『シャフト』日本では公開されませんでしたか…。
まぁ前作が売れたかどうか微妙なラインだし、先に公開されているアメリカでは腐った評価受けてるんでNetflix配信で十分だったかも?
サミュエル・L・ジャクソン主演で映画化された前作って実は1971年公開の『黒いジャガー』のリメイクなんですよね。
本作はそれ以来19年ぶりの続編でして、続編なのにタイトルは同じ。なんのこっちゃ。
しかしサミュエル・L・ジャクソン売れまくりですよね(笑)
この間は『キャプテン・マーベル』で若返って、次は『スパイダーマン』で今度は『シャフト』ですか。
こんなに売れても名わき役って印象が強いのは主演はしないからですかね。
大体主人公のサポート役とか悪役ポジションだし、主人公でドンパチやる映画は珍しいかも!?
『シャフト』
あらすじ
父親であるジョン・シャフト(サミュエル・L・ジャクソン)に捨てられ、母・マヤ(レジーナ・ホール)と二人で暮らしてきたジョン・シャフト・ジュニア(以下ジュニア)は、父親と違って銃も喧嘩も嫌いな真面目な青年に育っていた。
父親と会うこともなくFBI捜査官になったジュニアだったが、ある日親友のカリムが遺体で発見されたことを知る。
薬物中毒を克服したカリムが中毒症状が原因で死んだことに疑問を持ったジュニアは、警察を止めて私立探偵になっていた父親に助けを求めることに。
久しぶりに再会した正反対の親子は協力して事件の捜査に乗り出すのだが…。
監督
監督は『ファンタスティック・フォー 超能力ユニット』のティム・ストーリー。
アクションが多い大作映画を手がけている監督ですかね。
本作も前回同様アクションがメインの作品でしょうから、そこの面では期待が持てそうなのですが…。
Rotten Tomatoesでの評価が悪いのが何とも言えないところ。
キャスト
主演は大人気俳優のサミュエル・L・ジャクソン。
今のハリウッドで彼ほど「ひっぱりだこ」という言葉が似合う俳優はいないんじゃないか?
さらにシャフトの息子役で『インデペンデンスデイ リサージェンス』のジェシー・アッシャー、『ドアーズ』のタイタス・ウェリヴァーが出演。
中でも『黒いジャガー』で初代シャフトを演じたリチャード・ラウンドトリーがジョン・シャフト・シニアとして出演しています。
一応前作でも主人公の叔父役で出演していたんですが、今度は父ですからね。どんどん関係性が深くなる…(笑)
評価
『シャフト』の満足度を★10段階で表すと…
★4
前作よりは面白い・・・かな?
サミュエル・L・ジャクソンと彼の話す「汚ねぇ言葉」で持っている感のある作品でした!
というかシャフトのキャラかな。
女好きで下品で暴力的だけど、意外と家族想い。サミュエルが演じるからこそ映えるキャラクターですよね。
アベンジャーズとかディズニー配給作品で子供も観る映画だと「マザー〇ァッカー!!」とか言えないから、「汚ねぇ言葉」全開のサミュエルを観られる作品は珍しくなってきたかも。
ストーリーとしては前作以上に深みのないものだし、もはや探偵要素は皆無と言っていいほど。
一応私立探偵なんだから、ちゃんと捜査しろよと。とりあえず突撃してドンパチやるなら探偵じゃなくてよくね(笑)
その分シャフト一家揃ってからのアクションは面白かったけどさ。
ってことで以下詳しく感想書きます!ネタバレにご注意を!
感想
シャフトとジュニア
シャフトを反面教師として真面目な道を進んだジュニア。
ひょんなことからシャフトと再会してしまいますが、序盤の方は「この親にしてこの子あり」な構図から逸脱した親子関係を見せてくれます。
例えばすぐに銃をぶっ放すシャフトに対し、ジュニアは銃嫌い(嫌いなだけで射撃の腕は一流)。
ハーレムの黒人たちと馴染んでいるシャフトと、白人的な音楽&服装を好むジュニア、などなど。
お互いに対して尊敬はあるんだけど、25年離れていたことで生じたギャップをネタにワイワイやってくれるんですね。
そんな彼らが好きだったのに後半にかけてジュニアが変貌(笑)
銃嫌いはどこへやら、シャフトともどもドンパチに参加し「この親にしてこの子あり」の構図そのままになっていくのでした。
ストーリーを見ると「親子だから似てるのはしょうがないよね」って話になるんですが、そこを敢えて外していたから面白いワケで、結局似た者同士の親子になってしまうのかと。
そこをジュニアの成長と見るか退行と見るかで印象は変わると思うんですけど、私は最後までシャフトと正反対キャラでいてほしかったなぁ。
諸突猛進なシャフトのストッパーになっていたのに。
シニアとシャフト
そしてもう一人のシャフトがジョン・シャフト・シニアです。
もう叔父さんなのか父親なのか分かりませんが、とにかくこの三人でシャフト家というわけ。
ラストには三人が協力して敵組織をボコボコにする山場があって、シニアも誰よりも現役らしく拳に銃にナイフにで戦いに参戦!
そんなおじいちゃんがアクションやって大丈夫!?と思いきや、主演のサミュエル・L・ジャクソンももう70歳なんですね(笑)
孫がいてもおかしくない年齢なのに現役でアクション映画に出演するって大丈夫かサミュエル!!
プライベートだと年相応に見えるのに映画に出ると若く見えますからね。仕事中の顔つきはやっぱ違うのか…。
そんなことよりも、実はシニアを演じたリチャード・ラウンドトリーとサミュエル・L・ジャクソンって6歳しか違わないんですね。
通りで劇中でも同い年くらいに見えるワケだ。親子と言うより飲み仲間って言ったほうがしっくりくる関係性でした。
この映画はブラックムービーか
ハリウッド映画にはブラックムービーというジャンルがありまして、要は黒人の方々が作る黒人を描いた映画って感じでしょうか。
アメリカの映画を観ていれば分かると思うのですが、黒人の方々って独特のコミュニティを築いているじゃないですか?
「ヘイ!ブロー!」とか「YO!マイ 〇ガー」みたいな。
そんな黒人コミュニティを差別とかギャングとか、いろいろ混ぜて描いた作品がブラックムービーなんですね。
有名なところだとスパイク・リーの『ドゥ・ザ・ライトシング』とか、最近だと『ムーンライト』とか。
この間レビューをアップしたNetflixの『ビート 心を解き放て』もブラックムービーだね。
アメリカは多民族国家ですから、やっぱり黒人たちからの需要が圧倒的に多いんですね。
私が以前アメリカに行った時、映画館で『ムーンライト』を観たら半分以上黒人だったことがあります。
逆にアジア系は見えた限り私だけだったようで、ある意味浮いた存在になっていたような…(笑)
で、前作の『シャフト』は確実にブラックムービーを意識して作られたと思うんですよ。
ストーリーも黒人を殺した差別主義者の白人ぼっちゃんを有罪にするための戦いを描いていましたし、街を牛耳る黒人ギャングも出てきて黒人コミュニティに対する描写もありました。
しかし、本作は人種差別とかの要素はほとんどなく、ただハーレムをうろつくシャフトがいるだけ。
アクション映画やコメディとしては普通に面白いと言える出来ではあったけど、ブラックムービーではないのかなぁと。
小難しい要素がなくて、頭をカラッポにして楽しめる映画ではあるけどね。
まとめ
一応『シャフト』の続編って枠組みになってはいるけど、前作から引き継がれる要素はほとんどないから前作を観なくても大丈夫。
たぶん制作者も地続きのストーリーにならないよう作ったんだと思いますね。20年前の映画ですから、観ている人も内容覚えている人も少ないでしょうし。
だからタイトルも前作と同じ『シャフト』でいったんじゃないかと。
中身は平凡なアクション映画なんで、Netflixで他に観る映画がないって時にはオススメできるかも。
『シャフト』以外にも面白いオリジナル映画いっぱいあるから先にそっちを観てほしくはありますが。
以上!!!