映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』感想 ライカのセンスが光る冒険活劇!

どーも、スルメです。

今回は『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』の感想を書いていきたいと思います。

本作はですね。『KUBO』とか『ココライン』などを制作したライカの作品です。最近かなり注目度の高いスタジオで、僕も数作品ほど観ていますが、毎回努力と苦労がにじみ出たアニメだなとw

なんてったって、ライカの作品はストップモーション!全部人形を作って、一枚一枚撮影して制作されているんです。日本人に分かりやすいのは、『クレヨンしんちゃん』の映画のオープニング。あれがストップモーションアニメ。

しんちゃんは粘土ですが、本作は主に人形が使われています。一度『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のメイキング番組を観たことがあるのですが、やっぱ並々ならぬ苦労があるよね。

そんなわけで、僕の中では面白さよりも裏側に目が行ってしまうストップモーションアニメでございました。

 

 

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒

監督クリス・バトラー
脚本クリス・バトラー
出演者ヒュー・ジャックマン、ザック・ガリフィアナキス、ゾーイ・サルダナ、エマ・トンプソン、マット・ルーカス 他
製作国アメリカ
上映時間1時間35分

ミッシング・リンクの評価

僭越ながら『ミッシング・リンク』の満足度を★10段階中であらわすと…

 

★6

 

本作のポイントとしましては

  • スクリーンを超えて伝わる作業量
  • ライカらしさを感じる動物のデザイン
  • 3Dアニメにはないあたたかい動き

この辺です。ストーリーに関しては特筆すべき感じでもないんですが、万人受けしそうではありますね。少なくともライカの過去作品の中では、一番「入門編」らしい映画でした!

ただですね、アメリカではいまいち成績出してないんですよね。批評家の評価は良いし、ゴールデングローブ賞も受賞しているんだけども、興行成績は赤字っていう。

去年の4月に公開されているんで、コロナの影響は受けていないはずですが…。やはり子どもたちはディズニーのほうが好きなのかな? ストーリー的にも子どもウケはよさそうだけれども。

 

※ここから先は映画序盤のネタバレを含みます。

ミッシング・リンクの感想

探検家&冒険家のライオネルは世界中のUMAを追っていました。しかし、あまりの無鉄砲さに相棒は逃げ出し、探検家クラブにも参加できない状態です。

ある日、ビッグフット(でかい類人猿)の情報が入ります。ライオネルはその足で探検家クラブまで赴き、憎たらしいダンスビー卿に情報を教えるも、「ビッグフットなどいない!」と完全に無視。怒ったライオネルは「ビッグフットを見つけたら間違いを認める」と、ダンスビー卿に条件を提示し、冒険へと旅立ちます。

情報のあった場所に向かうと、まさにその場にビッグフットが!あとを追いかけたところ、そのビッグフットは流ちょうな英語で、ライオネルに話しかけてきます。実はこのビッグフットこそがライオネルに情報を流した張本人であり、みずからの仲間(ビッグフットは彼ひとりしかいない)を探す旅に協力するよう、頼みます。

目的はヒマラヤ!そう、イエティです。
厳密にはイエティとビッグフットは違う生物だと思うんですが、本作では同族って設定。まぁどちらも雪男って呼ばれるくらいですしね。一応参考までに、ヒマラヤにいるのがイエティで、ロッキー山脈にいるのがビッグフット。日本だとヒバゴンって類人猿のUMAも噂されましたね。

ようやっと冒険がスタートするかと思いきや、ダンスビー卿がヒットマンを雇い、ライオネルの暗殺計画を実行に移しますw 彼を殺したいほど憎んでいたみたい。

そんなことは知らないライオネルはかつての恋人、アデリーナの元へヒマラヤの地図を取りにやってきます。「アデリーナをヒマラヤに連れていくこと」を条件に地図を貸してもらい、3人のヒマラヤツアーがスタートするのでした。

 

ここまでが序盤のあらすじ。おわかりの通り冒険活劇ですね。相棒がいる点シャーロックホームズが意識され、冒険のほうがインディージョーンズだとイメージすると分かりやすいかも。映画冒頭に登場するライオネルの相棒は完全にワトソン君でしたしw

シャーロキアンの方いわく、ホームズの決め台詞も引用されているようですが、僕は無学のため分からず…。少なくとも探偵部分ではなく、相棒との共闘部分がインスパイアされています。本作は人間とUMAという面白関係ではあるけれど、一種のバディものなんですね。

ライオネルはリンクと名付けられたビッグフットの仲間を探すために行動し、リンクはその冒険の手伝いをすると。で、ライオネルの元カノであるアデリーナも加わり、ヒマラヤ奥地への冒険に出発するわけです。

ただ、ライオネルの目的はリンク君のためというよりは、「ビッグフットやイエティの存在を公表して、クラブに認められたい!」って超個人的な気持ちなんですよ。その点についても、しっかりライオネルが自信を見直して成長する物語になっているんで、子どもにも教訓が得られる理由かなと。

しかしながら、ストーリーに関しては正直真新しさはありません。これまでのライカ作品とは決定的に違うのが、万人受けするストーリーになったことなわけですから。そこをプラスにとるか、マイナスにとるかは人それぞれだと思いますが、僕は案外マイナスに感じたり。

ストップモーションアニメという我を行く制作体制なんで、ストーリーも我を行くものにしてほしかったなと。アクションとかも確かに凄いんだけども、あくまでも制作の裏側を考えての「すごい」になってるからな~。

これたぶん、映画本編よりも「映画本編を観た後のメイキング」が面白いやつですよ。

 

あと語らなければならないのが、アニメーション。大人の方はストーリーよりもこちらに目が行ってしまうのは必然でしょう!

まず重要キャラ…というか主人公のひとりであるリンク君。上に画像貼ったので見てほしいのですが、彼の毛並みやばくないですか?これCGじゃなくて、全部人形で作ってるんですよ。僕が製作者だったらめんどくささからか、「毛のある動物」は軒並み出演NGにしますねw

けれども、ライカは違う。あえて手のかかる方面に進み、アニメーションの質を高めています。しかもフサフサの毛じゃなくて、ちょうどよくデフォルメされた体毛。これディズニーとかほかのアニメ会社が作ったら絶対フサフサ体毛になるじゃないですか? これをおもちゃっぽく表現するのが、ライカのアニメに「あたたかさ」を感じる理由だと思うんですよね。

キャラのデザインもそうですが、本作で欠かせないのがアクション。『インディージョーンズ』意識しているんで、従来のストップモーションよりもアクションが多いんですよ。特に終盤のヒマラヤでのシーンは、「どうやって撮影したの?」なアクションの連続。

その時の表情なんかも、おそらくパーツを何百回も組み替えて撮影していると思うのですが、その労力がね。まさに職人技って感じで、映画からプロ意識が感じ取れる作品でした!

まとめ

相変わらず他では見られないアニメーションを楽しませてくれたライカ作品。

ただ、現在の日本の映画館は鬼滅一色!子どもたちの目も鬼滅に向かっていることは、まず間違いないでしょう!

そんな中で本作がどう戦っていくのか。そもそも日本の子どもは見てくれるのか…!

僕自身もライカ好きなんで、本国の赤字を取り返すくらいヒットしてほしいところですが…。

……難しいな。

 

以上!!!

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