今回はNetflixで配信されている『クラシック・ホラー・ストーリー』の感想です!
クラシックなホラーって、『吸血鬼ノスフェラトゥ』とか『カリガリ博士』とかその辺の映画でしょうか。一概に「ホラー」と呼称していいのか微妙なところではありますが…。
少し時代が進むと『ゾンビ』や『ローズマリーの赤ちゃん』などが出てきますが、僕はやっぱり『シャイニング』が好きかな。
どこまでが「クラシック」なのかは曖昧だけど、タイトルにクラシックと付くんだから、古典的名作を意識した作風になっているのでしょう!
そんなわけで、以下、詳しい感想です。
※この記事には『クラシック・ホラー・ストーリー』のネタバレを含みます。
クラシック・ホラー・ストーリー
あらすじ
イタリア南部を共に旅していた見ず知らずの男女が、迷い込んだ不気味な森で過酷なサバイバルを繰り広げる。身の毛もよだつサスペンスホラー。
クラシック・ホラー・ストーリーの評価
僭越ながら今作の満足度を★10段階であらわすと…
★3
これがクラシックか??
正直なぜタイトルに「クラシック」を付けたのか分かりません。
「なんでもごちゃまぜ!ホラー・ストーリー」って感じで、別に古典的なわけじゃない。
英語堪能じゃないから、間違ってたら申し訳ないけども、「クラシック」に何か別の意味があるのかと勘繰りたくなる内容でした。
ミスリードだとしても面白くないし、驚きもないよ。
そして、問題だと思うのは、すべてが終わったラスト。
「クラシック」とは真逆にあるような、斬新ともいえるラストシーンだったわけですが、これもどうも…。
「保険」をかけているといいますか、突然やってくるメタ的な要素にすべてが台無しになった気さえしますね。
ある意味では「Netflixぽい挑戦的なホラー!」といえなくもないけど。
この記事は『クラシック・ホラー・ストーリー』のネタバレを一部含みます。
まだご覧になっていない方はご注意を。
クラシック・ホラー・ストーリーの感想
サム・ライミ・ハウス
今作は相乗りになった男女5人が、森の奥深くで事故って遭難。森を根城にしていたカルト集団的なヤツらのえじきになる……というストーリーです。
「相乗り」という文化が日本にはあまり根付いていませんが、海外だとわりとポピュラー。僕もコロナ前はバックパッカーやってたんで、「人数が集まらないと出発しないバン」とか乗ったことあります。なぜか荷台?に乗せられて、荷物みたいに運ばれたりとかね。
まぁ、この映画とは異なり、相乗りする人のほとんどが旅行者なので、会話はあまりありませんでしたが。移動距離も長かったわけじゃないし、トラブルに巻き込まれることもなかったです。
しかし、今作においてはトラブルが起きなきゃ物語がはじまらない!
同情者は訳アリそうな医者とか、空気読めないカップルとか、若干怪しいドライバーとか、いかにもホラー映画っぽい布陣。「これはどこから責められてもホラー映画になりますわ~」って感じで。
そして、物語開始早々、車が木に衝突。気がつくと道路のすぐ近くの木にぶつかったはずが、見渡す限りの森で、「場所も移動されているじゃん!ここどこだよ!」っていう。
さらに近くには『死霊のはらわた』、最近なら『キャビン』に登場したようなボロボロの一軒家。
まさにサム・ライミ・ハウスが鎮座しておりました。
序盤はテンポよくキャラクター紹介、そしてわかりやすい遭難と、シンプルなホラー映画。
ホラー映画好きなら、この後の展開は大体予想できると思いますが、どことなくワクワクできる要素もあったりして。
絶対に巻きこまれたくはないけど、観ていると面白いんですよね。悪魔崇拝とか、ブードゥー教とかにワクワクできる人なら、今作は向いているかもしれない。
ホラー映画のパロディ多し!
ここまでくると、「死霊のはらわたのフォロワーかな?」とほとんどの人が思うことでしょう。それか『悪魔のいけにえ』か。
この映画自体、いろんなホラー作品のパロディ?が多くてですね。
確かに家はサム・ライミ・ハウスだけど、足を折るところは『ミザリー』だったし、「南に向かって…」のくだりは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』かな?
ホラーじゃないけど『トランス・ワールド』も、それっぽいですね。
なかでも、多くの人が感じるのは最近ブームになった『ミッドサマー』じゃないかな。
映画終盤では『ミッドサマー』をもろに意識したであろうシーンがあるし、一番露骨なパロディ?だったと思う。まぁこれが「クラシック」とはかなり遠い、むしろモダンなホラー映画な気もしますが、それは置いておきまして……。
僕としてはあのシーンはかなり異質。これまでは少ない人数で不気味な雰囲気を作り出し、観客の恐怖を煽っていたと思うのですが、あのシーンで興ざめ。
なぜあそこで『ミッドサマー』?全然作風違くない?
『ミッドサマー』の怖さって、最初はフレンドリーだった村人たちの本性が、徐々に浮き彫りになっていくところにあるんで、あんな「ぽい」シーンだけ持ってこられても意味がない。そして「フレンドリーだった」の部分がないから、あのシーン自体が怖くない。
ただの異常者たちに囲まれた「ひとりぼっちの晩餐会」で、「あ、次は『ミッドサマー』かぁ」と思うだけ。もはやパロディをするためだけに持ってこられたシーンに見えて、恐怖は微塵も感じません。
ここからさらに不満たっぷりのシーンがあるわけですが、あまりにもラストのネタバレに触れすぎているのでやめときます。
でも、僕も低評価を押したくなったよ。
最後に
2週間くらい前から連続で配信されている、『フィアー・ストリート』シリーズが意外にも面白くてですね。
「Netflixホラーやるじゃん!」って思っていたわけですが、今作は微妙すぎた。
あんなにパロディ盛り込むなら、『キャビン』くらい振り切ってしまうか、ホラーコメディにしてくれ。
劇中で「イタリアのホラーは…」とかってセリフがありましたが、イタリアホラーの現状を知っていれば今作も楽しめたのかな。
うーん、僕は無理そう。
以上!!!
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