映画『シークレット・スーパースター』ネタバレ感想 母と娘で夢をつかめ!

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

観に行くかどうか悩んだ挙句、やっぱり観ちゃいました『シークレット・スーパースター』

地元の映画館でやってないとどうしても躊躇してしまうんですよね~。新宿まで行くにも電車嫌いだしw

それでも電車に揺られる価値というか、それくらい『シークレット・スーパースター』が観たかったのです。

だって『きっと、うまくいく』のランチョーことアーミル・カーンが出てますからね。しかもインド映画史上3番目の興行輸入ときたもんだ。インド映画好きとして観に行かない訳にはいかんでしょ!

今週はNetflixオリジナルで『心惑いて行く先は』ってインド映画も配信されまして、インド映画尽くしの週末になりそうです!

シークレット・スーパースター

あらすじ

インド最大の音楽賞のステージで歌うことを夢見る14歳の少女インシアだったが、厳格な父親から現実味のない夢だと大反対され、歌うことを禁じられてしまう。それでも歌をあきらめられないインシアは、顔を隠して歌った動画をこっそりと動画サイトにアップ。ネットを通じて彼女の歌声は大人気を博す。やがてインシアは、落ち目の音楽プロデューサー、シャクティ・クマールと出会うこととなるが……。

映画.com

キャスト

主演は『ダンガル きっと、つよくなる』でもアーミル・カーンと共演したザイラー・ワシーム

『ダンガル』では駆け出しのレスリング選手を演じていましたが、今回は駆け出し歌手YouTuber。本作でも数多くの賞を受賞しています!

共演は『きっと、うまくいく』や『PK』のアーミル・カーン。”インド映画界3代カーン”の一人であり、ボリウッドきっての社会活動家でもあります。

彼はロバート・デニーロやクリスチャン・ベイルのように役になりきるため肉体改造をする俳優。

『きっと、うまくいく』では大学生になりきるため筋肉を減らし、『ダンガル』では元レスラーの父親役でマッチョな姿を披露するなど、毎度の役作りには驚かされますw

評価

僭越ながら『シークレット・スーパースター』の満足度を★10段階で表すと・・・

 

★7

 

インド映画の王道を行くサクセスストーリー!

例えば『バジュランギおじさん』だったらインドとパキスタンの関係が根底にあったし、『きっと、うまくいく』はインドの激しい学歴社会の問題点が指摘されていました。

社会問題を映画というエンターテインメントに変えて描くのがインド映画の手法の一つとしてあって、それが本作ではDVと女性の地位のお話でした。なんで、ただのサクセスストーリーを期待して行くとちょっと満足できないのかも。

そんな問題点の中で天才少女はどう生きていくのか。予想以上に重厚に作られたストーリーがそこにある!

 

というように結構重いストーリーだし、同じ問題を取り上げた映画を他の国が作ったらもっと暗い映画になっていると思うんです。

でも、そこはインド映画!

適度にミュージカルとコメディーを交えながら絶対暗い気持ちにさせない、笑顔で劇場を去れるような映画に仕上がっています!

これだからインド映画は好きなんだ……!

 

そして少女を活かすプロデューサーを演じたアーミル・カーン。相変わらずの演技力ですし、今回はコメディリリーフとしての役回りだったんでメインキャラクターの中では出番は少なかったけど存在感は抜群!

後半からしっかりストーリーに絡んできて、少女を助ける心優しきちょいワルおやじでした!

 

ここから先は『シークレット・スーパースター』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

この映画の主人公は

この映画のストーリーを聞いたとき『はじまりのうた』とかNetflixの『ビート 心を解き放て』的ストーリーを予想していたんですね。落ち目のプロデューサーが天才的シンガーを見つけてデビューするために奮闘するみたいな。プロデューサーもシンガーもサクセスしていく物語なんだと。

確かに『シークレット・スーパースター』も無冠のプロデューサー×天才少女と構図は一緒だけど、全然そんなもんじゃなかった。

 

まず、本作で最も成長するのは主人公の少女でもアーミル・カーン演じるプロデューサーでもなく、主人公の母親です。

彼女は心優しい性格ながら夫にDVを受け毎日怯える日々を送っていますが、自分の娘がミュージシャンとしての一歩を踏み出すのに協力し、暴力夫との離婚を考え始める。子供で臆病だと思っていた母親が娘の夢を守るために奮闘していく物語で、キーパーソンはプロデューサーよりも母親だと思うのよね。

むしろ主人公は最初から歌がうまくて、作曲センスもある。気も強くて男勝りな部分もあって、中盤まで母とは対になる存在として描かれています。だから前時代的な考えを持つ母と衝突してしまうと。

しかしながら、主人公は母の「強い部分」を目の当たりにして本当の意味でお互いを理解していく。そう、この映画は母と娘の繋がりを描いた作品だったのです。アーミル・カーンは手助けをするだけ。

アーミル・カーンはやっぱり凄い!

今回の役は離婚裁判中の音楽プロデューサー兼作曲家。かなり横暴でワイルドな態度を見せるも、中身はインシアのことを思いやる優しい男です。

私はこれまで『ラガーン』、『きっと、うまくいく』、『PK』、『ダンガル』でアーミル・カーンを観てきましたが、今までのどんな役とも違う!いや、毎度別人のように役作りしてくるので驚いているんだけども。

私の中では今回のアーミル・カーンは『ダンガル』の頑固おやじの役に一番近かったかも。粗暴な態度ではあるけど、人の良さがにじみ出ているというか。インシアを演じたザイラー・ワシームとの関係も『ダンガル』に近かったしね。

あと、本作ではメインキャラクターではなく助演として出演しているのが良いのかも。観たこともないコメディアンのようなキャラクターだったし、ラストのオチ担当でもある。

とりあえず今回のアーミル・カーンも良かったよ!ってことで。

インドについて

実はインド映画好きが過ぎて直接インド行ったことがあるんですよね~。デリー、アグラ、ジャイプールなんかの都市を周遊して一週間くらい滞在したかな。

バックパッカーを名乗ってるし、もともと旅行して別の国に行くの大好きなんで良い経験だったと思うのですが、やっぱり映画で観るインドと実際に行ったインドは全然違うのです。

インド映画は大体ミュージカルが含まれているから、インド人は陽気で楽しげに過ごしている人たちなのだと考えていた私が無知でした。もちろん会う人はみんな良い人だったし、現地で会ったガイド?にもよくしてもらったけども、インドはまさにカオスそのもの。

それはそれで楽しかったし、良い人生経験ではあるんですがね。そもそも映画館と言うのがどこにあったのかと思うほど映画の広告とかもなかったのよね。あれ?みんな映画観てるんじゃないの?って思わずにはいられない!

あと友達によく聞かれるのが「インドって毎日カレー食べてるんでしょ?」という素朴な疑問。

確かに9割はカレー味の料理だったけど、たぶんカレーに使われているスパイスは日本で言う醤油みたいな使われ方してるんだよな。日本にいるとわからないと思いますが、数ヶ月海外にいて日本に帰ってくると大体の料理が醤油味なことに気が付くんですよw

うどん、そば、てんぷら、ラーメン、照り焼き、寿司、炒めもの、煮物……。あと毎日のように味噌食べているし。

それがタイだとナンプラーだし、アメリカならケチャップ、フランスならチーズかな。まぁそんな感じなのよ。だから「インド人って毎日カレー食べてて飽きないの?」って言うのは違うかと。

まとめ

最後は映画の話とは関係なくなってしまいましたが…w

とにかくインドとインド映画を愛してるんですよね~。ボリウッド作品はそもそも年数十本しか日本に入ってこないし、厳選されたモノしか来ないから当たりが多いのは必然なのかな。

『女神は二度微笑む』みたいな踊らない、笑わない完全ミステリー映画もインドにはあるけど、やっぱり本作みたいな映画が好き。

以上!!!


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