Netflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』ネタバレ感想 スパイク・リーが描く過去と現在

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

今回はNetflixオリジナル映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』の感想を書いていきます!

本作は『ドゥ・ザ・ライト・シング』のスパイク・リー監督作品。最近だと『ブラック・クランズマン』でアカデミー賞脚色賞を受賞した名監督です。

そして私自身、劇場公開作も含めて6月で一番楽しみにしていた映画でもあります。

 

スパイク・リーは以前『ロドニー・キング』という映画がNetflixで発表されているので、今回が2度目ってことになるのかな?

1年くらい前の『シー・ユー・イエスタデイ』でも製作として携わっていた気がする。

 

※この記事はネタバレを含みます!

 




 

ザ・ファイブ・ブラッズ

あらすじ

ベトナム戦争からほぼ半世紀。ともに戦った4人の黒人退役軍人が、隊長の亡骸と埋められた金塊を探し出すために戦場へと舞い戻る。スパイク・リー監督作品。

Netflix

監督

メガホンを取ったのは先ほども名前を挙げたスパイク・リー。

『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』など監督・脚本で多大な評価を受けています。その他監督作は『オールド・ボーイ』、『セントアンナの奇跡』などなど。

黒人の地位や立場に対する発言でも知られており、アカデミー賞の俳優部門でノミネートされる人種に偏りがあることを問題点として挙げています。

また、2019年の授賞式では『グリーンブック』がオスカーを獲得した際に帰ろうとした……などとニュースになったりもしました。

キャスト

主演を務めるのは『マルコムX』にも出演していたデルロイ・リンドー。過去にトラウマを持つベトナム帰還兵の一人を演じています。

注目したいのは過去編にしか登場しないものの、『ブラック・パンサー』のチャドウィック・ボーズマンが出演していること。俳優としては一番若いのに、チームのリーダー役という大役です。

本作は過去編でも別の俳優を使っていないので、明らかにボーズマンと他のメンバーは親子くらい離れている見た目で登場します。

その他出演者はノーム・ルイス、クラーク・ピーターズ、メラニー・ティエリー、ジャン・レノなどなど。

 

 

『ザ・ファイブ・ブラッズ』の評価

僭越ながら『ザ・ファイブ・ブラッズ』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

8
★★★★★★★★☆☆

 

たぶんアメリカ人でなきゃ響かない何かがある

正直この手の映画の感想を書くのは凄く難しい。

映画の出来や役者の演技についてはスラスラと言葉が出てくるのだけど、100%映画の伝えたいモノを理解しているかと問われれば、NOと答えるでしょう。

それこそ『グリーンブック』のオスカー受賞でスパイク・リーやボーズマンが呆れたように、私と彼らとの明確な温度差があると思うのです。

今年のオスカー受賞作『パラサイト』も同じですよね。実際にその場に生活してなければ、問題の根底までは理解できていない気がする。それでも評価されたのだから、ポン・ジュノスゲェ!って話なんですけど。

恐らく同じような作品は日本にもあるのでしょう。

例えば『シン・ゴジラ』なんかも、海外から見れば「なぜ早くゴジラに攻撃しないんだ!」と展開の遅さが理解されないかもしれません。日本人で日本に住んでいるからこそ、あの対応の遅さ、手順の複雑さが面白く感じるのだろうし。

 

ということで、この記事ではアメリカでの黒人の待遇や帰還兵への視線など、根が深い部分までは書かないことにしました。あまり理解できていないことを書くと滅茶苦茶になりそうで。

私が少しでも分かるのは映画のことだけ。作品の奥深さのわりに薄っぺらい感想しか書けませんが、ご容赦を。

 

ここから先は『ザ・ファイブ・ブラッズ』のネタバレを含みます!

まだご覧になっていない方はご注意を!!

 




 

感想(ネタバレ)

おかえりなさい!ベトナムへ

ベトナムで戦死した親友・ノーマンの遺骨をアメリカに持ち帰るため、数十年ぶりにベトナムへと降り立った帰還兵たち。

メンバーは過去の記憶とノーマンの亡霊に悩まされるポール。ベトナム人女性との間に子どもが生まれていたメルヴィン。元衛生兵のオーティス。事業に成功したエディの4人。

そこにポールの息子デヴィッドも加わり、現地ガイドと合流し、亡き友の眠るジャングルへと向かいます。

到着したベトナムでは人々がベトナム戦争のことを「アメリカ戦争」と呼んでいること、今でもGIに対して悪印象を持つ人もいることなどを目の当たりにします。

しかし彼らには親友の遺体以外にも、ある目的がありました。

実はノーマンが死んだ場所にはCIAが用意した数百万ドルの価値を持つ「金の延棒」が眠っており、それを発掘する目的もあったわけです。

かつてベトナム兵士たちと戦ったジャングルへと入っていく4人。当時のことを回想し、仲違いもしつつ、ついに金とノーマンの遺体を発見します。

 

目的を達成したかと思いきや、まだまだ半分。ここで仲間内で不穏な空気が流れ、緩やかに進んでいた物語が一転。

金を狙う現地のゲリラ、地雷除去に来ていたフランス人たち、そして暴走していくポール…。

後半からは畳み掛けるような展開が用意されており、過去回想も少なめに。それぞれのトラウマが絡み合って、かなり衝撃的なラストを迎えるのですが……。

正直前半の空気感もあって、この映画舐めてたかもしれない。ここまで直接的に描くとは思ってなくて、スパイク・リーに対しても甘い気持ちでいたのかも。

ゴールドもノーマンも見つけて感動のラスト!で終わらせないのは分かっていたけども。かなり胸を打つ衝撃があって、しばらく心に居つきそうだなと。

 




 

大きく変貌したベトナム

序盤はキング牧師やマルコムXなどの実在の人物たちの映像から始まり、ベトナム戦争の衝撃的な映像へ。

他の映画でも何度か観たことのある焼身自殺のシーン、そして裸で逃げる少女の映像。軍人に処刑されるベトナム人まで、本編の前に流して良いのかと思う記録の数々。

そして時代は飛び、現代のベトナムへ。恐らく行ったことある方は分かるかと思いますが、かなり発展しているんですよね。今のベトナムって。

映画にもあったように普通にマックとかKFCあるし、活気だけで言えば東南アジア随一なんじゃないかと。交通網も完全に整っているバンコクやシンガポール、マレーシアには負けますが(あくまで個人的な感想です)

日本に留学してきているベトナム人も多く、昔以上に身近に感じられる国だと思います。私自身も定期的に連絡を取っているベトナム人の友達が何人かいますし。

 

そんな感じで変わりきったベトナムを見て、驚きの表情を見せる4人。『地獄の黙示録』のポスターが貼られたバーに行ったりと夜を満喫します。

ただ変わったベトナムを見せてるのは冒頭だけ。映画は未だに開拓されていないジャングルへと進み、きらびやかな雰囲気は皆無に。

現代を舞台にした映画なのに、本作はまさしくベトナム戦争映画。彼らの中で戦争は今でも終わっていません。

特にポールはPTSDを患っているため、ジャングルに入ってからも不安定な状態が続きます。

デルロイ・リンドー

ポールの話が出たので、彼を演じたデルロイ・リンドーの演技について少し。

映画冒頭から他の3人とは異なり明らかに影を抱えている雰囲気が演出されています。元ベトコンからのお酒を快く受けなったリ、チキン売りの青年を冷たくあしらったり。

彼の見せ場は終盤にありまして、デヴィッドが地雷を踏んでからは完全に豹変。もはやそこが戦場であるかのように振る舞い、彼の目は兵士のそれになっていきます。

この狂気に陥った時のリンドーの演技は本当に秀逸で。そんな姿を捉えるが如く、カメラがリンドーの顔をアップで写すというシーンが多く見られました。

スキンヘッドの頭皮にまで汗が滲んできて、とてつもない目力で観客をも見据えてくるような、鬼気迫るものがあったよね。

特に観客に語りかけるようなシーンが最後にあるんだけど、表情で語ってくるあの感じの演技は久しぶりに観た。『万引き家族』での安藤さくらが一瞬頭をよぎったのは私だけでしょうか。

 

そしてその後のノーマンとの再会シーンでは、見せ方ももちろん上手いんだけど、許しを与えられて声にならない唸りをあげるリンドーの素晴らしさ。

観客に感動を与えるのは監督の演出やストーリーもあるけど、このシーンは役者の演技で泣かせる場面でしたね。

父と子くらい歳離れてる二人なのに、『ブラック・パンサー』でティ・チャカと再会するシーンより泣けたよ。

 




 

スパイク・リーが描く過去と未来

最後になりますが、ちょっと面白いなと思った点を少しだけ。

本作は前情報通り過去編が16㎜フィルムで撮影されているんだけど、過去から現在に移行する時の画面の動きが面白いなと。

あれね、映画が始まる前にスクリーンのサイズを合わせる時の動きと似ていて、過去と現在が一目でわかる効果もあるんですよ。

なんて言ったって本作は年齢的に齟齬が出そうなのに、若返りメイクもCGも使っていません。これは監督のこだわりなのかは謎だけど。

つまり現在の4人とベトナム戦争時代の4人は洋服以外にほとんど変わってないんですよね。これで過去編も同じ規格で撮影されていたら、どっちが過去か現在か分からなくなりそうだし。

 

そうした面で見ましても、ただ単に当時の映像を再現だけじゃなくて、観客を惑わせない効果もあるんじゃないかな。

 

まとめ

 

今年トップクラスの傑作でした!

 

自粛期間に入ってからNetflixで傑作を観る度に言っているけど、本当にネトフリがあって良かった!!

まぁ『ザ・ファイブ・ブラッズ』も映画館で観たかった感は否めませんが、この時期なかなか行きづらいですからね。家でも新作が観られるのは本当にうれしいことでして。

そして何とは言いませんが、この映画かなりタイムリーな時期に公開したなと。

スパイク・リー本人も今回の事件について発信していたので、一度目を通して観ると良いかもですね。

 

以上!!!

 

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