ノロノロゾンビ派が観る『ドーン・オブ・ザ・デッド』のネタバレ感想&解説

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

当ブログでは何度も取り上げているが、私はゾンビ映画及びゾンビそのものが大好きである。

なんならゾンビと一緒に共同生活しても良いくらい好きで、いつかはゾンビと戦ってみたいとも思っている。レコードやチェーンソー片手にゾンビと対峙するのが夢なのだ。

とは言っても、すべてのゾンビを受け入れているわけではない。あくまで私の中では武器を使うゾンビは認めていないし、今回話していく全力で走るゾンビも邪道であると考える。

勘違いする前に断っておきたいが、私はなにも「全力疾走ゾンビ派」と戦いたくはない。ノロノロゾンビ派ではあるが、全力疾走ゾンビも理解している。お互いの良いところを認め合えれば、それでいいではないか!

 

というゾンビの話は置いておいて、さっそく『ドーン・オブ・ザ・デッド』の感想に入っていきたい。

序盤は映画の解説、後半はネタバレ込みの感想を書いていくので、まだ鑑賞していない方は前半まで読むことをオススメする。

 




 

ドーン・オブ・ザ・デッド作品解説

あらすじ

看護師として働くアナ(サラ・ポーリー)は突然起きたゾンビパニックに巻き込まれる。近所の子供に噛みつかれた夫はゾンビ化してしまい、車を使ってなんとか脱出するも事故に遭い気絶してしまう。

目が覚めると自らに対して「何かしゃべれ」とショットガンを向ける警察官・ケネス(ヴィング・レイムス)の姿が。アナがゾンビでないと分かると二人は行動を共にし、安全地帯へと歩みを進める。

道中で男女3名と接触し、一緒にショッピングモールへと逃げ込むが、中には横柄な警備員たちが。ゾンビに囲まれる中、ショッピングモールの中で暮らしていくアナたちだったが、そこに生存者が運転するトラックが侵入してくる……。

 

簡単に解説

本作はゾンビ映画界の巨匠シーザー・A ・ロメロが監督した映画『Dawn of the dead』のリメイク作品である。日本で公開された際のタイトルは『ゾンビ』。オリジナル版はかなり多くのカットが制作され、「米国劇場公開版」「ダリオ・アルジェント監修版」など数々のバージョンが存在する。

さすがの私でも観たことがあるのは上記2バージョンのみ。鑑賞した時期がかなり離れてしまったため、バージョンにおける差は確認していない。

オリジナル版はロメロが手掛けた「ゾンビ三部作」の中編に位置しており、タイトルの通り「夜明け」を表す作品だ。他の作品には『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(夜)『デイ・オブ・ザ・デッド(日本では『死霊のえじき』)』(昼)が存在している。

そんな伝説のゾンビ映画ともいえる作品を現代風にリメイクしたのが、『ドーン・オブ・ザ・デッド』である。なぜ邦題が『ゾンビ』にならなかったのかは謎。

 

本作の監督を務めたのは後に『ジャスティス・リーグ』『バットマンVSスーパーマン』など、DCユニバースを牽引することになるザック・スナイダー。本作が監督デビュー作である。

個人的な意見を述べさせていただくと、『ドーン・オブ・ザ・デッド』と『ウォッチメン』以外の監督作品はどうしても好きになれない。『エンジェル・ウォーズ』なんか特に苦手な部分が多く、未だに監督作を嫌厭してしまうことが多い。

本作の脚本を執筆しているのは、こちらも後にアメコミ映画で活躍することになるジェームズ・ガンその人である。代表作は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ。現在はザック・スナイダーが活躍してるDCユニバースへと参入し、『スーサイド・スクワッド』続編を制作中の売れっ子だ。

私が本作に対して持つ好印象は彼の脚本によるところが多いのだろう。また、ザック・スナイダーも処女作ということで自分の色を抑えめにしているのかもしれない。

 

キャスト

主人公のアナを演じたのは制作者としても活躍するサラ・ポーリー。近年は出演作こそ少ないが、初監督作の『アウェイ・フロム・ハー君を想う』ではアカデミー賞脚色賞にノミネートされている。

アナはゾンビから逃げ惑う女性ではなく、積極的にゾンビと対峙していく強い女性として描かれる。過去には『サイコ』に代表されるように”叫ぶ女性キャラクター”が登場することが多かったが、近年はほとんど見かけなくなった。これも時代の流れだろうか。

関係ないが、同じゾンビ映画である『アナと世界の終わり』の主人公もタイトル通り”アナ”である。

 

準主役といえる警官・ケネスはヴィング・レイムスが演じている。彼は『ミッションインポッシブル』シリーズのルーサー役でおなじみ、名わき役だ。

他にも本作繋がりでいくと、ジェームズ・ガンが監督した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』にもチョイ役で出演している。役名はチャーリー27。ラストに僅かだけラヴェジャーズの一員として登場する。

そしてぜひ紹介しておきたいのが私が一番大好きなキャラクターであるCJ。彼を演じたのは『マン・オブ・スティール』のマイケル・ケリーで、こちらも少しだけザック・スナイダーとの繋がりがある。

人によっては大きく変わると思うが、CJは私が本作で一番好きなキャラだ。賛同してくれる人がいたら嬉しい。

その他キャストはジェイク・ウェバー、インナ・コロブキナ、ケヴィン・セガースなどが出演している。

 




 

ドーン・オブ・ザ・デッドの感想(ネタバレ)

走るゾンビについて

やはりここでも登場するゾンビについて書いておきたい。

従来のゾンビといえばノロノロと両手を前に突き出して歩くものだった。基本的には単体ならば走れば逃げられるし、ジワジワと迫ってくる集団になってからが本番というシステムだ。

それから85年の『バタリアン』……はコメディだから置いておくとして、02年公開の『28日後…』辺りから本格的に走るゾンビが登場した。そして2年後の『ドーン・オブ・ザ・デッド』に続くわけだ。

本作が公開した時には私はまだ小学3年生。もちろんこんな恐い映画を観に行こうとも思わなかったし、字幕がようやく読めるようになった時期だ。しかし当時のゾンビファンの反応は想像に容易い。

恐らく「何故ゾンビが走るんだ?派」「これは新しい!派」に二分されたことだろう。その前に『28日後…』が公開されていたわけだが、この映画で走るゾンビが確立したといえるかもしれない。

 

かく言う私も90年代生まれでありながら、走るゾンビには正直抵抗がある。ゾンビ映画の何たるかを知った時には、すでに走るゾンビが浸透していたのにだ。

何故走るゾンビに抵抗があるのか?そもそもゾンビとは蘇った死体(リビングデッド)が基本だったはずだ。今でこそ細菌感染の影響で……といったような設定が見られるが、初期の代表作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』では完全に生ける屍だった。

彼らは走ることはせず、ノロノロと幽霊のように彷徨いながら主人公が立てこもる民家を取り囲んだ。数の勝負ではあるが、圧倒的なゾンビ(リビングデッド)の量とジワジワ来る恐怖が観客にも圧迫感と緊張感を与えた

続く『ゾンビ』やそれにインスパイアされたであろう『ショーン・オブ・ザ・デッド』なんかも、ノロノロゾンビが登場する。『ウォーキング・デッド』のウォーカーもその名の通り歩くだけの存在だ。

このようなゾンビたちは恐らく肉体の腐敗が始まっているのだろう。何故死んでもパワフルに動けるかは謎だが、腐敗した体で機敏に動くことは不可能。だから歩いて襲ってくるのだと解釈している。

 

対して走るゾンビはどうだろうか。確かに1体だけでも、それなりの戦闘力を発揮する。足の遅い人間が追いかけられたら、その時点でアウツ。体力も基本無限にあるゾンビには、いつかは追いつかれてしまう。

私が考察するに、彼らの体は腐敗しないのだろう。そうでなければ走れる理由がなくなる。腐敗していた場合あんなに全力疾走したら、すぐに足にダメージを負うはずだ。

そうなると、もはや”生ける屍”ではなくなる。まったく新しいモンスターの一種だと考えることもできるのだ。

走るゾンビも認めるし、彼らの登場する映画も好き。だがゾンビと言われると、やはり別の種類の存在なのではと。さすがに言葉を話し始めたりするのは違うと思うが。

 




 

ショッピングモールでの篭城戦

話を完全に『ドーン・オブ・ザ・デッド』に戻そう。本作はショッピングモールでのシーンがほとんどで、そこでの篭城が基本だ。

篭城している間はゾンビは登場せず、噛まれた人間とそれを隠そうとする人間が登場し、内部での人間関係に焦点があてられる。

終盤はショッピングモールからの脱出がメインとなり、ゾンビとの正面切ってのバトルが展開され、生き残った一部の人間だけがフィナーレを迎えるのだ。

この映画の面白いところは、ゾンビよりも人間に殺された数の方が多いことだ。計算が間違っていたら申し訳ないが、ゾンビに直接殺されたのは2人だけではなかったか。

ゾンビが原因になっているのもあるが、自殺が2人いる。そして内部での争いで死んだのが2人。ゾンビに変わった後、人間側によって処理されたのが5人だったはず。この処理された人数が圧倒的に多い。

そこで疑問に上がってくるのが、何故この映画のゾンビは人を襲うのかという点だ。本作のゾンビは人間以外を襲わない。襲ったとしても食べることはせず、ゾンビに変貌させるだけに見える。

あんなに集団で襲われたら骨になるまで食べられそうではあるが、欠損も少なくゾンビに変貌しているのだ。彼らは食欲を観たしたいのではなく、仲間を増やしたかっただけなのだろうか。そう思うと可愛く見えてくる。

 

結局何が言いたいかと言うと、ゾンビだけでも大好きなのだが、映画的な面白さで言えば篭城戦で起きる人間ドラマが一番だと思う。ゾンビというのはディザスターの一つに過ぎず、極限状態に置かれた人間たちを見るのが楽しいのだ。

本当に命の危機に陥った時、人は本性を表す。実体験ではないにしろ、映画を観ているとそうとしか思えなくなる。人間とは如何に自分勝手なものか……。

その中でも協力して脱出しようとしたり、仲間を見捨てて逃げるようなヤツもいる。その人間臭さを味わえるのもゾンビ映画の楽しみの一つだ。

ただ私の大好きなキャラクターであるCJを殺したのはいただけない。彼が逃げる道を作ったのは事実だし、一番の魅せ場でもあったのだが……。

 




 

ショッピングモールには逃げ込むな!

以前私が書いた記事を読んでいただければ幸いなのだが、私はゾンビに襲われてもショッピングモールには逃げ込まないことにしている。

現代日本でゾンビから身を守る方法を本気で考えてみた

本作を観ればわかる通り、大人数で行動するのは諸刃の剣だ。協力者を得るのは大事だけれど、そこには争いは付き物。確実に内部で意見が割れるし、ゾンビ以上に恐ろしい結果になるかもしれない。

しかし食料は豊富に揃っている。いや、数週間篭城して腐らない食べ物がどれだけあるか定かではないが、場合によっては自給自足も可能だ。

それを踏まえても私はショッピングモールには絶対に行かない。私自身協調性は皆無だし、それならば一人で行動した方が良いと考えるだろう。

本作ではあまり描写されなかったが、そもそもショッピングモールには出入り口が多すぎる。モール自体の大きさにもよるが、20人が逃げ込んだとしても一つの入り口に1人ずつ配置するのがやっとかもしれない。

さらにはエスカレーターをはじめとする階段の数も多い。こちらも知らず知らずのうちにゾンビが上階まで上がってきたということにも繋がる。

 

本気で篭城するならば映画のように遊んでいる時間はない。出入口の見張りは欠かせないし、ロマンチックな展開などはあり得ないだろう。いや、危機的状況になると”つり橋効果”的なヤツが発動するのかも。

それでも押し寄せるゾンビとの攻防で恋をしている暇はなさそうではあるが。やはり人間同士の争いに気を配るのが一番だと思う。

 

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