どーも、スルメ(@movie_surume)です。
「閉鎖病棟」と聞くとですね、どうしてもホラー映画が出てきちゃうんですよねw
何故かはちょっと分からないんですが、閉ざされた病院でパニックが起きるホラー映画かゲームを知っているんでしょうね。
しかし、今回レビューする『閉鎖病棟 それぞれの朝』はホラーとは遠く離れていそうな、人間ドラマです!
帚木蓬生氏による小説「閉鎖病棟 Closed Ward」を原作としていますが、私は不勉強なことに原作読んでいません。
鑑賞理由といたしましては前評判が良かったことと、小松菜奈が出演していることだね。
彼女は私スルメと同い年の女優なんですよ~。だから何だって話ですがw
活躍している方は大体私より年上か年下かが多いので。同い年の役者さんは無条件に好きになってしまうんだな。
他の方で言うとももクロの玉井詩織、AKBの入山杏奈、りゅうちぇるが同い年だったかな。芸能人は皆年上に見えてしまいます。
と、話が大きく反れましたが、以下レビューに参ります!
※この記事はネタバレを含みます!
閉鎖病棟 それぞれの朝
あらすじ
長野県のとある精神科病院にいる、それぞれの過去を背負った患者たち。母親や妻を殺害した罪で死刑判決を受けたものの、死刑執行に失敗し生きながらえた梶木秀丸。幻聴が聴こえて暴れるようになり、妹夫婦から疎まれて強制入院させられた元サラリーマンのチュウさん。父親からのDVが原因で入院することになった女子高生の由紀。彼らは家族や世間から遠ざけられながらも、明るく生きようとしていた。そんなある日、秀丸が院内で殺人事件を起こしてしまう。
監督
メガホンを取ったのは『エヴェレスト 神々の山嶺』の平山秀幸監督。
過去の監督作には『太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男』『必殺剣鳥刺』『しゃべれども しゃべれども』などがあります。
今回は監督と同時に脚本も執筆しているようです。
キャスト
主人公を演じたのは『ディア・ドクター』以来の約10年ぶりの主演となった笑福亭鶴瓶。
最近だと『アルキメデスの大戦』に出演していましたね。確か大阪の会社の社長とかそんな感じだった気がする。
映画で見ると毎度思うんですが、バラエティーで観る姿とは大きく違うんですよ。普段のイメージからは想像できなそうな役だったりもして、ギャップが凄い。怪盗グルーの吹き替えとかはいつも通りな雰囲気なんですがねw
そして共演は『日本で一番悪い奴ら』の綾野剛と『渇き。』の小松菜奈。
この三人は変な組み合わせのようで、映画を観たらしっくりきちゃうんだろうな~という感じがする。今のところ。
評価
僭越ながら『閉鎖病棟 それぞれの朝』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・
★5
演技には目を奪われるものの・・・
精神病院と聞くと、まず最初に『カッコーの巣の上で』が思い浮かぶ映画脳な私。
ストーリーは全然違うし、病院の先生たちも皆患者の事を考える良い人たちばかり。ちょっと想像していた”閉鎖”とは違うような気がする。
もう少し閉鎖感漂うのかと思いきや、冒頭から外出が許可されているし、外泊する患者までいる。
病院以外に居場所がない患者たちだから”閉鎖”なのか…。物理的に閉鎖ではないのね。
感動的なストーリーにしたいのか分からんけど、先の展開が読めすぎて大体が鞘に収まる映画。
日本の映画でありがちな「ここで泣くところだよ!みんな泣いてね!」みたいな臭い間は感じませんでしたが、これと言って心が動かされたりもしなかった。
まぁ、無難ではありますよね。3人の役者で持っているとは思いますけど。
サブタイトルの「それぞれの朝」と聞いただけで、なんとなく結末が分かってしまうような気がするよ。
ここから先は『閉鎖病棟 それぞれの朝』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!!
感想(ネタバレ)
死刑と精神病院
この映画の冒頭は鶴瓶さん演じる秀丸の死刑執行の場面。もちろん、死刑に関わったことはないんだけど、これまで観た映画の中では一番リアルに感じた。
というか死刑のシーンがある邦画なんてそんなに観たことがないんだけども。
私って何故か昔から”死刑”に興味があったんですよね。頭おかしいんじゃないかと言われるかもしれないけど、どうやって執行しているのかとか気になった時期がありまして。
その日突然執行を伝えられ、前の部屋でそれぞれの宗教に合った教戒師と話して、刑が執行されると。開閉のボタンが3つあって……とかを友達から聞いた時、驚いた記憶があります。
日本以外の国では死刑が廃止されたりもしているんですが、日本は無くならなそうですね。
そんな死刑のシーンを白黒の映像で映し出していく冒頭シーン。ここだけはかなり目を奪われました。
執行までの間、鶴瓶さんの顔をあまり映さないのが良かったかな。セリフも多くなく、落ち着いて執行されていく秀丸を観るだけで、なんとなくキャラクターを掴めますし。
秀丸は妻と役所の人間が浮気しているところを目撃し、とっさに刺し殺しています。最後には寝たきりになった母も「面倒見る人がいなくなる」という理由で絞殺。結果死刑判決が下って、ここに至ると。
しかし、死刑執行が済んだ後に息を吹き返し、二度目の刑の執行はできないので精神病院をたらいまわしにされるのです。
執行後に生き返ったら釈放って都市伝説や噂の類かと思っていましたが。実際にそんなことが起きるんですかね。
生き返ったとしても釈放にはならない気がするのですが……。ちょっとそこが良く分からないw
結果的には舞台となる精神病院で陶芸を嗜みながら生きることに。そこで綾野剛演じるチュウさん、小松菜奈演じる由紀と出会います。
ここの病院がかなり緩くて、患者たちは意外とやりたい放題やってるんですよねw
ギチギチの監視の中じゃストーリーが進まないのも分かるのですが、先生たちが良い人過ぎて。
精神病院は映画の中でしか知らないので、実際はあれほどキツい場所じゃないのかも。それでも重宗が自由にし過ぎじゃないか?
カラオケ大会のシーンとかもっと早く先生たちが何とかしろよ!と言いたくなります。
明らかな危険人物に対して軽すぎる監視だったから事件が起きたんじゃないのか?と。
アットホームで良い人たちばかりな病院も良いんですが、そこはもっと違和感なく描いて欲しかったなと。
その罪は許されるのか
白石監督の『ひとよ』でも同じようなテーマが扱われていましたね。暴力夫を殺して、子供たちを救った母の罪は許されるのかと。
『閉鎖病棟』では重宗に暴行された由紀のために秀丸が殺人を犯してしまいます。あらすじの時点でそれが書いてあるのに、殺人が起きるのが結構後半なんですよね。
もっと最初の方に起きて、「その殺人を正当化してい良いのか」みたいなストーリーになるのかと思いきや、ほとんどが病院内での人間ドラマでしたから。
それは置いておいて、私としてはもっと他に方法があったんじゃないかと思いますね。
普通に先生たちに報告して警察に連絡するとか、由紀自身を他の病院に移すとかあったんじゃないかと。
最初は殺人の理由を説明することで、由紀が恥ずかしい思いをするっていうのを防いだのかと考えたのですが。
ラストの裁判の場面で由紀の供述を秀丸が止めなかったのが引っかかって、イマイチ腑に落ちない。
浮気した妻を殺したのは完全に私情ですしね。なんか同情や感動を誘うような演出だったけども。
何故あの時に激昂して殺人を犯してしまったのかについても、もっと解説が欲しかったところ。穏やかな人なのに、あそこで犯罪に結びつくとは思えない。
病院での秀丸の性格は優しそうに見えても、怒ったら何するか分からない系の人だったんですかね。
殺人に関しては4回とも理由が納得できないので、ストーリーを進めるためにやったのかな~と。
私は人生において、そこまで怒り狂ったことがないから分からないだけなのか。浮気現場を目撃したら、そうなってしまうのか。
鶴瓶さんの人柄もあって、秀丸が優しそうな印象を受けてしまっただけなのかもしれない。
まとめ
最後まで楽しめたものの、物足りなさは否めない。
綾野剛さんは『楽園』にも出演していて、すぐに『閉鎖病棟』もあってと大人気ですね。
チュウさんの幻聴は結局何だったのでしょうか?ただ病気だよってことか。
原作読んでいればもう少し深められたのかなとは思いますね。
以上!!!
・おすすめ記事
⇒⇒映画『ひとよ』評価と感想 だんだんと兄妹に代わっていく不思議な感覚
⇒⇒今でこそ『バトル・ロワイアル』をリメイクするべきじゃないか?
⇒⇒