映画『冴えない彼女の育てかた Fine』評価と感想(ネタバレ) 恋愛映画としても満足度抜群!

スルメ
どーも、スルメです

つい最近『冴えない彼女の育てかた』を一気見し、その勢いで映画版『フィーネ』の方も鑑賞したので、感想を少し書いていきたいと思います。

このアニメ、学生時代の友人から勧められていたのですが、1話目で止まっていたんですよね。

「あー、オタクがモテまくるハーレムアニメかぁ」とか思って、結局観ずに放置していました。

で、ちょっと前に久々にキチンとブヒれるアニメが観たくなって手を出したんですが、まぁ心打たれたよね。

ギャルゲーを作りつつも、主人公の周囲がギャルゲー化していく若干メタ的な要素を盛りこみながらも、クリエイターの生態を描いたアニメとしても機能していると。

当然、ヒロインたちは全員かわいいし、王道の萌えを意識しつつも、終盤は加藤恵でガチ恋させてくれる容赦のなさ。

逃げ場がなくなり、結局ハマってしまったとさ……。

 

ってことで映画版。萌えアニメとしての枠で語ることもできるし、クリエイター関連で語ることもできる作品だけど、

僕はあえて恋愛映画ならびに、ヒロイン映画として、本作の感想を書いていきたいと思います。

冴えない彼女の育てかた Fine

あらすじ

高校生の安芸倫也は、桜の舞う坂道で加藤恵と運命的な出会いを果たす。彼女をメインヒロインにした同人ゲームを制作することにした倫也は、美術部に所属しながら同人イラストレーターとして活動する澤村・スペンサー・英梨々と、ライトノベル作家として活躍する優等生の霞ヶ丘詩羽を誘って「blessing softeware」を結成し、苦労の末に1作目を発表する。その後、英梨々と詩羽は大作ゲーム「フィールズ・クロニクル」を開発するため、人気クリエイター紅坂朱音のもとへ。blessing softeware代表の倫也は副代表の恵とサークル活動を継続し、イラストレーターに後輩の波島出海を起用、出海の兄・伊織にプロデュースを依頼し、永堂美智留と彼女のバンドicy tailと共に新作の開発に乗り出す。

映画.comより抜粋

 

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感想

スルメ的評価

ストーリー★★★☆☆ 3/5
キャスト★★★★☆ 4/5
キャラクター★★★★★ 5/5
演出★★★★☆ 4/5

総合評価 ★7/10

 

「かなり特殊な恋愛映画ではあるけれど……」


ほぼすべてのヒロインが主人公を気になっていて、たぶん告ればOKしてくれる状況。

まさにギャルゲー的、現実にはたぶんないハーレムな状況なんですが、恋愛描写に関してはかなり作りこまれているなという印象でした。

テレビアニメ版は恋愛というよりも、クリエイターやものづくりの苦悩が先行していたと思う。

倫也も「女の子よりゲーム!」って感じで、周囲の女性たちを引き抜いては、適度に突き放していくっていう男目線から見てもドン引きする主人公でした。

それが、劇場版では序盤から自分の気持ちに正直じゃないか!ふたりとも!

クリエイターうんぬんの話も重要だけど、僕としては恋愛描写ばかりに目がいくし、悔しいけどキュンキュンせずにはいられない!

自分が「キュンキュン」とか普通にキモいな……。

※以下、しっかりネタバレが含まれています

 

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加藤恵という最強ヒロイン

テレビアニメの序盤から「地味だ地味だ」言われていた恵ですが、僕は意外と最初のころから好きでした。少なくとも女性キャラの中では一番推していたし、文字どおり彼女がメインヒロインになることはわかっていた。

でも、なぜ加藤恵にだけこんなに惹かれたんだろう?

それは彼女が非オタだという点につきる。非オタなのにオタクたちの中に混じり、みずからゲーム制作を進めようとする健気さがトニカクカワイイ。

結局、彼女は最後までゲームがそんなに好きじゃなかったと思うんですよ。オタクと話せるようにはなったけど、彼女自身はオタクになりませんでした。

今作での「オタク」って何かに特化している人を指していることが多かった。

詩羽先輩しかり、英梨々しかり。当然、倫也もふたりに才能は及ばなくたって、色んなことに特化しててこだわりの強い人でした。

でも、恵ってそういう描写ないんだよね。デバッカーやスクリプト担当、最後はディレクターになっているけど、彼女のオタク的な能力についての描写は皆無だったんですよ。

倫也に恋をして、付き合ったとしても、オタクに染まりきらない純白さ。この点こそ、加藤恵を最強ヒロインたらしめている理由だと僕は思うんだ!!

「倫也さん、羨ましすぎますよ」

デザインのかわいさと純白さで、これ以上ないくらい完璧なヒロインになったけど、恵の魅力はこれだけじゃない!

恵はアニメだからとデフォルメされず、等身大の女の子として描かれていました。倫也の勝手な行動に怒って無視したりとか、英梨々が持つ倫也への好意を知りながら横取りしたりとか、かなり人間くさい子なんだよね。

この映画の女性キャラ、特に英梨々と詩羽は観客ですら想像しにくい、高次元のところで戦っているキャラクターでした。

言わずもがな、ふたりとも生粋のクリエイターです。大好きな倫也を裏切ってまで自分が成長できる場に身を置こうとするとか、一般的な萌えアニメではなかなか見られない描写だと思う。

対して、恵は言葉は悪いけど二人に比べて低次元で戦っています。英梨々がめちゃくちゃ遠回りして倫也を手に入れようと考えるなら、恵は最短距離を突っ走る人なんですよ。

この妙に人間くさいところ、倫也風に言うと「三次元の女の子」っぽいところが、彼女の魅力につながっていると僕は思うんだな。

「し~らないよ」の魔力

この映画で一番衝撃を受けたのは、恵がスカイプで倫也に放った、

「どうなっちゃっても、し~らないよー」のセリフ。

なんだこのかわいさわ・・・

なに?「~」ってこんなに魅力のある文字だっけ?

この記事自体、この「し~らないよー」の魅力を書きたくて作ったようなもんなんですよ。だから上と下にいろいろ書いているけど、ごめん蛇足だわ。

だって英語で言ったら「I DON’T KNOW」だぜ?

「アイドントノー」と「し~らないよー」だよ?

「アイドントノ~」にしても可愛さ生まれないのに、「し~らないよー」は可愛さ150パー。

日本人に生まれてこれほど良かったと思った瞬間はないね。

なんでしょうね。この言いようのないかわいさ。最初は方言かなって思って何度か聞いてみたんですが、ただのアクセントで、ただ加藤節がさく裂しているだけなんだよ。「なんだかなぁだよね」はちょっとあざとさが出てるけど、「し~らないよー」は恵の照れ隠しにも聞こえるし、まさに大好きな倫也にだけ許してる言葉遣いというかなんというか!

テレビアニメ版でも1度使ってたと思うんだけど、インパクトが全然違うんだよなぁ。

昔ガチャガチャでボタン押すとキャラの声が再生されるおもちゃあったけど、それの「し~らないよー」バージョン売ってないの? 3000円くらいなら喜んで買います。

そんなわけで加藤恵という最強ヒロインを構成しているのは、「純白さ」「人間臭さ」「し~らないよー」でした!

そんな最強ヒロインがいるのに

加藤恵は冴えわたって後光がさすくらい、アニメ界屈指の最強ヒロインだと思うのですが、対する倫理くんがなんだかなぁーなんだよ。

ギャルゲーを通して恵との疑似恋愛に発展させ、本物の恋に気がついていく展開は好きですが、彼の行動だけはどうしても疑問が残る。

要するに、完璧ヒロインを置いて、英梨々と詩羽のところに駆けつけるってどうなのよ論です。英梨々と詩羽も魅力的なキャラクターだし、倫也も恋愛感情ではなく、同じ仕事をした仲間としてクリエイターとして二人のところに行ったのでしょう。

でも、明らかに自分の気持ちに気がついている描写があるのに、この行動に至るのは理解ができない。あまりにも無神経に映るんですよね。

ふたりを尊敬していて助けたかったとしても!今は!恵と一緒にゲームを作るべきじゃないか?

そもそもの話で、僕は英梨々と詩羽へのけじめ的なことは最終回の新幹線でのシーンで満足でした。それ以上、英梨々と詩羽を掘り下げると、どっちがメインルートかわかんなくなるんですよね。

ギャルゲーやってると予想以上にお目当てのヒロインが物語に絡んでこなくて、「あれ?フラグ回収できてなかった?」と不安に思う瞬間が結構あるのですが、2週間のシーンはまさにそれでした。

 

あと、これは完全に個人の嗜好ですが、僕はキリよく終わる映画が好きです。

続編があるならまだしも、後日談的なシーンはあまり好きではないのです。

なので、映画好きとしてはエンドロール前のシーンで終わってほしかった。けど、大人恵が観られなくなるのはなぁ……。

 

以上。


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