オリジナルとなった『THE GUILTY/ギルティ』は、デンマークの映画でして、2019年に日本で公開されたときはちょっと話題になった作品です。
僕も観に行ったのですが、大きな宣伝をしていなかったにもかかわらず、劇場はほぼ満席!
レイトショー向きの映画だったからっていうのもあるけれど、ここまで集客できているとは思わなかったから、びっくりした記憶があります。
で、どんな映画かと言いますと、コールセンター?場所にいる男が、日本で言う110番にかかってきた電話だけで事件を解決に導こうとするって作品です。
つまり完全会話劇で、カメラはコールセンターの外に出ません。ひたすら主人公の電話だけで進めていく映画で、下手したら退屈になってしまう、画期的な作品でした。
今回のリメイク版はジェイク・ギレンホールが主演でして、期待も高まる……
意外に豪華な”声”の出演者たちにも注目です!
この記事は映画の一部ネタバレを含んでいます
THE GUILTY/ギルティ
作品概要
作品のストーリーは書き出しで大体説明したので省きますw
監督を務めたのは、『イコライザー』シリーズや『トレーニング・デイ』のアントワーン・フークアです。
僕の中ではアクション映画を多く監督しているイメージがあったのですが、今作は彼の監督作からもっとも遠いところにある作品だと思う。
主演は『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』でミステリオ役を演じた、ジェイク・ギレンホール。僕の大好きな俳優のひとりで、善と悪のはざま(むしろ悪寄り)にいるようなキャラを演じさせたら、右に出る俳優はいないんじゃないかと。
今作ではほとんど彼のひとり演技が楽しめるわけですが、電話の相手として声だけの出演で、イーサン・ホーク、ライリー・キーオ、ポール・ダノらが出演しております。
評価
★6/10
同じ評価の作品
・『シャン・チー』
・『アナザーラウンド』
・『ジャングル・クルーズ』
などなど
感想
ちょうどいいリメイク!
まず最初に浮かんだのが、「無難に落としてきたな」という感想。
オリジナル版が面白いから、当然今作のストーリーも言うことなしなんですが、みんな大好きジェイク・ギレンホールが主演を務めたことで、さらに間口が広くなっている感じがします。
あとはドラマチックな演出も増えていて、とっつきにくさを極力排除した、ハリウッドぽいリメイクになっていました。
リメイクってオリジナル版から離れすぎてもダメだし、まったく同じリメイク版『サイコ』のような映画になってもダメなんですよね。その点、ストーリーはそのままに、キャストや演出を変えることで、オリジナル版との差別化はできていたのかなと。
ただ、オリジナル版を観ている人に向けた映画というよりは、今作で初めてこの物語に触れる層がターゲットな気がします。面白いのはあっても、デンマーク映画ってなかなか観る機会がないからね。
オリジナル版を観たときの感想として、「小説を読んでいるような…」という文章を書いていました。
今作は会話劇なので、現場で起きている状況は観客が想像するしかないんですよ。現場に行きたいけど行けない、無力感というか、ムズムズする感じがこの映画の醍醐味でして。
そのため、オリジナル版で映画はすでに完成していました。これ以上手を出す余地がないくらいに。
そんなわけで、どちらかといえば僕はオリジナル版の方が好みです。僅差ではあるので、リメイク版も好きですが。
「犯人は、音の中に、潜んでいる」映像ではなく音を聴かせることによって観客に事件を想像させる、まったく新しいサスペンスがやってきました!ソリッドシチュエーションスリラーに近いジャンルでしょうか?主人公と観客[…]
同じような作品だと、トム・ハーディ主演の『オン・ザ・ハイウェイ』とか、全編PC画面だけで進めて行く『サーチ』なんかがありますね。
この手の映画はNetflix得意そうなんで、ぜひ「バンダースナッチ」のようなシステムを使って、インタラクティブな映画を……
よろしくお願いいたします。
Fin
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