『ソウルフル・ワールド』感想 最高に「ピクサーってる」映画

どーも、スルメです。

今回はDisney+での配信となった『ソウルフル・ワールド』の感想となります!

いやね、コロナもあるから仕方ないのは分かるんですよ。ワーナーもHBOマックスでの配信に切り替え始めているし、映画業界がそちらの方向に進むのも理解できる。

ただ、ピクサーの最新作くらい映画館でやろうよ!!

本国ではまだ無理かもしれませんが、日本では「鬼滅」が歴代トップに躍り出るくらい、映画館に人が集まっているわけで。日本では限定公開してくれてもよくない?

 

感想いく前に言っちゃうけど、この映画は本当に最高だったんですよ!

僕にとっては「2020年最後の新作映画」になるんですけど、『ソウルフル・ワールド』が大トリを飾ってくれたのよ!

監督が『カールじいさん』のピート・ドクターの時点で良作であることは想定していましたが、これは予想以上!ピクサーの味が出まくった作品なんですね。

だからこそ映画館で観たかった!俺は劇場で観たかったんだ!!

……まぁ、今年中に届けてくれたことには感謝しなきゃいけないのかもしれません。ありがとう!ディズニー!

 

※この記事は映画のネタバレを含みます

ソウルフル・ワールド

監督ピート・ドクター
脚本ピート・ドクター、ケンプ・パワーズ、マイク・ジョーンズ
出演者ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイ、グラハム・ノートン 他
製作国アメリカ
上映時間100分

監督のピート・ドクターは『モンスターズ・インク』と『カールじいさんの空飛ぶ家』を手掛けた方です。

僕の中ではジョン・ラセターとアンドリュー・スタントンと並んで、CGアニメ監督の代表格。特に『モンスターズ・インク』大好きなんでね。これは注目せざるを得ないでしょ。

あと吹き替え版に関しましては、主人公を浜野謙太さんが、22番を川栄李奈さんが演じています。川栄さんの声(顔も)大好きなんで、今回は吹き替えで鑑賞しています。というより、ピクサー映画の初回は吹き替えで鑑賞することにしているんですけど。

ソウルフル・ワールドの評価

僭越ながら★10段階で満足度をあらわすと・・・

 

★8

 

ありきたりなテーマを名作に昇華させた

とにかく今年の海外アニメ映画の中では、頭一つ出ている印象。同じピクサー作品の『2分の1の魔法』以上に面白く、映画としての質も高いと思います!

本作は「生きることって素晴らしい!」と普遍的なテーマを描いているんですよ。ただこれって正直言って使い古されているし、ほかの映画だったら「あー、またこのパターンね」となってしまうかも。

でも、ピクサー様はたくみな設定を使って、「生きることって素晴らしい!」設定をこれまで以上に説得力を持たせています。

 

やっぱ死後の世界とか、生きる目的とかの設定が秀逸で。ピクサーって設定とか世界観を作るのがめっちゃうまいんですよ。

「死後の世界」は過去にも『リメンバー・ミー』で描かれていますが、本作とは世界観も設定も全然違う。本作はもう少しダークで、ブラックジョークを効かせた死後の世界が描かれます。

「こんな世界だったら死んでからも楽しそう」と思うけど、やっぱり「生きるって素晴らしい!」

 

ここから先は映画のネタバレを含みます。

 

ソウルフル・ワールドの感想

ジョー・ガードナーはジャズミュージシャンになる夢を抱きながらも、現在は中学校の音楽教師をしていました。学校では正規雇用にランクアップされるも、ジョーは悩んでいる様子。彼は中年になった今でもミュージシャンを諦めておらず、「このまま教師の人生でいいのか?」と考えるわけです。

そんなときに元教え子から1本の電話が。有名ジャズミュージシャンのドロシアのバンドに誘われたのです。しかし、ジョーを心配する母には「教師の仕事を受ける」と嘘をついていました。

無事にドロシアとのセッションを終え、その才能を認められたジョー。カルテットのメンバーに加えてもらいますが、その帰り道にマンホールに墜落し、命を落としてしまいます。

目が覚めるとそこは死後の世界!エスカレーターのような動く坂の上で、これまた謎の光に向かって自動的に進んでいきます。自分が死んだことを理解したジョーは、なんとか逃げ出そうとエスカレーターから脱出。さらに落下し、ソウルたちの世界「ユーセミナー」に迷い込むのでした。

 

ユーセミナーは魂が「どんな人間になるか」を選別している世界です。ここではいくつもの「性格」が埋められていき、人格が構成されていきます。謎の宇宙的な生命体が働いていて、魂たちをサポートしているのですが、最後のひとつの要素は自分で見つけなければなりません。

ジョーは魂たちと「最後のピース」を一緒に探す仕事に就くのですが、彼のパートナーは何千年も魂の世界にとどまっている「22番」でした。

ジョーは生き返るため、22番が探す最後のピースを見つけようとするのですが、へんてこな形で現世に蘇ってしまいます。

 

中盤までの展開はこんな感じ。ここからはがっつり感想を書いていきます。

 

22番のキャラクターが秀逸すぎる

もうひとりの主人公である22番は、現世が大嫌いでずっと魂の世界に留まろうとしています。その時間は約1000年!長すぎる…。

この世界では謎の生命体ジェリーが「こいつは自己中、こいつは短気…」などと、勝手に性格分けをしています。6個くらいの性格はジェリーによって決められるのですが、最後のひとつ…つまり「自分を構成するもっとも大事な要素」は自分で見つけなきゃいけないんですね。

それは「生きる目的」とも解釈されますが、この最後のピースがはまることで、人間として生を受けられるって設定です。最後のピースは別に何でもよくて、野球とか音楽とか、なんならピザでもアリっぽい。主人公のジョーは、表面上は最後のピースを探す手助けをすることになります。

 

ただ、22番は一筋縄ではいかない!こいつ見た目はめっちゃ可愛いし、声は川栄なのにスゲェ生意気(そこがまたかわいくもあるんだけど)

とにかく何事にも興味を示さず、最後のピースがどうしても埋められません。ジョーに対しても「音楽は刺さらない」「ピアノの音はあまり好きじゃない」などなど、かなりの毒舌を吐きますw

しかし、ひょんなことから「ジョーの身体」を持って現世に降り立ってしまいます。つまりジョーが生き返る過程でこんがらがってしまい、22番の魂がジョーの身体に、ジョーの魂は近くのネコに移るのでしたw

ここからが本作のメイン。はじめての現世をジョーの身体を通して体感した22番は、人々のやさしさや音楽に触れていく過程で、現世に愛着を持ちはじめるんですね。1000年間も嫌っていた世界の美しさにようやく気がついたんです。

 

この「生意気なキャラ」を通して、世界の美しさを語っていくのが最高にピクサーらしい。この辺は『カールじいさん』にも通じる部分があって、頑固者のカールじいさんは妻を亡くしたことで初めて世界と向き合いました。『ファインディング・ニモ』もそんな感じですかね。

歩くだけで喜ぶ22番に対して、ジョーが「そんなのただの生活だろ?」って答えるシーンがあるんだけど、この映画が伝えたいことはすべてここに集約していると思います。

自分にとっては普段気にも留めない「アタリマエ」でも、ほかの誰かにとっては「特別」なものだったりする。コロナでいろいろ悩まされた2020年だからこそ、この当然すぎるテーマが余計刺さるんですよねw

ちょっと前までマスクなしで映画に行って、友達と大声で騒いで、海外旅行も行けた「アタリマエ」が、今では遠い過去にすら感じる。

自分が生きる意味とは

「生きる意味がなきゃ生きちゃいけねーのか?」

そんなちょっとカッコいい疑問にも、きちんと答えを出してくれたラストでした。

22番のジョーは「生きる意味、目的(きらめき)」を必死になって探すんですよ。

ふたりを観ていると「僕は映画を観ることか、ゲームをやることかなー。あ、ブログもあるし、それかな~」とか考えるわけですが、そもそも生まれる前からすべてが決まっているのっておかしいよ。ディズニーらしくないじゃん?

中盤まではそんなふうに思っていました。けれども、ラストにて「最後のピース」の本当の意味が明かされます。どんでん返しってほどでもないし、なんなら大したことない設定なんだけど、サラっとラストに持ってくるのがにくいね。

 

あと「生きる意味」にもつながってくるのですが、「迷子のソウル」と呼ばれる魂の設定について。

生きているにも関わらず、生と死のはざまに来てしまった魂たちなのですが、これはもう一周回って怖い。もしこんな世界があったら、絶対自分の魂もそこで迷子になってるわ~

特にジャグラーの通常時打ってるときとか、スマホでYouTubeひたすらみているときとか、絶対迷子になっていると思う。「目的がなきゃ生きちゃダメ」とは言わないけれど、無駄な時間を過ごさないほどの目的は欲しいもので。

『のぼる小寺さん』って映画が今年ありましたが、あの主人公のように「ひとつのことを熱中する人間」を僕は目指しています。僕の場合はアニメ見たいし、映画観たいし、ブログ書きたいし、マンガ読みたいし、本読みたいし、ゲームしたいし、ドラマ見なくちゃだし…でやりたいことが多すぎて、もはや何もできないガチな迷子状態。

そこに「仕事しなきゃ」が入らない時点で、僕は幸せなのかもしれないけど。

 

…そんな感じで、とにかく最高にピクサーってた映画でした!

たぶんジャズってはいないな。即興よりも作りこみタイプの映画に見えるよね。

 

以上!!!

 

ソウルフル・ワールドを無料視聴するには

Disney+ (ディズニープラス)ではピクサー映画を配信しています。

Disney+とは、ディズニー作品を多く扱っている、動画配信サービスです。月額700円でピクサー映画を含む、多くのディズニー作品が見放題になります。

また、初回登録時には1か月の無料期間があるので、期間中に解約すれば実質タダでピクサー映画を観ることができます!

 

 

ディズニープラスのラインナップ

  • アナと雪の女王2などのプリンセス映画
  • トイ・ストーリー4を含むピクサー映画全作品
  • アラジンを含むディズニー実写映画
  • スターウォーズ シリーズ
  • ディズニーチャンネルのドラマシリーズ
  • アイアンマンやアベンジャーズなどマーベル映画

などなど、ディズニー作品はほとんどすべてが網羅されています。

他の見放題サービスではディズニー版権の作品は、ほとんどないので、ディズニーファンにとっては欠かせないサービスです。

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