Netflixオリジナル『フラクチャード』ネタバレ感想 この家族は幻か?

どーも、スルメです。

ブレイキングバッドを観ていれば、今秋配信された『エルカミーノ』を楽しめたんですけどね。

残念ながら途中でリタイアしてしまったんで、観るのはまた今度。シーズンが多いと、どうも入りこめなくて……。今のところ長いシーズンを頑張れたのは『ゲーム・オブ・スローンズ』だけって言う。

ただですね。今回レビューする『フラクチャード』も気になっていたんで、まぁいいかなと。

なんて言ってもサム・ワーシントン主演ですから。『アバター』『ターミネーター』以来、出演作観ていない様な気もするんですがw

ってことで、さっそくレビューに参りましょう!

 

この記事はネタバレを含みます!ご注意ください。

フラクチャード

あらすじ

怪我をした娘を連れ救急外来を訪れた男。だがその院内で妻と娘がこつ然と姿を消してしまう。必死で2人を捜すうち、病院が何か隠しているのではと疑い始めるが…。

Netflix

評価

僭越ながら『フラクチャード』の満足度を★10段階で表すと……

 

★5

 

ラストには正直落胆した

途中まではね。最近観たNetflixオリジナル映画の中でも、面白い方なんじゃないかと思っていたんですが。

というのも、俺が予想していたラストとは違った結末が来るものだと考えてまして。それくらいのポテンシャルを秘めた映画なんだと、勝手に思い込んでいたんですね。

しかし、そこまで捻くれた映画ではありませんでしたw 二転三転あっても結局は落ち着いたラストへとたどり着くと。

そう考えると、良くある話なんですよ。すでに使い古されてないか?大丈夫か?って。

Netflixオリジナルって言うのもね。実は観客の心理すら利用した、挑戦的な映画だと思わせる理由になったんじゃないかな。『バンダースナッチ』みたいに観客に選択肢を与える映画もあるしさ。

残念ながら、そう言った作品ではなかったよう。中盤までは普通に面白かったんだけどね。

 

ここから先は『フラクチャード』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

感想(ネタバレ)

ミスリード

最初から違和感はありました。

主人公のレイはアルコール依存症のため、娘のおもちゃの電池よりもアルコールを購入。たぶんコーヒーに混ぜて飲んだりしてたのかな?

娘が事故を起こした後にも不自然な幻聴が聴こえ、娘を病院へ運ぶときも冒頭とは違って、良いパパになる。

そして娘の治療をする医師たちの不自然な愛想の良さ。手続きをするシーンでは問答という形で、自己紹介を始めるレイ。実は過去に妻がいて死別したんだってさ。仕事も上手くいってなさそうだし、アルコール依存症もハッキリと明言される(克服したと発言するが)。

この辺りからね。これ主人公の妄想なんじゃないかと思い始めたんですよ。医師も「頭を強く打つと…」と伏線らしきものを仕込んでいたし、アルコール依存症もそうだね。あと、病院側がグルで臓器売買をしていそうな雰囲気も出していました。

でも、俺はこれをミスリードを誘っているもんだと考えたのよw 観客にこう思わせておいて、実は違う。みたいな。

ここまでミエミエの伏線張るからには、何か意図があるんだろうって。

 

そんな気持ちを抱いたまま、娘と妻が失踪する場面へ。レイは何とか病院内を探そうとするが、医師たちに止められてしまいます。

すぐに病院の外にいた警察官に相談。今度は警察と共に病院内を調べようとしますが、「妻と子供はお前の妄想だ」と診断されると。

敢えて途中でネタばらしをして、最後にどかーん!デカいのが来るパターンか。

こんな感じで、どんなラストが来るのかとワクワクしながら観ていたのですが、そのままの流れで物語は続行。

そして、その設定が覆されぬままラストへと向かってしまうのでした。まさか、最初に予想した通りの展開がレールを外れることなく進行していくとは……。もう、違った意味で恐怖を感じましたねw

 

ラスト

ラストの展開は結局すべてレイの思い込み、妄想だったと言うもの。実は何故か怒ったレイが妻も子供も殺していて、ずっとトランクの中に死体を隠していたと。なんだそのオチは。

妄想の部分は良いとしても、彼が妻子を殺すような人間とは思えないんですよね。それは劇中、ずっと妻子を探し回る家族想いのパパだったからで、事故を起こす前のレイが描かれていません。

それなら妻子自体がすべて妄想で、実在していなかったの方が分かりやすかったかも。マフラーとか、コンパクトとかの証拠品を出さなくて良かったと思うし。

前の妻を自らが招いた事故で亡くし、アルコール依存症を克服しようとしていたレイ。例え妻との仲が上手くいっていなかったとしても、酔っていたとしても逆上して殺すかね?

その時からすでに妄想癖があって…とかじゃなく、妻子を殺したショックで脳が混乱して妄想を作り出したって設定なんですよ。酔っぱらって子供を殺したなら、なぜ自分も飛び込んだのかも謎だし。

考えれば、いろいろと不自然なところが出てくる映画でした。

サム・ワーシントン

主演のサム・ワーシントンは『ターミネーター4』において、マーカス・ライトという役を演じています。

コイツがですね。当初は人間かと思っていたら実はターミネーターで……って役なんですよ。自分自身も身体が機械に改造されていたと知らないキャラクターで。

そういう背景もあっての起用なのかなと思ったり。この映画で言うと、知らず知らずのうちに妻子を殺していました的な。違うかw

と言う感じで、かなり久しぶりのサム・ワーシントンになりましたね。一時事件を起こしたとか、なんとか。

『アバター』も『ターミネーター4』もかなりの大作映画に出演していたにも関わらず、最近観ないのは事件の影響なんですかね。wikiを見ると、年数本は出演しているのですが、俺が観ていないだけか。

 

演技で言うと警備員に捕まって、アドレナリンを注射するシーンとかは良かったです。

アドレナリンってよく映画でも注入するシーンを観ますが、どこまでが効果だったのかは不明。ヒットガールほど目に見えてパワーアップしてないしなぁ。あの肉体なら、窓ガラスは素のままでも割れるやろし。

その他にも序盤のパーキングの場面で、酒と電池とで悩むシーンが好きでした。重要な場面だしね。

まとめ

中盤は楽しかったけど、後半に連れて失速。ラストはもう止まってた。

でも、この手の映画を多く観たことがない人には楽しめるかも?

主人公に対する違和感を感じつつ、ラストに驚ければ、良い映画体験になるんじゃないでしょうか。

俺としては久しぶりにサム・ワーシントンを観られたことが一番かな。『アバター』続編には出るのかどうか分かりませんが、ぜひ大作映画で観たいところ。

以上!!!

 

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