どーも、スルメ(@movie_surume)です。
『フェイフェイと月の冒険』はですね、実は今月で一番注目すべきNetflixオリジナル映画だったんじゃないかと!
なんてったて、ディズニーで活躍したアニメーター、グレン・キーンの監督作ですから!これはもう期待せざるを得ないでしょ!
グレン・キーンとの出会いは、当時高校生だった僕が『塔の上のラプンツェル』を観てから。それまでディズニーアニメは観ていても、監督とかアニメーターまで知らなかったですからね。
ラプンツェル以降、グレン・キーンとか、アラン・メンケンとか、スタッフにも注目するようになりましたよ!
グレン・キーンに関しても、これまでの功績とか後ほど紹介するんで、最後までお付き合いください!
※この記事はネタバレを含みます!
フェイフェイと月の冒険
あらすじ&作品解説
大好きなママがよく話していた月の女神がいることを証明したい! 豊かな発想力を駆使してロケットを作ったフェイフェイは、大切な思い出を胸に月に向かう。
本作は中国とアメリカの合作アニメ。
スタッフ(音楽、脚本、監督あたり)はアメリカ人が多く、ストーリーもアメリカ的なアニメ映画です。しかし、中国が舞台で、ストーリーにも中国おとぎ話が関わってきたりと、アジアンな要素も兼ね備えています。
ただ、オリジナル言語は英語なんでねw 中国舞台の中国人たちなのに、喋る言語はほぼ英語という。『ムーラン』とかもそんな感じでしたから、まぁ仕方ないことなんだけど。
声優はほとんどがアジア系アメリカ人です。中には『sertch/サーチ』で主演を務めたジョン・チョーとか、『ハング・オーバー』シリーズのケン・チョンとか、著名な俳優も出演しています。
そして脚本は『トスカーナの休日』の監督、オードリー・ウェルズです。しかし、2018年に亡くなっているので、おそらく本作が遺作ということになるかと。
リメイク版の『Shall We Dance?』の脚本も書いたりもしてるんで、アジアへの造詣も深かったりするのかな?
エンドロールでは「オードリー・ウェルズに捧げる」との言葉もあります。
監督のグレン・キーン
本作はグレン・キーンの初監督作品です。かなり著名なアニメーターなんで、監督経験もあるかと思いきや、大体の作品ではキャラクターデザインとか製作総指揮で参加していたみたいです。
えー、これまでの功績としては『塔の上のラプンツェル』のラプンツェル、『リトル・マーメイド』のアリエルを動かしてきた方です。その他にもポカホンタス、アラジン、野獣などなど、手掛けたキャラクターは数知れず。
ディズニーではキャラクターごとにアニメーターがいまして、主役級のキャラを動かせるのは限られたアニメーターだけなんですよ。
それを何作もやってるわけですから。まさにディズニーのレジェンドのひとりなワケです。
そんな彼が初監督を務めたのが『フェイフェイと月の冒険』なんで、注目されるのは必然。しかもディズニー作品ではなく、中国のスタジオ作品ですからね。
やっぱ中国は金持ってんな~って思わずにはいられねぇ!
フェイフェイと月の冒険の評価
僭越ながら『フェイフェイと月の冒険』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・
6
★★★★★★☆☆☆☆
このアニメ、かなりクオリティ高いぞ!
なんだろう。ディズニーアニメをNetflixで観ているような、不思議な感覚に陥りますw それも多様性を大事にし始めた、最近のディズニーアニメって感じで。
それはグレン・キーンが監督だからか、僕がディズニーとの共通点を探しているだけなのか。
確かなことは、本作がディズニーアニメであると錯覚してしまうほど、クオリティが高いということ。決してNetflixオリジナルだからと、クオリティ抑えめに作られて作品ではないということです。
でも、中国って確かNetflix進出してないんだよな~。たぶん中国共産党との関係で。半分は中国制作なんで、向こうでは劇場公開あるのかもしれません。それはそれで羨ましい限りなんですがw
ここから先は『フェイフェイと月の冒険』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!!
感想(ネタバレ)
少女は月を目指す
中国には日本の織姫と彦星と同じような言い伝えがあるらしく、その伝承がストーリーに大きく関わります。
で、伝承の中に女神チャンウーっていうのが登場するんですが、主人公のフェイフェイは成長した現在でも、女神の存在を信じて疑わないんですね。
その背景には若くして亡くなった母親の存在がありまして。母が小さい頃話してくれたお話をずっと信じているという健気さですよ!でもお父さんの方は再婚相手を見つけちゃって、しかもウザい連れ子までいて…。
「これから母と弟になるよ!」って言われても、まだ幼いフェイフェイは受け入れられないんですよね。終いには親戚たちに「女神なんているもんか」と言われてしまう始末…。
そんな中で怒ったフェイフェイはロケットを自作して、みずから月に旅立とうと!なんという行動力!それで宇宙行けちゃったら『遠い空の向こうに』は成立しないけども、これは若干ファンタジー混じってますから!
なんやかんやでリニアモーター?を搭載したロケットを開発!月に住む獅子たちの手助けもありまして、ついに女神チャンウーの元にたどり着きます。
ここまでで目を見張るのが、そのアニメーション。中国を舞台にしているんですが、流れる川とかそこに架かる橋とか、ロケーションが素晴らしい!
そこを動き回るフェイフェイや、ウザい義理の弟のチンがイキイキとしてまして。お母さんの首つけたスカーフ的な布がひらひらするのも滑らかだし、アニメーションだけでも十分観られる映画でございました。
本作は『スパイダーマン スパイダーバース』の製作にも関わった、ソニー・ピクチャーズ・イメージワークスがアニメーションを作ってまして。有名なのは『アングリーバード』とかかな?『絵文字の国のジーン』とか、微妙な作品も手掛けているのですが…w
【関連記事】『絵文字の国のジーン』レビュー 歴史的なダメ映画って本当なの?
あと、心の底から月餅を食べたくなるんですよね~。最初「ムーンケーキ」って言ってて何のことかと思ったら、まさかの月餅。そうか、そんなおしゃれな名前だったか君は…!
素晴らしきかな、月の国!
そんなわけでフェイフェイは月の国に到着するのですが、ここから世界は一転。中国の伝承をモチーフにしているのでしょうが、まるで『インサイドヘッド』と『リメンバー・ミー』を足したような世界観!
若干2D部分もあったりして、『スパイダーバース』感もありますよ。その3つの映画に似てはいるけども、独自路線を行っているような感じもありますね。
あと、驚いたのがチャンウーのキャラ。女神のように神々しいのかと思えば、意外とコミカルで人間臭いキャラでありまして!
最初から全能の力を見せてくれればいいのに、フェイフェイが持っている「宝」を先によこせと。しかも「宝」がなんなのか、教えてくれない意地悪さ。いや、首にかけているんだから「これの片割れだよ!」くらい教えてくれてもよくね?
フェイフェイが宝を探している間は、チンと卓球勝負に出るのですが、まさかの女神敗北。ダ女神な感じも出てきちゃって、約束も平気でやぶるし、何だこいつはと。
彼女の登場シーンはカラフルで動きもあって、アニメ的な楽しさも十分なんですけどね。キャラの内面に関しては最後まで好きになれませんでしたわ。
ただ、月の国に登場するゴビって犬のキャラクターはめちゃかわいい。
『カールじいさん』に登場するダグみたいな愛らしさ。僕自身は犬嫌いなはずなのに、かわいいんだなこれが。
やっぱ「話す」ってことが重要なんだよね。プルートは除外しても、話す犬は大抵好きになれることが多いんです。
ただ、義理の弟のチンは最後までイライラさせられたけどねw かわいいイライラじゃなく、単にイライラ。あんな子供とは暮らしたくないね。
以上!!!
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