Netflixオリジナル『ホース・ガール』ネタバレ感想 彼女の妄想は現実を超える

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

妄想と現実の境目が分からなくなる。

ゲームでもアニメでも映画でも、そのようなストーリーの作品は多く作られてきました。

映画ならば『マルホランド・ドライブ』『未来世紀ブラジル』が有名ですかね。

その作品たちに共通することといえば「難解である」ということ。そしてラストに観客に判断を委ねるシーンが挿入されていることが挙げられます。

果たしてどこまで妄想で、どこまで現実だったのか。私のように理解力が乏しい人間が見ると、途中からこんがらがったりするんですw

 

ということで今回取り上げるのはNetflixオリジナル映画の『ホース・ガール』

アリソン・ブリーの主演作ですが、脚本にも参加されているようで。かなり観応えのある作品に仕上がっているのではないかなと。

では、レビューに参ります!!

 

※この記事はネタバレを含みます!

ホース・ガール

あらすじ

手芸と馬と超常現象犯罪ドラマが好きで、少し変わってはいるが心優しいサラ。いつからか不思議な夢を見始めた彼女の頭の中で、夢と現実の区別がつかなくなっていく。

Netflix

 

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評価

僭越ながら『ホース・ガール』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

★4

スルメの評価一覧

 

ごめん、やっぱり良さがわからねぇ

あ、ストーリーとしての話ね。ラストに進むにつれて妄想の侵食がどんどん高まってきて、痛い人になってくると。

ラストなんてシュールすぎて笑ってしまいましたからね。これは観客に判断を委ねているという解釈で良いのでしょうか?

委ねられたとしても、考えられることは一つしかないよな~。『インセプション』くらいのふわっとした終わり方は大好きなんだけど、これはちょっと突拍子もなさすぎて好きには慣れませんでした。

 

ただアリソン・ブリーの演技は良かった!

前半部分は30代のコミュニケーションが苦手な女性の日常……といった感じで妄想の要素も色濃くなく、普通に楽しめたのよ。

これなら終盤の展開をなしにして、定番と言われようが恋愛映画に落とし込んでも良かったのではと思うくらい。

だんだんと妄想に侵食していく様はあまり好きにはなれませんね。

 

ここから先は『ホース・ガール』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

サラの奇妙な冒険

主人公のサラは人との接触を拒み、一人でいることが多い女性です。家では陰謀論渦巻くサスペンスドラマを観ていて、ルームメイトにも気を使われています。

彼女は被服店で働いており同僚とも良い関係を築いていますが、ある程度距離は置いているようで。基本的には人といるよりも、一人でいる方が好きな性格なのでしょう。

実はサラの母親、そして祖母は物語が始まる以前よりうつ病を患っており、母親は自殺している状況。かなり重い背景を持っているキャラクターなんです。

物語中盤まではそんな現実に生きにくさを感じているサラの日常を描いていて、なんとなく共感できる部分もあったり、アリソン・ブリーの演技力が活かされていたりと納得の出来。

そしてルームメイトから紹介された男友達と良い関係になったりもして、ちょっとストーリーに楽しさを感じ始めたのも束の間。彼女の妄想が加速し始めるのでした……。

 

母や祖母と同じように彼女自身も精神疾患を患っていて、それがドラマの影響からか陰謀論を信じ込み始めるんですね。

つまりは自身が祖母のクローンであると本気で思い込むのです。妄想と現実の区別がつかなくなり、彼女自身も周りから変な目で見られることに。

良い感じを築けていた男性を墓場に連れていき、墓荒らしを強行しようとするなど彼女の異常さは加速していきます。

 

私自身が共感性羞恥なんで結構観るのが辛かったりしてw あ、共感性羞恥とは映画とか観てて自分も恥ずかしくなってきちゃうやつね。

そして私もクローンとか宇宙人が人類に知恵を与えた的な都市伝説だったり、陰謀論だったりが大好きではありますが、ある程度現実との距離を置いているタイプでして。

その点サラは病気とも相まって本気で信じ込んでいるんですね。ちょっと私自身と共通するところがあるんだけど、後半からはサラがどんどん離れていくような感じで。

終いには精神病院に入れられることになり、さらにその中でも不思議な体験を経験していきます。

この辺が彼女も完全妄想で進行しているのか、それとも夢と現実が交差しているのか分からなくなる。

ラスト

そして本作のラストシーン。タイトルの「ホース・ガール」の通り、馬を連れて森へ入るサラ。

そこに空から不思議な円盤がやってきて、キャトルミューティレーションされるというもの。

いままでのシーンは現実世界に帰還したと思われる光景が続いていましたが、ここで再びすべてが彼女の妄想であったと気が付きます。

せめて研究機関に送っていたDNA検査の結果が不自然だったとか、前のシーンであった隣のベッドの患者の夢を的中させたくらいで終わりにしとけばよかったのに。

キャトられるとか、これまでの作風からして明らかに現実的ではないものを作ったところでね。「実は彼女の考えていた世界は事実だった!」とはなりません。

 

この手のラストに関しては本当に『インセプション』が天才的だと思っていて。続く『ダークナイト ライジング』のアルフレッドのシーンも良かったけど。

そんなわけで私の解釈としてはラストシーンまでの間は全てサラの妄想だった。ということにしておきます。

もう少しうまい具合に終わらせられればね。「いや、現実でしょ」という意見が出てもおかしくなかったと思うのです。

まとめ

何とも言えない、もやもやもしなければスッキリ感もない作品になっていましたw

ゲームの話になりますが、10年くらい前にPS3で『アリス マッドネス・リターンズ』というゲームがありまして。

皆さんご存知の「不思議の国のアリス」を原作としながらも現実のアリスは精神病患者であり、ワンダーランドは彼女みている夢という新しい解釈をした映画でした。

ディズニーならばおとぎ話になってしまうものでも、解釈ひとつ変えるだけでホラーにもなり得るんだと当時は感動したものです。確かにアリスは不気味ですからね。

そんなわけで「夢と現実が入り乱れる」系作品は好きなのですが、本作は残念ながらハマらなかったなと。

 

以上!!!

 

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