Netflix映画『スパイダーヘッド』ネタバレ感想と評価 クリス・ヘムズワースのサイコ演技だけで十分

スルメ
どーも、スルメです

今回はクリス・ヘムズワース主演『スパイダーヘッド』の感想です。

この映画は現在大ヒット公開中の『トップガン マーヴェリック』を手掛けた、ジョセフ・コシンスキーが監督を務めておりまして。

さらに、ルースター役のマイルズ・テラーが出演しているんで、めちゃくちゃ旬の映画になっているんですよね。

「これは今観るしかないだろ!」ってことで、さっそく鑑賞してまいりました!

スパイダーヘッド

あらすじ

とある刑務所では囚人たちにある程度の自由を与える代わりに、薬の治験を行っていました。

その薬とは人間の感情を制御する効果があり、いきなり愛情が芽生えたり、笑いが止まらなくなったりと、囚人たちにはさまざまな効果があらわれていきます。

そんな中、囚人のジェフが治験に疑問を抱きはじめ、責任者のスティーヴに接近していくのですが……。

作品概要

冒頭にも書いた通り、『トップガン マーヴェリック』で大成功を収めたジョセフ・コシンスキーが監督を務め、小説家のジョージ・ソーンダーズが脚本を手掛けた作品です。

現実でも行われている薬の治験をテーマにしながら、その裏にある陰謀などが明かされていくストーリーになっています。

 

主演は『アベンジャーズ』シリーズでソーを演じた、クリス・ヘムズワース。7月には最新作『ソー ラブアンドサンダー』も公開されますし、彼を目当てに今作を鑑賞した人も多いでしょう。

また、『セッション』などに出演したマイルズ・テラーが囚人役を演じていて、『ハーレイクイン』のジャーニー・スモレット=ベルがヒロインを演じています。

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『スパイダーヘッド』評価

ストーリー★★☆☆☆ 2/5
キャスト★★★☆☆ 3/5
演出★★☆☆☆ 2/5
映像★★☆☆☆ 2/5

総合評価 ★ 3/10

 

「トップガンの勢いはどうした……」


『トップガン マーヴェリック』が今年暫定ベストになるくらい大好きなのですが、この映画は残念ながら……

スマホで治験薬の投与を制御しているのは面白い設定で、治験前に必ず承諾を得たり、囚人と治験の責任者の距離が近かったり、新鮮味はかなりあります。

ワクチンの治験も話題になったことがあるし、タイムリーな作品ではあるのでしょう。

 

でも、全編を通して「いや、そりゃそうでしょ!」って展開のオンパレード。

この設定を聞くだけで想像しうることは大体やっているし、最初の数分以外で特に驚くべきところはなく。

見せ方も「本当にトップガンと同じ監督か?」となるほど、緊張感もないし、貧相というか……。これは映画館と自宅鑑賞でかなり変化するでしょうが、それにしてもって感じでしたね。

 

※以下、『スパイダーヘッド』のネタバレが含まれます。

 

『スパイダーヘッド』感想

治験の恐ろしさ

皆さんは治験に参加したことはあるでしょうか?

入院や通いのどちらかがあって、発売前の新薬を試す、いわゆる臨床試験ってやつですね。

僕自身は経験ないのですが、学生時代にバイトしていた場所が「闇落ちした大学生」が集合していたところでして、ギャンブルで金を失った先輩たちが参加しておりました。

「3泊すれば今月の負けがチャラだぜ~」と意気揚々と治験に参加する先輩の姿、今でも忘れません。

僕の先輩たちは特別かもしれませんが、治験はバイト感覚でも参加できるもので、意外と身近にあるんじゃないかなと。

「世の中に絶対必要なことではあるよね」

本作はそんな治験をテーマに、意識が操作される恐ろしさが描かれた作品です。

舞台となる刑務所は、囚人たちに対して新薬の治験がおこなわれている場所。治験に対してお金は払えませんが、その対価として囚人たちはある程度の自由が与えられています。

この刑務所でのルールは、治験をする前に必ず囚人に承認を求めること。

「承認するか?」

「承認」

このやりとりがないと、治験は行われません。つまり、囚人は自分の意志で薬を投与しているわけで、人道的に見えなくもない。もちろん、このやりとりは、ラストにも活きてきます。

で、この刑務所で治験されている薬というのが、人の感情をコントロールするもの。

たとえば男女に投与すると、お互いを深く愛してしまう薬。この薬が投与されると、突然目の前の相手に対して深い愛情が湧いてきて、人前であるにも関わらず行為をおっぱじめてしまいます。相手が本来の好みか否かは関係ありません。

また、恐怖心を抱かせる薬もあります。効果はホッチキスに怯えてしまうほどで、完全に人間の自由を奪ってしまっている。薬の効果が切れれば恐怖心も消えますが、トラウマは残しますからね。

そんな感じで、数々の興味深い薬の治験を行っているのですが、ちょっと待てよと。自由を求めて「承認」って言ってるけど、この薬結構ヤバくね?ってことに気がついていくわけです。

「精神をコントロールなんてまともじゃない!」

これだけ聞くと、非常に面白い設定だし、幅が広がりそうな映画に見えます。

けれども、この映画にあるのは設定の面白さだけ。ストーリー自体はなんのことはない、「まぁ、そうなるよね」の連続でして。

そもそも背中に治験の器具をつけているとか正気か? しかもそれをスマホアプリで操作する? さらにさらに、責任者にもその器具がついてるだって?

もう脱出させる気まんまんじゃん(笑)

「俺も治験対象になるから被害者に反論できる」とかもっともらしいこと喋らせてますが、なんだかなぁ。

クリス・ヘムズワースの無駄遣い

そして、この映画はクリス・ヘムズワース主演なのに、ほぼ目立たない。

セクシーかつサイコが入った役自体は魅力的ですが、別にクリス・ヘムズワースじゃなくても。これほど影の薄い役を演じたのは『キャビン』以来か? しかも主演なのに。

『ゴーストバスターズ』とかアクションの少ない映画にも出ていたけど、あれは一応エンドロールに見せ場があったしなぁ。

「クリヘムじゃなくてもよかったよね」

彼自身は最高のパフォーマンスをしているのですが、クリヘムである必要もないよね。

唯一といっていい利点は、「囚人たちが敵わない科学者」としての迫力を出せていたこと。にこやかなのに、キレたらヤバそうというか。その辺の説得力だけはありました。

そもそも彼の目的もよくわかりません。

言われたことを守る人間を作ることで、ジェフのような犯罪者を作らないと言っても、自身も余裕でルール破ってるし。その点は自分の中で葛藤したりはなかったんですかね。

クリス・ヘムズワースを見ることが目的なら楽しめるかもしれませんが。

最後に

クリヘムは『ラブアンドサンダー』に続き、マッドマックスのスピンオフへの出演もありますから、まだまだ活躍する機会はありそう。

Netflixではハルク・ホーガンの伝記映画、そして『タイラーレイク』の続編に出演するようで。

今後も彼の活躍を楽しみに、生きていきます。

 

以上。


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