映画『わたしは光をにぎっている』ネタバレ感想 人と建物と街の一体感に注目!

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

今回は松本穂香さん主演の映画『わたしは光をにぎっている』のレビューを書くわけですが。

実は松本穂香さんを認識してから初めて観る出演作だったりしますw ちょっと前まで知らなかったからね。

知るきっかけとなったのはauのCMだったりする。何かオーラがあるなぁと。

それにしてもCMで共演している中川大志くんと顔がめちゃくちゃ似てませんか?これ前から言っているんですが、イマイチ理解してもらえず。

この映画では似ているシーン少なかったような気がするけど、何かの映像が似てたんですよ。

まぁ、それは置いておきまして『わたしは光をにぎっている』のレビューに参りたいと思います!

 

※この記事はネタバレを含みます!

わたしは光をにぎっている

あらすじ

20歳の宮川澪は、両親を早くに亡くし、祖母と2人で長野県の湖畔の民宿を切り盛りしていたが、祖母が入院してしまったことで民宿をたたまざるを得なくなる。父の親友だった涼介を頼りに上京し、涼介が経営する都内の銭湯に身を寄せた澪は、都会での仕事探しに苦戦し、次第に銭湯を手伝うようになる。そして個性的な常連客たちと交流し、徐々に東京での生活に慣れてきたある日、銭湯が区画整理のため閉店しなければならないことを知った澪は、ある決断をする。

映画.comより抜粋

監督

メガホンを取ったのは『四月の永い夢』の中川龍太郎監督。

同作はモスクワ国際映画祭で2つの賞を獲得。『わたしは光をにぎっている』も映画祭に正式出品されるなど、国内外で高く評価されている監督です。

監督自身が過去に訪れた野尻が物語序盤の舞台となっているので、彼の経験が映画にも取り入れられているのかもしれません。

キャスト

主演を務めたのは朝ドラ『ひよっこ』に出演した松本穂香

少し調べたところ彼女が出ている映画を何本か観ているんですよね。ただ、顔と名前が一致したのが比較的最近だったんで、これが私が初めて見る主演作ということにしておきましょう。

映画を観ていると妹分と言われてるだけあって、有村架純さんっぽいかなとか思ったり。似ているのは中川大志くんなんですけどね。

共演は光石研渡辺大知徳永えり吉村界人などなど。

 

評価

僭越ながら『わたしは光をにぎっている』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

★6

 

松本穂香の代表作になる気配

そんなに台詞は無いんですよ。主人公なのに口下手な設定だから、会話も途切れ途切れだったりする。

しかし、セリフがないことでキャラクター表現することが余計に難しくなっているのだと思います。

そこを表情や細々した動きで表現していき、他のどんなキャラクターよりも存在感を放っているんですよ!

上映時間90分ちょっと中で彼女演じる澪という人間にどんどん引き込まれていくと。90分じゃ物足りないよね。あと30分は欲しいところ。

「もうちょっと」というところで切り上げるのが、この映画の良さでもあるんですけども。

 

ただラストの部分は澪の語りになってしまったり、監督の思想を押し付けるような印象を感じてしまった。

いや、この作品がどういう意図で作られたかは分かるんですよ。後に書きますが、確かに再開発に関しては私も思うところがある。

でも、これはやり過ぎ。澪の視点を通して変わっていく東京を描いていたのに、想いが強くなるにつれて澪を超えたプロモーションビデオのようになってしまう。

登場人物の一人が撮っていたドキュメンタリー映像という背景もあるんですが……。

ここら辺は人によって見方が変わりそうではありますね。

 

ここから先は『わたしは光をにぎっている』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

ストーリー

ストーリーは『あまちゃん』に近いかなと。序盤はね。

新しい土地で生きていくって言う面では『100万円と苦虫女』とか。

『あまちゃん』は都会に住んでいる主人公が田舎に行って、現地の人々と仲良くなっていく様を描くわけですが、今作はまったくの逆。

田舎に住んでいる澪が上京してくるストーリーです。東京とは言っても新宿とか銀座じゃなくて、東京の中でも落ち着いた土地。ロケ地は葛飾などの下町らしい。

主人公のキャラクターも夏ばっぱ(宮本信子)に会う前の静かなアキっぽいしね。性格に関してはそこまでの変化はないけども。

とは言っても澪は人との距離を開けすぎるため、友達という友達が最後までできない。ご飯に誘われれば同行するし、エチオピア人との交流も描かれてはいますが、たぶん友達というレベルではないのかと。

基本的に前半部分は彼女の受け身の物語なんですよね。バイトの年下先輩に「何でも察してもらえると思わないでね」と言われているように、自分から周りを変化させていくタイプの人ではありません。

 

そんな彼女が東京で最初に巡り合ったのが哀愁漂う銭湯。この手の銭湯は『メランコリック』でも舞台になっていましたね。

最初は仕事を見つけるまでの仮住まいだったのですが、すぐにバイトを止めてしまう澪。銭湯の仕事を手伝いながら、店主の三沢や映画監督志望の銀次たちと交流を深めていくのです。

監督はこの映画を『魔女の宅急便』や『四月物語』と共通点があると発言していました。生きてきた場所とは別の土地で新しい生活を始めるといった点で似ている部分はあるでしょう。

しかし、本作で注目したのが引っ越し先が再開発により徐々に変化していく点です。

 

⇒⇒【ネタバレなし】映画『メランコリック』感想 殺人事件は「銭湯」で起きている

 

再開発

物語終盤、澪が過ごしている銭湯が再開発のあおりによって潰れることになってしまいます。

元から分かっていたとはいえ、これまで住んでいた場所が変化していく様をつぶさに描き出すんです。

私の実家も小学生くらいの時から線路の高架化だったり、新しい道路を作るということで風景がガラリと変わってしまいました。

10年以上工事しているのに完成しない道路なんだけども、小学生の時に使っていた通学路はまるで別の街かと言いたくなるくらいの変化でして。

細い道の両脇に立っていた八百屋とか中華料理屋、クリーニング屋は閉店。現在残っているのは建設予定地を免れた病院のみ。なくなった店を営んでいた店主たちは何をしているのだろうと、たまに考える時があるのです。

そんな時にこんな映画があれば、映像として店や街の雰囲気を残しておけたのにな~と思ったり。今はスマホがあるから残そうと思えばいくらでもデータとして保存できるけども。

そういった面では、この映画が作られたことの意味が少しわかるのかなと。そして映画を観た人、ずっと先の未来の人にも繋げることができる。それで初めてこの映画は完成するのではないでしょうか。

 

ただですね。最後に再開発が進む町で実際に店舗を営んでいた方々の映像が流れるんですけども、それが保険会社のCMを観ているようで……。

映像を使った意味は理解できるのですが、映画の中にぶち込まれていると違和感の方が買っちゃうんですよね。

前半がおとぎ話と言いますか、都会すぎない東京の街並みや落ち着いたショットも含め神秘的な印象を受けただけに、最後でいきなり現実に引き戻されてしまいましたね。

 

まとめ

「2019年銭湯映画」ランキングトップの座は『メランコリック』に譲らざるを得ないでしょう!

まぁ、銭湯が舞台の映画なんて2本しか観ていないんだけどさ。『わたしは光をにぎっている』も好きな作品ではありました。

それにしても松本穂香さんって良い役者ですね。何で上から目線なんだとツッコまれそうですが、この映画の半分くらいは彼女で持っていると言っても過言ではない。

途中で演技なのか素なのか分からなくなる時もあったりして、作品の中に松本穂香が入り込んでいるような気がしました。

今後も出演作はチェックしていきたいと思います!

以上!!!

 

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