Netflix映画『失くした体』ネタバレ感想 手の持ち主は誰だったのか

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

今回はNetflixで配信が始まった『失くした体』についてレビューしていきたいと思います!

存在は知っていたんですけど、直前まで観るつもりはなかったんですよね。

しかしアヌシー国際アニメ映画祭で最高賞を獲っていたり、カンヌでも賞を獲っていると前評判がかなり良い!

これは見逃せないだろ!ってことで鑑賞して参りました!

フランスのアニメ映画といえば『ファンタスティック・プラネット』しか観たことないような。

とにかく眠かったという記憶しかないのがお恥ずかしいところではありますがw

 

 

※この記事はネタバレを含みます!

失くした体

あらすじ

体を求めて街をさまよう切断された手と、ひとりの青年の心に芽生えた淡い恋心。パリを舞台に、恋愛と謎が交錯する不思議な冒険を描いた、繊細なアニメ作品。

Netflix

評価

僭越ながら『失くした体』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

★5

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二つの世界が繋がる驚き

今思えば予想できなかった自分が恥ずかしい。これだけ映画観ているのに、こんな単純なトリックに気が付かないなんて!

ゆったりとしていながら、スムーズに物語が進むのでサクッと観られる一本ではありますね。

体を失くした腕がパリの街並みを走り回るんですけど、あの指の動きとかまるで生き物のような走り方とかをアニメで表現する技術が凄い。

腕だけで歩いていたら『死霊のはらわた』のような気持ち悪さがあると思うのですが、そういう不気味さは感じられないんですよね。

ほら、スマブラのマスターハンドとかも不気味だしさ。人間の心があるかのように描き出すのは新鮮だったかな。

また腕の動きだけで人間のように感じてしまうのは、かなりの研究があってのことでしょう。

 

ただアニメの作画やキャラデザがイマイチ好きになれないなと。ちょっと韓国のヨン・サンホのアニメっぽいよね。

そして終盤以外特に目立った見せ場もなく、早いながらも淡々と物語を進めていくのは人によって好みが別れるところだろう。

 

ここから先は『失くした体』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

 

僕の右手を知りませんか?

ブルーハーツの歌に「僕の右手」というのがありまして、歌の出だしで「僕の右手を知りませんか?行方不明になりました」となるんですね。

これは右手を失った人の視点で描かれている歌詞ですが、『失くした体』は失われた腕の視点で物語が進んでいきます。

で、この腕自体も何かを探しているように感じるのですが、何を求めているのか最後まで明かされません。

 

過去に両親を亡くし、ひとりぼっちで生きてきたナウフェルという少年の物語と、腕がパリの街中を駆け巡る物語が同時に進行すると。

ナウフェルはピザを配達している時に出会ったガブリエルに恋をして、彼女の叔父の職場に居候を始めます。

半ストーカーみたいな感じで絶対受け入れられないだろうけど、ナウフェルは淡い恋心に従って行動していくのです。

そして叔父の大工さんにも弟子入りし始めて恋の盲目さを地で行くナウフェル。しかし、正体を明かした途端ガブリエルに拒絶されてしまうのでした。そりゃそうだとw

 

一方腕の方はパリ中を駆けまわって何かを探しています。ネズミと戦ったり、傘で空を飛んだりとある程度のアクションをこなしつつ、徐々にナウフェルの方へと向かってくるのです。

ここで腕の持ち主がナウフェルの母だと思っていたんですよね。昔亡くした母が腕となって蘇った的な?

しかしナウフェルの物語の終盤で大工仕事の事故により、彼が腕を失ってしまうのでした。そう、腕そのものはナウフェルのだったんですね。

これ完全にミスリードでして、腕とナウフェルの時間軸が異なっていました。君の名はかよ!とw

ただ今作が秀逸なのは「腕はナウフェルを探している」という部分を崩さなかったところにあります。

腕が行動している動機は読み取れる通りで、腕の持ち主の部分だけにトリックを仕掛けていると。これによって物語そのものを崩壊させないんですね。

 

もちろん腕には台詞はありませんが、動きだけでなんとなく「ナウフェル探しているんだな」とわからせるところが普通のアニメと大きく違います。

言葉ではなく腕を巧みに動かすことで物語を成立させていると言っても過言ではありません!

アニメーションの動きには目を見張る一方で、セリフの少なさが原因で眠気がやってくる人もいそうだよね。

全力ド派手なアニメの方が好きなのは確かですが、たまにはぐっしりと来るアニメもいいかも。

ベストシーン

スルメ的本作のベストシーンは・・・

 

地下鉄に落ちた腕がネズミに指をかじられるシーンでした~

 

手に確かラビオリのソースかなんかが付いていたんだっけな。それで寄ってくるネズミに舐めさせるのですが、普通に噛まれるでしょそれw

ネズミは病気蔓延させそうだし、フランスとかネズミが大量にいるイメージがあるだよね。『レミーのおいしいレストラン』のせいだろうか。

まぁネズミの不潔感の表現も好きだし、この作品で一番動きがあったシーンだと思う。

 

まとめ

好みかどうかと言われると……微妙なんですけどねw

しかしラストにおけるサプライズと腕の巧みなアニメーションは理解できたよ。評価されている理由も分かる気がする。

問題はアカデミー賞における長編アニメーション賞にノミネートされるかだな。やっぱりアカデミー賞大好き人間としては、そこが重要なのです。

以上!!!

 

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