どーも、スルメ(@movie_surume)です。
今回はNetflixで配信が始まった『ロストガールズ』のレビューです。
私にとっては久しぶりのミステリー映画になりまして。しかも本作はノンフィクション小説を原作としてますからね。
今年は『ナイブズアウト』って傑作ミステリーを観たんで、かなりハードルは高いっすw
では、さっそくレビューに参ります!
※この記事はネタバレを含みます!
ロストガールズ
あらすじ
失踪した娘を捜すうち、数々の未解決殺人事件の存在を知った母親が、真実と正義を求めて闘い続ける。実話に基づくドラマ。
評価
僭越ながら『ロストガールズ』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・
5
★★★★★☆☆☆☆☆
「警察に対しての憤りが凄い映画だね」
とにかく警察がクズな映画。日本でも声を上げないだけで、こんな事件は山ほどあるじゃないかと考えてしまう。
以前書いた『仮面病棟』や『スペンサー・コンフィデンシャル』もこんな映画だったな。
売春婦だろうが貧困層だろうが、命は平等なのに人は知らず知らずに優劣をつけてしまう。
私もこんなこと書いて「憤りが……」とか言っておきながら、その立場に立ったらどうなるか分からないよね。
今のコロナの時でも海外旅行に行った感染者が出ると「この時期に海外行くかよ」とか思っちゃうし。結局は自分も警察の側なのかもしれない。
ここから先は『ロストガールズ』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!!
感想(ネタバレ)
結局犯人は……
私の中では珍しく犯人が明かされないミステリー映画でした。
そもそもこれをミステリー映画と呼んで良いのだろうか?どちらかと言えば実話を描いているだけに、ノンフィクションドラマな気がするけども。
Netflixには「ミステリー」とジャンル分けがされているから、ミステリーが正解なのか……。
とりあえず、犯人を見つけ出す「フーダニット」なミステリーでないことは確かです。
ではこの映画は何を描いているのか?
それは娘を理不尽に奪われた母親と、事件への迅速な対応を怠ってしまった警察の無能さを描いています。
だから結局は現在でも未解決事件として扱われ、母親の頑張りもむなしく犯人は裁かれていません。
最後に説明があったように、母親も2016年に死亡。現在はその娘が事件解決に尽力しているようです。
母の強さを描いている映画としてはフランシス・マクドーマンド主演の『スリー・ビルボード』に近いかな。
⇒映画『スリー・ビルボード』ネタバレ感想 母の愛はいつでも強い
あの映画も娘を殺害した犯人を特定できない警察に怒りを感じた母親が、「ビルボード(看板)」を殺害現場に立てるという映画でして。
母親の執念が周りの人間を動かすという展開も近いモノを感じます。

メディアと警察の無能さ
この事件の被害者であるシャナンは失踪した時は売春婦でした。
そのことがきっかけで警察は「ただの売春婦に……」と通報から現場到着まで1時間を要してしまいます。
後日、主人公のメアリーが同殺害現場から通報した時はなんと12分。
「私の通報には12分で駆け付けるのに、なんで娘は1時間もかかったんだ」とメアリーは詰め寄ります。
このように、事件の背景には「どうせ売春婦が……」と通報を舐めていたことがあるのです。
日本でもストーカー被害を相談したら軽くいなされてしまい、後日殺人事件に発展する……。なんてことがありました。
正直警察側も何も出来ないというのも事実でしょう。でも社会的には警察が悪者に映ってしまうワケで。
ただ本作の警察はマジで舐めてるだけ。ただの怠慢によって出動が遅れたのです。
メディアもそう。事件を面白がるあまり、被害者たちを「売春婦」として報道。
ただ「娘がいなくなった」と報道するよりも、「売春婦たちが行方不明になっている」と報道した方が注目を集めるからです。
そういえば切り裂きジャックも売春婦ばかりを狙った殺人鬼だったね。事件との関連性はあるのか不明ですが。
結局は「マスゴミ」と言われてしまうのは世界共通なのかもしれません。
私も日本の報道を見ると「それ、そんなこと言う??」と思うときがありますもん。マスゴミとまでは言いませんが。

残念な点
確かにストーリーは心に来るものがありますし、残された遺族を思うと胸が痛くなるのですが……。
映画として観ると、正直出来はそこまで良くはないかなぁと。
映画の内容だけに批判しにくい作品なんだけども。お金を取って公開している以上、人に評価されるのは必然だと思うし。
まず序盤からテンポが悪すぎる。1時間半と比較的短い映画ですが、それでも長く感じてしまうよね。
確かに日本には伝わりずらいエピソードを広める役割は十分に果たしている。けれども、映画としての面白さや入り込む余地がないと、頭にも入ってこないワケで。
主人公を演じたエイミー・ライアンのおかげで彼女の爆発力はすぐに伝わると思うが……。
それと娘二人との関係もかなり中途半端に描かれている。
「シャナンはいないけど、私はまだ生きている」といった娘の言葉、そして「彼女たちの影響ね?」と悪びれるもなく詰め寄るメアリー。
いなくなった者と残された者がいるのに、そこをもっと深く踏み込めば良かったんですけど。そうすれば、もっと濃厚な作品に仕上がった気がしますね。
まとめ
どうしても警察は救えないな~
関係ないけど、日本の警察もかなり対応悪くないですかね。全員が全員でないことは分かっているけども。
この前「おじいさんが倒れているよ」と教えに行ったら「住所と年齢と名前と職業を教えて」と、結構ぶっきらぼうに言われまして。
で、おじいさんが倒れていた場所を教えたのに、ちょっと迷ってるしw それで”お巡りさん”かよと。
どうやらおじいさんは認知症でかなり遠くから自転車で来たとか。結局ケガもしてないのに救急車も呼ばれて、家に送り返されてました。
ただそれだけなのに警官5人くらい来たからね。何か理由があるのだろうか。
以上!!!
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