映画『イソップの思うツボ』ネタバレ感想 上田監督のサービス精神がさく裂した

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

『カメラを止めるな!』の衝撃から早一年。ついに上田慎一郎監督の最新作がやってきました!

まぁトリプル監督って感じで上田監督含め3人の監督が参加しているので、純粋な監督作とは言えないのかもしれませんが、嬉しいものは嬉しい!

しかも『カメラを止めるな!』同様、驚きと笑いがあるストーリーらしく予告編を観ただけでも面白そう。「予測不能の騙し合いバトルロワイヤル」ですからね!?そんだけ煽って大丈夫かとw

 

実は今年もう一度監督作『スペシャル・アクターズ』の公開が予定されていまして、それもまた良作の予感がするのよね。

「カメ止め」ブームが去ったとしても、アレを作ったクリエイターや役者たちは今後も映画・ドラマ業界で活躍していきそうです!

イソップの思うツボ

あらすじ

カメだけが友達の内気な女子大生・亀田美羽、大人気タレント家族の娘である恋愛体質の兎草早織、父と2人で復讐代行業を営む戌井小柚。ウサギとカメ、イヌの名前を持つ3人は、有名童話さながらの奇想天外な騙し合いを繰り広げるが……。

映画.com

3人の監督

本作は『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督のほかに2人の監督が作品を作り上げています。

1人は「カメ止め」のスチール撮影、ショートフィルム『七年目の化石』を監督した浅沼直也監督。2人目は「カメ止め」のスピンオフ作品『ハリウッド大作戦』の監督をした中泉裕矢監督

二人とも共同脚本としてもクレジットされているので、実質「カメ止め」に関わった3人のクリエイターが共同で作った作品ととらえて良いのでしょうか?

キャスト

主演は石川瑠華さん、井桁弘恵さん、紅甘さんの3人。映画は群像劇として進んでいくので、それぞれが主人公って感じですね。

3人とも初めて拝見した女優さんだったんですが、「カメ止め」の時と同じく他の作品でも見かけるようになるのかも。

評価

僭越ながら『イソップの思うツボ』の満足度を★10段階で表すと・・・

 

★5

 

作り手の想いが伝わってくる映画

『カメラを止めるな!』以前から脚本が完成していたのか、そうでないのか。どっちにしても我々観客を喜ばせよう、楽しませようというサービス精神旺盛な気持ちがビンビン伝わってくる作品でした!

ただ、観客を騙して…って気持ちが強すぎているからか、ちょっとやり過ぎな感じがするのよね。

どんでん返しは大好きだけど、説明しすぎていてこの手の映画特有の気持ちよさは感じられず。どんでん返しを狙いすぎているって言うのも原因かも。何事もやり過ぎは逆効果になっちゃうな。

 

「騙す」って宣伝されていると否が応でも映画すべてを疑ってかかるじゃないですか??

「あれ?俺って今騙されてるの?」って画面の端から端まで目を凝らして、その後の展開を他作品以上に予想していくと。

そうなると、予想している以上の展開がないと消化不良に終わっちゃうんで「騙す」って宣伝するのはハードル上げていると思うんですよねぇ~。

もちろん満足できた人、できなかった人も生まれるのが映画なんで人によって見方が変わるんでしょうが。

 

以上のように私が勝手に求めていたストーリーではなかったものの、メインとして使われている3人の女優に救われた。

知らなかった女優さんを知ることができて、私は幸せですw

 

ここから先は『イソップの思うツボ』のネタバレを含みます!!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想

「カメ止め」の比較対象になるのか

インディーズ映画ながら空前の大ヒットを飛ばした『カメラを止めるな!』。中毒性が高く、観客が一丸となって笑えるめずらしい映画だったんで私も4、5回映画館に通ってましたw

えー、その成功に続く形になった本作なんですが、まず最初に書いておきたいのがカメ止めとは全然違う作品だということ。少しばかり台本通りいかないむず痒さが描かれてたけど。

コメディ要素があっても『イソップの思うツボ』の方が全然シリアスでウケる客層も違うのでしょう。

 

上田慎一郎監督=「カメ止め」みたいに、映画監督として仕事する以上絶対に「カメ止め」が付きまとうと思います。

今回だって「カメ止めのクリエイターが再集結!」と宣伝されているしね。恐らく次回作である『スペシャル・アクターズ』も同じような宣伝が使われるんじゃないかな。「あの”カメ止め”を生み出した上田慎一郎監督最新作!」みたいな。

それで観に行く人も増えるんでしょうけど、上田監督としては『カメラを止めるな!』と毎度比べられるのはお辛いのではないかと勝手に心配したりして。

でも「観客を楽しませよう!」と試行錯誤している気持ちは「カメ止め」同様伝わってくる。

監督たちの顔が見えてくるというかさ。こういう映画なんだか好きなんだな、俺って。

 

レストランに例えると高カロリーなファーストフード店や洒落た料理を出す高級イタリアンではなく、学生たちにお腹いっぱい食べさせようとする庶民派食堂って感じ。

それが裏目に出てしまうこともあるのだろうけど、俺としては作り手と客が近いってだけで好きになれる。

まぁ、一番好きなレストランはマックなんだけどねw

ポスターと3人の監督

これから観る人もいるだろうからストーリーに対する深い言及は伏せますが、ポスターにある着ぐるみは一切登場しません。

じゃあこの着ぐるみは何なの?って言うと、それぞれの着ぐるみの中身は3人の監督なんですって。この3人が作った映画ってことね。

もっと詳しく解説すると、着ぐるみはそれぞれカメ・イヌ・ウサギ。そう、映画に登場した3つの一家を表しているんですね。カメ=亀田家、イヌ=戌井家、ウサギ=兎草家という感じで。

で、それぞれの一家を監督した人が着ぐるみの中に入っていると。あ、なんか説明下手ですねw 詳しいことは以下のサイトをご参照ください!

映画.com「イソップの思うツボ」着ぐるみの正体が判明!

 

それと関連したことをもう少し。

実は私3人の監督が1本の作品を作るって映画をあまり観たことがなくて。

『シン・シティ』のようにゲスト監督で1シーンだけタランティーノがやってるパターンはありますけど、3人で一本て…。今までなかったかも。

個人的な先入観で「3人で作った映画ってまとまりがない作品になるんじゃ……!」と考えていたんですが、想像以上に1本の映画として筋が通っているというか、1人の監督が撮ったと言っても違和感ないまとまり方。

それでいて序盤の亀田家とか、復讐代行の戌井家は個々の監督の味が出ていて単純にスゲェなと。作品を作る過程で衝突があったりとかしないのかな。

3家族が一堂に会するラストの方はどうやって撮影してたんですか?3人でまとめて撮ってたのか、家族が映る時だけ監督を交代していたのか。

「カメ止め」のように裏側を見せて、監督同士喧嘩してたりとかしたら面白そうだよね。

まとめ

「カメ止め」とはまた違った面白さでしたが、上田監督や知らなかった女優さんを知れたいい機会でした!

ただ「カメ止め」を期待して行くとって言うのはあるよね。全然違う映画だし比べられたくもないだろうが、宣伝も「カメ止めのスタッフが集まったぜ!」って煽ってるしなぁ。

結局タイトルの意味がいまいち分からんのよね。直球なタイトルじゃないし、ところどころ示唆されていた「ウサギとカメ」から来てるのか。だとしたらイヌは?

うーん、わからん!!

以上!!!


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