どーも、スルメです。
今回は今シーズン期待のホラー映画、
『キャンディマン』
の感想になります。
「キャンディマン」と聞くと、ジャムおじさんやカレーパンマンの系列にいそうなカワイイ名前なんですが、そんなことはねぇぞと。
甘そうな名前なのに、本人はちっとも甘くない!むしろ鉄の味がしそうなほど、血みどろなキャラクターです。
実はこの映画、90年代に公開された同名作品の続編なんですよね。
その後も続編が作られたりしたから、今作はシリーズ第4作目ってことになります。
僕が観ているのは1作目のみ。できれば全部観たかったんだけど、VHSしかない疑惑があったんで潔く断念。
ということで、シリーズ初心者が語る!『キャンディマン』の感想に参ります!
キャンディマン
あらすじ
シカゴの公営住宅「カブリーニ=グリーン」地区には、「鏡に向かって5回その名を唱えると、右手が鋭利なかぎ爪になった殺人鬼に体を切り裂かれる」という都市伝説があった。老朽化した公営住宅が取り壊されてから10年後、恋人とともに町の高級コンドミニアムに引っ越してきたビジュアルアーティストのアンソニーは、創作活動の一環としてキャンディマンの謎を探っていた。やがて公営住宅の元住人だという老人と出会ったアンソニーは、都市伝説の裏に隠された悲惨な物語を聞かされる。
監督&脚本
今作の監督を務めたのは、新人監督のニア・ダコスタ。
実は『キャプテン・マーベル』の続編である、『ザ・マーベルズ』の監督を務めることが既に決まっていまして。
今後の活躍が期待期待できる監督なんで、今のうちに頭に入れておきたいところです。
今作の脚本にはニア・ダコスタと並び、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピールが名を連ねています!
僕が今作を観るきっかけになったのは、まさにジョーダン・ピールの名前にあったりして。
『ゲット・アウト』も『アス』も大好きでして、次回作が楽しみでしょうがない監督なんですよ!
監督ではありませんが、ピールを感じさせる作品なら、もう何でも観る。そんな感じ。
キャスト
主演はヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世。
なんの映画に出てたかな~と調べていたら、『アクアマン』でブラックマンタを演じた人ですね。その他の出演作には、『グレイテスト・ショーマン』や『シカゴ7裁判』などなど。
ヒロインには『ワンダヴィジョン』でモニカ・ランボー役を演じた、テヨナ・パリス。
『ザ・マーベルズ』にも出演が決まっているんで、監督のニア・ダコスタとは2作連続のタッグってことになるのかな。
1作目は黒人と白人の対立関係が反映された作品だったのですが、今作は主要キャストのほとんどが黒人になっている模様。
その他の出演者はネイサン・スチュワート=ジャレット、コールマン・ドミンゴなどなど。
オリジナル版キャストも出演しているようで、どんなシーンに出てくるのか楽しみです!
評価
僭越ながら『キャンディマン』の満足度を★10段階であらわすと…
★6
意外にも進化した“続編”だった
一応今作が初めてでもストーリーが分からなくなるってことはないと思いますが…
1作目のストーリーがちゃんと活かされているので、知っていればより楽しめるって感じかな。
ただの都市伝説ホラーにあらず、黒人社会と白人社会の壁を描きつつ、社会風刺の作品としても仕上がっています。
続編としても、シリーズのリブート作としても、また現代社会をあらわす映画としても、完成度の高い作品でした!
ここから先は映画のネタバレを含みます!
まだご覧になっていない方はご注意を!
感想(ネタバレ)
1作目とつながっている部分
オリジナルの『キャンディマン』のストーリーは、
「鏡の前で5回名前を唱えたら死ぬ」という都市伝説を聞いた大学院生ヘレンが、その真偽を調査するため、黒人たちが住んでいるスラム「カブリニ・グリーン」を訪れていくというもの。
その過程で徐々に「キャンディマン」に近づいていき、いつしか本当にキャンディマンの姿を見ることができるように。しかし、周囲からは異常者として扱われ、キャンディマン事件の犯人として警察に逮捕されてしまいます。
映画の最後ではヘレンがキャンディマンに誘拐された赤ん坊を救出し、その怪我によって命を落としました。
この一連の事件が、2021年版『キャンディマン』では過去の出来事として残っているんですね。
キャンディマンの存在は一時的に葬られたものの、今作の主人公であるアンソニーが調べはじめてしまい、再び街に恐怖がやってきます。
で、アンソニーの正体というのが、1作目でヘレンが助けた赤ん坊だったと!
つまり、アンソニーは幼少期からキャンディマンの影響を強く受けていまして、今作で起きる事件も「なるべくしてなった」といえます。
その他にも、ヘレンが調べ上げた記録が登場したり、1作目でキャンディマンを演じたトニー・トッドが出演していたりと、細かい部分でシリーズとしてのつながりを感じさせる作品でした。
ただ、1作目との繋がりはこんな感じで、正直観ていなくても大丈夫だとは思います。きちんと劇中で解説されていますし。
しかし、劇中で語られる「ヘレン事件」と、1作目のストーリーは大きく異なります。これは事件そのものが当事者ではない人物による、主観で語られている噂話だからなんですね。
この辺は過去作を観ていれば、より楽しめるポイントかと。2,3作目は僕も鑑賞していないので、どんなつながりがあるのかは謎です(笑)
ホラー演出について
今作は観客を「ビクッ!!」とさせる、びっくり演出は少なめです。
僕自身めちゃくちゃ怖がりなんで、びっくりしそうな場面になるとスクリーンから目をそらすのですが、そんなことする必要はほぼなかったかな(笑)
でも、怖くない映画じゃないんですよ。映画冒頭からユニバーサルやMGMの文字が「反転」していたり、キャンディマンの存在を感じさせる細かい演出が多用されていました。
特に「これ気がつかないんじゃね?」ってくらい、細かいところにもキャンディマンが写っていたりして。
キャンディマンは鏡の中で活動する、ジョジョの「マン・イン・ザ・ミラー」のような存在です。ファンタジーやメルヘンじゃあなくても、鏡の「中の世界」はきちんとありました。
で、よくよく見ているとガラスの反射とか、鏡の中とか、気がつかないレベルでキャンディマンが写っている!
心霊番組で、ワイプの芸能人が気がつくより前に幽霊の存在に気がついちゃった!みたいな感じですね。
こういう細かい演出が、映画全体にキャンディマンの存在を感じさせる理由かと。
こんな感じのホラー演出が続くもんで、次第に鏡が怖くなっていくんですよね。
特にアンソニーが全面鏡張りのエレベーターに乗った場面。「これは終わった…」と思いました(笑)
スクリーンにちょっとでも鏡が写るともう怖いのに、どこを見ても鏡張りなんて……。
ただエレベーターに乗っただけなのに、この絶望感! そうか、ハングドマンと戦った時のポルナレフと花京院はこんな気持ちだったのか……!
ジョジョネタが続いて申し訳ない。
最後に
ラスト付近にあった、パトカーのサイレンがピカピカする場面。
あれ「どっかにポリゴンいるんか?」ってくらい目がやられたんですけど、共感いただけますかね(笑)
それとアンソニーの顔が集合体恐怖症には辛い。虫も恐いし、なんならキャンディマンより怖かったわ。
そんなわけで、変な部分が記憶に残ってしまう映画でした。
以上!!!
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