どーも、スルメ(@movie_surume)です。
最近ネットでちょっと話題になった「禍」という漢字。「コロナ禍」という形で使われていますが、これを「なべ」と読んだり「うず」と読んだりと、読み方に関して色々と言われていましたね。
まぁ私も読めなかったうちの一人なのですがw
という教訓を踏まえて、この映画のタイトル『ブレスラウの凶禍(きょうか)』をしっかりと読むことが出来たんだよね。
そもそも「禍」って漢字に関してはまったく良いイメージないから、楽しい映画でないことは確かなんですけども。
えー、前振りはその辺にしまして、映画の感想に参ります!
※この記事はネタバレを含みます!
ブレスラウの凶禍
あらすじ
縫い付けた牛革に入れられた死体を皮切りに、18世紀の”疫病週間”に行われた処刑方法になぞらえて殺害された死体が次々と見つかり、ヴロツワフの刑事が犯人を追う。
評価
僭越ながら『ブレスラウの凶禍』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・
5
★★★★★☆☆☆☆☆
ミステリー映画としては、もう一味欲しいところ…
前半はかなり単調に進むも、後半で盛り返してくる映画。ミステリーならば結構ありがちな構成なんじゃないかな。
今年のミステリー映画は『ナイブズアウト』から始まったんで、「あとに来るミステリー映画って結構不利になるんじゃね?」と考えていたところにコレですよ。
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どちらかと言えば犯人の動機の部分に焦点を当てている映画でして、犯人は何故殺人を犯していくのかが綴られていくのですが、ありきたりだよね。申し訳ないけども。
若干のバディ映画の雰囲気を残しつつ、ラストに向かっていくのは好きでした。
ここから先は『ブレスラウの凶禍』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!!
感想(ネタバレ)
ミステリー映画に必要な要素
個人的にミステリー作品に必要なのは「如何に面白い殺害方法が使われるか」だと思っています。
もちろんストーリーが面白ければ毒殺でも刺殺でも良いのですが、喉にハサミを刺すとかレーザを反射させて……とか、他にはない面白い殺害方法だと楽しみは倍増するハズ。
これはミステリーではないけれど、『ソウ』シリーズとかが典型的で「如何に残虐なゲーム、殺害方法を用意するか」が考え尽くされています。
そして本作の殺人もそれと同様に、かなり残虐なもの。映画のあらすじを観ますと「役病週間に行われた処刑」に沿っているようですが、元ネタを知らないので解説はしません。
まず一つ目の殺人が牛の皮に人間を詰めて窒息死させるというもの。牛の皮は乾くと縮みますから、その効果を使って中にいる男を殺してしまうというトリックです。
本作以外にも「濡れた牛の皮で首を縛って、乾くとドンドン締め付けていく…」といった拷問を観たような気がします。首じゃなくて手とかだったかな?
かなりいやらしいし、中にいる男の事を考えると震えそうですが、私はこの殺害方法が一番好きでした。変態と思われても良いけど、手の込んだ殺害方法に惹かれるんだよね。
続いては馬を2頭別々の方向に立たせ、四肢が縛り付けられた男を爆発を利用して引き裂くというもの。漫画の『トリコ』でグルメ四天王の一人・ゼブラが同様の処刑を受けていましたね。ゼブラは耐えていましたがw
3人目は舞台の最中に焼死させるも、劇場には火の手がまわらないようにキチンと防火剤が施されていた殺人。インパクトはあるけど他の人に被害が及ばないようにしたことで、犯人が無差別殺人を行っていないことが分かります。
4人目は四肢をハンマーでおられ、円形の何かに貼り付けにされる。5人目は恐らく刃物が内側についたドラム缶に入れられ、坂を転がさせる。
といったように、どの殺人も残虐であり面白いw 現実じゃなさそうだけども、映画だからこれくらいはやってくれないとね。
犯人
この事件の犯人は世間に恨みを持ちづ付けていた一人の女性。事件の被害者たちにいじめられ、借金を背負わされ、子供を売られそうになり、職を奪われ……。
5人全員にかなりの恨みを抱いていたことが分かります。正直なぜ犯人を捕まえるのにあそこまで手間取ってしまったのかが謎ですが。もう少し早い段階で正体が分かっても良かったんじゃないですかね。
そして動機に関しても「犯行が許されるだけの動機があった」と観客に思わせるよう、重い過去を背負わせていますが、結局彼女は「恨みを晴らしたかった」のでしょうか?
それとも「社会の悪を一掃したかった」のか?後者であれば、あそこまで残虐にならなくて良いから、たぶん前者が正しいはず。両方ということもあるか。
確かに被害者たちは腐っているクズではありますが、何も殺すことはないよね。それをいったら事件が起きずに、映画も始まらないんだけどもw
加害者たちは人を殺めるような悪ではなかった。その絶妙な部分が法で裁けず、自ら手を下した理由の一つかと。
そしてもう一人の犯人。それは最後の最後で犯人が築き上げた「犯行」を完成させた主人公です。
本作の主人公はひたすら犯人を追っていく警官なのですが、最後には犯人との会話で自らの秘密を知られていたことに気が付きます。その結果、ラストには自殺した犯人の”首”を使って事件を完成させてしまうのです。
この展開は正直予想していませんでした。映画冒頭で明らかに思いつめたような表情をし、拳銃を握っていた主人公が引っかかってはいたのですが……。そうかここで使われてくるのか!
二人の関係は『ダークナイト』におけるジョーカーとトゥーフェイスのようで、主人公は犯人の一言で狂気に堕ちてしまったトゥーフェイスです。
今思うとあの特徴的な髪型は……。関係ないかw
あと『ハンニバル』におけるレクターとクラリスの関係にも似ていますね。というか追う側と追われる側が共犯になる、もしくは親しくなるってテーマは昔からよくあるのか。
まとめ
超久しぶりのポーランド映画!
Netflixじゃなきゃポーランドの映画を観る機会が少ないし、そもそも全国公開している映画でヨーロッパ映画って少ないんですよね。
あってもフランスかイギリスか、たまーにイタリア・ドイツくらいかな。街並みもきれいだし、映画映えはしそうなんだけどね。
以上!!!
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