固定ファンの多い映画シリーズの続編はどんな作品でも慎重にならなければなりません。
それが54年ぶりの続編で、しかも『メリー・ポピンズ』とあっては尚更です。
今は亡きウォルト・ディズニーが初代『メリー・ポピンズ』を映画化させる際どれほど苦労したか…。製作までの過程で映画1本作れてしまうんですから、その苦労は大変なものだったのでしょう!
そうして生み出された大傑作『メリー・ポピンズ』は今もなお語り継がれる作品となり、シャーマン兄弟による楽曲も含め多大な評価を受けました。
正直こんな伝説とも言える古典的名作の続編を作ることに不安を感じるものの、そこは天下のディズニー。完璧な続編にしてくれることを期待し、鑑賞して参りました!
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あらすじ
バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、かつて父や祖父が働いていたロンドンのフィデリティ銀行で臨時の仕事に就いていた。しかし現在のバンクス家に金銭的な余裕はなく、さらにマイケルは妻を亡くしたばかりで家の中も荒れ放題。そこへ追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチに陥ってしまう。そんな彼らの前に、あの「ほぼ完璧な魔法使い」メリー・ポピンズが風に乗って舞い降りてくる。(映画.com)
キャスト
エミリー・ブラント
『プラダを着た悪魔』や『クワイエット・プレイス』に出演している女優です。ミュージカル映画では『イントゥ・ザ・ウッズ』に出演し、ゴールデングローブ賞にノミネートされました。
本作では再びバンクス家にやってきた魔法使いメリー・ポピンズを演じています!前作はアカデミー賞女優のジュリー・アンドリュースがメリー・ポピンズを演じました。
リン=マニュエル・ミランダ
俳優でもあり、『モアナと伝説の海』で使われた楽曲も手掛けた作曲家でもある彼はメリー・ポピンズの友人・ジャックを演じています。
トニー賞も受賞したブロードウェイミュージカル『ハミルトン』では主演・脚本・作曲・作詞も兼任する多才ぶりを発揮しましたが、本作は出演だけに留まっているようです。
ベン・ウィショー
『リリーのすべて』や『パディントン』に出演する英国人俳優。前作から25年経ち父親となったマイケルを演じています。
コリン・ファース
『キングスマン』、『マンマミーア』に出演し『英国王のスピーチ』でアカデミー賞主演男優賞を獲得した万能な俳優です。本作ではいじわるな銀行員ウィリアム・ウェザーオール・ウィルキンズを演じています。
メリル・ストリープ
アカデミー賞にノミネートされた回数は脅威の19回!言わずと知れた大女優メリル・ストリープはメリー・ポピンズの従妹トプシー役で出演!
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感想
メリー・ポピンズ
大女優ジュリー・アンドリュースの代表作でもあった前作。彼女が演じた「メリー・ポピンズ」は映画の枠を超え長年愛され続けてきたキャラクターの一人です。
本来であれば再びジュリー・アンドリュースが演じることが理想ではありますが、前作から54年。さすがにキャスト総入れ替えを行わなければなりません。そんな時に白羽の矢が立ったのがエミリー・ブラントでした。
正直メリー・ポピンズ=ジュリー・アンドリュースという固定概念が生まれていて、新しいメリー・ポピンズに自分の気持ちが対応できるか不安はあったんです。
しかし実際に映画を鑑賞してみると最初こそ違和感を感じたものの、時折見せる表情はジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズそのもの!
ツンとした態度の裏に隠れている子供たちへの愛情やマイケルとのやり取り、傘を使って空を飛ぶ有名なシーンも完全に再現されてました!
恐らく本作を観て彼女の演技に否定的な批判をする人は限りなく少ないのではないでしょうか。
それくらい力強く、繊細な演技を魅せてくれています!
2Dアニメとの融合
『メリー・ポピンズ』1作目を代表するようにかつてはディズニーのお家芸の一つでもあった実写とアニメーションの融合。『ピートとドラゴン』や『南部の唄』なんかもこの類でしたね。
私も大好きだった演出の一つだったんですが、最近の3Dアニメーションの波に押され現在では制作されなくなってしまいました。たぶん『魔法にかけられて』が最後かな。
『メリー・ポピンズ リターンズ』で一番感動したのは何気にここだったりして、凄い久しぶりの2Dアニメ×実写作品だったんですよ!
ちょっと実写が浮いちゃってて違和感を感じちゃう辺り、味があるというか『メリー・ポピンズ』らしい!
『ロジャー・ラビット』みたいな作品を作れば絶対売れると思うんだけど、ディズニーはほぼ完全に3Dアニメに移行しているから難しいのかなぁ…。
音楽
ディズニーアニメの実写版、例えば『美女と野獣』は「ひとりぼっちの晩餐会」や「ベル」といった名曲をここぞとばかりに使用し話題になりました。
そのことを汲んで『メリー・ポピンズ リターンズ』も続編ではありますが、既にシャーマン兄弟が作曲した曲という財産があるわけですから当然のように使い回すと思っていたんですよね。
確かにポイントごとに前作のナンバーを匂わせるフレーズが使われていたりする場面もあったものの、驚くべきことにほぼ全てのミュージカルシーンで本作のために書き下ろされた新曲を使ってきたんです!
作曲を担当したのは『天使にラブソングを』や『ヘアスプレー』のマーク・シャイマン。シャーマン兄弟の楽曲を思わせるようなナンバーばかりで、彼らへのリスペクトがビンビンに伝わってきます。
ただ、前作で言う「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」のようなキャッチーでバシっと耳に残る曲がない!
あれほどの曲を次々と生み出せるシャーマン兄弟が天才過ぎるのかもしれないけど、比べてしまうとどうしても印象に残らない作品に思えてしまう。
だからといって全部過去作からっていうのも味気ないし、どの曲を使うのかが微妙なところだが。
まとめ
本作を★10段階評価で表すと・・・・
★7
記事タイトルの答えを書くと確実に成功と言えるでしょう。54年も経ってファンも多くいて、ディズニーレジェンドのリメイクでなく続編って本当に良くやる気になったなと(笑)
演技面もストーリーも及第点は超えたと思うが、やっぱり音楽が…。
懐古厨なのは認めるし、本作の楽曲も決して悪いものじゃない。過去に作られた曲に頼らず自分たちですべてを1から作る姿勢はディズニーほどの資金があってこそだろう。
しかし「あの曲をここで使うのか!」みたいな感動をちょっとは味わいたかった。
「ワンチャン続編あるよ」みたいな発言を監督がしているらしいので、続編があるとしてもキャストは変えず行って欲しいです。やる事はなさそうだけど。
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