面。パーちんをボコボコにした長内を一撃でキメる、もっともカッコいいシーンであったのですが……。なぜかそのあと、一撃で倒したはずの長内をなかなか倒せないという事態に。
そして見せ場もそこまで多くなく、むしろドラケンの方がフォーカスされているような気さえしたんで、原作とのギャップに驚く人も多いかも。
最後に
この手の作品は「ドラマでたっぷり時間をかけて……」とかって思うこともあるけど、『デスノート』は映画の方が面白かったしなぁ。
一概に「時間が長ければいい」ってことではないかと。やっぱ実写化、特にストーリーが続いてるものを映画にするのは難しいんだな。
原作とまったく同じじゃ面白くないし、改変しすぎると原作ファンから批判される。
それでもなお、漫画・アニメ原作の映画が多くあるのは、それだけ興行収入があげられるから…なんですかね。
以上!!!
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アイキャッチ画像 (C)和久井健/講談社 (C)2020 「東京リベンジャーズ」製作委員会