
今回はNetflixで配信された『バブル』の感想です。
この映画には『デスノート』の小畑健、『まどマギ』の虚淵玄、『進撃の巨人』の荒木哲郎と、とんでもないクリエイターたちが集結しています!
内容はいったん置いても、集まったクリエイターたちだけで、2022年トップクラスの期待作であることは間違いないでしょう。
ただ、僕は『バブル』の予告を見て、「なんか既視感あるなぁ」とか思っちゃう、たちの悪いオタクでして。
アニメーションの美しさは確約されているけど、内容はどうなのよ?
そんな疑問を抱きながら、鑑賞して参りました!
バブル
あらすじ
世界に降り注いだ原因不明の泡によって重力が壊れ、ライフラインも断たれた東京。特別な才能を持つ少年が、ひとりの不思議な少女と運命的な出会いを果たす。
作品解説
本作の監督を務めているのは、『進撃の巨人(アニメシリーズ)』を手掛けた、荒木哲郎(敬称略)。脚本は『魔法少女まどかマギカ』の虚淵玄と、アニメ『アズールレーン』の大樹連司が担当しております。
そして、キャラクター原案には大場つぐみとのタッグで有名な小畑健が!さらにさらに、音楽には『プロメア』の澤野弘之が!
……といったぐあいに、超一流のクリエイターたちが集結した映画なんです。僕はアニメも映画も漫画も大好きなんで、名前を聞くだけで惹かれてしまう人たちが何人もいる。これは期待せずにはいられない!
実はノベライズは『響け!』シリーズの武田綾乃が手掛けていたりして、僕の本好きな部分も刺激されるという(笑)
そんなわけで、僕にとっては見逃すことができない映画でした。というわけで、以下感想です。
『バブル』評価
ストーリー | ★★☆☆☆ 2/5 |
キャラクター | ★★★☆☆ 3/5 |
演出 | ★★★☆☆ 3/5 |
アニメーション | ★★★★☆ 4/5 |
総合評価 ★ 5/10
「アニメーション以外は微妙だったな」
今回もキャラを立体的に機動させ、これをやらせたら右に出る人がいない、荒木哲郎監督らしい映画でした。
タイトルにもなっている泡の表現とか、キーワードになる“渦”の禍々しさとか、アニメーションはとても美しかった。
劇場公開されたら、それだけのために劇場に足を運ぶだろうし、スクリーンで観てこその部分があると思う。最初の鑑賞にNetflixを選んでしまったのは、若干失敗してしまったような……。
けれども、ストーリーや舞台設定は微妙すぎました。
詳しく書きますが、ストーリーというか、作品世界に入りこめず、全然気持ちが乗れなかったんですよね。
そこはとても残念なので、次はノベライズを読んでから、映画館に行きたいところ。
※以下は『バブル』の一部ネタバレを含みます
『バブル』感想
やっぱりアニメーションは凄かった
正直言って、「水没した大都市」はもう飽きました。
ちょっと前にも『レミニセンス』でやっているし、ゲームでも実写映画でも、こすられている設定です。「水没 都市 イラスト」で検索すれば、魅力的な世界観が書き込まれた作品が山ほど出てくるしね。
そんなわけで、新鮮味はゼロですが、僕としてはこの荒廃した世界観大好き。東京タワーが倒れかけて、バブルが浮遊していて、基本的には船移動で……。個人的にはもう少し草花が生い茂ってて欲しかったけど、目に飛び込んでくる画は美しいんで、それだけで満足。
その水没した都市を、何もつけてないのに立体機動するキャラクターたちが飛びまわるわけですから、楽しくないわけがありません。
パルクールはルールを知らない僕でも、ついつい見てしまう中毒性がある競技です。
アニメでは明らかに人間業じゃない動きしてるけど、荒木監督らしい立体的な動きで、余計なことが考えられなくなるんだよね。
「見る分には疾走感のあるアニメだったね」
アクション面以外にも、キャラクターの顔がアップになり、一枚絵になったときの美しさときたら……!
特にヒロインのうた。全然話さないし、「そもそもお前なんだったんだよ!」とツッコみたくなるキャラだけど、ビジュアルだけはよかったなぁ。
『ヒカルの碁』に『デスノート』と、小学生のころから小畑先生の絵に慣れ親しんでいるし、脳の奥底に刻まれているんでしょうね。中学生の頃は亜豆美保めっちゃ好きだったから、余計に刻まれたんだと思う。
ストーリーが残念すぎた
冒頭にも書いた通り、最後まで話に乗ることができず、キャラたちは疾走しているのに僕の気持ちは停滞し続けた映画でした。
まず世界観を説明するのが遅すぎる。序盤はパルクールのシーンからはじまるのですが、なぜか不自然に競技のルール説明がスタート。「そうか、パルクールのルールが重要なんだな」と思ったら、試合のシーンは2回くらいしかない。
そもそもなぜ東京が水没したのか、なぜ若者たちしかいないのか、といった重要な説明がもうちょっと後にあるんですよ。パルクールの解説よりも、先に世界観を解説してほしかった。
「スタートダッシュでうまく走りだせなかったね」
本作のパルクールを見て、最初に頭に浮かんだのがアフガニスタンの子供たちでした。戦争で荒廃した街で、パルクールに興じる少年たちの特集を見たor読んだことがあって、おそらく本作の設定もそこから着想を得たのだと思います。
「崩壊寸前の街で若者たちがパルクール」
なんとも画になりそうな設定ですが、なぜヒビキたちがパルクールを選んだのかが、イマイチ深掘りされないんです。
アフガニスタンの少年たちは、パルクールに“自由”や“障害を乗り越える力”を見出しているようですが、劇中の少年らがそこまで深く考えていると思えなくて。
いくら崩壊した東京や、両親のいない子供たちを登場させても、どこか薄っぺらいんですよね。
彼らのような少年たちが実際にいて、パルクールに情熱を注いでいる現実があるのに、なぜこの映画には心を動かされないのか。
やっぱり、個々の少年たちのドラマが足りない。「個人競技だ」的なセリフがありましたが、映画自体もヒビキの個人競技になっていて、ヒロインすら深く語られないという。
あとは、ヒロインのうた以外の女性キャラクターが活躍しないのも残念過ぎる。
マコトさんも今どきのディズニーでは見られなくなった、助けを待つ女性になっていたし。マコトさんは試合の時も、終盤のシーンも、もっと活躍させてほしかったです。
終盤も敵チームが謎に協力的になったり、例のあの人が何故かヒビキたち以上に活躍したり、北斗無双の赤保留並みの「熱そうに見えて全然熱くない展開」が続きます。
アニメーションがよかっただけに、なんだかなぁ……。
最後に
これはもうノベライズ読むしかないですね!
武田綾乃さんが書いていますし、映画の内容がどうであれ、読むつもりではいたのですが。
実はジャンプ+で漫画版も連載されていて。「どんだけメディア展開するんだ!」って感じですが、これだけのスタッフが集まったら当然か。
とりあえずノベライズを読んで、もう一度映画館で鑑賞してみることにしますわ。
以上。
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