
今回は多くのアメコミファンが待ちに待ったであろう、
エターナルズ
の感想を書いていきたいと思います!
今作は公開前から「MCUいちの野心作である」なんて言われていまして、他の作品とは違った雰囲気を持っていることが予告編からも分かりますね。
ただ、現在のところ試写を観た批評家からは賛否両論!
MCUの映画だと大体“賛”の方が多くなる印象なんですが、今回はなかなか際どいラインですねー
とはいっても、観ないことには始まらないので、さっそく鑑賞してまいりました!!
この記事は『エターナルズ』のネタバレを含んでいます
まだ鑑賞していない方はご注意ください!
エターナルズ
あらすじ
遙かな昔から地球に存在し、7000年もの間、陰から人類を見守ってきたエターナルズ。最凶最悪の敵サノスによって半分が消滅させられた全宇宙の生命は、アベンジャーズの戦いによって復活したが、その時の強大なエネルギーによって新たな脅威が誕生し、地球に迫っていた。その脅威に立ち向かうべく、これまで身を潜めていたエターナルズが再び集結する。
キャスト
今回のマーベル映画はかなり多国籍…というか、多様性を重視したキャスティングされておりまして。
メインとなる「エターナルズ」のメンバーには、ドン・リー(マ・ドンソク)やジェンマ・チャンなどのアジア系俳優の方々も参加し、LGBTQのヒーローが参加していたりと、多様性を極めていますね。
他にはキット・ハリトン&リチャード・マッデンの“スターク”コンビや、ハリウッドスターのアンジェリーナ・ジョリー、
『ジョーカー』にも出演していたブライアン・タイラー・ヘイリーなどなど、豪華な顔ぶれがそろっています。
全メンバーを紹介したいところですが、長くなるので割愛させていただきます。
監督
今作の監督を務めたのは、『ノマドランド』でアカデミー賞を受賞したクロエ・ジャオ。
予告編からプンプンと香ってくる異質さは彼女の作家性によるものかな。どことなく『ノマドランド』にも似ているし、この世界にファーンが暮らしていてもおかしくなさそう。
ただ、『ノマドランド』もそうでしたが、わりと好みの別れる監督だと思うんですよね。
果たして彼女のセンスが、ヒーローがモリモリ出てくる今作とマッチしているのか。そんなところも意識しながら鑑賞してまいりました!
評価
僭越ながら『エターナルズ』の満足度を★10段階であらわすと・・・
★6
「不満はあるけど画期的なヒーロー映画だったかな」
監督の色が濃くて、マーベル映画らしからぬヒーロー映画でした!
これは賛否分かれるね。確かに『シャン・チー』みたいな、常にボルテージマックス!なヒーロー映画を期待している人には、物足りなかったかもしれない。
画的にも暗いし、コミックというよりは絵画的な雰囲気を漂わせた、アーティスティックな作品です。
僕としては大きく賛ではないし、否定もしないけれど、嫌いな映画ではありませんでした。
むしろ間違いなく記憶に残る映画ではあったと思うんですよ。
MCUとはいっても一大シリーズですから、各フェーズに1回くらいは、この手の作品があってもいいような気がしますね。
ということで!以下、ネタバレ込みの感想です!
ここから先も『エターナルズ』のネタバレを含んでいます
まだ鑑賞していない方はご注意ください
感想
設定としての面白さ
MCUではソコヴィア協定とか、サノスによる全生命体半分理論など、面白い仮説や設定が多くありまして、そこからストーリーが展開するという流れが定番です。
今作の場合はエターナルズと宿敵であるディヴィアンツ、そして両者の生みの親であるセレスティアルズの設定ですね。
神に等しい存在であるセレスティアルズに作られたエターナルズは、邪悪なディヴィアンツから地球人を守るため、地球で数千年間戦っていました。しかし、セレスティアルズの真の目的は、地球に埋め込まれていた「セレスティアルズの種」を孵すこと。
セレスティアルズは超巨大な生物なので誕生してしまうと、地球は木っ端みじんになります。
当然地球人は絶滅しますが、生まれたセレスティアルズは太陽を生み、銀河を作り、数兆の生命体を育むことに繋がるのです。
つまり、
・エターナルズが地球人を守る→セレスティアルズは生まれなくなり、後に誕生する数兆の生命体に影響する
・エターナルズが地球人を守らない→地球人は滅亡するが、数兆の生命体の命に繋がる
という、板挟み状態。
「どっちに転んでも億単位の生命に影響するよね」
これは現実に起きている生命のサイクルとも似ていますね。
ライオンの死骸を栄養に草が生え、その草をシマウマが食べ、ライオンがシマウマを食う
みたいな。
それが宇宙規模に発展したのが、今作で用いられている設定になるわけです。確かに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ではセレスティアルズの死骸・ノーウェアに人が住んでいましたし、そもそも地球人の誕生もセレスティアルズが関わっているのでしょう。
だからこそ、地球人が全滅する代わりに、次の生命へとバトンを渡す。当たり前の話じゃないか!
地球人にとっては理不尽極まりない話なのに、凄い自然の流れのように感じてしまう不思議。
エターナルズはセレスティアルズから、なぜ人類を守っているのか知らされていません。そもそも地球にセレスティアルズの種があるなんて知らなかったし、メンバーも地球人のために戦っていました。
そんな中で、上記した設定が真実として明らかになります。
エターナルズたちは未来の生命を犠牲に人類を守るのか、それとも未来へバトンを渡すために人類を見殺しにするのかの選択が迫られるわけです。
「究極の二択だけど、当然人類守っちゃうよねー」
地球滅亡しちゃったらMCU終わっちゃうし。二択と思わせておきながら、後のシリーズがあるから、ほぼ一択問題なのが残念なところ。
それでもエターナルズの中で意見が割れたりするので、それなりに見ごたえはあったかな。
個人的にはバトルやストーリーよりも、セレスティアルズの設定に魅力を感じた作品でした!
なんか…画面が暗くね?
今作最大の難点は、自然光にこだわりすぎているためか、画面が暗いってこと。
ドラマシーンならまだしも、アクションシーンでもそれなりに暗いので、目を凝らさないと動きがわかりにくいという弊害が。
もちろん、『エターナルズ』にオスカー監督を起用した特別感はありますが、マーベル映画の世界にマッチしているかと言われると…。
これはクロエ・ジャオ監督の意向によるものでしょうし、好きな人もいると思う。けれども、僕個人としては、10人のヒーローを登場させた今作にはイマイチ合わなかったんじゃないかと思えてなりません。
今までのMCUで作家性が強く出ていた映画は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とか、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』かな。ジェームズ・ガンとルッソ兄弟の作品は監督の色が濃いから、すぐわかりますね。あとタイカ・ワイティティか。
そして、3者とも自分の色を出しながらも、ヒーロー映画としても楽しめる、ちょうどいい塩梅になっていました。
ここで分かりにくい「ゲームで例えるコーナー」を始めさせていただくと、
『エターナルズ』は小島監督の『デス・ストランディング』で、上記した3作品は桜井政博氏の『スマブラ』
どちらも作家性の強いゲームで、他の人には絶対に作れない素晴らしいゲームなのは変わらないけど、遊ぶ人は結構違うよね。
ストーリーに関しても、もっとスピーディーにキャラクターたちを語る必要があったでしょう。
『ノマドランド』のように、空間や時間をそのまま切り取ったような映画であればクロエ・ジャオの演出が活きますが、今作のようなヒーローチームの映画ならば、もっとババっとキャラを並べた方が僕は好き。
あとは、ディヴィアンツのビジュアルですかね。なんとなく僕の中では人型のヴィランでないと、小物感が出てしまって。それなのに、最強格とされるイカリスやギルガメッシュが苦戦しちゃうから、「こいつら本当に強いのか?」ってなります。
「今後アベンジャーズと合流する時どうするんだ?」
エターナルズが新キャプテン・アメリカや、スパイダーマンと共演するビジョンが見えない…。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とは違って、メンバー集結しちゃうと万能すぎるんで、数人規模でアベンジャーズと合流するのが良いのかも。
それこそ最後で宇宙に行ったメンバーは、他のヒーローと合流予定ってことなんですかね。宇宙にいるガーディアンズやソーたちと共演していき、最後には地球に戻ってくるって感じかな。
最後に
非常に楽しみにしていた映画で、期待には応えてくれたかなと。
この映画が今後のMCUにどう影響を与えていくのかは分からないけれど、映画として観ても歴史に残る作品だったと思います。
ただ、賛否は激しく分かれそう。本国でも低評価の数が多いし、『エターナルズ』2作目があったとしても、クロエ・ジャオは監督を引き受けるのだろうか。
ここまで世界観を構築しちゃうと、次に続く人は難しいぞ。やっぱりクロエ・ジャオじゃないと!
今のところ、『インクレディブル・ハルク』以外のMCU映画は続編が作られているので、今作も例に及ばず2024年くらいには続編決まってそう。
ラストに登場したキャラクターも気になるところですが、考察に関しては別記事で!
以上!!!
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