Netflix映画『泣きたい私は猫をかぶる』ネタバレ感想 ムゲの勢いについていけねぇ!

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

今回レビューする『泣きたい私は猫をかぶる』は例のウイルスの影響で、大きな影響を受けた映画の1つでもあります。

もちろん現在公開されている『ストーリー・オブ・マイライフ』や、来週からの『ソニック』なんかも延期されていますが、なんとか公開にこぎつけてました。

しかしですね。本作に関しては結構早い段階で劇場公開を見送り、Netflix配信を決めていたと思うんですよ。

ただ、これにはコロナ禍の中で自宅鑑賞できることを喜ぶ人もいれば、

「いや、俺らは劇場で映画を観たいんだ!」

と反対の声を上げる人もいるわけで。

 

Netflixの強みは「全世界配信」という点にあると思っていまして、恐らく劇場公開するよりも多くの人に観てもらえるのではないかなと。

ただ制作者さんの立場を考えると、劇場公開用に作っていた作品を「配信」するのは苦渋の決断だったのかもしれません。

そんな感じでどちらを考えても難しい状況にありますが、わたくし、この度「例の10万円」を使って4Kテレビ&サウンドバーを買っちゃったのでねw

「例の10万円」と書くとヤバい金なニオイがしちゃうけど、自宅鑑賞の満足度が劇的に向上したのは事実でして。

 

劇場で観られない以上、出来る限りの環境を揃えて映画鑑賞に臨む次第でございます!

 

※この記事はネタバレを含みます!

 




 

泣きたい私は猫をかぶる

あらすじ

周囲になじめない少女の唯一の楽しみは、猫に変身して好きな人に会いにいくこと。でもそんな毎日を続けるうちに、猫と人間の境界が次第にあいまいになり始め…。

Netflix

キャスト

主演を務めるのは志田未来さんと花江夏樹さんの2人。

志田未来さんは『14歳の母』のイメージが未だに残っている女優さんでして。まぁ2話くらいしか見てないんだけど……。

最近ではどこで観たかな~とか考えていたら、2016年の『青空エール』以来かもしれません。声の演技に関しては『アリエッティ』とか以来かな。たぶん。

花江さんはみんな大好き『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎を演じた方です。

その他にも『東京喰種』の金木くんや、『TARI TARI』のウィーンなどなど。声優はあまり詳しくないんですが、思ったよりも知ってるキャラの声をやってるんだなと。

 

その他キャストは小野賢章、大原さやか、浪川大輔、山寺宏一などなど。

 

 

評価

僭越ながら『泣きたい私は猫をかぶる』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

4
★★★★☆☆☆☆☆☆

 

ムゲの勢いについていけねぇ

最序盤の「日之出サンライズアタック!」の時点で完全にムゲに置いていかれたわ。のっけからキャラのスピード感出し過ぎだわ~。

度々使われていたムゲ目線で、他人がカカシに見えるって演出がここでもありましたが、なんだかな~。

映画が進むとムゲの家庭環境とか、どれだけ相手に気を遣っていたとか分かるんだけども、最初でカカシ演出を使ったのは勢いつけ過ぎたかなと。

まだ開始数分でムゲのキャラを全然掴んでないワケですしね。冒頭からフライングしすぎた感が否めない。ただムゲを知り始めてからの「父と薫さんがカカシ化」は効果的だったと思いますが。

もうね。ムゲの親友・頼子が言っていたように

やめときなよ~

って言いたくなる出だしでして。私が思うに置いてけぼりになっちゃう人も多いんじゃないか?

 

その後もかなりエキセントリックな行動をしでかすムゲですが、かなり面白い選択を迫られます。

ただ目的から考えるに”そっち”を選ぶ人いるのか?本当に人生に絶望して、好きな人もいないなら分かるけどさ。

ムゲは日之出と出会ったことで「世の中捨てたもんじゃない」的なことを言ってましたし、渡り廊下で日之出を諦めないとも言っていた。

「俺は人間をやめるぞ!」状態に行くにはまだ早い。

 

ここから先は『泣きたい私は猫をかぶる』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

 




 

感想(ネタバレ)

そっちの”かぶる”もかかっているのね

「猫を被る」という言葉がありますが、主に自分の本心を隠して別の人間を演じる……といった場合に使われていると思います。

たとえば!

「あの人って彼氏の前だと猫被ってるよね~。ウチらの前だと人の悪口しか言わないのに」

的な感じですかね。そんな人、誰でも一度は会ったことあるでしょう。そういう人に限って何気にリア充している説を私は提唱します。

本作もタイトルからして「泣きたい私は猫をかぶる」ですから、この言葉がかかっているんですけど、上記の意味にプラスして本作の設定である「お面」もかかってきているのね。

猫に変身できるお面を手に入れた無限大謎人間(ムゲ)が、猫に変身して意中の男子・日之出の家に行くっていうストーリーなんで、まさに「猫をかぶる」

正直言ってこのストーリーはそこそこ可愛い女子と猫好き男子だからこそ成立しているんですよね。

もし日之出が猫嫌いだったり、猫アレルギーだったら物語はスタートしないし。まぁそこにツッコんだら、そもそも「そんなお面あるわけないやろ!」って話になりますけどw

 

ただね「そこそこ可愛い女子」が猫に変身するから許されている感あるけど、冷静に考えるとムゲの行動って本当に謎で。
私なんて普通にドン引きしましたから。

日之出には内緒で猫に変身してイチャコラする。これ性別逆だったり、容姿とかキャラに問題があったら成立しないですからね。なんか「To LOVEる」でそんなエピソードあったけども。

映画の中で唯一と言っていい常識人の頼子ちゃんが言ってましたけど、普通にストーカーじゃね?若干ファンタジックな感じの。

映画の終盤で日之出に「あの擦り寄ってくる太郎の正体はムゲだったんだよ~」とネタばらしされますが、そこで日之出くんが引かなかった時点で、もうついていけねぇなってなったよね。

美少女だろうが何だろうが、自分の生活圏に入られていたら、まず抵抗感が生まれると思うのですが。え?これ私だけ?

私も最近心が濁ってきたのか、この手のファンタジックでいろいろ無視した恋愛モノを受け入れる余裕がなくなってきました。納得できる人間描写だったらファンタジーだろうが、SFだろうが受け入れられるんだけどね。

 

それ関連で少し違う映画の話をしたいと思いますが、少し前に『パッセンジャー』って映画がありまして。

地球から物凄く遠くの星に移住するために、主人公は冬眠状態で宇宙船に乗っているのですが、誤作動が起きて一人だけ90年ほど早く目覚めちゃうんですね。再び冬眠できない設定ですらから、宇宙船の中で一人ぼっちで死ぬことが確定したわけです。

でも、一人があまりにも寂しくて一目惚れしたヒロインを目覚めさせるという暴挙に出ます。しかも自分が目覚めさせたと言わずに、二人だけの時間を満喫し始めるのです。当たり前ですが、ヒロインも徐々に主人公に惚れていくと。

シンプルだとこんな感じなのですが、実際はもっと葛藤があったりします。でも納得いかないのは、主人公は自分の欲のためにヒロインの人生をぶっ壊したこと。しかもそのヒロインが主人公に惚れたこと。

紆余曲折あって最後は納得いかせるようなストーリーになるんですが、やっぱり私はこの映画を好きになれなくてですね。

結末はご自身で確認して欲しいのですが、賛否別れるはず。俺だったら人生を壊した主人公を許せるはずもなく……。




アニメーションの動き方

本作はスタジオコロリドという会社が制作していまして、恐らく本作が2作目の長編アニメ映画になると思います。

前作の『ペンギン・ハイウェイ』でも思ったのですが、アニメーションの動き方が凄く心地良い。

「ヌルヌル動いてスゲェ!」とか「アニメの質感が……」とかの話ではなく、「心地良い」アニメーションなんですね。

『泣きたい私は猫をかぶる』だと、

・お面屋の猫店主の飛び跳ね方とか、吸い込まれ方

・ムゲが変身していた猫・太郎の動き方

・同級生に履いていた靴を投げるムゲの動き

・終盤の高低差のある場所で展開するアクション

などなど!

『ペンギン・ハイウェイ』だったらお姉さんがペンギンを出す動きとか、ポカンと浮かんだ”海”とかとか。

この「心地よさ」が最後まで持続していたおかげで、ストーリーのツッコミどころが意外と気にならなかったりするんですよね。なかなか他のスタジオじゃ表現できない動き方だし、単純にアニメ観るのが好きな私からすると新たな発見だったりする。

その分アニメを活かしきれてなかったストーリーがなぁ……。最後に出てきた猫の街の世界観は好きでしたね。あれなら寿命失ってもムゲと日之出で仲良く、楽しく生活できたんじゃないかなぁと思うよね。




まとめ

アニメーションを見ていて楽しかった分、印象は良かったりする。次回作も楽しみにしているのですが、キャラの癖をもう少し抑えてくれると、私としては観やすいかな。

「お面や」は登場時点から不気味だったけど、なんでかな~とか考えてたら、ゼルダの『ムジュラの仮面』のお面やがトラウマだったからだよね。そういえばお面で猫に変身できる要素も「ムジュラ」っぽかったりする。

あぁ、Switchにリメイクされたムジュラやりてぇなぁ……。世間では時オカ派が多いけども、私は圧倒的にムジュラ派。ゼルダだったらブレワイが一番好きなんだけどね。

 

って感じで、今回は割と短めな気がするけどおわりっ

 

以上!!!

 

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