「スパイダーマンがアニメ映画化!?どうせ駄作だろ」
と思っていた私をお許しください!
当初は製作がソニーアニメーションと言うことであの世紀の大駄作『絵文字の国のジーン』を思い起こしてしまったのですが、公開されるや否や各方面からまさかの大絶賛!
『ヴェノム』の最後に予告編?が上映された時点で「何気に面白いんじゃね」って気もしていたけど、ここまでとは…。
これまで一つの世界しか描かなかったマーベル映画シリーズがついにコミック通りマルチバースに言及し、それぞれの世界のスパイダーマンを登場させてしまう度胸に感服です(笑)
本来であれば7日から公開だったのですが、IMAX限定の先行上映ということで鑑賞して参りました!
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あらすじ
時空が歪められたことにより、異なる次元で活躍するスパイダーマンたちが集められた世界を舞台に、主人公の少年マイルスがスパイダーマンとして成長していく姿を描いた長編アニメーション映画。ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通う中学生のマイルス・モラレス。実は彼はスパイダーマンでもあるのだが、まだその力をうまくコントロールできずにいた。そんな中、何者かによって時空が歪めらる事態が発生。それにより、全く異なる次元で活躍するさまざまなスパイダーマンたちがマイルスの世界に集まる。そこで長年スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカーと出会ったマイルスは、ピーターの指導の下で一人前のスパイダーマンになるための特訓を開始する。(映画.com)
感想
歴史的大傑作!
単刀直入に言いましょう!
『スパイダーマン/スパイダーバース』は傑作です!!!
しかも映画史に残るレベルの。本作がディズニーからではなくソニーから生まれたことがもう嬉しくてしょうがない!
作品そのものもそうなのですが過去作、特に初代サム・ライミ版『スパイダーマン』へのオマージュが盛り込まれ長い間シリーズを追ってきたファンにとっては歓喜とも言える作品でしょう!
初っ端から『スパイダーマン3』においてヴェノムに侵されていた時のオマージュに始まり、MJとの有名なキスシーン、列車を止めるアレ、もちろん『ホームカミング』からのオマージュも盛り込まれています。
この世界(作中における基本世界)のスパイダーマンは皆さんご存知スパイダーマン(ピーター・パーカー)です。
しかし、主役はと言うと黒人のマイケル・モラレスでピーターと同じく蜘蛛に噛まれスパイダーマンの能力を得ます。
ただこのモラレスはまだ能力を満足に操れず、
透明になれるけどコントロールが効かない。
壁を上れるけど手を剥がせない。
電気でビリビリできるけど上手く発動できない。
と言うようにムズムズする不完全なスパイダーマンなんです(笑)
能力を発動してすぐ、キングピンがスパイダーマン(ピーター・パーカー)を殺してしまう現場を目撃し、唯一のスパイダーマンとなってしまいます。
自分がスパイダーマンを救えなかった責任に駆られるマイルズの前に現れたのが、別世界から来たスパイダーマン(ピーター・B・パーカー)。
彼はマイルズ世界のピーターと酷似しているものの、MJには離婚され、メタボ気味のダメダメスパイダーマン(笑)
当初はやる気の全くないピーターでしたが、元の世界に帰るため別世界と繋がる実験を繰り返しているキングピンを倒すことに。
対する敵側はボスのキングピンを筆頭に、グリーンゴブリン、スコーピオン、ドクター・オクトパス、プロウラー等が勢ぞろい!
ヴェノムは実写やったから無いとしても結構オールスターメンバーが揃った感じがありますね!
もし続編があるならここにハイドロマン、エレクトロ辺りも組み込んでほしいかな。
キングピンと言えば頭はいいけど身体能力はそうでもないって印象がありますが、今回の彼はスパイダーマンを一撃で死に至らしめる強敵。
モラレスとも生身ながら互角に戦えるほど強いキャラクターです!
そんなオールスターの中でもプロウラーは別格に好き!
彼だけの単独作を作って欲しいくらい魅力的なキャラクターで、オリジンがめっちゃ気になります!
でも実は彼の正体は…。
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美しいアニメーション
本作のアニメーションは
コミックの中からそのまま飛び出してきたよう!
という言葉がぴったり!IMAX3Dで観ればまるで自分自身がコミック世界に入りこんだかのような感覚になれます!
なんと言うか2Dアニメと3Dアニメの中間と言えばいいでしょうか?
3Dなんだけど手書きの良さを残していて、これまで何処のスタジオも挑戦してこなかった画期的アニメーションなんです!
これ以降ソニーがマーベルのアニメを作るなら全部このコミック調アニメーションで制作してほしいくらい完璧でした(笑)
というかマーベルとの提携で今後もアニメーション制作することがあるのでしょうか??
「MCUにスパイダーマンを貸し出したのだからマーベルのキャラうちにも使わせてよ!!」
ってことになっているのかもしれません。裏では。
ラストまでの展開
キングピンやドクター・オクトパスに阻まれたピーターとモラレス。
しかし、そこに表れたのは4人のスパイダーマンたち!
スパイダー・グウェン
スパイダー・ハム
スパイダーマン・ノワール
ペニー・パーカー
一人一人解説したいのですが、割愛。
でもペニー・パーカーは完全に日本人を意識して作られていて、可愛い。日本語も時々話します(笑)
彼女だけは自身が蜘蛛に噛まれたワケではなく、蜘蛛が中に入ったロボットを操って戦います。
6人が集結してスパイダーバース!と思いきや、やはりモラレスの能力はうまく発動せず「お前はここに残ってろ」と最終決戦に置いて行かれてしまうんです。
しかし、そこはアメコミ。父親の言葉と慕っていた叔父の死によって覚醒!!
スパイダースーツを持ち前の落書き能力で真っ黒に塗装して、決戦の場へと向かうのです!
最後は劇場で観てほしいのですが、ラストまでの展開が激熱で何故か目頭まで熱くなる(笑)
ナヨナヨしてて位置的にはナードにいるモラレスの成長、ダサかったピーター・B・パーカーのお言葉。
うん、アメコミで大事なところをすべてカバーしているよね。
これほど王道な作品は最近少ないし、何度も描かれてきたスパイダーマンのオリジンをこんな手法で観せられるなんて思いもしませんでした!
これまでスパイダーマンは一人しか登場しませんでしたから、映画の尺的にサクッと能力を使えるようになっていました。
「じゃあオリジンをガツンと長い時間かけて描こう!スパイダーマンの師匠も登場させて能力使えない間は彼に頑張ってもらおう!」
と良く考えたものです。
しかも6人のスパイダーマンそれぞれがちゃんと役割を持ち、特徴を持ち、能力も性格も違う。
スパイダーマンだけでなく、数多く登場するヴィラン達も上手く動かしているので完璧と言うしかない(笑)
悪い要素がほとんど浮かんでこない、べた褒めできる作品でした!
まとめ
本作の満足度を★10段階で表すと・・・・
★8
今年最高のアニメ映画になることは間違いないでしょう!
アニメ表現に至っては今後10年くらいはこの作品を超えるほど衝撃的なものを作り出すのは難しいかも!?
プロウラーの過去編をもうちょっとほじっても良いような気がしますが…。
アニメでは(実写でもそうだけど)映像美と脚本がうまく融合していることが必須だと思うんですよね。
例えば初めて全編3DCGで作り上げた『トイストーリー』なんかはストーリーがダメダメだったら全然記憶に残らない作品だったと思うし、
『君の名は。』も映像と音楽の美しさがなければ流行らなかったでしょう。
完璧なアニメには完璧な脚本が必要で、それが無ければただ映像が凄いだけのPVになってしまいます。
その点『スパイダーマン/スパイダーバース』は完璧に作り上げられていたので、かなり満足できました!!
あ、でも今年は『トイストーリー4』があるのか。まだ今年最高傑作と言うには早かったかも。
以上!!!