映画『きさらぎ駅(2022)』ネタバレ感想と評価 2ch都市伝説が満を持しての映画化!

スルメ
どーも、スルメです

この記事では映画版『きさらぎ駅』の感想を書いていきます!

僕が元ネタになったスレを知ったのは、高校2年生のとき。

当時2ch発祥の都市伝説にハマっていた僕は、異世界迷い込み系のストーリーの虜になっていました。一番記憶に残っているのは「きさらぎ駅」ではなく、「ゲラゲラ」と呼ばれていた話でしたが。

そんなわけで、高校の頃の記憶が蘇ってきそうな都市伝説ホラー映画『きさらぎ駅』の感想に参ります!

きさらぎ駅

作品概要

2ちゃんねる発祥の「きさらぎ駅」を題材とした映画です。実は何度か映像化されていまして、僕は都市伝説のテレビ番組で再現ドラマを鑑賞した記憶があります。散々な出来でしたが。

「きさらぎ駅」とは、異世界にある駅の名前。電車に揺られていた女性(はすみ)が気がついたら「きさらぎ駅」という名前の場所にたどり着いていた……ってストーリーで、結構有名な話なので知っている人も多いでしょう。

詳しいストーリーはみんな大好きナオキマンが取り上げていますので、そちらを参照のこと。

https://www.youtube.com/watch?v=p2V4GpR3Lyw

 

本作は「きさらぎ駅」に迷い込み、生還した女性・葉山純子に取材をしている女子大生が主人公です。彼女は「きさらぎ駅」について調べていて、異世界への行き方やことの顛末を純子から聞いていました。

そんな彼女も「きさらぎ駅」に迷い込んでしまい……という、ほぼオリジナルストーリーが展開します。

 

そんな本作の主演を務めたのは、『全裸監督2』の恒松祐里。多くの映画に出演している俳優さんで、僕も出演作はチェックしてるつもりでしたが、実は今作が初主演作だったようで。恒松さんが出演しているだけで、その他ジャンル映画とは一風変わった雰囲気を醸し出していますが、どうなんでしょう。

『きさらぎ駅』評価

ストーリー★★☆☆☆ 2/5
キャスト★★★★☆ 4/5
演出★★★☆☆ 3/5
ホラー度★★★☆☆ 3/5

総合評価 ★ 5/10

 

「想像より怖かった……」


怖いっつーか、びっくりする映画でしたね。

映画序盤は一人称視点で「きさらぎ駅」のストーリーをなぞっていくのですが、いわゆるジャンプスケア(びっくり演出)が多くて、ビクビクしながら鑑賞してました(笑)

一人称視点だからジャンプスケアも近いし、「ひっ」と声が出てしまうくらいビビったシーンもあって。

7からFPSになって恐怖度増した『バイオハザード』みたいな感じでした。

ホラー映画自体は好きなんですが、ジャンプスケア苦手なんです。あまり多用されると疲れちゃうんで、もう少し別のところで怖がらせてほしい。

 

ストーリーの方は序盤はホラー、中盤以降はタイムループものといえる展開で、同じ場面が続いても飽きることなく楽しめました。

この手のジャンル映画にありがちなチープな演出も多々ありますし、ツッコみどころも満載。低予算なのがまるわかりではあるのですが、「きさらぎ駅」の映像化作品の中ではトップなのは間違いない。

ぜひ、ほかの2ch都市伝説も映画化して、2TCU(2ちゃん都市伝説シネマティックユニバース)を作りましょう。

 

※以下は「きさらぎ駅」のネタバレが含まれます

 

『きさらぎ駅』感想

異世界って怖いものだよね

近年は異世界転生や転移ものが流行っておりますが、僕が高校生の時にはじめて「きさらぎ駅」を知った際の異世界のイメージとは随分異なります。

当時の僕が想像していた異世界は女神がパーティメンバーになったり、騎士になる異世界ではなく、まさに「きさらぎ駅」のイメージでした。

2chには「時空のおっさん」とか「ゲラゲラ」、「異世界に行く方法」などがありましたし、異世界=怖いものという印象があったんですよ。でも、高校生ながら、どこか魅力を感じてしまう。そんなワードでした。

高2の時に何故か「羽田空港まで歩こうぜ会」とバカみたいな行動をしていたのですが、ちょうど蒲田周辺を歩いていたとき、人もほとんどおらず、この映画で描かれた異世界のような場所に出たことがあって。その時に当時仲のよかった友人と「きさらぎ駅」の話をした記憶があります。

その友人は後に「ネズミ講が儲かる世界」に転移して、こちらの世界に帰ってこなくなったので、ある種の異世界転移を体験したといえますが……

まぁ、そんなくだらない話は置いておいて、この映画の異世界はチープだけどちゃんと怖い異世界でした!

突然血管に襲われたり、謎の老人に追いかけられたりと、正直設定はマジで意味不明。なにが目的で迷い人を殺しているのかわからないし、そもそも主人公以外のキャラクターたちは異世界をループしている謎設定です。

この辺はジャンル映画にありがちなチープさといえますし、映画好きとしては気になる部分が多いのですが、あまり深く考えちゃダメな作品であることは確かでしょう。

「見て見ぬふり。私の好きな言葉です」

カービィの世界に登場しそうな「いかにも現実世界に戻れる扉」が登場したり、明らかに怪しいトンネルなのに一切ホラー要素がなかったり、ホームセンターで売ってそうな成形された「ひのきのぼう」が道に落ちていたり……。改めて考えてもツッコミどころしかないですね(笑)

こうなってくると映画の出来うんぬんよりも「この作品を愛せるか」が重要になってきます。細かい点には目をつむり、それでもこの映画を好きといえるか。そこに焦点を当てて観てみると……。

うん、楽しめた……かな?

2回目の「きさらぎ駅」からは若干コメディ要素もありまして。主人公の春奈がきさらぎ駅のストーリーを知っている状態からはじまるので、一種の「強くてニューゲーム」状態が楽しめるわけですよ。

音楽も軽快なものに変わって、嫌いなキャラが早々に離脱する、ある意味で理想の世界。恒松祐里さん演じる春奈の気の強さも相まって、ネタ的な意味でも楽しめる作品に変化していきました。

 

序盤はガッツリホラー、後半はコメディ要素がありつつのホラー。一粒で二度おいしい……わけではないんだけど、想像以上に楽しめたのは事実なので、ここにそれを記しておきます。

あと、「線路の上歩いちゃだめだよぅ」のおじさん。あの人の無機質なセリフと走り方が、思い出すだけでゾッとするほど怖かった。続編があるなら再登場を期待しています。

タイムループ

タイムループを導入したことにより、疑問が残るラストになりました。

春奈は「きさらぎ駅」の世界で、延々とループし続けるのでしょうか。そもそも彼女は自分だけが助かりたいなら、最初から「きさらぎ駅」に行く必要も、皆を助ける必要もなかったよね。

安全そうなルートは自分だけが残り、ほかのメンバーを車に乗せるだったような気がするのですが……。最後の最後で生存本能が表に出ちゃったってことかな。

純子に対しても「春奈を犠牲にするのは大丈夫なのかw」とか、明日香とそんな深い関係だったっけ?とか。思いっきり恥じる生き方に進んでますからねぇ。

そんな不満点もありますが、タイムループ、つまり2周目の「きさらぎ駅」において、過去をふり返る演出が親切すぎる。

違和感しかないし、この手の演出が目立つ映画にはいつも書いてますが、もう少し観客を信頼してくれよと。

派手にフラッシュバックさせなくても、映画館で観てるわけだから、みんな気がつくと思うけどなぁ。配信やテレビ放送された時に活きてくるのかもしれませんが……。

最後に

都市伝説映画がじわじわと流行りつつあっても、爆発はしない今日この頃。

先述したように、2chの都市伝説は結構面白いネタが転がっているので、ぜひ映画化を!

そしてユニバース化して、異世界に囚われたままの春奈を救い、「にちゃんねらーず」を結成しましょう。

 

以上。


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