
小松菜奈って高校生を演じることが多くないですか?
『渇き。』のイメージが強いのか、あきら役がピッタリだったからか、とにかく小松菜奈=女子高生ってイメージがある。
けれども、びっくりすることに僕と同い年!僕が高校の制服着たらタダの変人にしか見えないだろうに、小松菜奈が着ると超似あう。
なんだこの差は……。
そして、小松菜奈は色んな俳優とコンビ組んでるイメージだよね。菅田将暉に福士蒼汰に宮沢氷魚、北村匠海とかとか。
で、今回は林遣都さんですよ。
キャスティングする側は「あっちの映画と被らないように…」とか考えるのかな?出演作結構観ているんですが、どのコンビがどの映画だったか、たまに忘れる(笑)
そんなわけで、大人気の女優・小松菜奈がヒロインを演じた、
恋する寄生虫
の感想に参りたいと思います!
恋する寄生虫
あらすじ
極度の潔癖症から誰とも人間関係を築くことができず孤独に生きる青年・高坂賢吾は、視線恐怖症で不登校の少女・佐薙ひじりの面倒を見ることになった。露悪的な佐薙の態度に閉口する高坂だったが、その言動や行動が自分自身の弱さを隠すためだと気づき、彼女に共感を抱くようになる。2人はクリスマスに手をつないで歩くことを目標にリハビリをスタートさせる。次第に惹かれ合った2人は初めての恋に落ちていくが……。
キャスト
潔癖症の主人公を演じたのは、『私をくいとめて』の林遣都。
僕の中では『荒川アンダーザブリッジ』のリク役が印象深くてですね。原作が好きってこともあるのでしょうが、何となく今でもそのイメージ。
視線恐怖症のヒロインは前述したように小松菜奈が演じました。やっぱりカワイイので、それだけでも観る価値があるような。
共演は井浦新、石橋凌などなど。
評価
僭越ながら『恋する寄生虫』の満足度を★10段階であらわすと・・・
★3
「寄生虫以外は普通の恋愛映画だね」
原作を読んでいないので、タイトルからSF要素のあるラブストーリーかと勝手に思っていました(笑)
けれども、蓋を開けてみれば寄生虫はいるけど、やってることは定番の恋愛映画そのもので。
むしろ寄生虫がいることで、主人公ふたりが恋に落ちていく過程が省かれているように感じてしまって、イマイチ乗り切れない。
それでも小松菜奈さんの可愛さは、100分間を乗り切れるだけのパワーがありました。
アラサー男と女子高生の恋愛関係って犯罪チックな香りがしますけども。
ここから先も映画のネタバレを含んでいます
まだ映画を鑑賞していない方はご注意ください!
感想(ネタバレ)
寄生虫の設定
今作に登場する寄生虫は宿主の意識を操作して、一生添い遂げるつがいを見つけようとします。
寄生された宿主は恋している気分になり、同じく虫を宿している異性に近づいていくと。恋が成熟したら最後、虫の影響で心が蝕まれていき、最後には自殺してしまうという超やっかいな虫です。
この設定のポイントは、宿主にいっさい自覚がないこと。恋をしている気持ちも本物だと信じてしまい、虫に操作されているなんて微塵も感じません。虫のことなど知らずに、異性と接触ちゃうんですね。
で、寄生虫は小松菜奈演じる佐薙と、林遣都演じる高坂に寄生しており、ふたりは虫の影響で社会と接触できなくなりました。そんな虫を宿した変わり者の二人が出会い、愛を育んでいくのが今作のメインストーリーです。
「でも、その恋って本物なの?」
当事者たちは「私たちの気持ちは本物なのよ!」と言います。けれども、寄生虫の存在を知っている他人から見たら、佐薙の心にあるのは恋ではなく、脳にいる虫が作り出したまやかしです。
「恋愛感情なんてものはね、一時の気の迷いなのよ。精神病の一種なのよ」
そんなことをどっかの誰かが言っておりましたが、今作における恋愛感情は虫が作り出したまがい物だと。本人たちがどんなに本当の恋だと思いこもうとも、それは自分の中から湧いてきた恋心ではありません。
この設定が今作のミソでして、
恋をしているけど嘘かも。恋を貫けたとしても、虫の影響で二人とも死んじゃう。
という堂々巡りにハマってしまうのでした。
対処法としては頭の中にある虫を取りだすしかない。けれど、虫がいなくなると今ある恋心はどこへ行くの?と、やっぱり堂々巡りになっていしまう佐薙の思考。
現実にある恋心と目には見えない虫の存在に挟まれた二人の葛藤なんかが、今作の醍醐味かと。
映画として残念な部分
……うーん、なにかと理由はつけたけど、結局は『ロミオとジュリエット』的な障害の多い恋の物語なんだよね。先が闇しかないことを知りながら、二人で駆け落ちしようなんてよくある話だし。
はみ出しの者の二人が出会って、意気投合して恋に落ちていく。けれども、その恋には障害が多くて……。虫を省くとこんな感じかな。
虫という設定が今の社会にぴったり…というかタイムリーな話題ではあるのだけど、意外と王道のラブストーリーだったんじゃないかと、僕自身は思ったりもしています。
そして残念だった部分が、虫によって恋に落ちたという設定があるからか、お互い社会に拒否反応を示しているのに、すぐに仲良くなって恋に落ちます(笑)
確かにお互い変わり者だけど、現実で言ったら「だからなに?」って話なんですよ。潔癖症の人が視線恐怖症の人なら受け入れられるって、虫がいなきゃファンタジーの話だろうし。
もちろん、急速に潔癖症が治っていくのも虫のおかげ。ずっとマスクつけたまま映画に出るわけにはいかなしね(笑)
そんなわけで、恋愛映画にとって大事な部分は寄生虫の設定によって省かれていたように感じました。
「高坂さんに惹かれる要素ありました?」
他にも潔癖症の高坂がデートに行った場所が人しかいないヴィーナス・フォートだったり、そもそもマスクとヘッドホンで話通じてるの?という誰もが気になるところをスルーしたりと、あれ?っと思う部分が多かったです。
としまえんは……あそこは人がいないから潔癖症の方でも平気かな。
あとは寄生虫をCGで現実に投影してしまうシーンは違和感しかなかったですね。基本的にはおしゃれな画面作りにこだわっていたと思うのですが、なぜハンバーガーに虫を出してしまうのだろう。
わしゃわしゃっと不快な音を鳴らすとか、林遣都さんの演技だけで見せるとか、別の方法で表現した方が雰囲気を損なわなかった気がします。視線恐怖症を表現するシーンもね。
最後に
ネットでチラッと見かけたのですが、小説とは少しストーリーが異なるようで。
amazonで300円ちょっとで売ってたし、映画は好きではありませんでしたが、小説は読んでみようかな。
小松菜奈さんの次の映画は『余命10年』。相手は坂口健太郎さんです。
うーん、女優と俳優をシャッフルして恋愛映画作ってる感が強いんだよなぁ。仕方がないのかもしれませんが。
以上!!!
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