映画『屍人荘の殺人』ネタバレ感想 これってもしかして○○○映画??

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

今月の…いや、今年最後のキラーコンテンツになるのではないかと予想している『屍人荘の殺人』

私の中で自論がありまして、神木隆之介くんが出演している映画は大きな外れはないんですよね。『3月のライオン』『ジョジョ』も何だかんだで悪くはなかったし。

しかも彼は子役時代も含めると日本映画歴代売り上げ3トップ(「千と千尋の神隠し」「君の名は。」「ハウルの動く城」)すべてに出演しています!

それは偶然なのか、必然なのか定かではありませんが、とにかく印象はめちゃくちゃ良いよねってことでして。

えー、さらに原作もめちゃくちゃ評価高いみたいですし、意外とミステリー好きな俺としては外せない一本かなと。

 

というわけで、さっそくレビューに参ります!

 

※この記事はネタバレを含みます!

屍人荘の殺人

あらすじ

ミステリー小説オタクの大学生・葉村譲は、先輩でミステリー愛好会会長の明智恭介に振り回され、ホームズとワトソン気取りで学内の瑣末な事件に首を突っ込んでいた。同じ大学に通い、私立探偵の顔も持つ剣崎比留子は、2人に音楽フェス研究会の夏合宿への参加を持ちかける。実は比留子のもとには「今年の夏合宿で何かが起こる」との犯行予告が届いていたのだ。夏合宿がおこなわれる山奥のペンション紫湛荘へと向かい、3人は研究会のメンバーと合流する。そしてその夜、密室状態となった紫湛荘で惨殺死体が発見され……。

映画.com

監督

メガホンを取ったのは『任侠学園』木村ひさし監督。

主にテレビドラマを手掛けてきた監督です。特に菅田将暉遠藤憲一が主演した『民王』は面白かったですね~。

現職の総理大臣とぐーたら息子が入れ替わるって話なんですけど、その役に強面のエンケンを持ってくるか!っていうw 菅田将暉もまだ売れ始めたぐらいでして、このドラマで初めて知ったような。

来年は坂口健太郎永野芽衣主演の『仮面病棟』が公開されるし、これから売れそうな監督ではありますね。

キャスト

主演を務めたのは神木隆之介、中村倫也、浜辺美波の3人。

神木隆之介くんは冒頭で紹介したから省くとして、中村倫也『闇金ウシジマくん』のイメージが強すぎてですね。確か女性を洗脳して酷いことするって役だったのですが、ウシジマくん登場キャラの中でも特にクズな奴でしたw

それ以降は・・・お恥ずかしながら実写版『アラジン』の吹き替えしか観ていない気が。『3月のライオン』とかにも出演していたようですが、まだ認知していなかったんで……。

浜辺美波『アルキメデスの大戦』とアニメ映画の『HELLO WORLD』でしたか。最近人気が高いようでCMやドラマでも見かける機会が増えましたね。

出演作は過去にレビュー書いているのでよろしかったら・・・

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その他のキャストは矢本悠馬、佐久間由衣、塚地武雅、ふせえり、柄本時生などなど

評価

僭越ながら『屍人荘の殺人』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

★6

スルメの評価一覧

 

なんか思ってたんと違う・・・

さっそくでなんですが、これは「予告編詐欺」と言われても仕方がないですねw

この記事を書いている現在はまだ公開当日で鑑賞した方も少ないけども、今後は「予告編詐欺」という言葉が増えてくる気がするなぁ。

私は原作読んでいないのですが、小説もこんな感じなのでしょうか?

だったとしたら私がこの記事の仕込みをしている段階で、重要なネタバレを食らわなかったのは奇跡に近いと思う。

確かにこの作品は非常に画期的なミステリー作品です。面白いか、好きか嫌いかとかは別にして「画期的」という部分ではたぶん異論は出ないでしょう!

 

ミステリー小説でいいますと、絶海の孤島で起きる「十角館の殺人」「迷路館の殺人」と同じく”クローズド・サークル”というジャンルですかね。

周りに何もない場所で殺人事件が起きて、犯人はこの中の一人……。といった感じでミステリーでは定番のシチュエーションです。

しかしながら、定番はそのままに”ある要素”を加えることで今までにない革新的な作品になっていました!

 

”ある要素”についてはネタバレを含むので下で書きます。映画を観終わった、もしくはネタバレを気にしない方のみ先にお進みください!

 

ここから先は『屍人荘の殺人』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

これはZですか?

大学のミステリ愛好会に所属する明智(中村倫也)と葉山(神木隆之介)は、大学内でホームズとワトソンと呼ばれていました。

隣人たちの事件を解決(首を突っ込んで)してきた彼らは、不思議な女子大生の剣崎(浜辺美波)からロックフェス研に届いた脅迫状について知らされます。フェス研では去年の合宿の最中に奇妙な失踪事件が起きていたのです。

事件に興味を持った二人は合宿の地である「紫湛荘」に赴き、ロックフェス研にまつわる事件を解決していくのでした・・・!

 

っていうのが私が予告編やあらすじを観た時点で抱いた印象。伝統的なクローズドサークルを用いながらも、コメディ多めで結局は大円団で終わりかな~と思っていましたw

一応ほら、邦画だしさ。『犬神家の一族』みたいなホラー要素もあるミステリじゃなさそうだし?要するにコメディでしょ?

って感じで舐めてかかっていたのです。

しかし蓋を開けてみると、なんと新しいことか!この映画はホラーとミステリとコメディが複雑に絡み合った映画だったんですね。これは実写化向きですわ~と原作も読んでいないのに唸ってしまった。

 

そう!この映画にはゾンビが登場するのです!

というかゾンビがいる中で起きる殺人事件を解決していくという、ゾンビ映画とミステリ映画の良いところを合わせた作品でした!

今思えばポスターですでにゾンビの存在を匂わせていたんだよね。


(C)2019「屍人荘の殺人」製作委員会

ポスターを見ると意味ありげに手形が目立つじゃないですか?

鑑賞前は大して気にしていなかったのですが、これは完全にゾンビの登場を示唆していたんだなと。

うーん、ここまで巧みに存在を隠すとは…。別に予告の時点で「ゾンビがいる中でさらに殺人が…」ってやっても違和感はなかった気がしますが。

クローズドサークルとホームズ

クローズドサークルというと海に囲まれた島、あるいは悪天候で山を下りられなくった山小屋辺りが浮かびます。映画だとホラーになりますが『死霊のはらわた』とか『キャビン』とかが近いかな。

先ほども書いたように「屍人荘の殺人」もこれに該当するのですが、周りには海や山ではなくゾンビがいますw

つまり・・・ゾンビがいた!→ヤバい襲われるやん!→ペンションに逃げ込もう!→外ゾンビで囲まれた!→一歩も出れない・・・!

っとなるわけであります。ゾンビを用いることによって、これまでにないクローズドサークルを実現させているんですね。

さらに面白いのがゾンビたちは徐々にバリケードを突破してくるから、人間たちの活動範囲が狭まっていきますw

最初はペンション全体を使用できたのに対し、一階に侵入され二階のバリケードも破られ、最後は屋上だけみたいな。まさに「フォートナイト」の終盤状態になっていくワケで。

しかも殺人事件も同時に起きているから、限られた時間と食料の中で解かなければいけません。

個人的にはもう少しゾンビ映画らしい仲間割れがあって欲しかったところですが……。基本皆さん協力的なんでね。内輪揉めがまったくないのも面白味に欠けるかなと。

 

えー、そして中村倫也演じるホームズこと明智なんですが、なんと!序盤でゾンビに喰われますw

コイツめっちゃ良いキャラしてるやん!神木くんより好きかも!と思った矢先にこれですよ…。もちろん重要な犯人当てのシーンには顔を出さないどころか、ペンションにすら入れませんからねw

ポスターでその位置飾っているのに、そりゃないよと。浜辺美波と神木くんのダブル主演でしたわ。

これは中村倫也目的で観に来た人はどうするんだろう?映画自体が面白いんだけど、序盤で死ぬと知ったら満足できないんじゃない?

私としてはかなり画期的だと思ったのですが、一部の人からの批判がないか不安です。

ゾンビトリック

この映画におけるゾンビの活用法はクローズドサークルだけじゃありません!

なんと犯行の道具にゾンビが使われるというシーンがあるんです!そんなの今まで観たことないぜ!

特にですね、今作の犯人は被害者に非常に強い恨みを抱いていまして。一度ゾンビに殺させ、ゾンビ化した被害者をさらに自分で殺す、二度殺しを実現しているのです。

それほど強い殺意の原因については詳しく書きませんが、計画的に紫湛荘にもぐりこんだ犯人はゾンビを使った殺害方法を思いつきます。

その内の一つをご紹介すると、まず被害者Aを眠らせエレベーターに乗せます。そして1階に降ろしゾンビに噛ませた後、再びエレベーターを起動させゾンビ化した被害者を自分で殺すと。

この手口によって、序盤の方はゾンビが犯人だと思われていたこともありました。ゾンビの噛み傷がある。じゃあゾンビが犯人だ!みたいな。

それならば噛んだゾンビはどこに行ったのか?とか数々の疑問が残るのですが、犯人像を絞らせないのはゾンビを使っての犯行のメリットといえますね。

 

ただトリックに関しては感心したものの、犯人の正体は意外にも早くに気がついてしまいまして。これは隠す気がなかったのか、私がたまたま察しが良かっただけか。

とにかく「意外な犯人」ではまったくありませんでしたw ミステリ作品だから残念要素の一つに数えちゃいますよね。

しかも犯行の動機まで察しがついてしまったので、ラストに進むにつれて余計に楽しめなくなるという。

驚いたのはゾンビとそれを使っての犯行の部分だけですかね。それ以外は優しいミステリといった感じです。

 

まとめ

面白かったけど、次はないな。

新しいジャンルを作ると後に続く作品が登場したりするのですが、この作品に関してはこれで十分!

もうゾンビ+ミステリーはそんなに興味が湧かないかなぁ。ちょっと前に『アナと世界の終わり』というゾンビ+ミュージカルがありまして。あれはあれで面白かったけど、次はもういいかなと。

えー、好きな作品ではありましたし、浜辺美波ちゃんの可愛さにやられましたが、不満点も目立つ映画でした。!

 

以上!!!

 

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アイキャッチ画像 (C)2019「屍人荘の殺人」製作委員会