ここまで“怖くなさそう”なホラー映画があっただろうか
僕は数多くのホラー映画を観てきたけど、『それがいる森』ほど、「これ絶対怖くないやつっwww」と思った映画はなかったかもしれない。
で、この映画、怖かったのかい?怖くなかったのかい?
どっちなんだい?
こわくーーーーーーー
ないっ!!パ、
以下、ネタバレありの感想になります。
映画見放題のおすすめVOD
ディズニーアニメ&マーベル&スターウォーズ大量配信
Disney+(ディズニープラス)
名作ディズニー映画からオリジナルドラマまでを網羅!日本のアニメ作品も数多くラインナップされています。
31日間無料体験&作品数24万本
U-NEXT
圧倒的な作品数と、独占配信の海外ドラマが特徴!アニメ、映画、クラシックまで、幅広くラインナップされています。
“それ”がいる森
https://www.youtube.com/watch?v=Bp6Sv0nS7Y8
舞台となるのは福島県の山間にある小さな町。正体不明(タイトルにあわせて“それ”と呼称)の生物があらわれ、子どもたちを襲いはじめる。
農家をやっている淳一(相葉くん)は、息子を守るため、“それ”と対決していくことになる。
大体のあらすじはこんな感じ。というか、これ以上のストーリーはほぼないので、あとは相葉くんと“それ”の相性を楽しめるかどうかが大事。
序盤は“それ”の正体がわからないまま、進行していくのだが、この時点からストーリーに惹かれない。
小学生同士の争いを見せつけられ、取ってつけたような親子のすれ違いを見せつけられ、「どうした中田監督?」と思わずにはいられない。
序盤も明らかに不自然な伏線の張り方で、ストーリーがスムーズに飲みこめないのだ。
もう少し観客を信頼し、自然な伏線の張り方を心掛けてほしかったのが、正直なところ。
この辺りは、子ども向けに作られているなら理解はできるのだが、問題は“それ”の描写にある。
“それ”に興味がわかない
映画冒頭、森に迷いこんだ小学生たちが、ある物体を発見するのだが、それはどっからどう見ても〇〇〇なので、この時点で“それ”の正体がわかる。
「ひょっとしたら、僕らは騙されているのではないか?ミスリードじゃないか?」
僕もそんな風に思っていた時間がありました。けれど、どんどん“それ”の正体が固まってしまって、結局なんのひねりもなく登場!
これはある意味でどんでん返し。まったくどんでん返ししないことで、観客の予想(期待)を裏切るどんでん返しよ。
タイトルにまでしてしまった“それ”に対して、びっくりするほど興味がわかない。
さらに言えば、正体がわからない時の“それ”も、まったく怖ねぇ。
たとえ予想通りの展開でも、怖く演出することはできたはずなのに、もうコメディだよ。
バイブレーションしながら動き出したときと、ペニーワイズとデモゴルゴンを組み合わせたような口を見せたときは笑ったね。
“それ”とはなにか
僕はこの映画がジョーダン・ピールの『NOPE ノープ』と同時期に公開されたことが、本当にかわいそうに思う。
『NOPE ノープ』はUFOを社会問題に合わせて描き出し、まったく新しい設定を与えてしまったのだから。この映画は、何十年も前のパニック映画をそのまま繰り返しているだけで、なんの発展も驚きもない。
ジョーダン・ピールの新作は、UFO(未確認飛行物体)を描いたものだと聞いていた。『ゲットアウト』『アス』で、世界を驚かせたジョーダン・ピールなのだから、UFOがテーマだとしても、ただのSFスリラーにはならないだろう。そう踏んでいた。[…]
結局、この映画はホラー映画に見せかけた、モンスターパニック映画だった。
おそらくシュワちゃんがいれば、筋肉ですべてを解決してくれただろう。先生役はシガニー・ウィーバーに任せておけば、一人の犠牲者を出すこともなく、終わっていただろう。
つまり、『エイリアン』や『プレデター』や『宇宙戦争』なんかを彷彿とさせる、パニック映画だった。
“それ”のビジュアルも想像の域を出ないもので、こちらもかなり酷い。
巨匠たちが趣向を凝らしてデザインしてきたからこそ、今日のモンスターパニック映画があるわけだが、今作はそれすらお粗末なものだった。
あえて直接的なネタバレはしないでおくが、とにかくチープである。
最後に
唯一良かった点は、相葉くんが頑張っていたところですかね。
むしろ、彼のおかげで映画に説得力が生まれたように思える。
相葉くんがヌルヌルになる貴重なシーンもあるので、その点においては楽しめたといえるだろう。
結論としては、『NOPE ノープ』を観なさい。ってところかな。
以上。