Netflix映画『紅海リゾート 奇跡の救出計画』ネタバレ感想 クリエヴァはやっぱりヒーローだ!

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

キャプテン・アメリカであり、悩める「老兵」スティーブ・ロジャースとして10年間戦ってきた男、クリス・エヴァンスが主演する映画

 

『紅海リゾート 奇跡の救出計画』

 

を観て参りました!Netflixオリジナル作品なんで、家で観たんですけどねw

 

クリス・エヴァンス主演作を劇場で公開せず、ネット配信してしまうなんてNetflixの資金力の高さですよ。本当に。
毎度思うんですけど、年々オリジナル作品のクオリティ上がってません?ドラマからドキュメンタリー、アニメまでありますからね。

今回の映画は1980年代に実際に起こなわれた救出作戦「モーセ作戦」を基にしている実話です!

イスラエルの諜報機関「モサド」や「モーセ作戦」を知っているとちょっとは楽しめるのかなぁと思いまして、軽く調べてから望みました!!

紅海リゾート 季節の救出計画

あらすじ

数万ものエチオピア難民を密航させるため、諜報(ちょうほう)員たちが本物の観光客を受け入れる偽のホテルを開く。実際にあった救出作戦に着想を得た物語。

Netflix

『紅海リゾート』を観られるのはNetflixだけです!

視聴は公式ページから→Netflix公式

監督

監督を務めたのは本作の舞台となったイスラエル出身のギデオン・ラフ

今後はNetflixオリジナルとして作られている伝記ドラマの監督をする…らしい。すいません、本作で初めて知りました。

キャスト

主演は『キャプテン・アメリカ』シリーズ、『ギフテッド』に出演するクリス・エヴァンス。本作ではスーパーソルジャーではないけど、キャップ同様正義感あふれるキャラクターを演じていました!

私の個人的な意見ですが、やっぱクリス・エヴァンスはヒゲがあったほうがカッコいいよね。だからキャップは『インフィニティウォー』での描写が一番好き。

 

共演は『アメリカン・ソルジャー』のヘンリー・ベネット、『それでも夜は明ける』のマイケル・ケネス・ウィリアムズ、『ガンジー』のベン・キングズレーなど。

評価

僭越ながら『紅海リゾート』の満足度を★10段階で表すと・・・

 

★6

 

盾はなくとも彼はヒーローだ!!

ヴィブラニウムで作られた特殊シールド、スーパーソルジャー計画によって誕生した人並外れた身体能力。
もちろん現実ではそんなもの存在しないのですが、自分の身を危険に晒してでも困った人を助けようとする「ヒーロー」は実在するのです!

クリス・エヴァンス=正義の味方って構図がみんなの頭の中で出来上がっているから、余計に説得力あると思うんだよね。

『キャプテン・アメリカ』からクリス・エヴァンスを好きになった人はストーリーは違えど、キャップと重ねることもできるキャラクターには満足できるんじゃないかな。

 

その他の俳優に関しても「ジェニファー・ローレンスに似てね?」と思い続けたヘンリー・ベネット、ヒーロー映画で言う「椅子の男」的な立ち位置として抜群の安定感を見せたベン・キングズレーなど強者ばかり。

こんな豪華なキャスティングで不満が出るワケもなく、最後までこの重厚なドラマに没頭できました!

 

ストーリーに関しては当時のエチオピア情勢、世界情勢を知っておけばもっと楽しめる作品なのかなぁと。

少なくともエチオピア難民がなぜイスラエルに行くのか、イスラエルに何があるのかについて知っておくとだいぶ違うかも。

作品としてはとっつきやすさが前面に出ていて、深いところまで知らなくとも楽しめるよう配慮された作りになってはいるのですが…。

以下の項目では私の浅い知識で軽く解説を交えながら、作品について考えていきたいと思います!

 

ここから先は『紅海リゾート』のネタバレを含みます!!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

作戦の背景

本作は1980年代に実際に行われた「モーセ作戦」を基に映画化された作品です。

映画でも度々解説されていましたが、「モーセ作戦」とはアフリカ大陸にあるエチオピアという国からユダヤ人たちをイスラエルに脱出させるというかなり危険なミッション。

作戦名はユル・ブリンナーとチャールトン・ヘストンで映画化もされた『十戒』のストーリーからでしょう。エジプトで迫害されていたユダヤ人たちを海を割って脱出させたアレです。

本作ではもちろん海を割るような演出は一切ないけども、現代に生きるモーセが如く主人公のアリはユダヤ人たちをイスラエルに脱出させるのでした。

 

えー、なぜ脱出先がイスラエルかと言いますと、そこにはユダヤ教の聖地であるエルサレムがあるから。

エルサレムはユダヤ教を始めキリスト教、イスラム教の聖地でもあります。3つの宗教が混在している世界でも特異な街なのです。

聖地に対する考え方は私も含む宗教に疎い日本人にはちょっと理解できないのかも。日本人にとって聖地と行ったらアニメの舞台になった場所とかそんな感じで、命を賭してまで行くべき場所じゃない。

しかし、ユダヤ人たちは過去の歴史のせいでイスラエルから世界中に散ってしまっているので他の人種以上に聖地に対する考えが強いのかもしれません。

 

そしてこの映画を観る上で避けては通れないのがイスラエルにある「帰還法」。世界に散り散りになってしまったユダヤ人を、ユダヤの国であるイスラエルに帰還させる法律です。

世界のどこ出身でもユダヤ人であればイスラエルの国籍を取得できたんですね。この法律を基に遂行されたのがモーセ作戦であり、『紅海リゾート』で描かれた作戦でもあります。

エチオピアはキリスト教徒が半数以上ですから、ユダヤ教を信仰していたベタ・イスラエルと呼ばれる人たちは聖地であり、故郷でもあるイスラエルへと帰還するのが長年の夢だったようです。

 

えー、ここまで語りましたがモーセ作戦とかについては別の映画である『約束の旅路』を観た方がわかりやすいかも。

これ実は私が大学時代に課題でレポートを書いた映画の内の1本でして、まさかこんなところで役に立つとは…!

当時は「将来役に立つのか?」と思いながら嫌々レポート書いていましたが、勉強をして損することは絶対ないと改めて感じましたねw

作戦の概要

という背景を書いたところで、もう一度『紅海リゾート』で行われた作戦の概要を。

この映画を観る前にですね、このホテルを使った一連の脱出計画が実話かどうか調べたんですが、特にこれと言って『紅海リゾート』ホテルに関する記事はなかったんですよねぇ。

あくまで「モーセ作戦」を基にしただけなのか、ホテルを使った脱出計画が実際に存在したのか分かりませんが、とりあえず話を進めさせてくださいw

 

この映画での計画は、エチオピアの難民たちを一度スーダンに移動させ、そこから紅海を通ってイスラエルに行くと。

グーグルアースかなんかで「エチオピア」「スーダン」「紅海」「イスラエル」の位置関係を把握しておくと良いかもしれません。

で、紅海へのルートを確保するためにイスラエルの特殊部隊「モサド」のメンバーが現地でホテルを経営、そこを拠点として難民たちをトラックでピックアップし、紅海を渡らせる作戦です。

それを遮ろうとするのがスーダンの軍人たち。彼らは「俺たちの国で勝手な行動はさせないぞ!」という最もな意見を引っ提げて残虐な行動に出る本作の悪役。こういう奴らこそキャップに倒されて欲しいのですが…。

スーダン政府としても難民の数=国連からの支援金になるようなので、脱出させずに囲っておきたいという背景も解説されてましたね。

最終的にはアメリカ政府に打診して航空機で脱出させてもらえるという展開になりましたが、私としては最後まで紅海を渡る演出にしてほしかったところ。

これがモーセ作戦の始まりになるのでしょうが、紅海を使わないならスーダンまで移動させなくてもエチオピアで回収すれば良いんじゃね?となりますよね。

それでも楽しめる映画の魅力

こんな感じでこの作戦には数々の背景があるんですが、正直これを知らなくても十分に作品内で開設されていますし楽しめると思います!

それがこの映画の長所であり、人類の歴史にとって重い出来事である事実がエンターテインメントの中に落とし込まれているんですね。

これは2013年のアカデミー賞も受賞した『アルゴ』にも共通してまして、あの映画もイラン国内から大使館員を脱出させた実話を基にしながらも、エンターテインメントとして楽しめる作品に仕上がっていました。

ラストに感じるハラハラ感は『アルゴ』の方が全然上ですが、本作も命を賭してまで難民を救った二人のヒーローが観客たちの心を熱くさせるのです。

まとめ

内容が内容なだけに、いつも以上に真面目な記事なりましたw

私自身このユダヤ教とイスラエルなどの宗教的価値観に基づいた思想が好きでして、日本人だったら得られないであろう何かを感じるんですよね~。

日ユ同祖論という日本とユダヤの繋がりを考察した都市伝説がありまして、これがなかなかに面白いw

暇があったら調べてみてください!面白いから!

以上!!!

 

TwitterやFilmarksでも観た映画を記録しているので良かったらフォローお願いします!

Twitter→@movie_surume

Filmarks→スルメの映画レビュー