『ガーディアンズオブギャラクシー ホリデースペシャル』感想 俺たちのガーディアンズが帰ってきた!

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と「ホリデースペシャル」

このふたつのワクワクするワードが、合体するなんて。そんな映画、面白いに決まってるじゃないか!

※以下、ネタバレが含まれます

ガーディアンズオブギャラクシー ホリデースペシャル

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデースペシャル』は、みんな大好きガーディアンズの約4年ぶりとなる完全新作。『アベンジャーズ IW』にて、ガモーラを失ったピーターは、いまだに傷心中。そんなピーターを慰めるべく、ドラックスとマンティスは、地球へと向かう。ピーターへのクリスマスプレゼントとして、誰もが知るスター、ケビン・ベーコンを誘拐してしまう。

監督はもちろんジェームズ・ガンが務めているし、これまでのガーディアンズも健在。ちょっと前の『ラブ&サンダー』にもガーディアンズが出ていたけれども、やっぱりジェームズ・ガンが撮る彼らが見たいのよ。MCU作品でジェームズ・ガンの監督作が配信されたのは、約4年ぶり。サノスと戦い、ガモーラを失い、地球へと一時帰還したピーターを、4年の時を得てジェームズ・ガンが再び描き始める。

現実的なことを言えば、ジェームズ・ガンはマーベルから一時的にクビになって、DCに渡って『スーサイド・スクワッド』と『ピースメイカー』を作って……。紆余曲折ありすぎた4年間を超えて、ようやくのガーディアンズ新作なのだから、ファンの期待もブチアガリ。「ホリデースペシャル」はそんなジェームズ・ガンの4年間と、ピーターたちガーディアンズの4年間の先にある、非常に感慨深い作品なのである!

感想

「ホリデースペシャル」とは、テレビで定期的に放送されていた「スペシャル番組」のこと。テレビを見ないから日本にも同様の文化があるのか、わからないけれど、一部界隈で有名なのは「スターウォーズ ホリデースペシャル」である。同作は「スターウォーズ」の世界で、よくわからないことを延々とやってしまった、愛すべきネタ番組。この作品はジェームズ・ガンも大好き(ネタとしてか、本当に好きなのかは不明)らしく、「スターウォーズ ホリデースペシャル」のアイデアが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデースペシャル』に繋がっているのだろう。

そんなわけで、本作はとってもゆるーい作品。ドラックスとマンティスがハリウッドへ行き、なぜかケビン・ベーコンを洗脳して誘拐し、ノーウェアへと連れ帰ってしまう。これだけ見るとコメディのようだが、もちろんドラマ部分も作りこまれている。

本作はこれまでの作品で詳細に描かれなかった、「恋人を失ったピーター」を描いた作品なのだ。ガモーラが亡くなったにも関わらず、「エンドゲーム」ではどこかの魔術師に半強制的に徴兵させられ、「ラブ&サンダー」ではソーの圧倒的な実力を前に少々霞んでしまっていた。恋人を失ったのに、その描写を4年間放置されていた形である。

ただ、ピーターの悲しみを、そのまま伝えてはガーディアンズらしくない。ジェームズ・ガンは「ホリデースペシャル」という、非常にゆるい枠組みの中でガモーラを失ったピーターを描いてしまった。本当に“ガーディアンズらしい”、ホリデースペシャルだといえるだろう。

小ネタとか

ノーウェア

ピーターたちが拠点にしていたノーウェアは、本来コレクターが支配していた場所だ。セレスティアルズの遺体の中に築かれた街で、MCUの中では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1作目と、『アベンジャーズ IW』にて登場している。

劇中ではこのノーウェアがガーディアンズたちによって“買い取られた”ことが明らかになった。コレクターの生死は不明だったが、どうやらサノスから逃げ延びて、ガーディアンズたちにノーウェアを売り渡したようである。おそらく、サノスの襲撃を受けてコレクションは台無しになってしまったのだろうが……。

犬のコスモ

劇中に登場した犬・コスモは、第1作目にもコレクターの施設にて登場済み。カリフォルニアにあるアトラクション内にも登場している犬で、本来はライカ犬のようだが、なぜか超能力が使えるようだ。コスモの声を担当しているのは、『ボラット2』でボラットの娘役を演じた、マリア・バカローヴァである。

コスモは第3作目にも登場予定。

マンティスの出自

本作にてマンティスがピーターの妹だったことが判明。実は第2作目で登場したエゴの娘だったようだ。そうなると、マンティスもまた、セレスティアルズの子孫であり、ピーターが第2作目で見せたような超人的な力を持っていてもおかしくないが……。

それにしても、壁を走っておってくるマンティスはホラーでしかない。ケビン・ベーコン視点では、卵産みつけそうなエイリアンに見えていたことだろう。

ギャラクシークエスト

宇宙人たちはなぜか俳優に対して嫌悪感を抱いているようである。この流れは『ギャラクシー・クエスト』を踏襲しているのか、MCU宇宙のどこかで『ギャラクシークエスト』的なことが起きていたのか……。

ハリウッド

地球を訪れたマンティスとドラックスが、コスプレイヤーに間違われるシーンがあった。ハリウッドに訪れたことがある人ならわかるだろうが、実際のハリウッドもあんな状態である。パチモンのキャラクターたちがうようよ生息していて、写真を撮って金を貰っている。著作権がどうなっているのか?などと気にしてはいけない。

僕がハリウッドに訪れたときには、明らかに男性が入ったミニーマウスが接近してきて、握手を求めてきた。CDを売っていたが、ミニーの声で歌が収録されていたのだろうか。

カメオ出演

ハリウッドにて『エターナルズ』に登場したキンゴのポスターが掲載されている。彼は地球に戻ってくることができたのか? 行方不明になっているスターの映画を大々的にプロモーションするのかは疑問が残る。

また、「スターの地図」を手に入れたマンティスたちが、ケビン・ベーコンの家に向かい際に、数々のスターの顔が登場した。シュワちゃんたちに紛れて、『ザ・スーサイド・スクワッド』に出演したジョン・シナやマーゴット・ロビーの顔も。ふたりがMCU映画に登場するのは、おそらく今回が初めてである。

バッキーの腕

「アベンジャーズ IW」にて、ロケットがバッキーに向かって「その腕はいくらだ?」と聞いていた。その言葉をどうやってネビュラが聴いていたのか不明だが、ネビュラはクリスマスプレゼントとしてバッキーの腕をプレゼントする。

ネビュラは本編開始前に地球へ行き、バッキーと戦って(大人しく渡すとも思えないし)腕を奪取したようだ。今、バッキーは片手の状態で戦っているのか。その詳細が知れるのは『キャプテン・アメリカ』第4作目だ。

最後に

とにかく第3作目が楽しみである。

日本のタイトルだけ「リミックス」的なものにするのは勘弁してほしい。おとなしくVol.3にしましょう