Netflix『アダム&アダム』評価と感想(ネタバレ) 最後まで既視感が強すぎたタイムトラベル映画

スルメ
どーも、スルメです

この記事ではNetflixで配信されている『アダム&アダム』の感想を書いていきます!

今作は『デッドプール』などで知られる、ライアン・レイノルズの主演作でして。昨年は『レッド・ノーティス』にも出演していましたし、Netflix本当に金あるな~って感じで。

しかも!今作の監督を務めたショーン・レヴィは『デッドプール』3作目の監督に就任したようで!

まさかの3回連続ライアン・レイノルズとのタッグとは……!

そんなわけで『デッドプール3』の前哨戦的な楽しみ方もできそうです。

アダム&アダム

あらすじ

未来から2022年の世界に不時着した戦闘機パイロットのアダムは、12歳の自分自身と出会う。大人のアダムは子供のアダムと協力し、未来を救う重大任務に挑む!

Netflix

作品解説

今作は少年期の自分と冒険を繰り広げていく、タイムトラベルアクション映画って感じです。

タイムトラベルの設定がガチガチに固められているよりは、アクションと家族愛にフォーカスされている感じかな。

そんな今作の監督を務めたのは、ショーン・レヴィ。『ナイトミュージアム』シリーズなんかが有名ですかね。

近年はライアン・レイノルズとのタッグが目立ちはじめてます。『フリーガイ』でもタッグを組んでいて、前述のとおり『デッドプール3』もやるので、相性のよさがあるんでしょうね。

 

キャストは主演にライアン・レイノルズを起用し、サブキャストをゾーイ・サルダナやマーク・ラファロで固める完ぺきな布陣。やっぱりMCUキャストが揃うとちょっと嬉しい。

そのほかのキャストは、ジェニファー・ガーナー、キャサリン・キーナーなどなど。

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感想

スルメ的評価

ストーリー★★☆☆☆ 2/5
キャスト★★★★☆ 4/5
演出★★★☆☆ 3/5
映像★★☆☆☆ 2/5

総合評価 ★4/10

 

「過去の自分との共闘はアツいけど……」


タイムトラベルものが大好きな僕としては、物足りなさが否めない。

過去の自分と協力し、時を超えて世界のピンチを救っていく。このあらすじだけで飯食えそうなんですが、ふたを開けてみると、ストーリーも設定も弱いし、楽しめるのはアクションくらい。

悪役も目的が“支配”とかRPGの魔王のようなことを言いはじめるし、正直行動がよくわからない。

ただ、ショーン・レヴィがやりたいことはわかります。タイムトラベルを通して親子愛を描いて見せて、アクションも楽しませたいのでしょう。

「SF設定なんて二の次!まずはアクションとドラマだ!」って潔い映画なのは、最初から大体わかったし。

でも気になるもんは気になるよねって僕のオタク心が邪魔をしてしまった作品でした。

 

※以下、『アダム&アダム』の一部ネタバレを含みます

タイムトラベル設定

近年のタイムトラベル映画は、多くの人が「親殺しのパラドックス」を知っているからか、最初に説明が入ります。

『アベンジャーズ エンドゲーム』だったら、「これまでのタイムトラベル映画は嘘だ!タイムパラドックスなんて起きない!」って断言してしまう(このセリフを言うのは今作で主人公の父を演じたマーク・ラファロ)。

『テネット』では観客が疑問を感じた点でも、「それは僕もよくわからない」と説明を完全に放棄。

そうすることで、「これはそういう映画じゃないから」と一種の線引きをして、深く考えさせないようにしているんだと思う。僕はタイムトラベル映画大好きだけど、正直上記2作品に関してそれでいいかなと。実際にそんな深くタイムトラベルのことを考える映画じゃないし。

 

今作でも映画冒頭に主人公のアダムが、少年期の自分と会うのですが、「僕には大人の自分に会った記憶がない」と断言させています。この映画では例えば大人アダムが未来に戻ったら、子供アダムの記憶は消去されるって設定なんですね。

「なんで記憶が消えるの?」とかも深く説明されず、「そういうものだからだ!」と若干強引に進んでいくと。

この時点で僕は悟りましたよ。「あ、これは深く考えちゃいけないやつだ」って。タイムトラベルはあくまでも設定の一部にすぎないのだと。

疑問が残るのが正直なところだけど、今作独自のタイムトラベル設定には文句を言いません。そもそもタイムトラベル自体、空想上のものだし、そこをツッコんだらこの手の映画は絶対に楽しめなくなるから。

「作品ごとに解釈が変わるのが醍醐味でもあるよね」

ただ!!これだけは言わせてほしい。

ケガしてたらタイムマシンに乗れないってどうなのよ?

ここサラっといくけど、めっちゃ気になりませんか? 戦闘機として設計されているなら、別の時代で負傷して急いで帰還しなきゃってことあるでしょう。別の時代で怪我したら詰みじゃないっすか。なんて融通の利かない未来のマシンなんだ!

デロリアンや電話ボックスですら、もうちょっと柔軟に対応してくれますよ。

これは少年期の自分を連れていくってストーリーに無理矢理持っていこうとした結果なのか。

その結果、アダムふたりと死んだ父親が再開するという、なかなか熱い展開が生まれたけど……。やっぱ気になるもんは気になるんだ。

これはひょっとしてデジャヴ?

そんなわけで、気になる設定についてちょっと話したところで、映画として残念だった部分を語りたい。

シーンでもストーリーでもそうですが、どことなく既視感を感じるんです。ライアン・レイノルズがいつものライアン・レイノルズなのはもちろんのこと、ドラマ部分にまで感じる既視感。「みんなこういうのが好きでしょ?」と言われているような気さえする。

例えば序盤のカーチェイスシーン。森の中を未来兵(仮称)と、アダム&ローラが戦うシーンですが、これって『ジェダイの帰還』じゃね?と。

ワームホールは『インターステラー』ぽく、不仲の父と息子の関係はスピルバーグ映画、エンジンを切って機体を落下させるのは『フォースの覚醒』、ラストの磁力を使った戦いは『ワイルド・スピード』って感じで、結構なシーンで元ネタかもしれない映画がちらつく。ラストのキャッチボールシーンはもちろん『フィールド・オブ・ドリームス』ですよね。

パロディではないし、あからさまじゃないんだけど、「○○っぽくね?」というシーンがあまりにも多すぎる!

「あれ?これなんかの映画で……」ってシーンもありましたし、僕が気がついていないだけでもっとあるのかもしれない。もちろん、制作者自身が意識せず似ているシーンもあるかと思いますが、結果的には既視感だらけの映画になってしまった。

そんなわけで、この映画は色んな名作からいいところを抜き取った映画に見えてしまいました。

パロディとして見せるならともかく、これはちょっとなぁ。

「ひとつふたつなら違和感なかったかもしれないけど」

最後によかった部分を少し語って終わりにします。

大人アダムがバーにて母親と再会する場面。ここで「俺はあなたの息子だ」と告白していたら台無しだったけど、あえてチラつかせるくらいに収めたのはよかったなぁ。

僕の個人的な夢として、幼少期の自分と母親に会いたいっていうのがあるんですよ。「成長した息子です」って名乗ったら信じてくれるかな?とか妄想したりしているんで、このシーンはタイムトラベル映画として最高に好きでした。

……そのくらいかなぁ(笑)

別にストーリーがつまらないわけではないんですよ。アクションもそれなりに楽しめたし、ライアン・レイノルズの口悪いキャラも好きでした。

けど、全体的に観るとやっぱりオリジナリティがないというか、驚くほどのものはないし、次々出てくる娯楽映画に溶けこんでいっちゃう気がする。ドラマ部分も特に感動することもなく、終わっちゃいました。

最後に

なんともNetflixらしい映画でした。

多くの会員が見て、多くの人を楽しませるだろうけど、当たり障りがなさすぎて印象に残らない。そういう映画が求められている時代といえるけども。

それにしてもライアン・レイノルズは本当にいろんな映画に出てますね。「レイノルズが○○に出演!」ってニュース頻繁に見かけるし。

とはいえ、『デッドプール3』は若干不安になりましたよ。今から全力で楽しませていただく所存ですが、正直『フリー・ガイ』もそこまで好みではなかったしなぁ。

でも、デッドプールなら大丈夫か……?

 

以上。


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