どーも、スルメ(@movie_surume)です。
今回はウッディ・アレン監督最新作の『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』をレビューしていくのですが……
実はこの映画、アメリカでは未だに公開されていない作品なんですよ。
原因はウッディ・アレン監督の過去が#MeToo運動によって、再び取り沙汰されたこと。彼は過去に性的虐待で訴えられたことがあるんですが、その問題が今燃えに燃えたと。
もちろんアレン本人は否定しているんだけど、世間の流れ的に結構大きな騒動になったんです。毎年コンスタントに新作を作り続けていたアレンが、本作以降は全然映画作ってないし、これからどうなっていくのか……。
私個人としてはウッディ・アレン作品も彼の演技も好きなんですけどね。取り沙汰されている疑惑が真実であれば、今後の映画制作はかなり難しくなるかなぁと。配給会社も役者も「一緒に仕事したくない」ってなりそうですし。
そんな感じで若干思うところがある『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は、エル・ファニングとティモシーシャラメがW主演している作品でして。
この二人は日本でもかなり人気がありますから。それがお蔵入りにならず、劇場鑑賞できて本当に良かった!
※この記事はネタバレを含みます!
レイニーデイ・イン・ニューヨーク
あらすじ
大学生のカップル、ギャツビーとアシュレーは、ニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうとしていた。そのきっかけとなったのは、アシュレーが学校の課題で有名な映画監督ローランド・ポラードにマンハッタンでインタビューをするチャンスに恵まれたことだった。生粋のニューヨーカーのギャッツビーは、アリゾナ生まれのアシュレーにニューヨークの街を案内するためのさまざまなプランを詰め込む。しかし、その計画は狂い出し、思いもよらないさまざまな出来事が巻き起こってしまう。
監督 ウッディ・アレン
※日本ではウディ・アレンの書き方もありますが、私は慣れているウッディ・アレンで行きたいと思います。
ウッディ・アレンで好きな映画は『ミッドナイトインパリ』、印象に残った映画は『アニー・ホール』
すべて観ているワケではありませんが、巨匠の中ではかなり多くの作品を制作している監督だと思います。どうしても『カメレオンマン』を観たいのですが、何故かレンタルにも配信にもない……。
自分が監督している映画で主演・出演することもあって、そのコミカルな演技が凄く好き。最近だと『タロットカード殺人事件』のアレンが印象深いです。私の中ではアレンが監督・出演している映画こそ至高だという結論に落ち着いています。一番好きな作品は出演していない『ミッドナイトインパリ』ですがw
そんなウッディ・アレンも84歳。膨大な数の名作を生み出してきましたが、もう終盤戦には突入しているのかなと。最近はヨーロッパが舞台の映画も多く、代名詞ともいえるニューヨークの映画は少なくなってきた印象。タイトルにニューヨークがつくのは『僕のニューヨークライフ』以来かな?
キャスト
主演を務めたのはエル・ファニングとティモシー・シャラメの二人。今や若手ハリウッド俳優のトップを走る(と思っている)二人が共演しているだけでも、充分観に行く理由にはなるでしょう。
エル・ファニングは『ティーンスピリット』『メアリーの総て』など、主演作が立て続けに公開されていますね。私が最後に観たのはNetflixの『最高に素晴らしいこと』でしょうか。作品としては好きになれなかったけど、エルは可愛かった。
とは言っても私は『スーパー8』の頃が一番好きだったかなと。内容はほとんど覚えていませんが、エルの可愛さだけは覚えてる。あとは『マレフィセント』のオーロラ姫かな。彼女の主演にして『眠れる森の美女』の実写化をやって欲しいよ。
ティモシー・シャラメは『ストーリー・オブ・マイライフ』が最も最近観た映画かな。シアーシャ・ローナンの相手役なんですが、彼女の演技にも負けないくらいの存在感はありましたね。私の周りの女性たちも彼が好きな人が多くて、その影響からか結構出演作観に行ったりしてます。
⇒映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』ネタバレ感想
他にもセレーナ・ゴメスが出ていたり、ジュード・ロウがオーラを全消しして出ていたりと、かなり豪華な出演者たち。でも一部のキャストは前述した理由から、本作に出演したことを後悔しているようですが……。ギャラを寄付したり、「二度とアレンと仕事しない」と公言したりと、映画を観る前からちょっと複雑な思いを抱かずにはいられない。
評価
僭越ながら『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・
5
★★★★★☆☆☆☆☆
どことなく年齢を感じる映画
ウッディ・アレンの新作で、しかもニューヨーク!タイトルの「雨の日のニューヨーク」を想像すると、それだけで幻想的な世界が浮かんでくる……
と思ったのですが、第一印象としては「懐かしいロマンティックコメディ」って感じで、枠の中に綺麗に収まった作品に思えたんですね。特に物語に感動することもなく、アレンの画にのめり込むこともなく、サラっと終わってしまいまして。
ニューヨークが舞台なのに、これまで観てきた「ウッディ・アレンのニューヨーク」ではないような気がして。不思議なんですけど、ニューヨークの映画としてもアレンの映画としても、印象に残らない作品でした。
ラストもなんだか煮え切らない終わり方で、結局今まで観てきたのは何だったのか……と。
キャストに関しては、特にエルの「緊張するとしゃっくりが止まらなくなる」キャラクターが凄く好き。ミーハーな部分も含めて年相応って感じがしますね。
ティモシー・シャラメやセレーナ・ゴメスも含めて比較的若手の役者が集ったのに、やっぱり昔の恋愛映画を観ているような気分になる。これが監督の狙いなのかは定かではありませんが、なかなか入り込めなかったのは、それが原因かな。
ここから先は『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!!
感想(ネタバレ)
ニューヨークへの帰還
彼女のアシュレー(エル・ファニング)と共に、故郷であるニューヨークに戻ってきたギャツビー(ティモシー・シャラメ)は、母が開く退屈な金持ちパーティーから逃げながら、二人きりの時間を過ごそうとしています。
アシュレーは学生記者として有名監督のローランド・ポラードを取材していましたが、ここでハプニングが。自身の映画を観ていたポラードが「この作品は気に入らない!」と言い放って、出て行ってしまったのです。アシュレーはすぐにタクシーに乗り込みスタジオへと向かうことに。
一方、取材に熱中するアシュレーに放っておかれていたギャツビーは偶然にも撮影隊に遭遇。成り行きで撮影に参加し、かつて付き合っていた女性の妹・チャンとキスすることになります。
アシュレーの方は監督を探す過程でイケメン俳優のフランシスコ・ヴェガと遭遇し、意気投合。ディナーにも招待されますが、ここをパパラッチされてしまい夕方のニュースで放映され、それをギャツビーが見てしまいます。
週末の予定がパァになり、アシュレーの浮気も知ったギャツビーは娼婦を連れて母のパーティーに行くことになるのですが……。
基本的にはニューヨーク新参者のアシュレーと、ニューヨーカーであるギャツビーの視点に分かれて進行します。地元に帰ってきたギャツビーは災難続きなのに、あくまでも”旅行者”のアシュレーは「ニューヨークって本当に凄い!」状態。監督と出会い、浮気を目撃し、人気俳優とベッドインする寸前までいっちゃうと。それもたった1日で。
都会っ子ではないアシュレーは終始キョドキョドした感じですが、そこがまたカワイイ。思いっきりミーハーだし、「彼氏がいるけどヴェガと一夜を共にしたら孫の代まで語り継げる……!」と人気俳優に対するガードは弱い様子。下着姿で外に放り出されたり散々な目にも合っていますがw
対するギャツビーは地元に戻ってきたのに友人とあっても、元カノの妹と会っても浮かない様子なんですよね。お母さんになんて絶対会いたくないし、僕は彼女とニューヨークを楽しみたかっただけなんだ!という感じで。二人のニューヨークでの過ごし方が全然違うっていうのがポイントかなと。
ただ本作は面白くもあるのですが、やっぱり今の時代に取り残された感が否めない。長い間お蔵入りになっていましたし、その間に私や世間の考え方が変わったというのもあると思うけども。「進化しないのも良い」と考える人もいるし、一言で「古臭い」と切り捨ててしまう作品ではないものの、何か新しいものを求めていた私にとっては満足度の低い作品になりました。
エル・ファニング演じるアシュレーはニューヨークで何か得たものがあったのかな?もう一人の主人公であるのに、ラストは「雨降りそうだから急いで!」って……。ギャツビーに関しては偶然にも母と和解し、真に好きな人を見つけられたようだけど。
ニューヨークに対する憧れ
すっげぇ個人的な話になるけれども、私はニューヨークに憧れている日本人の一人でして。そりゃもう「タイムズスクエアで自撮りする」が夢だったりするんですよ。ミーハーかもしれないけど。
実は過去に2度ほどニューヨークに行こうとして失敗した経験がありまして。1度目はアメリカ横断した時で、最後の目的地だったニューヨークには行けず。何故かニューヨークだけ21歳未満は一人でホテルに宿泊できなかったんですね。当時19とかそのくらいでしたから、ホテルが見つけられず断念しました。
2度目は今年で、「人生初ファーストクラスで夢だったニューヨークへ行く計画」が結構本格的に指導していたのですが、コロナの影響で断念。ファーストクラスとニューヨークの2つの夢が同時に叶う最高の旅行になるはずだったのに……。
そんな苦い経験があるからこそニューヨークに対しては特別な気持ちがあって、ニューヨークを舞台にした作品も大好きなのです。だからこそ本作に対してもそれなりの期待感を持って臨んだんですね。やっぱニューヨークと言えばウッディ・アレンだし。
で、今回のニューヨークなんですが、ヨーロッパを舞台に撮ってきた映画をそのままニューヨークに持ってきた感じがしました。そしてタイトルに「雨」が付いているのに、記憶に残る雨のシーンが少ない。チャンとのキスシーンの時くらいかな。幻想的な雨ってこともなく、シーンによっては普通に土砂降りだったし。
そしてニューヨークの「街」を舞台にした作品でもなかった気がする。重要な場面は車の中とか、レストランの中、家の中。やっぱ雨が降っているからか「街」で何かが起きる……ってことはあまりなかったよね。これもまたアレン式の「ニューヨークの撮り方」と言えるのでしょうか。私はイマイチ理解できませんでしたが。そもそも行ったことないしねw
まとめ
危うくお蔵入りになって、劇場公開されない可能性もあった作品。こうして映画館で観ることができるのは、結構嬉しかったりします。本国じゃ公開されてないわけだしね。
ウッディ・アレン監督は出演者からもボイコットされていますが、彼を擁護するセレブもいたりします。スカーレット・ヨハンソンやハビエル・バルデムとか。
次の作品がいつになるのか、そもそも公開されるのかも分かりませんが、気長に待ちたいと思います。
以上!!!
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