二転三転する展開
これほど惹かれるキャッチコピーがあるでしょうか?
それで当たりを引くと本当に感動するんだけど、無駄に奇をてらったような映画が多いのも事実なんだよなぁ。
ってことでNetflixで同様の宣伝をされていた『パーフェクション』を観てきました!
あれですね。『ゲット・アウト』のアリソン・ウィリアムズが主演なんですね。
他の作品で彼女の演技を観たことなかったからちょうどいいや。
中身は天才チェロ奏者同士のバトルみたいな内容かな?
チェロとかバイオリンとかヴィオラとかコントラバスとか、似たような楽器多いんだよな~。
プロだと音色で違いが分かるんでしょうが、私のような音楽ド素人だと見た目でも音でも違い分からないんすよね。
トランペットとコルネットも分かんないし、ギターとベースですら見た目じゃ違い分からないですからね。
前置きはここまでにして、レビューに参りましょう!
広告
あらすじ
かつて将来を有望視されていた天才チェロ奏者が元恩師を訪ねるが、そこには別の才能豊かな愛弟子がいた…。二転三転する展開から目が離せない驚がくのスリラー。
評価
僭越ながら『パーフェクション』を★10段階で表すと…
★6
本当に二転三転するじゃないっすか!!
最近どうもこの手のキャッチコピーに騙されることが多くてですね。
「ラスト〇〇分。あなたは絶対騙される!」とか銘打ってるモノに限って騙されないし、むしろそのキャッチコピーが俺を騙しに来てるだろって感じで。
内容もあるんですが、そういうこと書かれていると疑って映画を観ちゃうから余計に騙されなくなってるんです。
しかし!『パーフェクション』はキャッチコピー通り本当に展開が二転三転、四転くらいする。
騙される、騙されないはさておき、これまであった人間関係が視点を変えてドンドン変化していくんですよね。
こういうのを叙述トリックって言うのかな?詳しくは後で書きますが、前半と後半で映画の見方が変わってくる作品でした。
ただ二転三転するときの演出というのが単純と言うか、簡単すぎる。
私が好きなこの手の映画は
二転三転シーン→「え、それどういうこと?」→解説→納得
って流れがあって、映画の展開が変わる時に疑問が生まれるんですね。だからこそ全貌を理解した時に気持ちよさがあるわけでして。
でも『パーフェクション』はと言うと、
二転三転シーン→納得
これだけ。一瞬ですべてを理解できてしまうネタばらし。
日常生活だったら疑問を感じることなく、すぐに答えが出るのが良いこととされていますが映画は違うでしょと。
敢えて疑問を感じさせ、遠回りさせてから着地させることでよりネタばらしの快感が得られると思うんですよ。
だから納得の次に用意されている解説シーンも無駄に感じますね。どんだけ親切なんだと。
と言うように重要なネタばらしの部分で不満が残るものの、全体的に観ると主演二人の演技も良く、程よい緊張感で引き締められている作品だから完成度はまずまず。
Netflixで何かサスペンスを観たい!って方がいたら迷いなく勧められる作品でした。
ってことで以下ネタバレです!
広告
感想(ネタバレ)
ここから先は映画『パーフェクション』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意ください!
使命
名門音楽学校でチェロ奏者として天才的な才能を発揮していたシャーロット。
将来有望とされていましたが、母が病気になり夢を諦めざるを得ない状況に。学校を退学しトップの座を後輩であるリジーに譲ってしまうのでした。
それから10年後。母が亡くなりやっと自分の時間を持てるようになったシャーロットは、上海で行われていた音楽学校のコンサートを訪れます。
するとそこには、自分が立つはずだった栄光の舞台に立つリジーの姿が!
さぁ女同士の嫉妬に狂ったバトルが始まるのかと思いきや、二人の関係は意外と良好(笑)
似た者同士であることを直感したのか、パーティの最中にキスをしてしまうのでした。
最近ハリウッド映画観ていると女同士でヤッちゃうのが当たり前みたいな風潮ありますけど、実際そうなんですかね(笑)
アメリカ住んでいたことあるですが、そんな空気は感じられませんでしたが。
ということもあって意気投合した二人は、中国の南部へ女二人旅を決行することになるんですが、リジーの調子がおかしい…。
この映画の中国では出血熱が流行っているらしく、私もそれに感染したのでは?と不安になるリジーですが、バスに乗り込んでしまいます。
そしたら案の定お腹痛いだの、頭が割れそうだの騒ぎ出すリジー。
周りの地元住民たちの力を借りて何とか看病するシャーロットはリジーのゲロから大量の虫が這っているのを目撃してしまうのです。
虫のゲロを観たリジーはもうパニック。「腕の中にも虫が這ってる!」と麻薬中毒者みたいなことを言いだし、ついにバスを下ろされる。
周りに何もない山の中に降ろされ、途方に暮れいているリジーの腕の中からゴキブリのような虫が。
もう体中を虫に寄生されているような状況で観ているのも辛いくらい。
私虫ダメなんですよ。こういう映画なら観るの躊躇したのに…。
で、そこで何故かシャーロットが懐に忍ばせていた肉切り包丁を取り出し「もう切るしかないわ!」と。
ここでフラッシュバック。仲良さそうに見えた二人でしたが、シャーロットはやはりリジーを恨んでいたようで。
母に使っていた抗うつ剤を酒に混ぜリジーに飲ませることで幻覚を見せていたんですね。
チェロ奏者として超重要な右手を失ってしまったリジー。ついにシャーロットの10年越しの復讐が完了したのでした。
広告
ホーム
時は流れリジーとシャーロットの師であるアントンが運営する音楽学校。
ここではすでにリジーに代わるチェロ奏者を育てている最中でした。
そこに右手を失ったリジーが現れ「あの嫉妬に狂ったサノバビッチにやられたわ」と怒りに満ちた表情。
学校にそのまま住まわせてくれと懇願するものの、アントンたちには断られてしまいます。
そこで理不尽な復讐に対する復讐としてシャーロットの家に忍び込むリジー。
スタンガンを使ってシャーロットを誘拐し、音楽学校に連れて行ってしまうのです。
シャーロットを連れてきたリジーに戸惑いを隠せないアントンでしたが、ここで彼のしてきた悪事が判明。
彼は育てている子供たちに「しつけ」と称して性的暴行を加えていたのでした。
その結果シャーロットは洗脳され、それを克服するのに精神科に通うほどダメージを受けていたようです。
寄宿学校の教授たちが子供に暴行するって映画では結構ある話。
映画冒頭からそんな感じはしてたから、まぁ驚きはしないかな。
で、リジーも同様に暴行されていたことを知ったから腕を切り落としたと語ります。
「絶対他に方法あっただろ(笑)」とツッコみたくなる展開で別の意味で驚きですよ。
対してリジーはそれでもチェロ奏者としての道を絶たれたことを許せない様子。そりゃそうか。
ついに本性を現したアントンに捕まり完璧な演奏を求められるシャーロット。
完璧じゃないと今育てている子供に暴行するぞとマジクズな脅迫をしてきます。
そして幼い子供を守るためこの緊迫した状況でも完璧な演奏を披露するシャーロットさん。
ここでタイトルの『パーフェクション(完璧)』の意味が回収されますね。
子供に対する暴行は免れましたが、縛り付けられ抵抗できない彼女をリジーと他の先生たちが襲おうとします。
しかし、毒でも盛られたのか突然先生たちが倒れだしてしまうのでした。
広告
デュエット
そう、毒を盛った犯人は言わずもがなリジーです。
シャーロットの家に行ったときにすでに打ち合わせており「私を暴行した奴らに復讐しよう!」と結託、わざと捕まったんですね。
そしてラスト。
ナイフや肉切り包丁でアントンを襲う二人。
しかしシャーロットはアントンに反撃され「左腕」を失ってしまいます。
リジーは右腕、シャーロットは左腕。二人で一つとなった彼女たちは、四肢を切り落とされたアントンを前に「完璧な」チェロを演奏するのでした。
ラストの映像はかなり衝撃的。主演二人の演技もあってかゾクゾクするほど恐ろしいシーンです。
まとめ
『ゲット・アウト』にちょっと影響されたのかなって感じる作風。
まぁホラーじゃないから怖さはないんですが、虫とかラストとかかなり衝撃的シーンがある映画ですね。
万人向けしない作品ではあると思うし、好きな人がいるか分らんけど主演二人の演技が好き。
以上!!!