「誰も殺すな」と命じられた殺し屋。
「白いブラックサンダー」と同じくらい矛盾ですよこんなの!殺さないんだったら殺し屋じゃないやんけ…。
まぁ、そこが面白いポイントでもあるわけですが。
続編の感想はこちら
どーも、スルメです。今回は2019年に公開された『ザ・ファブル』の続編、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』の感想を書いていきます!前作でもツッコんだんですが、「殺さない殺し屋」ってもはや殺し屋じゃなくね?「握らない寿司[…]
※この記事は『ザ・ファブル』の一部ネタバレを含んでいます。まだ鑑賞していない方はご注意ください。
『ザ・ファブル』
あらすじ
佐藤 明(岡田准一)は裏の世界の人間からもファブルとして都市伝説的に語り継がれている伝説の殺し屋。
ある時ボスから「1年間一般人として暮らせ。人を殺したら俺がお前を殺す」と命令され、大阪にごく普通の人間として移り住む。
ふつうの人間としてデザイン会社で働きながら過ごしていた佐藤だったが、彼を庇っているヤクザの揉め事に巻き込まれる事態に。
絶対に殺さないを守りながらも裏社会の抗争に身を投じていくのだが…。
キャスト
主演はV6の岡田くん。ジャニーズでありがちなアイドル枠を超えて俳優として大活躍してますね。
事務所の力や世間のイメージだけで起用されるアイドルは好きになれませんが、岡田くんは別。『来る』のオカルトライター役本当良かったわ…。
で、他の俳優陣も山本美月、福士蒼汰、木村文乃、向井理、柳楽優弥と今活躍中の人たちを集めた感じ。
それに加えて佐藤二朗や佐藤浩市、安田顕なんかのベテラン俳優たちもいるから完璧と言える布陣ですね。
中でも注目したいのがオリラジの藤森慎吾さん。一時期はチャラ男として振り切ったキャラでしたが、ひょっとして演技うまいんじゃねって。
そう思ったのが池井戸潤原作の『七つの会議』を観た時で「絶対こんな嫌な奴会社にいるわ~」ってキャラクターを演じていたんですね。それがあのチャラ男・藤森に見えなくて。よくある「芸人ゲスト枠」じゃありませんでした。
本作ではサラリーマン役かな?そんなに出演シーンなかったけど(笑)
評価
★3/10
スベり倒してますけど大丈夫ですか?
いくらリアクションの激しいアメリカ人でもこれは苦笑いですわ。
もういっそのこと「ここは笑うところですよ」の字幕を入れてしまった方がいいのではと。それくらい冷え切った劇場でした(笑)
岡田君必死にギャグパート演じているのに、リアクション取れてなくて可哀想な気持ちになっちゃいますからね。これまでアクション映画で感じたことない感情だったなぁ。
じゃあ、ギャグがつまらないならアクションは面白いんじゃないか?と思うことでしょう。私も冒頭はそうでした。
それがもうザ・普通!って感じでして。
正直予告編にもあった、「殴られるふりをして相手の骨を折る!」ってところが作品のピークだったかな。
ってことで、以下詳しい感想です。
感想
殺し屋としての佐藤
映画好きの私が「殺し屋」と聞いてまず初めに思い浮かぶのがジャン・レノが演じたレオンでして、彼も天才的な殺しの腕を持ちながらも一般常識には乏しいという欠点のあるキャラクターでした。
それは本作に登場する佐藤も同じで、手羽先の食べ方とか魚の一般的な食べ方すら知りません。
構想としてはレオンと同じく、殺しの腕は一流なのに常識からは大きく外れているってキャラクターを目指していたんだと思います。
まぁそれが失敗に終わっているんですが
先ほど書いたように、彼は基本無表情で人を殺すときに罪悪感とかを感じるような人間じゃありません。
原作では「殺すのが仕事だけど、殺したいわけじゃない」と語っているように、佐藤は好きで人を殺しているわけではなく、あくまでも仕事で殺しているようですが……。
でもたまに見せるお茶目な面や、笑いのツボがずれている面で笑わせに来るんですが、そのどれもが面白くない。
漫画だとチンピラから逃げるときの顔芸で笑えたりしたけども、実写になっちゃうと、猫舌設定とか、ジャッカルで大爆笑とか、イマイチ笑えない。
そしてレオンに対するマチルダのように、信頼関係を築いたパートナー兼ツッコミ役がいないのも大きいかと。
ただただ岡田くんが変顔したり、ギャグしたりしているのを眺めているだけになっちゃってる。
本作だとヨウコとミサキがそれに相当する役回りだと思うんですが、無駄に距離感があるから岡田君のひとり芝居みたいになってるんです。
だから唐突ギャグをはじめる佐藤を観て一種の恥ずかしさすら感じてしまうんですよね。
あと1歩でユーモア溢れる魅力的なキャラクターになったかもしれないし、岡田くん演じる佐藤も嫌いではありませんが……。佐藤ってもっと地味なキャラな気がして、岡田くんは華がありすぎるんですよね。
公開日当日で、おそらく岡田くんファンや原作ファンも劇場に来ていたでしょう。でも、少なくとも僕の観た回では、笑いがほとんど起きず、ある意味で記憶に残る映画体験となりました。
良かったところ
そんな『ザ・ファブル』でも観てよかったと思える点が小島を演じた柳楽優弥さん。
単純だけど本作で一番人間味のあったキャラクター・小島も好きになれたし。
うーん、アクションは特筆すべき点がないほど普通だったけど、終盤の迫力あるアクションシーンは楽しめました。もっと佐藤強くても良い気がするけどね。
そう言えばアクションに関しては序盤に使われていた佐藤目線になる演出はどうしちゃったんですかね。
見ただけで敵の身長や格闘経験の有無、銃弾の軌道が判断できるファブルならではの良い演出だったと思うのですが。
後半の大きなアクションシーンで使わないのはもったいない!……と思ったけども、テンポ悪くなるし、画面がごちゃごちゃするかな。
まとめ
ポスターの出来と予告編の出来は良かったですね。中身は好きじゃないですが。
それにしても本当に注目の役者を集めたような作品でしたね。
現在進行形で活躍している役者を知る機会だと思って鑑賞したので、映画の内容とは裏腹に、満足度は高い。
以上!!
⇒⇒映画ブロガーがオススメする面白い映画ランキング101本!
⇒⇒『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』感想 倍以上パワーアップしてた
アイキャッチ画像 (C)2019「ザ・ファブル」製作委員会