Netflix映画『獣の棲む家』感想 社会問題を扱いながらもかなり怖いホラー

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

今回はNetflixオリジナル映画の『獣の棲む家』をレビューしていきたいと思います。

最近Netflixでホラー映画を観る機会が多くて!僕、ホラーコメディは得意なんだけど、ガチホラーは苦手なんよね。

音でかくてびっくりするやつとかさ。視線をそらして観なきゃ耐えられないもん。

今回の『獣の棲む家』もかなり怖くて、びくびくしながら観てましたw

 

※この記事はネタバレを含みます!

獣の棲む家

あらすじ

戦火の南スーダンを逃れ、イギリスに亡命を申請した若き夫婦。新しい家で人生をやり直そうとする2人はまだ知らない。この家に、忌まわしき闇が潜むことを…。

映画.com

評価

僭越ながら『獣の棲む家』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

6
★★★★★★☆☆☆☆

 

とにかく怖い。だから僕は目をそらす

ホラー映画って音でビビらせるだけじゃなく、どれだけ観客を引き込めるかが重要だと思うんですよ。ストーリーで引き込んだり、演出で引き込んだりとやり方は様々ですが、入り込めない作品で芯から怖がることができません。

だってさ、ストーリー全然わからない映画って怖くなくない?今はお化け屋敷ですら緻密にストーリー作り上げるのが主流なのに、びっくり箱みたいな内容じゃ怖くないじゃないですか?

本作に関してはストーリーからまず心が痛い。夫婦のたどってきた境遇を考えると、もうホラー映画として楽しむことはなかなかできないんですよ。

で、そこからのホラー展開。タイトルに獣とありますが、モンスターではなく幽霊ですね。その幽霊が夫婦の過去と絡み合って、絶妙に怖い。音でビビらせてくる&人間が本能的に感じる「暗闇の怖さ」を演出してる。

最近のホラーって暗闇が重視されない気がするんですよね。人間って自然に「暗闇が怖い!」って思うようにできているのですが、本作ではその「暗闇」の描写がうまい。

本作の幽霊は暗闇でうごめくやつらです。電気を消したら消える、マリオのテレサ的な存在ですね。そいつらと格闘してくんですが、こいつらが壁の裏側でうごめいていたりする。壁の裏は真っ暗だから。もうその時点でかなり怖い。

でも、最後まで順調に不気味路線で進んだのに、ラストだけテンプレな化け物が登場しちゃってw 「いや、そこでソイツ出しちゃうのかよ!」とツッコんでしまったよねw

ホラー描写はこの辺にしまして、次は家族の境遇の話。

主人公たち夫婦は内戦が勃発した南スーダンから、イギリスに亡命しています。でも、ただイギリスにたどり着いただけじゃ亡命が成功したことにはなりません。イギリスになじめないと当局に判断されてしまえば、南スーダンに強制送還されてしまいます。

映画冒頭で主人公たちは収容所にいまして。1部屋4人くらいの狭い場所での生活を余儀なくされているのですが、ふたりに家が与えられます。しかも一般的なイギリス人の家よりも大きい一軒家が。ただ条件があって、毎週報告することや働いちゃいけないなど、かなり厳しいもの。もちろん破れば強制送還です。

イギリスの立場を考えれば理解できるし、移民を受け入れていない日本が何も言えることではないのですが、やっぱり非人道的な感じもしてしまう。関係ない立場で主人公たちの人柄を客観的に知っているから言えることなんだろうけども。

そんな境遇の中、与えられた家がゴーストハウス。そもそもゴーストは彼らが連れてきたのか、それとも家に棲みついていたのか…。タイトルから考えると後者でしょうが、腑に落ちない展開なんですよね。

中盤からは幽霊たちと、夫婦が経験してきた内戦が絡み合い、幽霊に感じる怖さと戦争に感じる怖さがまざりあいます。ふたりはイギリスに来る途中に娘を亡くしているのですが、その自責の念もホラー展開に取り入れられているんです。

内戦と移民と夫婦のトラウマと。さまざまな要素が追加されていき、「ホラー」と一言で片づけてしまっていいのか分からない作品になっていきます。

白人であるイギリス政府側の人間と、黒人である夫婦との対比が描かれているのもポイントです。「この家は俺の家よりも大きい」と政府側の白人が2,3度発言するんですが、このセリフが移民に対する印象を的確に表していると思うんですよ。

ストーリーの語り方といい、ホラーの演出といい、かなり出来のいい作品だと思います。僕個人の主観になるとそこまで好きな映画ではないのですが…w

まとめ

最近ハロウィンシーズンだからか、Netflixのホラー映画めっちゃ見るんだけど、その中では上位のほうかもしれません。

海外の評価も高いようだし、その評価の高さも納得のいく作品ではありますよね。

ただ「ギャー!!」って叫んでカップルで抱き着いちゃうような、シンプルなホラーではないといえるでしょう。

同じく社会問題を取り入れたホラーとしては『ゲットアウト』のほうが、エンタメ性も含めて上かなぁ。

 

以上!!!

 

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