映画『スペシャルアクターズ』ネタバレ感想 教祖様のキャラが強すぎて・・・

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

今回は『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督作品『スペシャルアクターズ』のレビューです!

昨年大ヒットした「カメ止め」はね。このブログでも何度か取り上げたように、結構好きなのよね。いや、かなり好きでした!

第二作目(共同監督だけど)『イソップの思うツボ』はまぁ賛否あったけど、作り手の気持ちが伝わってくる映画だったんだよね。

そして第三作が今回レビューする『スペシャルアクターズ』。またしても「予測不能系映画」として宣伝されていますが、前二作と同じようにサプライズが用意されているのでしょう!

どんなに出来が良くても「カメ止め」と比べられてしまうような気が……。それだけ衝撃的な長編デビューでしたからね。

「カメ止め」から1年ちょっとの間に3本目まで観られるとは思いませんでしたがw とにかく嬉しい限りです!

では、レビューにいきます!

 

※この記事はネタバレを含みます!

スペシャルアクターズ

あらすじ

役者としてまったく芽が出ない和人は数年ぶりに再会した弟から俳優事務所「スペシャル・アクターズ」に誘われる。その事務所は映画やドラマといった仕事以外に、日常で演じることを要求される仕事も請け負う、何でも屋的な側面を持っていた。そんな中、カルト集団から旅館を守ってほしいという依頼がスペアクに飛び込んでくる。スペアクの役者たちは、旅館乗っ取りをもくろむ集団への対策のために計画を練り、演技の練習を重ねていく。和人はこのミッションの中心メンバーとなるが、彼には誰にも話していない秘密があった。それは緊張が極限まで達すると気絶してしまうというものだった。

映画.com

監督

監督は前述したように上田慎一郎

今回も「カメ止め」同様、キャストの性格を観て「当て書き」として脚本を執筆したらしく、雰囲気もちょっと似ているような……。

「カメ止め」では初長編ながら日本アカデミー賞に何部門もノミネートしたり、インディーズ映画とは言えないくらいヒットしましたからね。

あのユーモアセンスは、広い世界を観てもなかなか観られないです。

キャスト

今作のキャストは1500人のオーディションから選ばれた役者たちで構成されています。

個人的には「カメ止め」メンバーを何人か使って…って言うのも観たかったんですが。監督と役者でコンビを組むことってあるじゃないですか?デニーロとスコセッシとか、ミフネとクロサワとか。

そんな感じで上田慎一郎と濱津隆之みたいな。まぁ「カメ止め」メンバー忙しそうですしね。

出演者は主演の大澤数人を筆頭に、河野宏記富士たくや北浦愛などなど。

評価

僭越ながら『スペシャルアクターズ』』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

★6

やっぱりどんでん返し映画が好きなのか

「上田監督の作品にはいつもサプライズがある」

そうなってしまって良いのか、悪いのか。必要以上にラストに期待してしまったりするんじゃなかろうかと。

監督自身、人を楽しませたり驚かされたりするのが、とことん好きなんだろうなぁと改めて感じた1本でした!

俺も騙されるまいと身構えていたんですが、見事に騙されてしまって、いろいろな疑問が一気に解消されましたねw

「カメ止め」もそうでしたが、映画作りが非常に上手い監督だと思っていまして。ストーリー自体も面白いんで、「スペシャルアクターズ」設定だけでもう1本映画作れそうな気もしますね。

 

ただ、長編1作目が「カメ止め」でしたから。あの奇跡的な完成度と比べてしまうと…って言うのがあるんですよ。

違う映画だから比べたりするのはなぁと思ったりもしますが、比べないと言うのも無理な話。それだけ「カメ止め」が偉大だったんですかね~。

ってことで以下、詳しい感想です。どんでん返しの内容については触れないので、知りたい方はぜひ映画館へ!

 

ここから先は『スペシャルアクターズ』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

売れない役者の和人が出会ったのは「スペシャルアクターズ」という風変わりな事務所。

ここでは依頼人に役者を貸し出し、演出や脚本まで行うという「何でも屋」稼業を行っています。

例えば試写会のさくら。ひたすら笑い声を上げて観客を盛り上げる手伝いをしたり。

例えばクレーム対応のテスト。飲食店でわざと問題を起こし、社員のクレーム対応力をテストしたり。

などなど、役者が使えそうな分野なら何でもこなすという事務所なんです。そこに舞い込んだのが「詐欺集団に狙われている旅館を救う」というものでした。

男性に問い詰められると気絶するというハンデを背負った和人は、役者として詐欺宗教集団”ムスビル”に潜入する。

で、このムスビルって宗教団体がかなりの胡散臭さでして、そこら辺で拾ってきた石を何千円で販売したりだとか、教祖のプロマイドを売っていたりします。まぁ典型的過ぎる宗教詐欺ですねw

それをどう懲らしめていくかって言うのが主なストーリーになるワケです。

 

どう考えても引っ掛かりそうもないバカバカしい詐欺なんだけども、ムスビルの幹部たちがかなり濃いキャラクターでして。

特に教祖の多磨瑠は宇宙からの声を聴ける代わりに喋れなくなったという設定で、常にボーっとした表情でいる。教祖様なのに一番ビビリで、たまに声を出してしまうというw

そんな教祖の声を信者たちに伝えるのが父でもある克樹。多磨瑠からテレパシーを受けて話しているのですが、こっちが詐欺集団のボスですね。

この親子が出てくるだけでもう面白いw 親子と言えば「スペシャルアクターズ」側のボスと娘の関係も良いなぁ。スペアク側は娘の方が力が強いんですけど。

 

で、この物語はコメディでもあるんですけど、気絶してしまいがちな和人の成長物語でもあるんですね。

極度の緊張で気絶しちゃう和人はせっかくオーディションに呼ばれても、役を獲得することができません。しかし、憧れていたヒーローとしての役割を「スペシャルアクターズ」で演じることで、徐々に成長していくのです。

「カメ止め」は酔っ払いだったり、下痢気味だったり、センスないカメラワークが趣味だったりと問題のある奴らが集合していました。

役者もスタッフも問題児ばっかりだったから、あの「ワンカット・オブ・ザ・デッド」が完成したと。普通じゃない人たちが集合したことで起きた化学反応みたいな感じで、抜群の面白さを放っていたと思います。

しかし、今回の問題児は和人ひとり。他のスペアクメンバーたちは、特に問題を起こすことなく任務を進めていきます。

そこは「カメ止め」とは対照的でしたね。他のメンバーも面白くはあったのですが、「カメ止め」ほどアットホームな感じではない。その理由も後々明かされては来るんだけど。

あまり深く書くとネタバレに繋がりそうなので、今回はこの辺りで終わりにしておきますw

まとめ

上田慎一郎監督は「カメ止め」だけじゃなかった!

本当に次回作も楽しみになるような映画でして、次はどんなアイデアで攻めてくるのか今からワクワクしております!

ただ、毎回「カメラを止めるな!の上田慎一郎監督作品」と宣伝するのは如何なものか。代表作であることは間違いないけど、まったくジャンルの違う映画を撮った時はどうするのだろう。

また「カメ止め」の俳優たちも交えた映画を観たいです。

以上!!!

 

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