映画『ダンスウィズミー』ネタバレ感想 これはミュージカルでいいのか?

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

日本映画でミュージカルって少ないですよね。歌って踊るアイドルはいっぱいいるのに、映画の中で踊る役者はあまりいません。

ミュージカル映画の本場であるアメリカに長期滞在したことあるけど、やっぱ日本人とはノリが全然違うんだよね。だから音楽を聴いたら身体が動くって感覚は日本人の比じゃないと思うのです。

だからミュージカル映画にも違和感がないし、映画というエンターテインメントが始まって以来ずっと親しまれてきたのでしょう。でも、日本語でミュージカルするのはちょっと違和感。まぁあまり観た経験が少ないからなんだけどw

 

ってことで今回は『ダンスウィズミー』のレビューになります!

ミュージカルであることを逆手にとったコメディが観られる…らしい!

ダンスウィズミー

あらすじ

一流商社で働く勝ち組OLで、幼いころの苦い思い出からミュージカルを毛嫌いする鈴木静香は、ある日、姪っ子と訪れた遊園地で怪しげな催眠術師のショーを見学し、そこで「曲が流れると歌って踊らずにいられない」という“ミュージカルスターの催眠術”にかかってしまう。その日から、静香は街中に流れるちょっとしたメロディや携帯の着信音など、あらゆる音楽に反応するように。術を解いてもらおうと再び催眠術師のもとを訪れた静香だったが、そこは既にもぬけの殻。困り果てた彼女は、催眠術師の助手をしていた千絵とともに、催眠術師の行方を捜すが……。

映画.com

評価

僭越ながら『ダンスウィズミー』の満足度を★10段階で表すと・・・

 

★4

当ブログの採点基準について

 

ミュージカルで良いのですか??

本作はミュージカル映画のお約束である「みんな一緒に踊りだす」っていう触れてはいけない暗黙の了解をつつきまわした作品です。

それはまぁいいとして。確かに皆なんで振り付け知ってるんだよ!って思うこと誰にでもあるじゃないですか?

特に日本ではミュージカル映画がそれほど浸透していないと思いますし、ウケは良さそうですよね。

しかし、残念ながらミュージカル部分はまったくと言っていいほど楽しめませんでしたw

理由はのちほど書くとして、やっぱりミュージカルを作るのってめちゃくちゃ難しいんだなと再確認できましたね。

 

ただ、本作をミュージカル映画ではなく三吉彩花とやしろ優のロードムービーと考えればどうでしょう。

ん?それならば楽しめる気がするぞ。

もはやミュージカルは要らない!凸凹コンビの旅を観るだけで良いんだ!

ってな感じでそこそこ楽しむことが出来ましたとさ。

ここから先は『ダンスウィズミー』のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!

感想

ロードムービーとして

ミュージカルに関する部分はいろいろ思うところがありましたが、ストーリーは決して嫌いじゃありません

催眠を解くために、催眠術師の助手をしていたやしろ優とドライブ旅。旅の道中は結婚式に乱入したり、恐いヤツらに絡まれたり。

こういう旅憧れますわぁ。元からミュージカルじゃなくてロードムービーにしてくれば最後まで気持ちよく楽しめたんだけどなぁ…。

 

三吉彩花さんとやしろ優さんのコンビが想像以上にマッチしてるから、単純に観てて楽しいよね。映画を観る前から「キーパーソンはやしろ優だ!」って感じだったんで間違ってはいなかった!

特に終盤の地面に落としたカップ焼きそばにソースをかけて食べるシーン、タマネギ丸かじりするとこなんかの「食」のシーンが妙に印象に残ってまして。計画性のないキャラも然りで作品を良い方向に導いていましたね。

ただ胡散臭い詐欺師に騙されたOLが、自分とは正反対の女性と詐欺師を追う旅に出る。ミュージカルなしでもこの凸凹コンビな二人が主役をやっていれば面白い映画になったと思うのに。

 

ミュージカル映画として

私はこの映画をロードムービーとして観ることにしましたが、表面上は一応ミュージカル映画です。宣伝でもそう書かれているし本人たちもそのつもりでやっている。

ただ、ミュージカルとして観てしまうと「うーん…。」と苦笑いを浮かべることしかできない(笑)

 

私はものすごくってほどじゃないけど、ミュージカル映画好きだし苦手意識も特にない。名作と呼ばれるミュージカルをそれなりに観てきていると自負しています。

って背景もあって、ミュージカルって聞いてたから『ダンスウィズミー』も当たり前のように期待して行ったんだけど、ミュージカルに関してはなんとも言い難い作品になってました。

 

とにかくミュージカルシーンがひたすらチープなのであります。歌番組か、YouTubeに上がっているフラッシュモブを観ている気分。

主人公は催眠術で踊らずにはいられない身体になったミュージカル素人のOLって設定なので、ダンスが微妙だとしても違和感なさそうなのに大半のミュージカルシーンが彼女の妄想なのよね。

妄想の中では「誰もが突然踊りだす」ミュージカル世界なんだから都合よく迫力満点のミュージカルを見せてほしかった。

ミュージカルを名乗らないなら別に良い。でもミュージカルと宣伝してて、これが出てきたらちょっとなぁ。コメディドラマの中にちょっとミュージカルも含まれるよ!ってくらいの要素に抑えておけば良かったのに…。

唯一良かったのはマンションのロビー?で踊るシーン。三吉彩花さんが一人でダンスするシーンだけど、彼女のダンスに合わせてカメラも様々な動きをしてくれます。確か最初のミュージカルシーンだったから掴みとしては良かったんじゃないかと。

 

あと書いておきたいのは選曲ですかね。山本リンダさんの『狙いうち』、キャンディーズの『年下の男の子』などかなり古めの選曲で、もはやどこの層を取り込もうとしているのw

私個人としてはここら世代の音楽好きなんで印象は良いのですが、若い人達はこの曲知ってるんですかね?

ミュージカルは曲を「知ってる」「知らない」に関わらず楽しめるものだとは思うけども、この映画は音楽とキャラクターの気持ちがまったくリンクしていないんで、そもそも既存の曲を使う意味があったのかな。

例えば『ダンスウィズミー』と同じく既存の曲を使用したミュージカルとして『マンマ・ミーア!』が挙げられます。あの映画ではABBAの名曲を基にしながらも、音楽とキャラクターの心情がリンクしてミュージカルシーンも効果的に演出されていました。歌があって、そこに母と娘の物語をリンクさせたって感じですね。

オリジナル曲で言えば日本で大ヒットした『アナと雪の女王』。ブームになった「LET IT GO」もエルサがこれまでの縛りから解放されるシーンで歌ったから意味を持ったわけで。『雨に唄えば』だって気持ちが沈んでいる時にあのシーンだったら意味がない。

 

話を『ダンスウィズミー』に戻しますと、基本使われてる曲はキャラクターの心情と一切リンクしないんですね。「年下の男の子」や「タイムマシンにおねがい」の曲自体は好きだし、令和時代に公開される映画に使われて嬉しいけど、ここじゃないだろ!って言うのが正直な気持ち。

まぁ、突然踊りだすのをコメディにした映画だから主人公たちの心情は関係ないのか。だから敢えて時代をずらした曲を入れたのかも。主人公からしたら「こんな曲知らないのに踊りだしちゃうよ~」って感じですか?

映画のテーマ的にオリジナル曲じゃやりきれない部分もあるから理解はできるんですけどね。主人公の妄想ミュージカルを取り入れるなら選曲も都合よくていいじゃんね?

うーん、選曲に関しては私のように悪い意見もあるだろうけど、映画の設定を考えるとそうするしかなかったんでしょう。

ミュージカルの理由付け

本作はトラウマからミュージカル嫌いになってしまった主人公が、落ち目の催眠術師の催眠にかかってしまい踊らずにはいられなくなるってストーリーです。

だから電車の到着音、携帯の着信音にまで反応して踊りだしてしまうんですね。

でも、周りの人から見たら「頭のおかしい」人にしか見えない。そこをコメディーに変えて、ミュージカルと「あいつなにやってんだ?」みたいな現実とのギャップで笑わせてくる。

 

いや、まぁ確かにミュージカル映画の主人公は周りから見れば「頭のおかしい人」なんだけど、それをこの映画でやるのか!?

ミュージカルが浸透していない日本だからこそ作れた映画と言われたらそれまでなのですが、こういうメタ的なネタはミュージカル映画としてそれなりの実力があって初めてコメディとして成立すると思うのです。

 

国産ミュージカル映画というとあまり成功したって話は聞きません。日本語+ミュージカルに抵抗のある人にも観やすいように設定を作った映画が『ダンスウィズミー』であり、ミュージカルの穴をコメディにしてしまうアイデアは素直に面白い。無理やりでも突然踊りだす理由をつけてしまった方が理解しやすいのかもしれないし。

でもなぁ。ミュージカルの部分がなぁ……。例えミュージカルが粗めな仕上がりでも「催眠術にかかったミュージカル素人だから~」と言い訳できるのがズルいよね。

ミュージカルも微妙で、理由付けはまさかの催眠術。おいおい、大丈夫なのかよそれで。申し訳ないけどミュージカルに関するシーンで俺は笑えない。

まとめ

私としてはラーメンを食べに行ったのに、付け合わせとして頼んだ「チャーシュー丼」の方が美味かったって映画でしたw

そういう店、よくあるよね。

 

それと、この映画を観た人達の反応が気になります。邦画ではめずらしいミュージカルですし、これが日本で受け入れられるのか…。

日本だとミュージカル映画の成功が難しいって昔から言われてるんだよね。ディズニーのイメージで「ミュージカル映画は子供のものだ!」的な印象が強いんでしょうか。

でも海外から来た『アラジン』実写版とか、『ラ・ラ・ランド』は成功しているしなぁ。日本語+ミュージカルに対する違和感があるのか、国産ミュージカルは流行りませんよね。

ミュージカル好きなんで本作のようにチャレンジ精神に富んだ国産ミュージカルが観たいところです。
以上!!!


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