
今回はDisney+オリジナル映画として復活した、
ホーム・スイート・ホーム・アローン
について書いていきたいと思います!
僕が『ホーム・アローン』第1作目を観たのは、おそらく小学3年生。テレビでやっていたのではなく、普通にレンタルして、クリスマスでも何でもない時期に鑑賞した記憶があります。
当時の印象としては、とにかく面白かった!
小学生だからこそ、ピタゴラスイッチ的な泥棒撃退システムにすっごいワクワクしたのよね。
時は流れて、最後に観返したのは4、5年前かな。大人になっていたからか、昔ほどのワクワクはなかったけれど、やっぱり安定の面白さがあるなと。
今作『ホーム・スイート・ホーム・アローン』はリメイクやリブートではなく、一応シリーズ最新作という位置づけなようです。
なぜかファミコン時代の名作ゲームみたいなタイトルになりましたが、少年の心全開にして鑑賞して参りました!
この記事には『ホーム・スイート・ホーム・アローン』のネタバレが含まれています
まだご覧になっていない方はご注意ください
ホーム・スイート・ホーム・アローン
あらすじ
ディズニープラスが新たに贈る『ホーム・アローン』シリーズ最新作!家を守るために一人闘う少年の勇気と感動のアクション・コメディ。家族が旅行の間に一人置き去りにされてしまった少年マックスが明晰な頭脳で繰り出すアナログ&ハイテクな仕掛けで、迫りくる侵入者を完全ブロック!
キャスト
主演を務めたのは『ジョジョ・ラビット』でヨーキー役を演じた、アーチー・イェーツ。
相変わらずの愛らしさで、カルキン・カルキンとはまた違った可愛さがある主人公を演じておりました!
泥棒役となったのは『アンブレイカブル・キミー・シュミット』のエリー・ケンパーと、『デッドプール2』に出演したロブ・ディレイニー。
今作は泥棒にフォーカスが当たる時間が多いため、実質彼らが主役と言っても過言ではありません!
その他のキャストは、アシュリング・ビー、キーナン・トンプソンなどなど。
一応、過去作とのつながりとしてケビンの兄役だった、デヴィン・ラトレイが出演しております。
評価
僭越ながら今作の満足度を★10段階であらわすと・・・
★2
「これならリメイクの方がマシだっただろ…!」
「少年が泥棒を撃退するコメディ映画」って設定だけを聞いて、『ホーム・アローン』自体を観たことがない誰かが作ったような作品でした。
第一印象は痛そう。第二印象(そんなのある?)はかわいそう。
勘違いにより起きた悲惨な出来事を描いているのに、コメディタッチだから違和感がハンパじゃない。
もちろん、笑えるシーンも少しはあるのですが、それよりも哀れみを感じてしまう。
今作がPG(一部過激な映像がある)に指定されていることで、気がつくべきでした。
泥棒役をオリジナル版と同じにすれば、笑えるファミリー映画になったでしょう。
ここから先も映画のネタバレが含まれています
まだご覧になっていない方はご注意ください
感想(ネタバレ)
かわいそうが先行する物語
今作はオリジナル版以上に泥棒たちにフォーカスが当たります。
そのため、家を守ろうとするケビン(今作ではマックス)サイドはヴィランなんじゃないかと思うくらい、いろいろ間違った『ホーム・アローン』になっていました。
今回の泥棒役はお金に困って家を売らなければならない夫婦・ジェフとパム。子どもたちのためにも家を残そうとしますが、残念ながら現実は甘くありません。
しかし、ジェフが持っていたビンテージ物の人形が高値で売れることが判明!これで何とか家を残せるぞと思った矢先に、主人公のマックスが人形を盗んでいたことが判明します。
夫婦は仕方なくマックスの家に行き、人形を取り返そうとしますが、泥棒と勘違いしたマックスが撃退しようと罠を仕掛けていました。
ここからの流れは大体『ホーム・アローン』と同じです。家に侵入したジェフたちが痛い目に遭わされていくって展開ね。
……いや、ちょっと待てよ!!
『ホーム・アローン』では、シンプルに悪意があって家を襲撃した泥棒たちが痛い目に遭っていくけど、今作の場合はなんの悪気もない夫婦がターゲット。しかも、ただ盗まれた人形を取り返そうとしただけなのに…。
もちろん、家に侵入した時点で犯罪ではありますが、これでもかと哀れな夫婦を描いているから、99%の観客は彼らに同情してしまいます。むしろ怒りの矛先は人形を盗んだマックスに行くわけで。
そこに『ホーム・アローン』並の罠が待っていて、夫婦はボロボロになっていきます(笑)
「もうやめたげて…」
『ホーム・アローン』シリーズを観ていて、こんな気持ちになるとは…。
もうね。全然スッキリしないし、ワクワクもしない!!
マックスが作る罠はクラシックな物から、30年の時を感じさせる新しいものまで様々ですが、泥棒側に同情しちゃって全然楽しめません!
同じような罠を使って、オリジナル版をリメイクしてほしい。そんな映画でした(笑)
結局、人形はマックスが盗んでおらず、夫婦の勘違いだったのですが、後からそれが判明したところでって話ですよ。まぁ、勘違いだと分かっていたら、なおさら夫婦の悲惨さがアップするかもだけど…。
以上の理由からオリジナル版にあった、痛快な要素は完全に皆無。ただただ、夫婦が可愛そうな映画です。
イマイチ笑えない
今作の泥棒である夫婦は悪しき心を持っていない人間なんですよね。
どちらかと言えば、家族のために犯罪と知りつつも罪を犯してしまった、かわいそうな人たちです。
『ホーム・アローン』の泥棒二人組は、実写だけどアニメみたいなリアクションを取るじゃないですか?
熱されたドアノブに触っても、蜘蛛に襲われても、痛々しくないし笑えるんですよね。
けれども、今作の場合はただの人間。しっかり善の心も持っているし、当然だけど罠にかかれば痛そうなリアクションを取ります。
そのせいか、とにかく痛々しい。そして、何度も言うけどかわいそう。
「人間らしいリアクションしちゃダメでしょ」
観客も「あ、こいつら下手したら死ぬな」って察しちゃうんだよね。その点、オリジナル版の泥棒たちは不死身感が強くて、たぶん何をしても死なないっていう安心感がありました。
そこを壊したら、もう『ホーム・アローン』じゃない。罠にかかっても笑えないじゃん?
例えるなら、昔の短編アニメのミッキーがピートをガチで殴ってボコボコにした挙句、満身創痍のピートに対して「仲直りしようぜ」って握手を求める映画。
しかも、ピートの傷口が妙にリアルで子供達がドン引きする中、感動的な幕引きをするって感じかな。
「泥棒たちにもストーリーがあるんだよ」って方向で行きたかったのかもしれませんが、泥棒に共感させたら終わりです。やるなら前半部分を『ホーム・アローン』風にして、後半で種明かし…みたいな構成にするべき。
共感できない悪しき人だけど、若干の親しみやすさがある泥棒こそ、今作に必要なヴィランでした。
最後に
どんなに書いても、良いところが出てこなさそう。
この容赦のなさが現代に合っているのか、どうなのか。子供時代に観ていたら、僕は楽しめたかな?
少年時代の僕は人間ドラマとか深く考えなかったから、げらげら笑って終わりだったかもね。
こんな感じで僕は低評価となりましたが、皆さんはぜひクリスマス映画のひとつとして楽しんでください。
以上!!!
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