どーも、スルメ(@movie_surume)です。
『天気の子』
今月『トイ・ストーリー4』と並んで最も要チェックな作品かもしれません!
と言うのも、ご存知かと思いますが本作は『君の名は。』を生み出した新海誠監督作なんですね。
まぁ私としては特別好きな映画監督ってこともないんだけど、非常に綺麗なアニメを作る方だな~といつも思ってました。
前監督作の『君の名は。』は最初の盛り上がりに嫌悪感すらあったけど、観てみたらRADWIMPSの音楽とアニメーションがマッチしすぎてるほど美しくて、その後3回も観に行くことに(笑)
わざわざ旅先の台湾でも観ましたからね。台湾人の人たちもキャーキャー観てた記憶があります。
そんな背景もありまして、新海監督作を知らなきゃ『天気の子』も語れねぇだろ!と思ったんで、急いで観られる限りの作品を鑑賞!
『ほしのこえ』以外は全部観ました。結局『君の名は。』か『秒速5センチメートル』が好きなんだけど(笑)
ということで絶対話題になるだろう『天気の子』。さっそく観てきたよ!
天気の子
あらすじ
離島から家出し、東京にやって来た高校生の帆高。生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく手に入れたのは、怪しげなオカルト雑誌のライターの仕事だった。そんな彼の今後を示唆するかのように、連日雨が振り続ける。ある日、帆高は都会の片隅で陽菜という少女に出会う。ある事情から小学生の弟と2人きりで暮らす彼女には、「祈る」ことで空を晴れにできる不思議な能力があり……。
監督
先ほどもご紹介した通り、『君の名は。』の新海誠監督作品です。
雨の表現がうまいというかリアルですよね。『言の葉の庭』の雨のシーンは良かったなぁ…。
『天気の子』の予告でも分かる通り、風景とかその場にある空気感まで描き出すアニメーションはため息すら漏れます(笑)
その他監督作品は『星を追う子ども』、『雲の向こう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』など。
キャスト
メインキャラクターの森嶋帆高と天野陽菜の声を務めたのは、それぞれ醍醐虎太郎と森七菜の二人。
お二人ともオーディションで選ばれたらしく、『君の名は。』の二人とは違ってかなりフレッシュなキャストを起用した印象です。
二人の他にも小栗旬、本田翼、平泉成、倍賞千恵子、そして声優の梶裕貴が出演。
夏美役の本田さんは前々からネットで演技について言われていますが、偏見を持たずまっさらな状態で映画を楽しむよう努力します。
評価
僭越ながら『天気の子』の満足度を★10段階で表すと・・・
★7
あれ?意外と万人受けするんじゃね?
新海監督が「この映画は賛否両論になるかも。」とか言ってたから、批判に対する予防線張ってるんじゃないかと思ってしまった部分もあったり、公開前から低評価が続出してたりと不安に思う部分もあった。
監督自身が賛否両論って言うんだから、よほど人を選ぶストーリーなんだろうと。ぜひ私向きに、賛否の賛の方の感想を持てる作品であってくれと願っていたワケなんですが…。
さぁ、蓋を開けてみれば意外にも万人受けするものでした(笑)
例えば同監督作品の『秒速5センチメートル』とかは感動するし記憶にしっかり残る映画なんだけど、ラストが切ない終わり方だから「こういう映画嫌い!」って人がいても納得できる。
しかし、『天気の子』とか『君の名は。』は好き嫌いはあっても、決して人を選ぶ作品じゃないと思うんですよねぇ…。そりゃ否定的な意見を持つ人もいるんでしょうが、『君の名は。』と同様に老若男女ウケそうな作品ではありますよね。
もちろん私もエンターテインメント大作として、アニメーション映画としてウケるポイントを抑えている本作を嫌いになれるわけもなく、思う存分楽しんできました!
関係ないかもしれんけど偶然か必然か、東京の今日の天気は晴れ!
最近ずっとじめじめした曇りが続いてたんで、映画館をでて陽の光を観た時に不覚にもちょっとジーンと来てしまった。
映画にすぐ影響される私は「陽菜が晴れさせてくれたのかな~」と気持ち悪いことを考えながら、帰路についたのでした。
ここから先は『天気の子』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!
感想(ネタバレ)
美しきかな、TOKYO!
冒頭にも書いたとおり、新海監督のアニメはいつも環境的な部分が非常に美しい。
それはアニメーターやキャラクターデザイナーが変わってもそのままで、『天気の子』もポスターや予告の時点でお分かりの通り、今まで以上のアニメーションに仕上がっていました!
前作の『君の名は。』と比較させていただくと、『君の名は。』の方は田舎町の糸守が舞台だったこともあって、自然的な美しさが際立っていたと思います。それは例えば神社だったり、山だったり、空を流れる流星だったり。
もう一つの舞台になったのが瀧くんの住んでる東京。主人公の三葉が都会に憧れている設定でしたから、『君の名は。』で描かれた東京は都会的な部分が大きくフォーカスされていたんですね。
対して『天気の子』は雨が重要なキーワードになっているんで、入道雲とか雷とかの描写も目を見張るものがあったのですが、個人的に最も感動したのは地に足付いた東京のアニメーション。
地に足ついたって言うのは『君の名は。』の三葉が憧れたような大都会のTOKYOじゃなくて、ちょっと暗い面もあるリアルな東京の街。路地裏とか歌舞伎町とか、東京に住んでいる人が抱くイメージが的確にアニメになっていました!
私自身東京に住んでるから、池袋とか新宿とか歌舞伎町に対してめっちゃ親近感湧くんですよね。田舎を描かれても、それはそれで美しいと思いますが、実際に行ったことのある景色と比べた時の感動には勝らない。
そこに打ち付ける雨が降ったり、水浸しになっていく見知った街並みを観ていると何とも言えない気持ちにされるのです。
もう一つ脳内に焼き付いたのが、劇中で陽菜が雨女の力をつけた廃ビルね。
あれって大都会・代々木にあるのに何処か不思議なオーラを放っていて、ビルの上に糸守の山の上にあった御神体があるような神々しい鳥居がある。そこには少しばかりのコケや草が生えていて、映画本編で3度も重要な役割を果たしました。
これはさっきも書いた自然的なアニメーションと、地に足ついた東京のアニメーションが組み合わさった結果だと考えていて、『天気の子』を象徴する場所だと思います。
一見東京には不釣り合いでもある場所を、こうも芸術的に違和感なく登場させられる新海監督スゲェ…!
オムライスにも勝る!?
アニメーション関連でもう一つ。
『天気の子』で新海監督作品を総復習してきたんですが、ひとつ気が付いたことがあって登場する食べ物が全部おいしそう!!あ、みんな知ってるよね。
まぁ本気で作ってて不味そうな食べ物アニメ見たことないけど、新海監督作品は別格です!
特に『言の葉の庭』のオムライスね。薄く焼いた卵がケチャップライスを包んでて、オムライスを割ると中から湯気が立ち上る。あぁ、オムライスくいてぇ!!
『君の名は。』じゃ三葉の口噛み酒くらいしか美味しそうな料理なかった気がするけど、今回は料理シーン多かったですね~。
たぶん映画観た方は陽菜が作るポテチ料理?を食べてみたいと思うんだろうが、私はやっぱりビッグマックかな(笑)あのクオリティのビッグマックはたぶん世界初。
私の中で映画に登場する一番美味しそうなハンバーガーシーンは『パルプフィクション』が一位でして、そこは譲れないけども。
声優たち
えー、ここでちょっと話にくい声優のお話。
声優として活躍している梶裕貴さんは置いておいて、メインキャラは大体芸能人だったのかな?
これには賛否あると思いますが、私の持論だと別に下手じゃなくてイメージに合えば声優だろうがお笑い芸人だろうが素人だろうが構わないと考えています。
だから「観てみなきゃわからない!」精神を大切にして、声優が決まった時点ではなるべく悪い印象を持たないように努力することにしてるのです。
今回も前から演技関係でいろいろ言われている本田翼さんが公開前から叩かれてまして、新海監督本人からもダメだしされたとかのニュースも回ってきたりしてて。せっかく起用されたのに可哀想だなぁという気持ちも半分くらいありました。
で、実際どうだったのかと言いますと…うん、まぁ…。思ったよりは気にならなかったかな。どちらかと言えば平泉成さんがそのまんまで登場してきて、不思議とニヤけてきちゃったよね(笑)
たぶん本作に登場する声優陣が一切明かされてなくて、何も知らない状態で映画を観たら印象が違ったんでしょう。
ひとつ言っておきたいのは演技が下手過ぎて、作品が頭に入ってこないってことはない。私があまり声優にこだわりを持たないせいかもしれんけど。
声優に関してはこのへんで!
安心できるストーリー
作品自体は非常に楽しく観させてもらったんですが、やっぱり『君の名は。』ファンに向けて作ったのかなぁって言うのがあるよね。
キャラデザも田中将賀さんだし、音楽はRADWIMPSだし、ストーリーも飲み込みやすい。『君の名は。』で新海監督を知った人が「次回作まだかなー」って待っていた3年間を裏切らない映画って言うのかな。
それでも昔から新海監督が好きな人は「昔の作風の方が好きだった」とか言うのだろうなって感じです。
私は別に新海誠ファンじゃないし『君の名は。』で新海監督作品に入門した人間なんで、『天気の子』がバッチリ来たんですが…。どうしても私のような新規層を満足させるために作った気がしてならない。
それは置いておきまして、ストーリーの軸としては「好きな女の子を守りたい!」って古くからある少年マンガ的な思想だから、万人ウケはするだろうなと。
あと、こんなにも雨のシーンが幸せで、晴れのシーンに気持ちが沈む映画に出会ったことがない!
日常生活なら雨の日=憂鬱のイメージが付きまとうのに、『天気の子』の世界に入りこんでしまうと土砂降りの雨でも幸せに感じる。同じ雨でも晴れ女商売をする前半と、陽菜を取り戻す後半とではこんなに印象が違うのかと。
陽菜がいなくなった後のカンカン照りの場面なんて言葉を失っちゃいました(笑) 見せ方ひとつでこれまで自分の中にあった雨=憂鬱の概念すら覆されるなんて…。
ラストも切ない終わり方ではなく、キチンとやるべきこと観客の求めていることはやったから、満足して帰るお客さんの方が多いんじゃないですかね。
軸にあるのはありきたりなテーマだけど、新海監督とRADWIMPSの力で『君の名は。』を除いてはこれまでにないアニメに仕上がっていました!
歌の力
「愛にできることはまだあるかい?」
その歌詞が劇中で流れた時、心が震えた。いや、マジで。
主題歌でもある「愛にできることはまだあるかい」をフルで聴いたことがなくて本当に良かったと思ってます。
だって曲の出だしで一番盛り上がるシーンが想像ついちゃうじゃないですか!予告や本編のBGMでずっと流れてたフレーズが、あのシーンで流れる感動はヤバい。
誰しも経験がある「サビだけしか知らない曲をフルで聴いた時の感動」を映画館で味わえましたからね(笑)
他にも何曲かRADWIMPSの曲が劇中歌として使われてて、そのどれもが美しい。アニメーションだけでもあんなにも美しいのに、音楽が加わることで余計にね。
正直『君の名は。』と『天気の子』以外でRADWIMPSの曲を聴く機会があまりなくて、他の曲はちょっとしか知らないんですが、それでも鼓膜だけじゃなくて全身を震わしてもらった。生で聴いたらもっと震えるんだろうな。
まとめ
何度も言うけどアニメーションも音楽もストーリーも「美しい」という言葉が似合う映画でした!
実は『君の名は。』の主人公二人が登場していたんですよ。気が付きました?
さて、この先『天気の子』は『君の名は。』を超えることができるのでしょうか。日本映画歴代2位を超えるのは難しいぞ。監督自身、興行収入なんてそこまで気にしていないのかもしれませんが。
それにしても今から次回作が楽しみになりますよね。私としてはこの路線のままで、音楽とアニメーションのマッチをまた見せてほしいけど…。でもやっぱり「スパークル」のシーンが一番だったかなぁ。
「美しい」という言葉が似合う『天気の子』。恐らく本作を生み出した新海監督も「美しい」人なのでしょう!会ったことないけどね(笑)
以上!!!