どーも、スルメ(@movie_surume)です。
今回はNetflixで配信が始まった『デンジャラス・ライ』の感想を書いていこうと思います!
デンゼル・ワシントンの『デンジャラス・ラン』ではありませんw そこだけ間違えないようにご注意を!
この映画は遺産相続をテーマにしていまして、「お金が絡むと人はどう変わっていくのか」という現実的な問題を描いていますね。
遺産相続とか私にとっては縁もゆかりもない話なんですが、映画だと扱われることが多いかもしれません。日本映画でも『犬神家の一族』とか、タイトルもそのまま『遺産相続』って映画もあります。
最近だとライアン・ジョンソンの『ナイブズアウト』も相続が事件の発端だったりしました。
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そんなわけで意外と映画ではよく目にする「遺産相続」を本作はどのようにアプローチしていくのか。そこに注目していこうと思います!
※この記事はネタバレを含みます!
デンジャラス・ライ
あらすじ
金欠にあえぐ看護人のもとに舞い込んだ、裕福な患者の全財産。それは幸せな人生の幕開けになるはずだった。ばく大な遺産に潜む恐ろしい秘密が顔を出すまでは…。
評価
僭越ながら『デンジャラス・ライ』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・
5
★★★★★☆☆☆☆☆
ラストの畳みかけは残念。でもそれを補える作品ではある
正直登場キャラクターたちは頭悪いですw 特に夫なんて「何故そこでそんな馬鹿な行動するの!?」と思わずにはいられないレベル。
でも、それも含めて人間の愚かさを……とか書こうとしたんですけど、本作はエンタメ作品ですね。もちろん「金が入ると人は変わる」という根底は揺らいでいないけれども。
ドロドロの人間ドラマとかを期待しているのならば合わないかもしれません。サスペンスに近い作風で、序盤から若干の伏線を貼りつつ進む映画でした。
ただ重要なラストの展開は残念と言わざるを得ない。少ない登場人物で進めようというのは分かるのですが、怪しい奴がそのまま怪しい映画だったからな。
じゃあどこが面白い映画なの?と聞きたいの方もいるでしょう。
これまでの「遺産相続」の映画はお金持ちの人が死んで、その親族・関係者が遺産を巡って争うって話が多かったように思えます。
しかし本作に登場する「お金持ち」は天涯孤独で、親戚もいません。
そこで最後までお世話してくれた主人公にすべてを託す……という展開になります。主人公からすると、まさに「棚ぼた」で幸運な出来事なんですね。
元来であれば親族同士で金を巡って争う非常に醜さが出てしまいますが、本作の遺産は主人公のモノと遺言で確定しており、それを狙ってくる奴らや犯行を疑う警察との争いが繰り広げられるワケです。
幸運な出来事のはずが不運が重なって、徐々に主人公たちが怪しまれてしまう。そんなちょっと『タッカーとデイル』的な部分があったりして、幸運と不運の使い分けが美味い映画だなぁと。
その分ラストの展開が残念なのですが……
ここから先は『デンジャラス・ライ』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!!
感想・解説
棚からぼたもち現象
本作の主人公・ケイティはダイナーで働きながら生計を立てている女性。夫・アダムもお金に困っており、この二人はアメリカの貧困層であることが窺えます。
そんなときケイティの働くダイナーに強盗が。銃を持って店主を脅していましたが、ケイティを迎えに来ていたアダムが強盗をやっつけて、事なきを得ました。
それから数か月後。ケイティは派遣の看護人の仕事を行っており、お金持ちの男性レナードの介護を任されます。介護人の枠を超えて友人として彼と関わっていましたが、ある日レナードが突然死してしまうのです。
レナードは天涯孤独の身で莫大な資産と豪邸を受け継ぐ人は誰もいません。「このまま国のモノになるのか……」と思いきや、突如レナードがやってきた弁護士が現れ「彼の遺産は最後まで面倒を見てくれたケイティのものだ」との遺言を持ってくるのでした。
ここだけ見ればカードの返済やローンに困っていたケイティたち夫婦が、レナードの死により莫大なお金が入ってくるという「棚からぼたもち」状態。夫のアダムなんてお金が入った瞬間に高級時計を買ってくるというアホさですw
ただ遺言の矛先はケイティであって、夫じゃないんですよね。それなのに「妻の金=俺の金」という式が頭で働いたのか、完全に金を手に入れるために行動する始末。お金で本性表す男とは早めに別れた方が良いよね、うん。
私も彼女たちと同じようにあまりお金を持っていない人間ですけども、まぁこんな現象に憧れてますよねw かといってブランドとか服とか興味ないんで、テレビを新調するくらいしか使い道がないんですけど。
これでお金のせいで落ちぶれていく…って映画でも面白そうでしたけどね。夫のキャラを利用して徐々に夫婦崩壊とかさ。そこに向かわないのも本作の良いところかもしれませんけど。
サスペンス展開
そんな棚ぼたを受けたケイティたち。しかし警察は運よく金を手にしたケイティ、そして夫のアダムを疑い始めます。「こいつら遺言を無理やり書かせて、突然死と偽って殺したんじゃね?」と。
確かにケイティたちはレナードの自宅で発見した現金数100万ドルを勝手に持ち帰ってしまったり、すぐに遺体を火葬してしまったりとボロと考えられる部分が出てきてしまうのです。
その他にもケイティが働く会社の社長に犯行を疑われ、罵られたりと不運が重なります。
彼女の働く会社は身の回りの世話を必要としている老人に、看護人を派遣するビジネスを行っており、お金持ちの家でも一定の給料で働くことが義務付けられています。しかし死の直前に心優しいレナードはケイティに必要以上の給料を上げていたんですね。
決められた給料以上の金額が監禁されたと知った警察は余計にケイティたちを疑い始めるというワケ。
さらには冒頭にあったダイナーでの事件。あの事件でアダムは犯人逮捕に貢献していましたが、実は犯人の男がアダムの通っていた大学の職員?だったことが判明します。しかも刑務所内で刺されて死亡するという事態に……。
ケイティ自身は潔白なのですが、実は夫がお金を手に入れるためにレナードを殺害したのではないか?そんな疑問すら浮かんできます。
アダムはかなりお金に執着心のあるキャラクターでしたからね。貧乏への恐怖心からか「お金がなくても二人で居られればいい」と言うケイティに対して、「もう元の生活には戻れない」とハッキリと口にしてしまいます。
「いや、お前普通に最低やな」と思いましたけどね。それでもケイティは信じてしまいますし、夫は頭の悪い行動を続けるしで雲行きが怪しくなってくる……。
その間にも怪しすぎる不動産屋が家を買いたいと申し出てきたり、家に侵入者がいたりと遺産を狙っているであろう輩が立ちふさがります。
しまいにはガレージの屋根裏から元庭師の死体が発見される始末w そして死体の所持品には意味ありげにダイヤモンドが……。
この死体を通報しようと提案するケイティでしたが、警察に調べられたくないアダムは却下。死体を遺棄するため自らの手を染めてしまうのでした。
ラストで重要になってくるのは死体が持っていたダイヤモンド。怪しい不動産屋が狙っているのは遺産ではなく、このダイヤモンドだったんですね。そこからさらに裏切りの展開が続いていくんで、全貌はご自身の眼で確かめてください!
タイトルの意味
さて、最後ではありますが軽くタイトルの意味について考察していこうと思います。
「デンジャラス・ライ」を直訳すると「危険な嘘」となりますが、この「嘘」とは何を差しているのでしょうか。
まず考えられるのは遺産を手にするためにケイティたち夫婦がつき続けてきた「嘘」ですね。実際に不当に遺産を盗んだりしていると、権利がなくなる的な話が幾度となく登場しました。
彼女たちがついてきた小さな嘘が、ラストの大事件を引き起こしてしまう……といった意味が込められているのではないかと。
もう一つがラストシーンでケイティがついた「嘘」
事件解決後、妊娠していたケイティはダイヤモンドの隠し場所を誰にも言いませんでした。自分の命を救ってくれた警察官にでさえも……。
実はこの場面の前にケイティはアダムからダイヤの場所を聞いていました。しかしラストでは「私は隠し場所なんて知らないわ」と嘘をついてしまうのです。
私が何度も書いてきた「お金は人を変えてしまう」という言葉にも直結してきますね。誠実だった彼女はお金や宝石を巡って争った結果、人間が変わってしまったのかもしれません。裏切りに遭ったから誰も信用できなくなったとも受け取れるでしょう。
いずれにせよ「危険な嘘」であることには変わりないですよね。あのダイヤモンドはこの先どうなってしまうのか……
まとめ
ラストの不満は何度でも言えるほどですが、作品は結構好きになれましたね。
かなり判りやすいサスペンスで普段映画を観ない人にもオススメできる作品なんじゃないかと。
完全に余談ですが、私も「お金で人が変わった」現場を見たことがありまして。現場と言うか、ねずみ講勧誘ですね。
同じ高校に通っていたかなり仲の良い友達がいたんですが、ソイツが大学生になったある日ネズミ講を勧誘してきたのです。「いや、それ高校の時に授業でやった典型的なヤツやん!」って思いましたよw
大学生は「ビジネス」「投資」って言葉に弱いらしいですからね。まぁ私は馬鹿ではないので、もちろん引っかかりませんでしたけど。
あんなに仲良かったのに金に目がくらんで俺を勧誘するのかと。結構ショックでしたね。はい。
以上!!!
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