『ワンピース フィルム RED レッド』評価と感想(ネタバレ) 見直したぜ!シャンクス!

スルメ
どーも、スルメです

実は前回の『スタンピード』は、ワンピース映画で一番好きな作品でした。

しかし、2019年から世界のワンピース事情が大きく変わったことは、ご承知のとおりです。

本誌ではルフィの新たなる〇〇が描かれ、ついに最終章へと突入しています。

そこに来て、今回はシャンクスのストーリーに触れると。

しかも、タイトルが『ワンピース フィルム レッド』

……もう、「あちぃでございます」しか言えません。

ほかのワンピースファンの方々と同じく、僕も興奮の渦に巻きこまれている最中です。

 

※この記事は『ONE PIECE』に関する、本誌・コミック・ゲーム含む、ネタバレが含まれます

 

ワンピース フィルム レッド

評価

ストーリー★★★☆☆ 3/5
キャスト★★★☆☆ 3/5
演出★★★☆☆ 3/5
映像★★★☆☆ 3/5

総合評価 ★ 6/10

 

「はい、満足!」


期待を大きく超えることはありませんでしたが、ワンピース大好きな僕としても満足できる作品でした。

ただ、これは本編とは関係ない、パラレルワールドの世界ということで良いのよね?

結構、物語の核心に触れているというか、本編以上に「まじか?」という展開が多かった気がします。

 

※以下、『ワンピース フィルム レッド』並びに、最新話1055話までのネタバレが含まれます

 

感想

ウタとルフィ

今回もっとも重要なキャラクターが、みなさんご存じのとおり、ウタです。彼女はシャンクスの娘(血のつながりはない)であり、世界一の歌姫。ここで、「いきなり世界的な歌姫は唐突すぎね?」という指摘は無粋でしょう。

ルフィとウタには共通点があって、どちらもシャンクスに憧れ、海賊を目指していた少年でした。ウタは幼少期にシャンクスの船に乗っており、フーシャ村でルフィと過ごした過去を持っていると。しかし、ワンピース第1話よりも前に、ウタはシャンクスの船を降りてしまいます。

はい、ここでも「赤髪海賊団の一員で、ルフィの幼なじみとか唐突すぎね?」という指摘は意味を成しません。突然の展開も、ワンピース映画では常識といえます。

そんなウタとルフィの出会いから物語が始まるのですが、実はウタには、ある野望がありました。それが、世界を新時代へと導くこと。ウタは“ウタウタの実”の力を使い、悪い海賊たちのいない世界を作ろうとしていました。つまり、この映画のヴィランとなるのは、ウタ自身でもあるのです。

彼女の目標が本編におけるシャンクスの「そんなに怖いか?“新時代”が!!!」のセリフに繋がってきます。ちなみに、このコマには、ウタのシルエットもあるため、本編と映画がリンクした場面と受け取ることもできるでしょう(サービスでしょうが)。

さて、そんな感じでウタが作る夢のような世界に取りこまれてしまった麦わらの一味。ここからどう脱出するかが、本編における主なストーリーになります。

「いきなり急展開だね……」

まず、考えたいのが、ウタとルフィの関係性です。

このふたり、どちらも幼少期からシャンクスと知り合いで、シャンクスの影響を強く受けて海賊を目指してきました。

しかし、現在のウタは海賊を憎む歌姫となり、ルフィすら敵とみなしてしまいます。シャンクスの優しさと自己犠牲を受け、命を救われている点はルフィもウタも変わりません。でも、両者はまったく違う道を歩んでしまったのです。

シャンクスを信じ続けるルフィと、信じられなくなってしまったウタ。

対になったふたりを描いたことが、本作でもっとも注目すべきポイントで、最大の魅力といえるでしょう。

ウタの歌

もうひとつ魅力があるとすれば、ウタの歌唱シーンを担当しているAdoさんの歌声、そして音楽に合わせて展開するアニメーションです。

特にアニメーションは素晴らしく、ウタの心情に合わせてサイケデリックになったり、ホラーテイストになったりと、見ごたえのある映像でした。

ウタ自身、配信ができる電伝虫を使って、世界中に自身のパフォーマンスを広めた、いわば“歌い手”といえる歌手です。配信を通じて、世界中にいるファンの言葉を聞くのも、現代のカルチャーを踏襲しているといえるでしょう。歌唱部分を演じたAdoさんも歌い手出身の歌手なので、そこを意識してのキャスティングだったことは明確でしょう。

そんな感じで、アニメーション映画として、非常に画期的なことをした作品であるとは思うのですが、これワンピースでやる必要ある?というのが正直なところ。

もちろん、歌唱、アニメーション、演出は素晴らしいです。曲も延々と頭の中で流れ続けます。

ただ、長い。特に前半の歌唱シーンは、一曲まるまる歌いきるので、正直“耐える”時間でした。

そして曲数も多い。Adoさんのファンならば嬉しいでしょう。でも、僕らはワンピースの映画を観に来ているのであって、歌を聴きたいわけではない。1曲の目の後、すぐに次の曲にいったときは「大丈夫か?」と不安に思ったり。

「2,3曲あれば十分だったような」

さらに不満点を挙げると、麦わらの一味があまり活躍しない点。ジンベエなんか、映画初参戦なのに、ほとんど活躍しなくて悲しいよ。

今回の映画、なにが不満って、ボスキャラ以外の敵が皆無なんですよね。だからゾロやサンジですら、ウタが量産するショッカー級のザコ敵と戦うしかない。本編だとそれぞれに見合った敵キャラがついて、それなりに活躍していくんですが……。

ルフィですら、相手がウタだから終盤まで本気で戦いません。「魔王」とか超強大が登場しても、ビジュアルがどっかの大人向け魔法少女アニメぽいだけで、印象が薄いしなぁ。映画でも前作のバレットとか、ガスパーデとか、シキとか、いるだけで強そうなキャラがたくさん出てきたのに。

本題はシャンクスだ

さて、ここからが本題です。

ワンピースファンが気になるであろうシャンクスおよび、赤髪海賊団の描写でございます。

シャンクスは若干ネタキャラ化しているような雰囲気があり、登場するだけで、某因果晒し系考察ユーチューバーのサムネが蘇ります。イヌイヌの実モデル政府の犬なんてことも言われておりますが、本作ではしっかり海賊側で活躍し、その汚名?を回復しました。

 

これまでシャンクスはまともに戦った描写がありません。ゲームでプレイアブルキャラとして登場すると、「本当にこうやって戦うのかよ……」と疑問に感じたりもしました。たいてい覇気を出しまくって、剣を振るう。これだけ。

そんなシャンクスもついに戦うときがやってきました。しかも、ワンピース本編より早く……。

しかも、本作では麦わら海賊団と赤髪海賊団の共闘が観られます。つまりは、ルフィとシャンクスの共闘です。別々の世界から、顔を合わさず、お互いの存在を感じ取りながら戦うという、超激アツ展開が用意されておりました。

もちろん、ルフィとシャンクスが会ったら話が終わってしまうので、本誌と同様、ニアミス状態です

……が!赤髪海賊団が戦っただけで!大きな意味があるのだ!!

 

と、ゴリゴリにあちぃ展開が続いたところで、ちょっと笑ってしまいそうだったシーンがありまして。

それが、シャンクスが一般市民に殴られて、3発目くらいで血を流すところ

ワンピースを知らない人から見れば、シャンクスがグッとこらえている感動的なシーンに見えるけれど、読者からすれば「え、四皇が一般人に殴られて血流すの!?」と心配にもなるシーンなんですよ。

考えてもみてください。ビッグマムやカイドウが、一般人に3発殴られたくらいで流血するでしょうか。たぶん茶ひげですら流血しなさそうだよ。

別に武装色で身を守るくらいすればいいのに、なぜ殴られるままになっているのか。設定よりも演出を優先してしまい、意図せず“笑える”シーンになったのは残念でなりません。

 

あと、シャンクスは技名を思いつかなかったようで(笑)

ワンピースは『ゼノブレイド』シリーズ並みに技名を叫び続けるバトルが基本ですが、今回シャンクス側は黙々と戦うんですよね。

ルフィはギア5になってすぐに技名を思いついていたし、カイドウですら技名を叫ぶのに、シャンクスは無言。あれ?技名考えるの苦手だったのかな?

まぁ、既存の技を使おうとすれば「失せろ」を連発するしかないから、仕方がないような気もする。

 

最後に

ラストのバトル、戦いは完全にスネイクマンだったけど、顔はギアフィフスの状態だったよね? アニメでは初か? 僕の見間違いか?

そして、特典の漫画にて、シャンクスがゴッドバレー事件で“拾われた子ども”だと確定しました。

シャンクスが拾ったウタを「俺の娘だ」と言っていたということは、自分を拾ったロジャーを“父親”のように思ってたってことだよな。

 

以上。