『スパイダーマン ノーウェイホーム』の最速鑑賞に行ってきた。
とにかく素晴らしいの一言だったし、始まったばかりだが2022年の代表作となることは間違いないだろう。
深夜に鑑賞したが、興奮で目と脳が冴えまくっているため今のうちに感想を書いておく。
展開の考察なんかは別記事で書いたので、今回は私の個人的な感想のみ。
当然ながらネタバレが含まれているので、鑑賞前の方はブラウザバックを。
まだ鑑賞していない方はご注意ください。
ノーウェイホーム 感想
想像は超えられたか
この映画のキャッチコピーは、「想像しろ。超えてやる」だった。
とりあえず鑑賞して感じたのは、残念ながら想像は超えられなかったということだ。
劇中ではドビー&アンドリューの過去作スパイダーマンも登場する。おそらくこれが今作一番のサプライズなのだが、多くのファンは登場を確実視ないし、想像程度はしていたのではないだろうか。
ネタバレを一切踏まずに鑑賞できた私も、「少なくとも顔見せ程度では出るだろう」と踏んでいた。
その点を考慮すると、想像が的中した形となる。ただ、だからといって満足できなかったわけではない。
この映画は観客の想像を超えた…というよりは、観客の望んだ展開に応え、ファンの妄想ではなく1本の映画として仕上げてきた作品である。
まずは過去20年くらいのスパイダーマン作品を総括し、同窓会的な要素をもたせた作品が生まれたことに感謝したい。
人生はいつだってやり直せる
今作のテーマは「やり直し」だ。
世間に正体がバレたピーターは、ドクター・ストレンジに頼んでやり直そうとする。
ミステリオの嘘が切っ掛けで、親友や恋人にまで迷惑が掛かってしまったからだ。その結果、異なる世界からヴィランたちを呼び出してしまう。
しかし、ピーターはそのヴィランたちに対しても、やり直せる可能性を見出した。本来であれば倒すだけだった相手を治療し、元の世界に返すという荒業をやってのけたのだ。
今作に登場したヴィランたちは、なにかの作用で性格がねじ曲がってしまったキャラクターが多い。
ドック・オクはアームに操られているし、グリーン・ゴブリンは薬品の影響で異なる人格に支配されている。リザードこと、コナーズ博士も同様だ。
そんな彼らをピーター(トムホ)は治療してセカンドチャンスを与えようとする。
どんな凶悪なヴィランで、最悪な犯罪を重ねていたとしても、やり直せることを証明したのだ。
この「やり直し」は別のピーターたちにも作用している。ピーター(アンドリュー)は落下するグウェンを助けられなかったが、今作ではピーター(トムホ)が助けられなかったMJを見事に救出した。
ピーター(トビー)は前回はできなかったノーマン・オズボーンを治療することに成功する。「何度も考えていた」というのだから、やはり親しかったノーマンが亡くなったことはずっと心に残っていたのだろう。
終盤にはピーター(トムホ)がグライダーでトドメを刺そうとしたところを、ピーター(トビー)が止めるという展開もあった。これは『スパイダーマン』にて救えなかったノーマンを救った形にもなる。どちらもノーマンの命を奪おうとしたのは、自身のグライダーだ。
そして、ピーター(トムホ)は今作において何度もやり直す機会に直面する。
ドクター・ストレンジやMITの重鎮に懇願しに行き、メイおばさんを殺され怒りに支配されていた時には、別世界のスパイダーマンたちに勇気づけられた。一度失敗した治療も、今度は3人のピーターでやり直す。
最後には全世界の人間から記憶を消し、すべてをリセットしてしまった。
正直なところ更生したヴィランたちが、元の世界に戻ってどのような運命を辿るのかは分からない。ピーター(トムホ)もMJたちの中から消えて、この先の人生は未知数だ。けれども、いつだってやり直しがきく。この映画はそれをひたむきに描いた作品だったといえる。
1作で完結する映画
今作は1本の映画である前に、MCUという映画史上類を見ない巨大シリーズの中の1作だ。
しかし、『ノーウェイホーム』のストーリーは劇中だけで完結を迎えており、続編があるような終わり方はさせなかった。『ドクター・ストレンジ』続編があるにも関わらずである。
この点は素直に評価したい。私はマルチバースが収集つかなくなり、その尻拭い的なことを『ドクター・ストレンジ』続編でやるのかと考えていたが、蓋を開けてみれば一応決着はついていた。
その他にも、シリーズファンとしてはマルチバースといえば『ロキ』にも触れられると思っていた。『ロキ』で起きたことが、『ノーウェイホーム』にも影響を及ぼしていると考えていたのだ。
こちらもストレンジの単なる失敗で、在り続ける者やシルヴィなどの余計な(と言っては申し訳ないけど)要素は完全に省き、スパイダーマンに集中させてくれた。
これほど大勢のヴィランが揃っているのだから、これ以上増やすのはお腹いっぱいすぎるのだが、あくまでも『スパイダーマン』作品として初めて終わらせたことは、少なからずこの映画の評価に繋がっているだろう。
この映画のMVPは・・・
多くのことが起きすぎて、色々忘れているかもしれないが、この映画はキャスト的な面でもとんでもなく豪華だった。
今作の豪華さは『エンドゲーム』や『オーシャンズ』シリーズとは次元が違う。
ただ有名なキャストを集めたのではなく、ほぼすべてのキャストが再演だったことが一番のポイントだ。再演となると一人だけでも驚くレベルの事件なのだが、それが10人近くいるというのだから、今作の豪華さがわかっていただけるだろう。
歴代スパイダーマンふたりを集めたことも素晴らしい。
トビーもアンドリューもそれぞれヒーロー映画からは離れて活躍しているし、簡単に再演を承諾するような俳優ではないと勝手に思いこんでいた。それがカメオ出演ではなく、ガッツリ出演してヴィランとも戦ってくれるのだから驚きだ。
しかし、私はやっぱりヴィランたちの方が印象的だった。特にグリーンゴブリンを演じたウィレム・デフォー。年齢もあって恐らくアクション面はスタントダブルを使っているのだろうが、マスクなしでもあの表情ができるのは彼しかいない。
初めて劇場で『スパイダーマン(サム・ライミ版)』を観たときの記憶がよみがえってくる。映画オタクなった今は演技派の名優というイメージがついていたが、改めて彼がノーマン・オズボーンだったことを思い出した。
当時小学生だった私が恐れたノーマン・オズボーンが目の前にいて、別のピーターに対してもさらなる悪事を働く。これほど心を動かされるヴィランは今後数年間出てこないだろう。
最後に
すべての試写会で落選し、私のスパイダーマン愛は届かないのかと若干不安になった。
海外公開より3週間も遅らせたソニーを意味もなく恨んだりもした。
ただ、今となってはもう感謝しかない。トム・ホランドをはじめ、すべてのスパイダーマン。そしてウィレム・デフォー、アルフレッド・モリーナ、ジェイミー・フォックスなどなど、すべてのヴィランに感謝。
感謝。感謝。
以上
『スパイダーマン ノーウェイホーム』の考察はこちら
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