
今回はピクサー最新作『バズ・ライトイヤー』の感想です。
ピクサー大好きな私としては、絶対に外すことのできない映画なんですが、実はピクサー映画が劇場公開されるのは、2020年の『2分の1の魔法』以来、約2年ぶり。
最近はディズニープラスでの配信が多くて、久しぶりにピクサー映画が劇場に!ってことで、大いに盛り上がっております。
さらに言えば、僕は大の『トイ・ストーリー』ファン。本作は直接関係があるわけではないけれど、もの心ついたころから一緒に育ってきたバズのストーリーが観られるだけで、テンションもマックス!
これまでのバズとの違いに、若干戸惑いがあるのも事実ですが、さっそく鑑賞して参りました!
バズ・ライトイヤー
あらすじ
スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーは、道の惑星へと着陸します。そこは植物が支配している星で、母船を襲撃されてしまい、急遽逃げ出すことに。
しかし、バズの操縦中に船が岸壁と接触。船は不時着し、コールドスリープ状態にあった科学者たち全員が遭難することになりました。
責任を感じたバズは、科学者たちが開発したエネルギーを使い、星からの脱出をはかります。しかし、バズが宇宙で実験をしていると、浦島効果により、地上では4年以上の歳月が流れていて……。
作品解説
この映画は『トイ・ストーリー』シリーズに登場した、バズの活躍を描いた作品です。
本作の立ち位置としては、『トイ・ストーリー』の世界で公開されたSF映画という設定。つまり、ウッディが人気になるきっかけを作った「ウッディのラウンドアップ」のバズ バージョンですかね。
アンディら少年たちは、この映画を観て、おもちゃのバズ・ライトイヤーに興味を示したらしいです。
声優たちも『トイ・ストーリー』とは大幅に変わり、バズ役にキャプテン・アメリカでおなじみのクリス・エヴァンス(以下敬称略)が起用されています日本語声優は所ジョージから代わり、鈴木亮平が務めました。
その他キャストはイージー役のキキ・パーマー、ザーグ役のジェームズ・ブローリン、モー役のタイカ・ワイティティなどなど。
ディズニープラスで視聴する
ピクサー映画のほとんどは、Disney+ (ディズニープラス)にて見放題で配信しています。
Disney+(ディズニープラス)ではほとんどのディズニー作品やマーベル&スターウォーズなどの作品を見放題で配信中。
ここでしか視聴できないオリジナル作品も豊富で、ピクサーの短編アニメもラインナップされています。
詳しくは以下のサイトをチェック!
『バズ・ライトイヤー』評価
ストーリー | ★★☆☆☆ 2/5 |
キャラクター | ★★★☆☆ 3/5 |
演出 | ★★★☆☆ 3/5 |
アニメーション | ★★★☆☆ 3/5 |
総合評価 ★ 5/10
「つまらないわけじゃないんだけど……」
ピクサー作品が公開されると、毎回褒めちぎっていた僕ですが、今回は……
SF映画としては、決してつまらないわけじゃないです。浦島効果や、タイムトラベルといったワクワクできる要素もあるし、ロボット軍との戦いもロマンにあふれていると思う。
ですが、そもそもバズである必要はあるのか?って疑問が湧きますし、ピクサーらしいウィットに富んだ作品じゃない。
僕がこの映画とピクサーに対して求めていたものが高すぎただけで、コンセプトとしては間違ってないのかもしれませんが。
ただ、あそこまで有名なキャラクターを完全に変えてしまい、声優まで変えたのに、違和感なく飲みこめるのは凄い。
映像はそれなりによかったので、ぜひ劇場で鑑賞してほしい映画といえるかも。
※以下は『バズ・ライトイヤー』のネタバレが含まれます
『バズ・ライトイヤー』感想
バズ・ライトイヤーの恒星日誌……
映画序盤、バズの初登場シーンは「バズ・ライトイヤーの恒星日誌……」から始まります。その後も酸素の有無や地面の不安定さを吹き込むなどのシーンが続くのですが、これは『トイ・ストーリー』1作目の完全なオマージュ。というか、おもちゃ版バズの初登場時のセリフが同じなのは、本作のバズから記憶が引き継がれているからなのでしょうか。
おもちゃ版も事あるごとに恒星日誌をつけていましたが、これは気持ちを落ち着かせるための行動だったらしい。完全に後付けなわけですが。
が、おもちゃのバズや『トイ・ストーリー』と繋がるのはことくらい。つまり、僕のテンションがマックスで、ちょっと涙腺が刺激されたのも序盤まででしょうか。
それ以降は、意外と硬派なSFアニメになっていて、「他人を頼ることの大切さ」なんかが学べるであろう作品でした。
「ピクサー映画としては弱いなぁ」
確かにアンディたち子供世代(90年代生まれの!)には響くかもしれませんが、大人の僕にはただの娯楽映画にしか思えなくて。バズである意味があったのかも、序盤のシーン以外ではわからないし。
僕が子供のころに、ディズニーチャンネルでバズを主役にしたアニメが放送されていたのですが、それで十分だったのでは? おもちゃのバズからは遠く離れてしまって、もはや誰の映画を観ているのか分からなくなってきます。
この映画は「ピクサー制作のSFアニメ」というよりも、バズが観たくて来てるお客さんが多いと思うんですよ。映画としては面白いところもありますが、ニーズには応えられていないのかなと。
SF展開で興味深い部分は、浦島効果の設定。バズはハイパードライブの実験を宇宙で行うのですが、バズにとっては4分でも、地上では4年の月日が流れています。実験は失敗し続け、結果的に60年以上の時間が経過し、世代も2つ交代となっていますが、バズにとっては半月ほどの感覚なんですよね。
さまざまなSF映画で使われ、若干使い古された感じもありますが、僕はタイムトラベルとともにこんな設定は大好きです。中盤までは「大して活かせてなくね?」とか思ったのですが、しっかり回収して、バズの成長につなげたのはポイント高い。
あと、元も子もないところをツッコむとすれば、「無限の彼方へ、さあ行くぞ」のセリフが薄っぺらく感じてしまいました。
この映画でのバズは大冒険をするわけでもなく、同じ星を行ったり来たりするだけ。しかも、最後には“無限の彼方”どころか、「この星にずっといていいんじゃね?ここが故郷じゃね?」ということに気がつきます。実際はもっとドラマチックですが。
僕としては『スター・ウォーズ』くらいの大冒険が観られると思ってましたから。これじゃアンディ少年もバズのおもちゃを欲しがらないよ。
おもちゃのバズとの矛盾点
一番指摘したいところは、おもちゃのバズと本作のバズの関係はどうなっているのかというところ。
設定をおさらいしておくと、この映画は『トイ・ストーリー』の世界でも公開されていて、バズは本作から生まれたおもちゃという設定です。アンディもこの映画を観て、バズに憧れ、「バズ・ライトイヤーだ!すげぇ!!」のシーンに繋がると。
ここまでは問題ないのですが、『トイ・ストーリー』1作目のバズは自分をスペースレンジャーだと思いこんでいました。ちょっと生意気な性格で、ウッディとも反発しっぱなしなおもちゃだったのですが、本作を観ていると、どうしても玩具バズに繋がりません。
果たして、彼の性格はどこから来たのか。1作目でも「ザーグの情報をつかんだのだ……」とのセリフがありますし、この映画のザーグの設定を考えると、本作のバズとは全くの別人に思えるんですよね。
「どっちのバズが本物?」
ラストのバズが玩具バズとリンクしているなら、そもそもウッディとの争いは発生しなさそうですしね。
さらにツッコんでいくと、『トイ・ストーリー2』本編でレックスがプレイしていたゲームとの齟齬も発生します。とあるSF映画をオマージュした「お前の父は私だ」のセリフの意味も、単なるネタになる始末。実際は年老いたバズ本人がザーグという設定だったし。
そんなわけで『トイ・ストーリー』ファンである僕からすれば、矛盾点が多すぎる。やるならちゃんとやってほしい。
最後に
それなりに楽しみにしていたのですが、ちょっと残念な結果に。
任務の成功か、失敗から生まれた仲間たちかって選択肢はかなり好きでしたが。
続編は……ありそうですよね。なくても大丈夫だけど、あんなラストを作ったら続編ないと気持ち悪いよ。
次のピクサー映画はちょうど1年後に公開の『エレメンタル』。『カールじいさん』の脚本家であるピーター・ソーンが監督を務めるようで、かなり期待しています!
以上。
この映画を踏まえて、ピクサーランキングを更新しました
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