どーも、スルメです。
今回は福田雄一最新作『新解釈・三國志』の感想を書いていきます。
福田作品というと、高校のころハマっていた『勇者ヨシヒコ』シリーズを思い出します。
モンティ・パイソン×ドラクエって感じで当時の僕には直撃。家族や友人に推していた記憶が。
ただ、福田監督の映画はですね…。これまで何作も観てきましたが、イマイチ乗り切れないなと。
特に今年の初めに公開された『ヲタクに恋は難しい』はなかなかの…。ドラマにしても映画にしても、福田監督の個性が強すぎて、全部同じ味になっている気がするんですよね。
今回の『新解釈・三国志』にしましても、予告編の「ネバギバっ!」の段階から若干ネタにされつつ、「やっぱ福田監督の色が…」と思っていた次第であります。
って感じで、「蓋を開けてみるまでわからねぇ!」精神を大切に鑑賞してまいりました!
新解釈・三國志
監督 | 福田雄一 |
脚本 | 福田雄一 |
出演者 | 大泉洋、橋本環奈、山田孝之、小栗旬、佐藤二朗、ムロツヨシ 他 |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 1時間53分 |
新解釈・三國志の評価
僭越ながら『新解釈・三國志』の満足度を★10段階であらわすと…
★4
三國志に詳しかったらもっと面白かったんだろうな…
「福田雄一作品」というだけで観に行っているのですが、よくよく考えれば僕って「三國志」全然知らねぇ!
そりゃあ有名なエピソードとか、関羽とか孔明とかは知っていますが。たぶん散りばめられているだろう小ネタの隅々まで理解できなかった。
ただ、劇場で観ていると「シアター全体が大爆笑!」って場面はなかったかな。クスクス笑いが時折起きる程度で、実に日本人らしい映画鑑賞でしたよw
僕から見るとスベッていたようなネタでも、三國志ファンからしたら楽しめたのかもしれない。
そう考えると、この作品に向き合う姿勢というものが自分に足りていなかったなと。ようするに「ネバギバ精神」ですわ。
そんな感じで、観客の力も試されているかのような映画でございました。
※以下、若干のネタバレを含みます
新解釈・三國志の感想
本作は三國志を語る解説者が、実際に「新解釈」のキャラクターたちが織りなす三國志を語るという構成です。似ている映画で言えば『ロッキー・ホラー・ショー』かな。
まぁ、その「新解釈」をする人が福田雄一監督その人なんですけども。つまり冒頭に書いた「福田雄一の色が濃すぎて…」の部分しかない映画ですw
だって三國志のキャラクターたちや逸話を福田雄一の脳内で変換して、映画にした映画なんですよ。これは監督の作家性…いや、個性ががっつり前面に押し出されるに決まってる!
というわけで、いつもの福田雄一監督作品よりも、さらに福田雄一監督っぽい映画でございましたw
で、問題なのはこの映画が「笑えるか」ってこと。
正直ギャグ8.5割くらいありますから、笑えなかったら意味がない。ほとんどの人はムロツヨシや佐藤二朗演じるキャラクター、福田雄一監督の演出に笑いに行ってると思のですが、僕個人としては全然笑えなかった。
先ほども書いたように、三國志を知っていれば笑えた箇所もあるかもしれない。けれども、このギャグで笑う気が起きねぇ。少なくとも劇場が爆笑の渦に巻き込まれていれば、まだ救いはあったんだけども、わりと静か―に観てたからなぁ。人の少ない映画館ってこともあると思いますが。
なんでしょうね。この映画のギャグって、「壮大な音楽、キャストのまじめな表情⇒音楽が止まって、ふざけたことを言う」ってパターンが多い。それが面白ければいいんだけど、まったく笑えないし、何度も同じことするなよ!って感じちゃうんだよな。
キャストに関しましても、演技というよりは「頑張ってる感」が出るもの。主演の大泉洋さんは持ち前のキャラからめっちゃ自然に劉備を演じていて、すげぇなって思ったけども。これまで大泉洋×福田雄一ってなかったよね?もしかしたら福田雄一作品にぴったりな俳優なんじゃ…。
ギャグパートの次に重要なのが、アクションシーン。『銀魂』でもアクションを使っていたけれども、今回もスローモーション多様パターンですね。
これは完全に好みが分かれるかと思いますし、大人数相手に無双する呂布のアクションは確かに凄かった。『銀魂』ほど長々しいアクションもなかったんで、僕は結構楽しめましたね。
あまりアクションシーンが長すぎると眠くなっちゃうタイプなんでw さらっと簡潔にまとめられるアクションシーンが好きなのです。
最期になりますが、演技は抜きしたキャストの厚さは今年一なんじゃないかと。
映画ってストーリーとか演出の面白さもありますが、出演している俳優を見る楽しさもありますから。その点で考えれば、今年一番楽しめる邦画だったと思うんですよ。しかも「とりあえずジャニーズ配置しとけば…」って感じでもなく、誰が観ても「豪華」といえるキャストが揃っているわけでありまして。
男性を見れば大泉洋に始まって、城田優、小栗旬、矢本悠馬がいて、福田雄一作品には欠かせない佐藤二郎、ムロツヨシのふたりも存在感を発揮していまして。
女性陣を見れば、渡辺直美が『約束のネバーランド』に先駆けて怪演を見せており、右を向けば橋本環奈、左を向けば山本美月…って感じで、めっちゃ楽しいw ひとりだけ公式サイトにも載っていなかった有名女優がサプライズで出演しているため、そちらもお楽しみに!
そんな感じで、ストーリーとかギャグ面ではそこまで楽しめなかった作品といえますが、出演俳優たちの掛け合いだけで楽しい映画でした!
以上!!!
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